花粉症で気になること
花粉症の患者さんを見ていてとても気になることがある。
ひとつは去年出なかったから治ったのだと思っていた、と発言する人が大変に多いことだ。私達は仕事で花粉症を扱うので、昨年は記録的に花粉飛散量が少なかったことを知っている。しかし患者さんは当然そんなことは知らないわけだ。
花粉症は病気ではない、という向きもあるが、重症の患者さんを診るにつけ、やはりこれは病気と認識せざるを得ない。病気であるという認識が広がればもう少し花粉の量に気を配るようにみんながなっていくのではないだろうか?
もうひとつは患者さんが花粉症はすぐに治せるはずである、と思っていることである。確かに鼻水やくしゃみは日常のものであるので、それを止めることは簡単であると考えられてもしかたがないが、それなりに用意周到に年初から対処しておくことが重要である。幸い今年は減感作療法を5-6月から始めたい、という患者さんが4-5人いらっしゃる。これは良い傾向であると思う。
簡単に治したいがためにステロイドホルモンを注射したり、レーザーで鼻を焼いたりという治療に安易に走るのはどうかと思っている。どちらも劇的によくなる治療ではあるのだが、どういう治療なのかよく考えてから受けるようにしていただきたい(私はどちらもやりません)。何でも一度は受け入れてしまうというのが日本人の悪いところであると思う。
そんな花粉症もだんだん終わりが近づいてきていて、ちょっとホッとする。
2005年04月05日