花粉症初期療法について
花粉症の患者さんがクリニックを賑わせ始めました。
先日、ある研究会で面白い話が聞けました。
花粉症治療の満足度は、初期療法の患者さんでも、症状がでてから投薬した患者さんでも変わらなかったのです。
びっくりしましたが、症状がでてから行う投薬は強いものになるので、症状を抑えることに関してはあまり初期療法のときとは大差ないのだ、という考察でした。
まあ弱い薬で満足度が高い、初期療法の意義は確かにありますけれど、ね。
(続く)
花粉症の初期療法の危うさ、というと厳しすぎますでしょうか(笑)。
別に現代医学に挑戦を挑むつもりはありません。しかし冷静に考えてみて、
「どうするつもりなのかなあ」・・・と思うこともあるのです。
患者さんによると、どこの医院でも初期療法を勧められるらしく、中には「何でもっと早く来ないのか!」と怒られたり、丁寧なクリニックはDMで「初期療法の季節ですよ~」と教えてくれたりするそうです。ふーん。。。
うちのクリニックでは・・・何もしません(笑)。
患者さんにも考えや都合があると思いますから、特に強く初期療法を勧めるようなことはしません。かといって否定もしません。選択した薬の内容から「もう飲んだ方が良いですよ」と言ってあげることはあります。
確かに、早くから薬を飲んだ方が症状を十分に抑えられます。だからそれはそれで良いのです。
ただ2つの問題点を私は感じています。何だと思います?
一つ目は、薬により鼻内が乾燥して、鼻内の過敏性が増すのではないか?つまり花粉に対しても敏感さがかえって増してしまうのではないか?という恐れを感じていることです。
本当に花粉症自体が悪くなることはないのかなあ・・・?今のところ初期療法で、花粉症が悪化したというデータはありませんけれどね。やや心配。
二つ目。これは最近気がついたことです。自転車通勤をするようになったとか、ヨーガをするようになって体質が変わったとおっしゃる患者さんも少なからずいます。その方たちはいつ初期療法を止めるのでしょう?
花粉に反応しない体質が変わったかどうかは、薬を飲まないことでしか判断できないのではないでしょうか?花粉症の症状が軽くても、初期療法をきちっとやっている方の場合、初期療法が良かったのか、自転車やヨーガが良かったのか、初期療法を止めてみない限り分からないはずです。
そういう理由で私は初期療法については、希望者のみやっていただいています。誰にも勧めていませんが、初期療法の希望者は少なくないですね。
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2009年02月08日