【栄養療法】カルシウムについて3
先週はカルシウムイオン濃度のコントロールとか、カルシウムパラドックスなど、難しい内容でしたね。
今日はカルシウムの関連する病気、そしてカルシウム摂取に有効な食材をご紹介していきたいと思います。
カルシウムで思い起こされるのは骨そしょう症だと思います。カルシウ摂取不足はもちろんですが、運動不足による骨負荷の減少、日光暴露時間減少によるビタミンD活性化不足、ストレスや喫煙やアルコールも原因になるようですね。
高血圧にカルシウム摂取が良いということはご存知でしょうか?
カルシウムとマグネシウムを十分に摂取すると、副甲状腺ホルモンの値が下がり、カルシウムイオンが細胞内に入りにくくなります。血管平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度が下がり、血管の収縮が抑えられ、血圧が下がります。ナトリウムイオンがカルシウムイオンの代わりに尿中に排泄されるので、これも血圧が下がる要因になります。
以前に書きましたが、糖尿病の患者さんはカルシウムが尿中にどんどん排泄されてしまいますので、カルシウムの摂取は重要です。糖尿病食になると、さらにカルシウム摂取が減少する可能性がありますので注意が必要です。
リウマチ患者さんは、骨病変により副甲状腺ホルモンが過剰になっている可能性があり、骨吸収(骨が溶けだす)が亢進する可能性があり、カルシウム摂取は不可欠と言えます。
癌性疼痛も同様かもしれませんね。骨に転移があり痛みが出る場合などは、カルシウム投与が有効であると考える人もあるようです。
カルシウム摂取に重要な野菜はキャベツ、人参、セロリ、鞘いんげん、わさび、玉ねぎ、パセリ、ホウレンソウ。果物はラズベリー、キウイ、イチジク。その他にアーモンド、豆腐、ごま、海藻、干しエビ、煮干し。
同時にヒジキ、ナッツ類、大豆などからマグネシウムを摂取しましょう。
2010年03月28日