【栄養療法】ビタミンAについて2

 先週はビタミンAの摂取は危険ではないこと、特にレチノールを摂取していれば、レチナールとの間で酸化還元反応が生じたり、貯蔵型のレチニルエステルになることで、過剰症はかなり生じにくいであろうことをお話しました。

 さて、今週はビタミンAの作用と欠乏症状についてお話します。

 ■上皮と粘膜の維持、生殖機能の維持

 ビタミンAは遺伝子に深く関わり、細胞増殖や分化に大きく関与しています。特に上皮の形態維持をつかさどるので、ビタミンAが不足すると正常の角化が起こらず、アトピーやにきび、イボやウオノメができやすくなります。

 ビタミンAの不足により粘膜上皮の機能が低下すると、眼球乾燥症、感染防御力の低下(つまり風邪をひきやすくなる)、腸の吸収能力の低下、生殖機能(精子や胎盤の形成)の低下などが生じてきます。

 ちなみに精子の形成には、先日お話した亜鉛とビタミンAが必要なのであり、気道防御に重要な気道粘液形成のためには、ビタミンAとグルタミンが重要です。花粉症対策でもビタミンAは活躍しそうです。

 ■視覚作用

 ビタミンAはロドプシンという網膜の暗順応(暗い所で光に敏感になる働き)に重要な物質の材料になります。ビタミンAが少ないと暗順応低下により生じる夜盲症や眼精疲労を生じます。

 参考までに、視力に関して重要な他の物質としては、ロドプシンの材料になるたんぱく質、ビタミンAの血中濃度を上げる亜鉛、ロドプシンを再合成するアントシアサイド(ビルベリーに多く含まれる)が挙げられます。

 後進国のビタミンA不足は深刻なだそうで、眼球乾燥症と妊娠夜盲症が問題なのだそうです。

 来週も続きます。

2010年04月11日