被災地のエコノミークラス症候群について
被災地の避難所では、狭いところに動かずにいる人たちの間で、エコノミークラス症候群の人が増えていると聞きます。
じっとしているので血液循環が悪くなり、しかも被災地の場合には水の供給が十分でないために脱水傾向になり、血液粘度が上がるために血液が固まりやすくなります。足に血栓ができるのが深部静脈血栓症です。
この血栓が血液の流れに乗っていくと、心臓までは静脈が広がっていきますが、肺に入ると血管が細くなりそこで血栓が詰まってしまいます。これが急性肺動脈血栓塞栓症であり、エコノミークラス症候群と呼ばれるものです。
一般にいう肺塞栓という病気になるわけです。
ところが、覚えておかなければならないことがあります。肺塞栓は医師がとても診断に苦慮する病気なのです。
昨日は地区医師会の年度末会合だったのですが、そこでも「肺塞栓は診断が難しい」ということが話題になっていました。
私は基本が耳鼻科医なので詳細は分かりませんが、心電図異常には決まった形がないようですし、足の血栓の発見には超音波検査が重要なようですが、肺に血栓が飛ぶかどうかを判断することはできません。しかも命に関わる急を要する病気です。
脱水を防ぐことと、軽い運動でもやるようにすることで防ぐことができますので、被災地の方たちには十分な水が早期に供給されることと、避難場所の生活環境改善とともに、早く寒さが緩んで体を動かしやすい状況になるように祈っています。
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2011年03月27日