コレステロールは下げた方が良いの?6
先々週まで食餌性脂肪の一連の流れをお話し、先週は腸肝循環についてお話しました。
食餌から吸収された中性脂肪はカイロミクロンという形態になりますが、これが分解されると、その残りかすとして、カイロミクロンレムナントという物質が出来上がります。
このカイロミクロンレムナントが血液中に長時間滞在することは動脈硬化の危険因子とされています。糖尿病の人はカイロミクロンレムナントの肝臓への結合が弱いことが指摘されています。つまり糖尿病だと動脈硬化が進みやすいのです。
しかも肥満などで、インスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが弱くなっている人の場合、カイロミクロンが増加するため、カイロミクロンレムナントの代謝も遅れる可能性があり、この場合も動脈硬化を注意しなくてはなりません。
以上の如く、食後に中性脂肪が急激に増加する人、糖尿病の人が動脈硬化になりやすいことが注目されています。
では、カイロミクロンとそのレムナントを減らすための手段がないのでしょうか?
EPAという魚油に含まれる成分があります。サプリメントでもだんだん有名になってきた成分です。このEPAは肝臓での中性脂肪合成を抑制するのと同時に、中性脂肪を分解する酵素の働きを高めるため、中性脂肪が減少するのです。
EPA摂取により中性脂肪が減少すれば、カイロミクロンやカイロミクロンレムナントは減少し、動脈硬化は抑えられると考えられます。
ちょっと難しいなあ。。。
来週に続きます。
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2011年10月16日