めまい、難聴の患者さんが増加!
秋雨前線が日本列島に横たわり、南から湿った空気が流れ込んで来ています。日本全国のことのようですね。
朝のテレビの湿度計を見ると、雨も降っていないのに93%などという値になっていました。大変っっ!
こんな天気が続くとめまい、難聴の患者さんが増えてしまうなあ、と思っていたら、案の定、週末はめまい、耳鳴り、難聴外来になっておりました。
その前までは、夜に急に冷えたから風邪をひいたのですよー、とばかり言っていたのですが、本当に気候によって左右されています。
水の代謝が悪くなるということは、体にいろんなゆがみが生じてきます。恐らく整形外科では膝の痛みを訴える患者さんが多くなっていることでしょう。内科にはむくみや頭痛の患者さんが増えるのではないでしょうか?
さっき患者さんに説明したのですが、体の中で水を循環させるにはエネルギーが必要です。ですので、老化、あるいは胃腸が悪いとき、過労など、エネルギー不足が生じやすい状況になると水のトラブルが増えやすくなります。
また水の循環を妨げるものもあります。代表的なものはストレスです。これは現代社会ではいろんな症状に少なからず絡んでいるのではないでしょうか。
湿った気候+過労+ストレスというように諸条件が揃ってしまったときには特に注意が必要ですよ。
仕事など、どうしても逃れられない状況の方たちは、とにかく睡眠時間を確保するようにしてください。意識することで睡眠時間は確保できるものです。日本人はみな夜更かしですから気をつけないといけません。
でも読書の秋だからなー・・。
2006年09月09日
病気に対する考え方
この1週間は本当に病気に対する見方について本当に考えさせられました。
というのは、
「この病気は治りません」「これは気のせいです」「慣れてください」「歳のせいですね」という医療が幅を利かせているのですがー・・。
私に言わせれば「治すことはできませんけれど、こういう対応の方法はどうでしょうか」とか、「こういう風にすると症状が和らぐかもしれません」という対応も医師がすべきだと思うのです。
それに現代医学ではなかなか治らない症状や病気にこそ、神秘的な面白い部分がたくさんあるものです。
数日前も私の友人の医師と新宿で飲みながら話をしましたが、そういう面白さを理解している医師はほとんどいないとぼやきつつ、お互いに「そうだよなー」と妙に話が合って楽しく酔っ払いました。
これまた8月27日日経新聞ですが(日経日曜版はかなり面白いです)、『医師の目』というコラムに「がん治療においても最後までケアも駆使しながらやるべきことをやれば、患者さんも安らかな最期を迎えられる」とありました。
これはすべての治療において必要な観点だと思います。西洋医学で治せないときに、今までなら「治りません」で済ませていたのですが、治らない事実を客観的に捉え、「良くなる」ことをいろいろ考えていくことが大切だと思うのです。
現実に目を背けず、医師ももちろん患者さんも事実をありのままに受け止め、自分にも周りにも優しく対応する、これがロハスな姿勢ということになりましょう。
2006年09月02日
あなたはアレルギー?夏風邪?
夏になると必ず診断に困ることがあります。
水みたいな鼻水がやたらと出て私のクリニックにいらっしゃる患者さんがい
ます。最近はみんな自分がアレルギーだと思っていて、「アレルギーの薬を
下さい」なんて言う人もいます。
でも、この季節に何のアレルギーですか??
イネ科の雑草の花粉は確かに飛んでいます。
でもほかの季節に症状がでないのに、8月だけ症状が出るなんてことはない
とは言えないまでも、あまり多いことではないです。
イネ科花粉症
2日前から出ていた鼻水が、雨でもないのに収まってきているということは
ないでしょうか?もしかして鼻水が粘っているかもしれませんね。
そういう場合には風邪を考えましょう。
寝苦しい日々が続きますが、クーラーをつけたままということはないでしょ
うか?そういう場合に風邪の鼻水は起こりがちです。熱がなくても、喉が痛
くなくても、風邪という選択肢は残しておきましょう。
風邪はだんだん喉が渇いてきます。そこにアレルギーの薬なんて飲んだら最
悪!さらに喉が渇いて苦しくなります。
脈を診ることができるとなお診断精度が増しますよ。
参考までに、風邪と脈の関係についてです。
話はこれで終わっても良いのですが、実はまだもうひとつあります。
夏の暑さで体力を消耗してしまい、体力不足で鼻水が出る(というよりも、
出て行ってしまうという感じです)ことがあります。これは私の私見です。
でも東洋医学的には論理性があります。
営業や建築現場など、外の仕事の方はご注意を!休めば元にもどります。
2006年08月26日
IgE阻害薬
来年もスギ花粉がそれなりに飛散するようです。
耳鼻科は混雑して飛散により悲惨な状況になるわけで、2月3月は本当に心配です。
花粉症の症状が何とかならないか、という方が多いと思いますが、ドイツでアレルギー性喘息にIgE阻害薬が使用され始めたという記事がメディカルトリビューン誌に掲載されました。
対象は喘息ですが、アレルギーの即時反応を抑える作用を持つ薬剤です。副作用等の情報は今のところありませんが、今後アレルギー性鼻炎でも使用されるようになって来るかもしれません。
個人的にはアレルギーを抑えるような生活習慣を打ち出したいところですが、多くの人が生活習慣を変化させるだけの余裕が生活の中にないので、こういう薬剤の登場も仕方のないことかもしれませんね。
2005年12月11日
インフルエンザ
東京の郊外でインフルエンザが確認されているようです。
当方は京王線、小田急線と東京西部からの人の流れが多いので要注意かな、と思っています。
2005年11月22日
鼻出血
日曜日から秋晴れの良い天気が続きますが、こういうときに困ることが2つあります。
ひとつは空気の乾燥です。これは鼻血の患者さんが急に多くなることで分かります。乾燥は粘膜病変の天敵です。乾かないようにと言ってもなかなか難しく、休みを十分にとることと、ストレスを避けるように指導するしかないです。
二つ目は放射冷却で朝の気温が下がることです。2日続けて東京の最低気温が15度でした。私は寝ていると布団がどこかに行ってしまうタイプなので、パジャマの上にフリースを着ています。もう毛布が手放せない季節になりました。
2005年10月25日
気管支炎
気管支炎の患者さんが「気管支炎になりやすくなったのは歳ですかねえ」と私に聞いた。
この問いに対して私は答えを持っていなかったため、自分の経験談を語りつつ自分の考えをまとめようとした。
「私も5年前くらいからなりやすくなった・・・」そう言いながら、ということは大体この患者さんの年齢ってことか、と思っていた。
『やはり30歳を過ぎてくるとなりやすくなるのかな?でも何で??』とは思うのだけれど、簡単に年齢で片付けるのは私の本意ではない。
やはり東洋医学の出番か。皮膚から口腔、気管、肺は東洋医学的には同様のモノ「肺」と称される。私は皮膚がカサカサしてくるのも、気管が傷んでくるのも同じ頃だと思っている。
昔、風邪にとても用心深くなって、梅雨時に結構厚着をしていて結局気管支炎を起こしてしまったという経験がある。恐らく気管が熱してしまい、水分が蒸散してしまったために生じたことだと考えている。
でも実は「肺」が水を保持する能力がなくなってきているのか、あるいは水が循環しなくなってくるのかで「肺」から水分が奪われてしまうのが恐らく病気の本体なのではないだろうか?
だとすると、これが年齢によるものかと言われるとそうかもしれないし、運動不足のためとも言えるかもしれない。乾燥した気候も関係があるかもしれないが、これは前述の自己の経験から気候は補助的要因ではないかと思っている。
夜中になってようやく考えがまとまった。
2005年09月28日
めまい
どうも台風のせいか、めまいの患者さんが激増しています。
気圧のせいだと言う人もいますが、東洋医学的には湿度のせいだろうと思っています。
ここのところムシムシします。暑くはなくなったけれど、その分湿度が高くなってなんだかいつまでも暮らしにくい気候です。
気象庁 | 昨日までのデータ(統計値)によると
平均現地気圧 平均海面気圧 平均気温 最高気温 最低気温 平均相対湿度 最小相対湿度
1日1012.0 1016.2 27.3 31.3 23.3 62 42
2日1010.7 1014.8 28.3 32.4 24.2 59 36
3日1009.2 1013.4 28.2 32.1 25.3 64 44
4日1009.7 1013.9 26.7 30.8 22.6 73 55
5日1011.0 1015.2 23.8 25.4 22.3 84 78
6日1010.1 1014.3 24.6 27.6 22.0 84 76
やはり現地気圧は変化がなく、気温が下がったのと、湿度が上がったことが要因だと思います。以前から最小相対湿度が高くなったときに発症しているように感じています。
ただ、めまいの場合には明らかにストレスが要因になっている人と、今回のように気象に関連して起こっている人の2通りを考えなくてはなりません。ただ、東洋医学的にはどちらも水毒であり、同じことです。
ストレス性の場合にはストレスを除くことが一番効果的です。一方、気象に関連がより強い人は、水をめぐらせる処方が有用だと感じています。
2005年09月08日
陣内の覚書
以前から扁桃腺炎の患者さんが集中してきたり、ぱったり来なくなったりすることが不思議でした。今回も8月20日頃から扁桃腺にまつわる患者さんが増えています。
ウイルス性と思われる患者さんは風邪の季節に来ることは分かっています。問題は重症になりやすい細菌性の患者さんなのです。
ずっと分からなかったのだが、今回は気温が急に下がったあとなので・・・もしかして・・と思っている。
以前から3-5月に多い印象を持っていたが、気温が下がった日(実際に来院されるのはその2-3日後ですが)に注目していきたいと思っています。
関係ないですが、重傷の扁桃腺炎の患者さんに点滴をしようとしたら、抗生物質の期限が揃って切れたばかりでした。患者さんには大変申し訳ないことをしました。情けないです。
2005年08月27日
配置転換
4月、7月。配置転換のシーズンなのだろうか。出入りのメーカーの人たちも何人が配置転換になったかな。
新しい土地で新たな地盤を作るのに苦労も多いし時間もかかるだろう。有能な人がいなくなったところでは売上が下がり、その移動した人も新しい土地では苦戦する、ということも結構あるのではなかろうか?
成績の悪い人同士を交換するのなら分かるけれど、そういうことでもないらしい。むしろ「てこ入れ」なんて話をよく聞く。でもどんな環境でも力を発揮できるような人ってそうはいないと思う。
配置転換のストレスも相当なものらしく、それで耳鳴りがしたりめまいがしたりということも結構あるように感じる。体調が悪くなる人がこんなに多いのをみると、配置転換は必要なんだろうけれど、行われすぎなのではないか?と考えたくなる。
適切な場所を与えられ、苦労して良い地盤を築いて、これから頑張ろう!という人、あるいは頑張っている人を動かすなんて、時間を無駄にし、健康を害するだけという感じがするが、余計なお世話か?
2005年08月03日