何歳から耳掻きをするのか?

子供たちが何歳から耳掻きを始めるのか?
いつからやらせるのが良いのか?

自分でもいつからやったのか記憶にないし、いつから始めたら良いのですか?という患者さんからの問いに明確な回答を持っていない。

そういうことをあまり厳しく言わないと、どうも9から10歳くらいから自分で始めるようだ。

それが遅すぎるということはないと思うが、ではこれは早すぎるのか?

やはり最初は親の管理下にやってもらいたい。小さい子供は程度を知らない。だからすぐに傷つけてしまう可能性が高いように感じる。

昨今はストレスのためか、早い時期から耳掻きをしたがる傾向があるように感じるが、小学校高学年から親の管理下に始めるのが穏当ではないだろうか?

2005年07月26日

耳鳴

耳鼻科医の誰もが耳鳴治療は得意ではないと思う。たぶん。

イマイチ病気の実態がわかっていないからだ。つい数年前まで「ジー」よりも「ピー」の方が多いとか、そういうレベルの研究がなされていた(ちょっと言い過ぎたかな?)。

さて、先日来られた耳鳴の患者さん。慢性中耳炎もあるし、難聴も軽度ではない。ちょっとどうしよう、薬では通常では治らないかなー、と思った。

診察が暇だと捨て身の作戦を出すこともある。

今回は特別に綺麗に耳の中を掃除してみた。ちょっと通常では考えられないような徹底的な清掃である。針を使って全部の耳垢を鼓膜の上からもはずしていく。そして全部終わったらナント耳鳴が取れてしまった!

実は前回も耳鳴で来院したとき、同じようにしたらやっぱり症状が取れていた。えええーっ、今回も取れたよー、ホントかよー、と驚き+++。耳鼻科医の常識では説明できないことが起こるのだなー、と実感。捨て身の作戦も今では自分の大切な手段の一つになった。

こんな感じで患者さんに医師は鍛えられていくのです。患者さんには本当に感謝していますです。はい。

2005年07月23日

風邪の診察プロセス~その1

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その1といっても今回限りかもしれません。

さて、アレルギー性鼻炎の人が風邪をひいて来院されたとしましょう。

「鼻水がだらだら出てしまうんですよ」と患者さんが来られる。
『アレルギーでしょうかね。大変ですね』と私。鼻を見る。
「やっぱりアレルギーですか?」と患者さん。
『そうでしょうね』と私。
「今日からちょっとのどがひりひりするんです」と患者さん。
『えええっ?ちょっと待って下さいよ、のどを見せて下さい』と私。
のどを見ると少し赤い。
『もしかして鼻水は今日はかなり収まっていますか?』と私。
「そう言えば今日はあまりでないねえ」と患者さん。
『のどは渇きますか?』と私。
「渇く渇く」と患者さん。
『脈を診せてください』と私。
「耳鼻科で脈ですか?」と患者さん。
『やっぱり風邪で、5日前くらいからかなあ』と私。
「そう言えばそのころ少しだるかった」と患者さん。
『痰と咳は出ていますか?』と私。
「いいえ、のどが少し痛いくらいです」と患者さん。
『じゃあ普通の風邪のみってことですね』と私。

これくらい話をしないと、アレルギーなのか風邪なのか、区別がつきません。
手間もかかるし難しいけれど面白いですよ。

2005年07月20日

気管支炎

7月6日には気管支炎の人が多いと感じ、それをブログに書いた。7月11日の自分の記録に「気管支炎が減ってきたようだ」と書いてあり、その後、患者さんが途絶えていると感じていた。

ところが本日、5人くらいの急性気管支炎の患者さんが現れてびっくりした。いったい何が起こったのか?

気象データをにらんでいたらちょっと気がついたことがある。

以前から湿度が高いときに気管支炎になりやすいと思っていたが、7月にはいってからは湿度はいつも高い状態だった。ところが最低気温が2日から10日は18.7~21.1度と少し低め。その前後は大体23度以上であった。

高温多湿であることが気管支炎の原因か。気管から熱が逃げにくい状態が高温多湿によって作られて、気管支炎が発症するのだろう。

2005年07月15日

病気の傾向

ここのところ雨模様の日が続いているせいか、めまい、難聴の患者さんが増えてきました。

と思っていたら、7月1日ごろに気温の変化が激しくなったためか(特に夜寒くなったせいかな?)、そのあたりから調子を落としている方が大変に多くなっているのに気づきました。

でも夏の定番、ヘルパンギナが近隣の保育園で大流行しているようで、夏も一歩一歩近づいているという印象です(ヘルパンギナ;子どものウイルス性口内炎で夏に流行することが多い)。

やっぱり気管支炎の方が多いです。絶対に湿気が多くなる時期に罹患する人が多いと思うのだがどうでしょう?ある程度水分が蒸発していくことが健康な気管を維持するために必要なのかしら?と思います。つまり、水が飛ばないから熱がこもるという仮説なのですが、、、、。

2005年07月06日

耳の痒み

今日(昨日だ!)、医師で尊敬する大先輩と話をしたときに面白い話が出てきた。

「子ども達が耳を痒がるのは、多分睡眠不足のせいだぞ」

これには私も賛成である。東洋医学的には睡眠不足は気の上衝を呼び込んで首から上に熱感をもたらすのだと思っている。最近は東洋医学を学んでいるので、こういう発言に素直に賛成できる。

どうしてこの先輩先生は東洋医学を学んでいないのに、こういうことに気づくのだろうか?睡眠不足に原因を求めるなんて、東洋医学的な考え方だと思う。

大人で同じような現象が生じるのも同じ理由であろう。大人はストレスかな?

2005年06月26日

気管支炎 耳鳴 めまい

今日の診察では2つの減少が気になった。先週末から体調を崩して風邪を引いたという人が多いこと、もうひとつは耳鳴、めまいの患者さんが激増したことである。みんな揃いも揃って先週末から具合が悪いのであるが、9日に少し暑く、10日になりやや涼しく、しかし最低気温と湿度が高くて寝苦しかったので体調を崩してしまったのだろうか。

以前から疑問に感じていたが、気管支炎が梅雨時に多いのである。今日も何人か来ていた。どうも湿度お高い日が好発日として怪しいのであるが、確信がもてるところまでいたっていない。自分としては湿度が高いために、熱が気管から逃げずに気管支炎が発症するのだと思っている。気管は定常状態でも呼気により結構熱を逃がしていて正常の状態を保っているのではないだろうか?私はよく梅雨時に厚着をして風邪を引かないようにと試していたことがある。このときにも気管支炎になったので上述のように考えるようになった次第である。

湿度が高くなると始まる病気として定番なのは耳鳴、めまいである。これらは水の調節不良と感じるときには、朝に症状が出やすい。従って寝ている間の気候が水の動きを妨害するときに発症してくるのであろう。

以前に気圧が発症に関連するのだ、と言っている先生方も多いのだが、これは誤りであると思う。気圧として公表されているのは相対気圧である。その場所が海抜0メートルであると仮定したときの気圧である。しかし肉体に影響を及ぼすのは測定値そのもの、すなわち絶対気圧である。気圧が低くて生じる病気があるのであれば、高地に住んでいる人たちのほうが発症率が高くないとおかしいことになる。しかしそういうデータは存在しない。やはり湿度と気温で説明した方が説得力があると思う。

2005年06月13日

大気汚染?

東京と空気のよいところを行き来する人が「東京に来た時だけ調子が悪くなる」と言う。みな副鼻腔炎が治り難い人たちである。そういう人たちの一部は大気汚染が影響しているのだろうかー?

2005年06月01日

風邪百題

風邪に関してはいろんなコメントができる。日々患者さんから感じるあれこれは本当に自分の身になるところだ。

今まで、「薬を飲んでも風邪がずーっと続いてしまっています」と言われると、「そうかー、何でかなー」ということで、所見の取り直し。薬の出しなおし、というのが一般的パターンであった。

しかしある時、「これは一度治ってから、再度ひいた風邪だ」ということが分かるようになってから、「何でこういうことが起こってしまったのか?」というところに思いが巡るようになってきた。

最近では、予想外の朝の冷え込みに対応し切れずに鼻水が続いてしまうということがよくあるようだ。続けて風邪をひくパターンも少なくない。

汗をかいているかどうかも大切な病歴になる。特に子供では主観的な症状の把握が難しい場合が多いので、客観的事実として大切な情報である。

ストーリーをよく聞かないと、汗をかいて冷えて風邪をひいたのか、風邪をひいたので放熱のために汗をかいているのか、判断を誤ることになる。冷えたのであればより鼻に傾斜した薬を出さなければいけないし、風邪の汗ということであれば、通常の風邪の対応で十分な場合が多い。

時間経過で風邪を診るということが巷では軽視されているが、風邪の診断ではもっとも重要な観点ではないかと思っている。風邪であれば百題くらいは書けるのではなかろうかと思い、「風邪百題」としてみた。

2005年05月24日

中耳炎に思うこと

「子供の中耳炎には2通りあります」というと、耳鼻科医は全員「急性」「滲出性」を挙げるに違いありません。私も診断名としてはそのような名称を用います。しかし原因が明確に分かれない2つの病名を使い分けるのはなかなか大変なことです。

私はちょっと見方が違います。粘性鼻汁から生じる中耳炎とウイルス性感冒から直接生じる中耳炎とを分けることが大切だと思うのです。粘性鼻汁は元は感冒かもしれませんし、体が冷えて生じたものかもしれません。しかし結果として副鼻腔炎が生じていることが多いために抗生物質が活躍します。

ウイルス性感冒はのどと鼻を確認しないと診断がつきません。(続く)

2005年05月16日