暑い夏ですけれど、冷たいものは控えましょう

 ストレスを抱えている人が多く来院するので、発散性のある漢方薬を選択しようと考えることが多いです。

 発散というと、桂枝(シナモン)、蘇葉(しそ)が代表的だと思いますが、理由は不明ながら、桂枝の入った漢方薬が体に合いやすい季節のようです。

 特に最近使い始めたのが桂枝人参湯です。発散とともに、お腹を人参で温める、つまり体表の発散にも、内臓の温めにも効果がでる(温裏作用といいます)という処方です。

 よく考えてみて下さい。

 この処方がこの夏に出るという意味は何でしょう?

 この桂枝人参湯の中に入っている人参が胃腸の働きを補うのです。食卓にある西洋人参とは違いますよ!

 連日の暑さで冷たいものを口にする人が多くなっているのだと思います。いつもは黙々と食べたものを処理してくれる胃腸も、冷たいものがどんどん入ってくるので少しお疲れ気味なのでしょう。

 こういう背景があり、桂枝人参湯を処方することが多くなっているのでしょう。

 暑い夏ではありますが、できるだけ冷たいものは口にせず、胃腸を守ってあげましょう。

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2012年08月12日

双子は副鼻腔炎になりやすい?

特に双子のお子さんをたくさん診察しているのではないかもしれませんが、何となく、双子のお子さんたちは耳鼻科にいらっしゃることが多いように感じるのです。

 あまり真剣に考えたことはありませんでしたが、副鼻腔炎が全然治らないある患者さんを診て、もしかして・・と思ったのです。

 双子は結構ストレスが多いのではないかと予想します。10歳くらいまでは、欲しいものも半分と言われ、もしかすると優劣を何かと比較される、ということがあるのかな?と想像します。

 ストレスと副鼻腔炎の関係はあまり言われていませんが、東洋医学的に考えると大いに関連があります。

 ストレスは気逆と言って、気、つまりエネルギーが上へ上へと流れます。エネルギーは温かいものですから、通常上に向かって流れやすいのですが、どんどん流れていってしまう状態は病的です。

 お子さんは気をたくさん持っていますし、気が上に登らないように抑える力が不安定ですので、気がただでさえ上に登りやすいのです。それに増してストレスがかかるのであれば尚更です。

 双子のお子さんを見かける機会が多いのは、もしかして副鼻腔炎を繰り返す、または長引くということがあるためなのかな?と感じました。

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2012年08月05日

5タイプに分ける診察で精度を上がったかな?

 最近、診察の内容を変えたという話をどこかに書きました。

 やはり、体の根本の体質が結構影響してしまうので、体質をざっくり5つに分類してそれのどれに当てはまるのかをみながら治療を組みたてています。

 先日、風邪の患者さんがいらっしゃいました。咳をしています。結構続いているそうです。そこでいつものように診察をして、風邪の後半で喉の渇きが出る前の状態と判断して、それに合うように漢方薬を処方しました。

 通常ならおしまい。治ります。

 でも、その患者さんは治りませんでした。・・・あれ??おかしい?

 いつも風邪の診察をするときには、寒熱の状態(寒いのか暑いのか)、燥湿の状態(乾いているか、湿っているか)を診ています。大体はそれで治療はできるのです。

 でも時々、血の足りない人、あるいは血の滞っている人がいて、それが治療の妨げになることがあるようなのです。治りが悪い、と感じられるときには血の状態に注目するようにしています。

 その患者さんの場合、確かに初回の診察のときに、どこかしっくりこない感じがありました。でもいつも通りの内容で診察を終えました。

 案の定、その患者さんは咳が止まらないと再度診察にみえました。血の状態を確認したところ、お血(血の滞り)が強くあるために咳が止まりにくいこと、またストレスによる気滞(気の滞り)も同時にあることが分かりました。

 そこで、お血と気滞を治療する処方をしてみました。初見よりもはるかにしっくりくる処方でしたので、治っていくことでしょう。

 5タイプに分けて治療薬を選択するようになり、先入観が入らずに上手く処方薬を選べるようになりました。

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2012年07月29日

日本における抗がん剤の認可基準

先日、バイオレゾナンス医学会に出席しました。

 波動医学とは関係のないところですが、ナルホドと思ったところがありましたのでご紹介します。抗がん剤のことです。

 抗がん剤は奏効率2割を達成されると厚生労働省の認可が下りるとのことです。奏効率2割とはどういうことでしょうか?

 日本における抗がん剤の認可基準は、部分寛解(腫瘍の縮小率が50%以上で、新しい病変の出現が4週間以上ない状態)が、20%の患者さんで認められることとされています

 みなさんどう思われますか?

 奏功するということが、腫瘍の縮小だけでよく、しかも4週間の縮小があればよいのです。さらにその縮小が20%の患者さんで認められれば良いのです。

 あれ?治らない薬でも認可されるの?という印象を私は持ちました。

 学会発表の中で問題点が指摘されていましたが、延命効果は考慮されていないこと、そして副作用の程度も考慮されていないのだそうです。

 患者さんや家族の方たちは、治る、あるいは延命するということを期待されて抗がん剤治療に踏み切るのでしょうけれど、医師は縮小または一時的効果があり、時には治るという認識なのかもしれません。

 諸外国で認可されている抗がん剤を日本でどうして使えないのだ、と様々な意見をサイトで拝見します。諸外国の認可制度のことは分かりませんし、何が正しいのかも分かりませんが、どのような経緯で日本で、あるいは海外で認可された抗がん剤なのかをきちんと調べて使用する必要がありそうです。

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2012年07月22日

嗅覚障害に当帰芍薬散がよいの?

 嗅覚障害、つまりニオイがしなくなった人に当帰芍薬散を処方することが多くなってきました。

 実は私が不勉強で、患者さんから医学雑誌(しかも耳鼻咽喉科の!)のコピーをいただき、「これを読んで下さい」と渡された内容なのです。もう数年前になりますが。しかもその後、その雑誌のコピーは放置してありました。

 最近、何だかそのことが気になって、そのコピーを読んだり、ネット検索をかけたり、自分で診察したりした感想を述べます。

 何故か分かりませんが、確かに嗅覚障害のエネルギーを消す効果があることが多いように感じられます。そして治療薬としても実際に使えるという印象も持ち始めています。

 耳鼻咽喉科で漢方薬を使い始める人たちの間では、めまいには苓桂朮甘湯、嗅覚障害には当帰芍薬散という安直な使い方もでてきています。めまいよりも、嗅覚障害の方が上手くいく印象ですね。

 今後、どのように当帰芍薬散が効いているのか、観察していきたいと思います。

 ひとつ注意点があります。

 ネット上では学術論文としていろんなところに紹介されているこののサイトですが、これは研究発表であり学術論文ではありません。両者の間には大きな差があるので要注意です。

 しかも地方の漢方研究会ですので、全く鵜呑みにはできない情報です(信じないわけではありませんが)。何故なら内容の確認ができないからです。どうして効果があったかのようなことをみなさん書くのでしょうか? 一人が発信するとみんなが信じてしまうのがネット情報の怖いところです。

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2012年07月15日

自分ではどうにもできない部分がある

 努力することで完璧な健康が得られるでしょうか?

 先週そんなお話をしました。東洋医学は中庸が最も良い状態ですが、全ての面で中庸という状態は存在しないので、常に今よりも健康な状態が存在することになる、というストーリーでした。

 今日の話は見えないものの話から考えてみたいと思います。

 そもそも、体の全ての状態を把握することには無理があると私は思うのです。

 例えば、自分が電磁波にどれだけ影響を受けているか、ということについてどのくらいのことがお分かりになるでしょうか?

 気分が悪いとか、やたら眠いなどの症状がでることはあっても、大抵の人はそれが電磁波の影響とは全く分からないでしょう。電磁波が見えるものでないので仕方のないことかもしれません。

 でもそういう見えないものが健康に影響を与えるということを考えると、健康に向かって突き進むだけでは、場合によっては健康が逃げてしまうということがあるでしょうね。

 見えない部分を感じられるようになるという訓練も存在しますが、適切な指導者がいないとなかなか難しいように感じます。

 というわけで・・・言いたいことをまとめましょう。

 健康のためには自分の努力だけではどうにもならない部分もあります。ただし、健康に向かって努力することは無駄ではありません。そういう自分の力の及ばない部分もあるということは承知の上で、できることを淡々としていく、これが健康への近道だと私は感じています。

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2012年07月08日

完璧な体調を求めるあなたへ

 よく診察にいらっしゃる方には、体調を完璧にしたいので通院している、という方も多くいらっしゃいます。 

 この体調を完璧にしようという発想は西洋医学的ですね。

 なんで・・?と思われますか?

 西洋医学には目標とする値が存在します。その数値を達成するために生活の内容を変えたり、お薬を飲んだりするわけです。

 そして、その値に自分の検査値が入ってくるとゴールに到達!というわけで、そこから先は安心して、ある意味、気を抜いても健康で居られるという発想なのです。

 つまりある一定以上の状態であれば全て健康なのです。

 ところが、東洋医学ではどうでしょう?

 東洋医学は中庸が最も良い状態とされています。全ての面で中庸という状態はあるのでしょうか?

 残念ながらそれはありません。体の状態は時間によってダイナミックに変わっていきます。ですので全ての面で中庸というバランスのよい状態は、頭の中では想定できるものの、実際にはあり得ないわけです。

 つまり常に今よりも健康な状態が存在するということですね。

 いつも食事などの生活の内容を改善することにより、さらに健康になれるということですね。

 体調を完璧にしたいのであれば、常に自分の身体がどのようになっているかをモニターし、生活をそれに合わせていくことになりますね。東洋医学の考えでは病院に来ても完璧な体調は恐らく達成されないのだろうと思いますよ。

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2012年07月01日

高齢者の不眠について~食事内容でも改善できるかも?

 高齢者が不眠を訴えることがとても多いですね。

 今までは、高齢者なのだから、と以下のように考えていました。

 腎陽の力(つまり生命力ですね)がなくなって、水分を体の上の方に汲みあることができなくなり、下に水が停滞して浮腫み、上は水が下からやって来ないので熱する(虚熱といいます)、という状態が生じると不眠になります。

 そこで補腎剤という腎を補う作用のある処方をして対応することがほとんどでした。

 しかし、それだけなのかな?と、ふと思ったのです。

 心の血が足りなくなって煩躁(焦躁感があり眠れない感じでしょうか?)の状態になるのも高齢者が多いのではないでしょうか?いわゆる血虚の状態は高齢者でも少なくないように感じます。

 最近は高齢者の人をコンビニとか、お惣菜コーナーでよく見かけるようになりました。食事を作るのを負担に感じている高齢者は少なくないのではないかと思います。

 でもそういう食事の内容では糖分中心の食事になってしまい、良質のたんぱく質のような栄養価の高い内容があまり含まれていないのではないかと推測します。

 血虚による煩躁に似たような感じで不眠になっている場合には、腎の力が衰えて不眠になっているときと異なり、食事内容を変えることで不眠を解消できる可能性があるのではないかと思います。

 こういう不眠のときに「歳をとったから」と思いこまないようにしたいものです。

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2012年06月22日

診察の方法が少しだけ変わっています

 実はみなさんから見えないところで診察の方法を変えました。

 何を変えたのか・・?

 漢方薬の選び方を変えたのです。

 今までは、感染症がどのように生じているか?ということにかなり重点を置き、それに対処できる抗生物質や漢方薬を選択して参りました。

 さらに今後、同じような悪い状況になりにくくなるように、体質を強化するような漢方薬も選んでいました。望診と脈診を主として、最終的にはエネルギーで確認することで漢方薬を決めていました。

 ただ現実には、手足の問題を言われると水の問題として、産前産後の女性の問題は血の問題として考えた方がより早く解答にたどりつけます。

 つまり東洋医学でいうところの「気血水」で問題を捉えることができれば、処方の精度がさらに増していくのではないかと思っています。

 言ってみれば、今までは攻撃と守りに徹していたのですが、これからは、機能にも目を向けて診察をしていくというでしょうか。

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2012年06月17日

風邪の終わりこそ入浴は控えめに

 風邪のときによく、入浴はどうしたら良いですか?という質問を受けます。

 従来の医学では、統一見解はなく、医師の判断、それも大した根拠のない判断で(だと思いますけど)、入って良い、入ってはいけないということを患者さんに伝えているのだと思います。

 医学教育の中で、入浴をどの段階で許可するか、何を根拠に禁止するか、などということを私は教えていただいた記憶がありません。もっとも最近の医学教育でどうなっているのかは分かりませんけれど。

 強いて言えば、入浴に耐えうる体力かどうかを判断していると言えます。

 ところが単純な風邪の場合、入浴に耐えられない体力などということはあまり考える必要がなく、気分的に入りたい、入りたくないで決めればよいようにも感じます。

 でももう少し深く考えてみましょう。より良く風邪を治すための入浴方法があるはずです。

 入浴することにより何が起きるか考えてみましょう。

  > 汗をかく
  > のぼせる
  > 表面から温まる
  > 疲れる

 こんなところでしょう。風邪の初期には表面が冷える、汗をかいていないと辛い、ということがあるかもしれません。疲れの問題がなければ、さっと温まり終わりにしておきたいところです。

 そして風邪の後半。もう身体は辛くないので、ゆったりと入浴したいところかもしれません。問題は身体の中に残った熱が身体を上っていくことでしょう。それが咳になったり、口の渇きになったりするのです。

 この時期ののぼせは咳を増悪させるので、長い入浴はやはり避けた方が無難です。汗をかくほどに入浴すると口の渇きもひどくなり、治りが悪くなると思います。

 風邪の間は体力に合わせて入浴するかどうかを決め、症状がある間は短時間で切り上げるようにしたいものです。

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2012年06月10日