夏に気をつけるアレルギー

テレビで放映されたアレルギーの話題です。ふたつの番組で放送されていたので、夏には気をつけるべきアレルギーの話題として紹介してみます。

 サーファーには納豆を食べない人が多いです。クラゲの毒と納豆には共通の成分があり、ポリガンマクルタミン酸(PGA)というものです。運動により通常よりも納豆PGAの吸収が高まるため、普段は納豆を食べて問題なくても、このとき(運動時)ばかりは身体が「クラゲ毒がやってきた」と勘違いする確率が高まります。結構ひどいアレルギーになることもあるようです。

 当院にはアレルギーに詳しい医師も在籍していますので、症状が酷くないうちに、何かおかしいと思ったときにはご相談下さい。

2025年06月11日

私はプロテインサプリをのんでいます

少し耳鼻科とは関連しにくい話ですが、大切なことなので書いてみます。

先日から大豆プロテインを多めに摂るようにしています。
貧血がある私はヘモグロビンが10台でしたが、11台と増えていました。
鉄剤を飲むよりも効果がでています。経験的には耳鼻科でも、めまいの発症が抑えられる傾向に
なると思います。

ただし、摂取しすぎると尿素の排泄量が増加するので、腎臓に負担がかかります。ご注意を。

2025年06月03日

梅雨時の除湿器導入はいかが?

梅雨になると洗濯物が乾きにくくなります。
そんなときは除湿器の導入を検討してはどうでしょう?
洗濯物が乾くだけではなく、空気が軽くなるので過ごしやすく、
耳鼻科的にはめまいが生じにくくなると思います。

ただ、飲水量があまりに増えすぎてしまうと、めまいが生じにくくなる効果が
少なくなってしまいますので、注意が必要です。

2025年05月25日

子供の車酔い

東京都医師会で会議がやっと終わるー、と思ったとき、議長の先生が
「そういえば、子供の車酔いが増えていますね」と指摘をされました。

「ああ、そうなのかな?」最近、お子さんの診察機会が少ないからなのか、
あまり実感はありませんでしたが、それはなぜなんだろうか、と考えました。

私の出した結論ですが。
めまいを含めた平衡障害は6歳ごろから生じるというのが一般的です。
それは自分の身体の位置感覚が育ってくるからです。
ベビーカーで酔う赤ちゃんがいないのは、その感覚が育つ前で、
身体位置の状況を予測していないからだと思います。

さて、最近のお子さんの状況はどうでしょうか?
私は映像視聴が幼児期早期から行われていることで
この感覚が早いうちから育って(しまって)いるのかもしれません。

お子さんの体調のことですので、なかなか詳細を知ることが難しいですが、
一応の推論です。

2023年10月23日

春の過ごし方

春は気温の上下が激しく、体内のエネルギーが上下に揺さぶられます。エネルギーは上下に動きやすくなり、上へと上る傾向になります。一種ののぼせのようになり、めまいや頭痛、咳が多く出るようになります。もちろん気温差から風邪も引きやすくなります。

そのエネルギーの流れを止めてしまうのは好ましくありません。上にのぼってきたエネルギーを淀みなく、体外に流します。寒いので、マフラーを一生懸命巻きたくなるのですが、できるだけ薄い物にするか、止めるように頑張ってみましょう。

でもやり過ぎて風邪をひかないよう、注意してくださいね。

2023年03月05日

ちょっと良い話~嗅覚障害

患者さんからこういうメールをいただきました。励みになります。

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いつも大変お世話になっております。
1月下旬に受験した、日本酒と焼酎のテイスティングの資格試験結果の連絡があり、無事合格致しました。資格の正式名称は「酒匠(さかしょう)」といいます。

NPO法人FBOという組織の構成団体である、SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)という会の認定によるもので、「日本酒のソムリエ」と言われる「きき酒師」の上位資格になります。

コロナの影響で、当初予定からは遅れましたが、無事合格出来たことを感謝しております。
取り急ぎご報告申し上げますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

**********ここまで**********

この方は、コロナ感染で昨年6月末の初診時には自覚的な嗅覚が30%でした。2月初旬の段階で94%とのことでしたが、受験すると聞き正直私は少し不安でした。しかし無事に合格できて本当に嬉しいと同時にホッとしています。ご報告ありがとうございました。

2022年02月28日

耳鼻咽喉科のがん 〜 喉頭がん

先日、声がれで来られた患者さんですが、喉頭に がん を見つけました。初診日でしたが明らかなものでしたので、大学病院に紹介したところ、すぐに手術をしてもらえました。

患部のがんはまあまあ大きかったですが、幸い転移を認めなかったようで安心しました。喉頭摘出術ですので声を失ってしまいます。しかし、ご本人は一生懸命に食道発声(飲み込んだ空気を声にして出す方法)をしようとしていて、そのうちできるようになりそうでした。

その患者さんが助かって良かったという気持ちもありますが、見落とさなくてよかったなという安堵感が強いです。がんをしばらく見ないこともありますが、どこかで見落としたのだろうか?と不安になることもあります。耳鼻科のがんには見つけにくいものもありますので、症状がある間はしつこく原因を探すことが大切だと、私たちは再確認しています。

2021年10月19日

食べて治す腹痛

最近太ってしまい、食事をやや制限しながら過ごしていたのですが、
そのうち何だか食べられなくなって、下痢しました。

食べられない時には食べません。何か変なものを食べたのかなと思い、、
様子をみていました。大体なおったものの、1時間に1回程度生じる
痙攣のような腹痛が残りました。

昨日はうどんとおかゆだけ。今日はおかゆ。。。
この痛みはもしかしてグルタミン不足!と思い当たりました。

グルタミンは腸粘膜の栄養になるアミノ酸です。実は、学生の頃の長距離走で間歇的に腹痛が生じていたのがヒントになり、思いつきました。
グルタミンの説明サイト

まだ完調とはいきませんが、腹痛の程度も頻度も減っているようです。

夕食もきちんとしたものを食べまーす。

2021年10月11日

のぼせの季節

のぼせの症状を訴える人が多くなりました。

気温が上下することで、身体の熱が上へ上へと流れやすくなり、とくに過労時や不眠時にのぼせがひどくなります。

めまい、頭痛がのぼせたときの主な症状ですが、副鼻腔炎や中耳炎や耳鳴りも、のぼせで起こりやすくなります。

十分な休養が必要なことはもちろんですが、首の締まった服装やマフラーをいつまでも巻いているとかえってのぼせから炎症を起こしてしまいます。お気をつけください。

お風呂でのぼせる人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

2021年03月29日

New findings—COVID-19 aftereffects may be due to membranous inflammation?

There are wide-ranging symptoms of COVID-19 aftereffects. Common symptoms include slight fever, headache, malaise, coldness, numbness, muscular pain, joint pain, eczema, diarrhea, loss of appetite, palpitation, respiratory distress, taste and olfactory dysfunctions, and sleeplessness. Recently, hair loss has also been reported.

I have been thinking that COVID-19 tends to cause inflammation of the diaphragm, pleura, and pericardium, which can eventually lead to respiratory distress, palpitation, and loss of appetite. Headaches, coldness, and poor thermoregulation may also be caused by inflammation of the dura mater and pia mater. Furthermore, I have diagnosed relatively many cases of olfactory dysfunctions as parosmia, which were possibly due to inflammation of the brain membrane. It seems that the sense of smell is more susceptible to damage because of the large area of contact between the brain membrane and the olfactory bulb. It also makes sense when considering diarrhea and muscle pain as inflammation of the mesentery and fascia.

Given all these factors, I conclude at this time that COVID-19 aftereffects are the systemic membranous inflammation. I am treating this with Japanese Kampo medicine.

Postscript

Some people may feel it odd to include the diaphragm because it is an only muscle. However, the diaphragm has relatively large fascia to muscle mass and is in contact with various fasciae, pleura, and pericardium, so I think this could cause the same that inflammation as in other membranous structures.

以下、日本語訳です。

新しい見方~コロナ後遺症は膜の炎症?

以下に記すのは日本の一人の開業医の感想であり、科学的根拠はまだありません。でも私は52例の感染確認例と189例の感染疑い例の経験をもっています。

コロナ後遺症の症状は多岐にわたります。通常みられる症状は、微熱、頭痛、倦怠感、冷え、しびれ、筋肉痛、関節痛、湿疹、下痢、食欲不振、動悸、呼吸苦、感冒症状、味覚嗅覚障害、不眠、といったところ。最近は脱毛も指摘されるようになりました。

以前から、横隔膜と胸膜、心膜に炎症が生じるので、呼吸苦と動悸、食欲不振が起こりやすいと思っていました。頭痛や冷え、体温調節不良も脳硬膜や脳軟膜の炎症かもしれません。嗅覚障害も異嗅症が多いのですが、これも脳膜が原因かもしれません。嗅覚が障害を受けやすいのは、嗅球と脳膜との接触が大きいからのように思えてきます。下痢や筋肉痛も腸間膜や筋膜の炎症と考えると矛盾がないです。

コロナウイルス感染後遺症は全身性の膜の炎症である、これが現時点での私の結論です。私はこの炎症を漢方薬で治療しています。

追記

横隔膜だけは筋肉なので、違和感をもつ人もいるかもしれません。しかし、横隔膜の筋膜は筋肉の割に多く、各種筋膜や胸膜や心膜と接しているので他の膜性構造物と同様の炎症が生じるのだと考えます。

2021年02月04日