伝統医学

各国の伝統医学に大変に興味を持っている。漢方薬を処方してみて、西洋医学と違う切り口があることに大変感謝する気持ちになった。1次元治療が2次元治療になったのである。ただ漢方医学を耳鼻科流に使いこなすことに現在心を割く必要を感じてはいる。

・・・とすると、さらに切り口を広げるとなれば、各国の伝統医学を用いて、自分の診療を3次元、4,5,6,7・・・多次元医療にできないだろうか?とすると将来(いつだよー?)は外国留学かなあ。アジアなら行ってみたいがー。

2005年03月08日

健康志向 新聞記事から

2月28日日経5面
「健康志向行き過ぎに異議」拓大教授渡辺利夫氏

(要約)
検査技術の発達で、健康か病気かをきっちり分けていつも健康でいたいという状態は一種の神経症である。

バブル経済崩壊でより豊かになるという外向きの目標を失ったため、健康への執着という内向きな傾向が顕著になっている。サプリメント市場の規模がODAと同じ1兆円と聞くと何だか妙である(注:う~んさすが経済学者!)。

健康と病気の間にグレーゾーンがあることを認めること、仕事をはじめとした自己実現に価値を見出すこと、人生を「お勤め」、死ぬことを「お迎え」と呼んでいた日本の伝統的な死生観を取り戻すことが大切ではないか。

(感想)
健康をより強く求める傾向は、検査技術の発達と関係していると私も感じる。しかしそれはバブル崩壊によってより顕著になったというよりも、日本人のグレーゾーンを認めたがらない国民性によりより顕著になっているのだと私は思っている。

しかしそれを逆手にとった商売が横行しているのを医師として止められないのは大変に歯がゆい。私に(われわれに?)ほとんど知識がないからである。代替医療の分野を少しずつであっても勉強し、世間に意見していく態度がこれから医師には求められていくのではないだろうか。

サプリメント市場が1兆円なのはちょっと行き過ぎではないかと私も感じた。

2005年03月06日

オシロコシナムについて

ある患者さんがインフルエンザかもしれないと思って「オシロコシナムを服薬した」と話された。スペルはoscillococcinumである。この前も「怪しいと思ったからタミフルを飲んだ」という人がいて憤慨した。どうもこういう薬は難しいインフルエンザの所見をゆがめてしまうからである。まあしかし、すぐに何とかしたいという患者さんの気持もわかるので、憤慨についてはさておき、「オシロコシナム」とは??

オシロコシナム
(ホームページから)
感冒、熱、寒気、筋肉の痛みの症状に効果がある
43カ国で使用されているホメオパシー流感薬である
数百万人に65年間使用されている
日本ではフランス製のものがインターネットで販売されている
2歳未満の人には使用できない

ホメオパシーに関する認識が乏しいのでこの薬が良いかどうかは分からないが、葛根湯と結構似ている感じがする。便利なものかもしれないが、これを飲んだインフルエンザの患者さんが来られたら恐らく診断はつかないに違いない。

余談だが、個人輸入で取り寄せた海外医薬品は第三者へ転売・譲渡が禁止されているとのこと。これは初めて知った。

2005年03月03日

火曜日のテレビ

火曜日は朝から健康番組ラッシュである。
朝は「はなまるマーケット」で健康特集がある。時々参考になる。
昼は「思いっきりテレビ」がいつもやっている。内容はイマイチか。
そして夜はたけしの病気に関する番組がやっている。
あの「大変なことになりますよ」という字が火でできた
リングを背景に映し出されるとちょっと怖い感じがする。

昨日はは急性喉頭蓋炎で窒息した人の話。
今日「のどが痛いけれど、喉頭蓋炎ではないですか?」
と言って来る人が何人いるかしら。。。

2005年03月02日

代替医療4~抗酸化サプリの効用

Medical Tribuneから
フランスで7.5年、13107人を対象にビタミンC,E、βカロチン、セレン、亜鉛を毎日服薬した結果、男性の癌予防効果が認められたとの事。男性では治療前の抗酸化物質濃度が低いための結果ではないか?という結論。

フランスで行われた試験なので、赤ワインの影響も出そうであるが、、。

抗酸化物質って癌にも効果があることが一般的に認められているのかー。

2005年02月27日

雑多なこと

Medical Tribuneから
ビタミンCが風邪の発症を抑制しているという研究結果が掲載された。風邪の期間、重傷度との関連性は認められなかったという。

風邪をひいたかどうかの判断は各個人の緊張度により大きく影響を受ける。ビタミンC500mg/日の服用で3回以上風邪を発症する相対リスクは0.34であるとのこと。環境による影響が大きく出る調査ではあるが、0.34と言われると少し信じてしまうなあ。

2005年02月27日

代替医療3~動脈硬化の食事療法2

続・動脈硬化の食事療法。

3.蛋白質を摂る
4.食物繊維を摂る

5.抗酸化物を摂る
  その意味は脂質を酸化することを抑えることにある。
   血管外に出たLDLが酸化されると、これまた血管外に
   出たマクロファージのスカベンジャー受容体を介して
   処理を始める。この「酸化LDL+マクロファージ」が
   血管障害の元になるプラークを形成する。

  ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド(βカロテン)
  フラボノイド(ポリフェノール)

French Pradox
 フランス人は脂質エネルギー比が40%と高値なのに、どうして
 虚血性心疾患による死亡率が低いのか?
 ・・抗酸化物である赤ワインをたくさん飲んでいるためだろう。
   特にフランス産ワインの抗酸化物質は多い

Japanese Pradox
 日本人は喫煙者が多いのに同じく虚血性心疾患死亡率が低い
 ・・抹茶、緑茶に原因があるのだろう。

抗酸化物質
 赤ワイン>ブランデー(年数が多い方が多い)>ウイスキー
 緑茶>紅茶>ウーロン茶
 ココアにも抗酸化物質が多い(カカオポリフェノール)

食後高脂血症を抑えることが重要である。

レモンや豆類の皮も良い?

(おわり)

 

2005年02月27日

代替医療2~動脈硬化の食事療法1

動脈硬化には食事療法が良いらしい。

1.エネルギー制限

2.脂質エネルギー比25%以下
 戦後すぐは7%くらいだったそうだ。それが東京オリンピックのあたりに15%、1975年ごろから25%くらいになっている。平均がそういうことであれば、半数の人はオーバーしているということ?
 あと脂質の質の問題もあるとのこと。飽和脂肪酸(ステアリン酸など)よりも多価脂肪酸(EPA,DHA)や一価脂肪酸(オレイン酸)の方がコレステロールを下げるとされていて、一価脂肪酸の方が酸化されにくい?のでよりよい??
 中鎖脂肪酸は水に親和性があるのでリンパ系に入らずに門脈系に入る。だからすぐにエネルギーとして使用される。

(続く)

2005年02月25日

代替医療1~勉強の動機

今日は診察が早く終わり、業者さんが主催する研究会に出席した。医業経営に関する情報が欲しいというドクターも多かったことと思うが、私はその前座?で行われた「動脈硬化予防におけるポリフェノールの役割」という演題に惹かれて出席した。

栄養学をはじめ、漢方医学もそうかもしれないが、代替医療はもう無視して通れないものだと考えている。各種メディアでもいろいろな代替医療が取り上げられている。しかし医師の側はというと、いまどき漢方薬でさえ、「こんなもの飲みやがって」というような反応をする人がいるくらい無知がどうどうとまかり通っている。自分が知らない治療は誤っている、と考えている医師があまりに多く、悲しい状態だ。

しかし現状のように患者側の方がむしろ詳しいという状況はあまり好ましいとは思えない。われわれは誤った情報に対し意見すべき立場であるからだ。私はというと、ようやく漢方薬をなんとか使えるようになってきたところで、まだ栄養に関する知識が全く不足している。何とか管理栄養士レベルの知識を得たいところである。

今日は大学卒業後初めて栄養物質に関する知識を増やそうと、ポリフェノールの勉強をしてきたのである。赤ワインの効果は確かに大きいようで、データも揃っていた。ただ馬鹿なことに、(やっぱり)懇親会ではついつい赤ワインをたくさん飲んでしまい、今へろへろでブログをやっている次第。

具体的内容についてはまた次回。

2005年02月22日