第13回統合医療学会に参加しました
統合医療学会が開催されたので行ってきました。場所は東大安田講堂です。道すがら、東大のイチョウ並木のすがすがしい風にあたりながら講堂に向かいました。本当に自分の気が整うほどに良い場所にあるのだと感じました。
会場の安田講堂は初めてでしたけれど、これまた立派な講堂でした。けれど、ここはあまり気の良くない感じでした。理由は分かりませんが、少し慣れるのに時間がかかりました。もしかして背負っている歴史のためでしょうか?
学会ではみな統合医療の必要性を痛感しつつも、どこか前に進めないもどかしさを感じました。確実に道は広がっているのですが、まだまだ主流にはなれない学問の悲しさを感じて参りました。
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2009年11月22日
異常たんぱく質の蓄積について
今日は細胞の話でやや退屈かもしれません。
細胞には何があるかご存知でしょうか?
細胞膜、核、ミトコンドリア、そのあたりまでは皆さん知っていますか?
ミトコンドリアでは細胞のエネルギーが作られています。
そして、たんぱく質は小胞体(しょうほうたい)というところで作られています。小胞体では核にあるDNAの情報を読み取り、アミノ酸をひとつずつ繋げてたんぱく質を作ります。
私はこの小胞体に現在、大変な興味を持っています。
実は体内で合成されたたんぱく質も品質管理が行われているようです。考えてみれば当たり前のことです。異常なたんぱく質が体内で放置されるということはあってはならないことです。
Imaiらは2001年にパーキンソン病も異常なたんぱく質が異常に蓄積して、ドーパミン神経を細胞死に至らしめることが原因になるのではないかと報告しています(Cell 105:891-902, 2001)
細胞にはその品質管理を行う制御系がいくつか用意されているようですが、その系を鍼治療で活性化できるようです。
治療家の中には、論文があるか定かではありませんが、鍼治療がパーキンソン病に効果があるという人もあるようです。もしかすると、異常たんぱく質処理系がその理由なのかもしれないと思い、ちょっと興奮気味です。
抑肝散という漢方薬も、不良たんぱく質の正常化に一役かっているようです。これまた驚き!
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2009年09月27日
堀耳鼻咽喉科を訪問しました~スウェーデン情報
またまた他の医院さんの見学?に行ってきました。
今回は近場の東京都大田区蒲田の堀耳鼻咽喉科です。サイトを見ていただくと分かりますが、普通の耳鼻科ではありません。
以前にアントロポゾフィー医学のことをお話したことがありましたが、その医学を実践しておられる先生なのです。そして自然治癒を目指す診療のため、精神医学、運動療法、芸術療法などを取り入れて日常診療をされています。
実は堀先生は6月に突如1週間休診して、スウェーデンのヤーナにあるヴィダールクリニックを訪問され、アントロポゾフィー医学の知識と考え方をさらに深められたとのことです(尊敬!)。サイトはヤーナの町の写真ですが、この医学では建造物も癒しの一つと考えられており、町全体の建造物の趣きが統一されているのが驚きです。
この病院は農場の中に建てられたもので、穀物の収穫をしたり、牛舎があったりなど、食事も自分たちで食材から作っているとのことです。また、病院のあちこちに絵画やオブジェが飾られていて、採光や照明にも格段の配慮がなされています。建造物とともに環境全体が癒しを提供してくれるという仕組みです。すごいすごい!
検査設備などは院内にはなく、あるときは皆で歌い、あるときは絵画について批評しあったり、という自然に徹して治療がおこなわれているとのことでした。堀先生の理想を具現化しているのが、このクリニックなのかもしれません。日本にそういう施設を作ろう!と堀先生がおっしゃったら、私も何か協力しなければ!(笑)。
角ばった建物とプラスチックとステンレスの機材に囲まれている私たちとは随分考え方が違うことを思い知らされました。こういう施設を町全体が支えているというところにも国民性の違いを感じます。
私は、このときの写真を見せてもらえるとのことだったので、堀耳鼻咽喉科に駆けつけたというわけです。
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2009年08月23日
自己鍛錬気功法について
先日、日本気功科学研究所の仲里誠毅先生に香功(しゃんごん)を教えていただき、内養功(医療気功)のデモンストレーションを拝見する機会を得ました。
日本気功科学研究所
香功は脳活性化のための手順の決まった簡単な体の動きで、入門レベルに向いているということです。実際に私たちも行ってみましたが、音楽もありましたし、気分良く体が動かせました。
この香功を仲里先生は「自己鍛錬による国民の健康づくり運動」と位置づけておられ、2005年までに約2万人に指導してきたとの事です。
内養功は動きがもっと複雑で、バランスなども要求される、少し高度な動きが主体になっていました。これは国民運動と位置づけるのはムリなようです。
仲里先生が特に強調されていたのは、深刻な医療財政から脱却するためには有効な国民運動が必要で、香功にはその可能性がある、ということでした。
私は正論としてはかなり良い印象を持ちました。確かに10分強の適度な運動で高齢者向きとはいえ、軽い疲労感を覚えるような動きです。これが国民全体に広がれば、医療費抑制の効果も確かに出るように思います。音楽も良かったです。
しかし現実には、その場限りの香功になっている人がほとんどなのではないかと思うのです。これは効果の即効性が実感できないというところにあるのだと思います。国民運動になるか、というと程遠い印象を受けました。
どうしたら若い人が巻き込めるのかと考えますが、恐らく何かカッコイイ要素を加えるか、芸能人の間で香功が流行するなどの動きが必要なのではないかと思いました。
即効性と見た目の良さ。どちらも私はあまり好きではありませんが、こういうものを意識して運動を広げていっていただきたいな、と思いました。
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2008年10月18日
第109回日本耳鼻咽喉科学会総会
大阪の第109回日本耳鼻咽喉科学会総会に出席してきました。学会ホームページですが、結構、一般向けの内容が出ていますよ。何か耳鼻科でお困りのことがありましたらご覧下さい。
ちなみに私が長年お世話になっている教授が現在の学会長で、この人のおかげで開業医になってからも、最新の耳鼻科の知識を増やせるわけです。
学会では意外な発見がありました。耳鼻科の先生でも漢方薬を(私のように)硬派に使おうという動きが段々出てきていました。私は一般の啓蒙のためにこのメルマガを書いていますが、今後は学会で医師にもアピールしないといけない、と感じました。
今回の学会では新たな知己が2名増えて収穫大でした。
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2008年05月17日
メディア出演が決まりました!
◎NHK第一ラジオ『ふれあいラジオパーティー』
(27日午後8時05分から)
耳かきに関するコメンテーターとして出演させていただきます。調べてみ
ると、耳かきも相当に根の深い文化であることに気づかされます。
◎東京12CH系『子育てパラダイス』(3月ごろからの予定)
以前にも出演しましたが、今回も出させていただくことになっています。
子どもたちの育成に関わる仕事は楽しいです。お楽しみに!
◎(東京城西地区の方のみ)サンケイリビング紙次号「おしえてドクター」
花粉症のことについて細かく指導しています。ご覧下さい。
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2007年02月18日
清春会
奥田名誉教授を囲む勉強会、である。
もう10年以上も続いている会だが、とうとう私に幹事役が回ってきた。
日程が苦しく、ホテルも思うように押さえられないため、いつも使って
いる野村コンファレンスプラザを使用することにした。
会議は前もって郵送した質問表を元に、日常診療で困っている内容に
ついて、討論した。なかなか結論はでないのだが、今回は議論が白熱し
とても大きな成果のある会合であったと思う。
奥田名誉教授には花粉症治療に関する報道等の真否について詳しく検討
されていたので、その内容を拝聴した。いろんな種類の報道について
データでお示しになられたので、とてもためになった。
懇親会であまりに食の進みが速くて途中で食べ物が不足するというハプ
ニングがあったが、あとは比較的円滑に進行した。全般に活発な議論が
行われ、特徴のある会合になった。
2005年11月07日
学会に思うこと
漢方に関する医学会では、漢方処方に関するエビデンスを集めるのに必死である。「○○病に△△湯を用いたらXX%の患者さんが良くなった」とか、そういうことである。
でも・・・
○○病とか、XX%というのは西洋医学の統計医学的側面なのではないのだろうか?つまり有効率の高さを競う治療である。東洋医学は証が合致すれば必ず効果の出るはずの治療方法であり、治療効果がでないなら、証を取り違えている、ということなのだと思う。
だからある意味、東洋医学は理想的には有効率は100%であり、それを目指して日々研鑽をするというのが私の考える東洋医学なのである。従って治療が上手くいかないとき、薬が悪いのが西洋医学、見立てが不十分と反省するのが東洋医学である。
そう考えている私なので、西洋薬が効くとホッとするが、漢方薬が効くととても嬉しい。西洋薬が効かないと何だか腹立たしいが、漢方薬が効かないとみじめな気持ちになる。
余談だが、医師が治療がうまくいかないときに患者さんに辛くあたることがあるかもしれないが(私は非協力的でなければ辛くあたることはありません)、これは西洋医学の、いや西洋の特性なのではないだろうか?と思ったりして。
2005年07月08日
漢方の勉強会後
こんな率直な感想をいただきました。うれしいです。
私がしている話は医学の素養がなくても恐らく分かるであろう話です。まして医学翻訳家ですもの、かなり理解していただけたと思っています。恐らく私がこの話に触れた時の感動と同じなんだろうなと思いました。私は川越市の開業医、浅岡俊之先生に習っています。
↓
東洋医学にはじめてちゃんと接した感想をウェブサイトに記してみました。
2005年03月21日
第3回耳鼻科漢方懇話会
第3回耳鼻科漢方懇話会を京王プラザホテルで行いました。
京王プラザホテルは身の丈を超える場所であるのですが、準備中に場所がなかなか定まらずマツイさんにお願いして取っていただいたものです。この場を借りて御礼申し上げます。
さて、毎回申し上げることですが、東洋医学を学ぶ目的は漢方薬を効果的に処方することではありません。これはあくまでも手段です。診察の中に東洋医学的視点を持つということが一番大切であると思っています。
西洋医学と東洋医学は、良いところ悪いところが全く違うし、見えるもの見えないものもかなり異なります。そういう両者の良いところ、見えるものを各々の診察に取り入れ2次元的診察をするということが一番大切な目的です。
自分個人的には、さらに各国伝統医学、代替医療も広く(浅くなるかな?)学び、多次元医療を構築していきたいと思っています。でもこうなってしまったら最早耳鼻科医ではなくなってしまうか?(笑)。まずは漢方薬を耳鼻科医が使いやすいツールであることに気づいてもらうように情報を提供し、耳鼻科用に漢方医学を構築していきたいと思っています。
「耳鼻科漢方懇話会」ですが、
耳鼻科+漢方=混和 会 という意味があります。念のため。
2005年03月13日