花粉症治療~新たな展開へ

 ある患者さんが、「外食をしたときと、コンビニ弁当などを食べた時に限って、花粉症の発作が起きる」と教えて下さいました。

 私は万歳したいような、小躍りしたいような気分になりました。

 というのは、保存料など添加物が花粉症の原因になっているかもしれないという考えを支持するにふさわしい患者さんだからです。

 昨日も宴会の席上で、「コンビニのおにぎりが4か月放置されていたけれど、腐りもせず、原型を留めていたのには驚いた!」という話が出ていました。

 私がさっき食べてしまった!お菓子にも保存料が入っていました。本で後から調べてみると「できる限り避けるべきもの」に分類されていました(!)。

 大量生産、大量消費時代の弊害として、体に変調をきたしているということが起こり得ると常々思っています。

 何かそういう経験をされたことのある方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。花粉症の治療も、もう原因治療を真剣に考えねばならない段階に来ていると思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

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2009年03月15日

更年期障害への対応(案)について

 患者さんが、「更年期障害だから仕方ないですよね?」ということをおっしゃる度に「それで本当に納得しているのかなあ」と私は感じています。最近では男性にも更年期障害があると広く認められるようになってきましたね。

 でも私は「アレルギーだから仕方ないですよね?」と言って来られる患者さんと同質の違和感を持っています。

 「じゃあ原因は何・・?」
 「なる人とならない人の違いは何??」と問いたくなります。

 説明されているようでされていないこの「更年期」という言葉に私は嫌悪感すら感じます。ホルモンの値で説明されますが、症状とホルモンの間に何かギャップを感じるのです。

 東洋医学では「お血」、つまり血の滞りと解釈されます。観念的ですが、この方が症状とマッチした考え方で、私にはしっくりきます。

 さて、そのお血への対応を食材で考えてみましょう。これは先日の中医学の講座で菅沼栄先生に教えていただいたものです。

 お血への対応の原則は3つです。色の濃いもので血を活性化すること、辛味で循環を活性化すること、そして海の塩味で組織を柔軟にすることです。こういう説明はとても納得がいきやすいのですが、みなさん如何でしょうか?

 ちなみに色の濃いものとしては、サンザシ、木クラゲ、黒豆、赤小豆。

 そして循環を良くする辛味としては、ニンニク、ラッキョウ、サフラン。

 最後に組織を柔軟にする海の塩味としては、海藻類、セロリ、蓮根を挙げることができます。

 なかなか食材のことは普段考えないので、私も勉強になります。

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2009年03月08日

春がきたと感じる時~鼻出血について

 春が近いなあ、と感じることがいろいろあります。

 花粉症はそのひとつですね。陽気は良くなるのに気分は暗くなります(笑)。

 私がとても春を感じるのは鼻血です。

 陰陽の割合を八卦で言うと、2月は四陽二陰で、陽が陰よりも強くなる季節です。陽が強くなってくると、上半身に気がたまり易くなり、おまけに年度末が近くて、みんな血が上っていますので、余計に鼻血も出やすくなる、というわけです。

 この季節の鼻血は、気が上っている分だけ止まりにくいようです。通常の処置ももちろんしますけれど、気が下がるように漢方薬を使うことも少なくありません。

 気の向きをコントロールする、という発想は西洋薬にはないので、とても重宝します。西洋薬にも止血剤がありますが、気を下げる方がこの季節には有効な感じがします。

 家で鼻血が出てしまったら、積極的に鼻を冷やすことを考えましょう。半身浴も気を下半身に集める意味で有効と思いますが、のぼせ易いので時間が長すぎないように配慮する必要があるでしょう。

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2009年03月01日

「めざましテレビ」にでました~鼻閉の話の続き

 先週の木曜日朝にフジテレビ系「めざましテレビ」に出演しました。花粉症の鼻閉をどうするか?というテーマで9分の特集でした。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

 その2日前に自分の診察室でインタビューを受けたのですが、質問の内容が難しかったので(苦笑)かなり勉強しました。

 テレビの中ではあまり強調されなかったところですが、ちょっと面白いなと思ったことがありました。

 それは、ネギと薄荷(ハッカ)の性質の違いです。

 テレビでは、それぞれを使って、鼻閉が改善するかどうか実験していました。ネギによる改善は4人中2人、薄荷による改善は4人中1人でした。

 両方で鼻閉が改善した人がいなかったということが、私にはとても興味深く感じられました。

 それもそのはず、ネギは辛温解表(辛い味で温める性質がある、体の表面の邪を散らすもの、という意味)の食材、薄荷は辛涼解表(冷まして体表の邪を散らす)の生薬なのです。性質としては全く反対です。

 浮腫になり循環が悪い粘膜には温めて邪を散らすネギ、熱を帯びた炎症が主体のときには冷ます薄荷が有効なのだと思いました。

 最近の花粉症の人は、以前と異なり粘膜が赤い人が多いです。ですので、熱を帯びているときに用いる薄荷が有効な人が多いのではないかと思います。鼻の周囲を冷やすだけでも鼻通りは良くなるのではないでしょうか?

 あくまでも推測です。やった方がいらっしゃいましたら感想をお聞かせ下さいね。lohas@jjclinic.jpまで!

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2009年03月01日

漢方薬の考察~通導散について

 「つうどうさん」と読みます。あまり普通の医院では処方される機会は少なかも知れません。

 私が漢方薬を使い始めて間もないころ、ストレスでイライラしていて、めまいと耳鳴と肩こりのひどい方がいらっしゃいました。女性ですが体はがっちりした方でした。

 通常の診療ですと、まず耳鳴とめまいに対応する軽い薬を処方してみるのが定石なのですが、イライラと肩こりをみて、何とか漢方薬が使えないか、と考えに考えて選んだ処方でした。案の定、すべての症状が軽快し、私も大変満足したことを思い出します。

 先日、Sさんが診察のときに面白いことを言われました。Sさんには他の漢方薬を用いていて、強烈にのぼせと肩こりを治療していました。しかし今ひとつの印象のようでしたので通導散を使い、感想を聞きました。

 「肩こりは残るけれど、何だか気分がよくなるし、周りの人も集まってくるように感じます。」とのことでした。

 共鳴ということがあるのかどうか分かりませんが、実は前に処方した内容と比べて、通導散には気めぐりが良くなる生薬が多く配されています。もしかして、気めぐりの良くなったSさんが周りの人を引き付けたのか?と考えてしまいます。当初、顔が真っ赤だったSさんですが、今では普通の顔色に戻られています。

 ストレスによるのぼせの方は本当に多いです。めまい、耳鳴、難聴、不眠、高血圧、肩こり、頭痛・・いろんな症状が一気に出てきます。当てはまる症状が多い方には漢方薬をお勧めします。

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2009年02月22日

花粉症がとうとう来た!

 花粉がたくさん飛びましたね。

 関東のデータではありますが、環境省花粉観測システム(はなこさん)で見ると、2月15日から2日間に花粉の大飛散があったことがわかります。
 

 今年、花粉症になってしまう人も多いことでしょう。花粉症にならないコツは、とにかく花粉を浴びないことです。急に暖かくなり、風が強く吹くと予想される日にはできるだけ外にでないようにするなど、対策を考えましょう。

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2009年02月22日

新型インフルエンザ対策で考えさせられたこと

 新型インフルエンザ対策といっても、まだ大したことはしておりません。職員に映画「感染列島」を見ておくように言ったのと、マスクの見積もりをしているくらいです。

 しかし、興味を持って情報を集めているうちに面白いことが分かってきました。一番見落としていたことは、今のH5N1型鳥インフルエンザは人への感染力がとても弱いということです。

 感染力が強いという報道もされているようですが、人に対して2003年から約400人の発症ですので、とても感染力が弱いといえます。全ての国がきちんと家禽処理をしていれば、もうH5N1型鳥インフルエンザは収束しいていたという人もいます。新型インフルエンザとしてN5H1型が流行する可能性は低いという専門家も少なくないようです。

 とはいっても、何型かの新型インフルエンザが出てくることには異論のないところのようです。最大の死亡原因が細菌性肺炎であることから、対策として一番必要なもの(ところ)は、重症の患者さんの入院先、レスピレーター、病院マンパワーを削がないように、開業医が踏みとどまることのようです。

 まだまだ新しい情報が出てくるでしょうから、その都度情報を出していこうと思っています。

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2009年02月15日

花粉症初期療法について

 花粉症の患者さんがクリニックを賑わせ始めました。

 先日、ある研究会で面白い話が聞けました。

 花粉症治療の満足度は、初期療法の患者さんでも、症状がでてから投薬した患者さんでも変わらなかったのです。

 びっくりしましたが、症状がでてから行う投薬は強いものになるので、症状を抑えることに関してはあまり初期療法のときとは大差ないのだ、という考察でした。

 まあ弱い薬で満足度が高い、初期療法の意義は確かにありますけれど、ね。

(続く)

 花粉症の初期療法の危うさ、というと厳しすぎますでしょうか(笑)。

 別に現代医学に挑戦を挑むつもりはありません。しかし冷静に考えてみて、

 「どうするつもりなのかなあ」・・・と思うこともあるのです。

 患者さんによると、どこの医院でも初期療法を勧められるらしく、中には「何でもっと早く来ないのか!」と怒られたり、丁寧なクリニックはDMで「初期療法の季節ですよ~」と教えてくれたりするそうです。ふーん。。。

 うちのクリニックでは・・・何もしません(笑)。

 患者さんにも考えや都合があると思いますから、特に強く初期療法を勧めるようなことはしません。かといって否定もしません。選択した薬の内容から「もう飲んだ方が良いですよ」と言ってあげることはあります。

 確かに、早くから薬を飲んだ方が症状を十分に抑えられます。だからそれはそれで良いのです。

 ただ2つの問題点を私は感じています。何だと思います?

 一つ目は、薬により鼻内が乾燥して、鼻内の過敏性が増すのではないか?つまり花粉に対しても敏感さがかえって増してしまうのではないか?という恐れを感じていることです。

 本当に花粉症自体が悪くなることはないのかなあ・・・?今のところ初期療法で、花粉症が悪化したというデータはありませんけれどね。やや心配。

 二つ目。これは最近気がついたことです。自転車通勤をするようになったとか、ヨーガをするようになって体質が変わったとおっしゃる患者さんも少なからずいます。その方たちはいつ初期療法を止めるのでしょう?

 花粉に反応しない体質が変わったかどうかは、薬を飲まないことでしか判断できないのではないでしょうか?花粉症の症状が軽くても、初期療法をきちっとやっている方の場合、初期療法が良かったのか、自転車やヨーガが良かったのか、初期療法を止めてみない限り分からないはずです。

 そういう理由で私は初期療法については、希望者のみやっていただいています。誰にも勧めていませんが、初期療法の希望者は少なくないですね。

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2009年02月08日

インフルエンザ~新型インフルエンザを考える

 耳鼻科の講習会でもインフルエンザのことが大きく取り上げられています。その中で、新型インフルエンザをどのように考えるか?ということがありました。

 その中で私が最も大切だと感じたのは、social distancingという考え方です。つまり社会が、人と人との距離を作るということです。

 このサイトが分かりやすいです

 スペイン風邪の当時、フィラデルフィアは人口10万人あたり13000人の死者が出ました。ところが感染者が確認されてから、劇場、サロン、教会、学校、図書館を閉鎖して、スポーツ大会を延期したピッツバーグでは7000人の死者に、さらに全ての社会的な集まりを制限したセントルイスでは3000人の死者に留まったのです。

 人と人が触れることで広がる病気です。しかも1か月、長くて2か月の流行です。薬などの医療だけでは感染抑制には限界があります。その間の混乱を避けるためにも、不便を我慢して最小限の流通を残して生きるよう、各自が、各地域が、各団体がシミュレーションすることが必要でしょう。

 そして、現実には急にそういうことが起こるわけですから、自治体が各団体にそういう呼びかけをして、協力を求めていくことが必要なのではないでしょうか?

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2009年02月01日

インフルエンザ~全国で流行しているようです

 今年のインフルエンザは軽症が多いと思っていたら、隣の仲良しの内科の先生も同じご意見でした。こういうときクリニックビルは情報には事欠きませんので助かります。

 先週の前半は、うちの耳鼻科でも1日3~4件のインフルエンザが確認され、忙しいのもそうですが、感染の拡大を防ぐのに苦労しました。主には漏れなくインフルエンザの患者さんを見つけること、そして、患者さんの指導、そしてアルコール消毒です。

 抗インフルエンザ薬のタミフルなども今年はぐっと使用量が減っています。症状がやや軽いため、処方しなくても対症療法のみで良いかな?と考えることが多くなっています。

 少ないとはいえリスクを冒して処方する必要はないということ、そしてあまりに抗ウイルス薬を使うといざというときに薬が効かなくなる(ウイルスの薬剤耐性と言います)のを恐れていること、感染したご本人に確実な免疫を持っていただいて再感染しないようにしていただきたいこと、以上の点から軽症者には抗インフルエンザ薬の使用を控えています。

 感染拡大を最大限防ぐという意味では薬剤投与も意味があるかもしれませんが、現状ではもう既に感染はかなり広がっており、局所の感染拡大阻止だけにはもうあまり意味がないと思っています。

 私は以下の情報サイトを利用しています。

 東京都のインフルエンザ情報

 全国のインフルエンザ情報

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2009年01月24日