トマトときゅうりの食べ合わせについて
サラダによくある食べ合わせである、トマトときゅうりですが、ちょっと一緒に食べるのは問題があるようです。
ひとつは、共に冷性の食べ物であることですね。ハウス栽培での技術が向上したために、季節感がなくなってしまいそうですが、トマトもきゅうりも初夏が旬です。暑い季節には体を冷やす食べ物が旬を迎える・・・なんとよくできているのでしょう!
でもこの組み合わせが寒い時期のサラダに出てくることも珍しくありません。健康のため、とせっせとトマトときゅうりのサラダを食べてしまうと、冷えが強くなり体調を壊しかねません。ご注意を!
そしてもう一点、この組み合わせが良くないと言われている理由があります。それは、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼが、トマトの豊富なビタミンCを破壊してしまうというものです。
学術書にもこのことは書かれていました。対処法としては、加熱するか、酢などの酸を加えてアスコルビナーゼを失活させること、と書かれていました。割と酸味のあるドレッシングをかけることも多いように思いますが、そこまで考えてのことなのでしょうか??
トマトと相性がよいのはアボガドだそうです。
トマトにはリコピンというカロチノイドがアボガドに溶けて吸収が良くなるからだそうです。
分子栄養学から考えると、このようなことになりますが、良い食材を食べ過ぎないように摂取していれば、問題はないのかもしれませんね。
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2012年01月05日
みかんについて考えること~スジは大切?
冬の味覚の代表格であるみかんが食べごろの季節になってきました。
みかんのスジ、ありますよねー?どうしていますか?
先日、みかんを食べていたときに、
「へえー、スジを取るんですね」と言われて、「・・???」。
何のことかよく分からなかったのですが、どうもこういうことのようです。
みかんの皮は橘皮(きっぴ)、または陳皮(ちんぴ)と呼ばれ、漢方処方の中でも代表的な理気(気をめぐらせる)作用のある生薬です。通常の漢方処方にも多く使われています。とくに胃腸の補強、痰の減少に役立ちます。
どうでも良いことですが、古いものほど上質で「陳皮」と呼ばれるのだそうです。いつ橘皮が陳皮になるのかは分かりません。あいまいなのだと思います。
さて、その橘皮ですが、実は細かく分けられるようなのです。
橘紅(きっこう)は橘皮外層の固い部分で、痰を乾かす作用が強いようです。
橘白(きっぱく)は橘皮内層の白い部分で、胃腸を整える作用が中心です。
橘絡(きつらく)は中の網の目状の線維管束で、通絡(気を流れやすくする)や、順気活血といって気が巡ることで、血も巡るようになるのが特徴です。
さて、みかんのスジは恐らく橘絡に該当するのでしょう。気の巡る作用がもったいないので、中身はスジをつけたまま食べました。
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2011年12月25日
こわ~い、薬品の話
先日アレルギーで来られた患者さんですが、薬品の汚染がかなりある様子だったのです。お仕事を伺うと美容師さんでした。美容師の方たちは1日中薬品に触れていますからね。
でもどうしてアレルギーになる美容師さんとならない美容師さんがいるのでしょうか?
今回の場合、この美容師さんには便秘があり、それで薬品の汚染が十分に体外に排出できなくなっていたことが要因のように感じられました。
さらに上流にさかのぼりますが、何で便秘になったのでしょう?
それは推測ですが、ストレスによりビタミンCが消費され、そのためにビタミンCが足りなくなってしまったことが要因のように思われました。
この患者さんの場合には、ビタミンCの補給と薬品の解毒でアレルギーを治療していくことになりました。
さて、私事ですが。
先日、洗剤が体についてしまったときに「おや?」と思いました。どうも、
呼吸が苦しくなるようなのです。他の洗剤で試してみたところ、それらは大丈夫なんですね。衣服とかについたままになっていると、大変なことになってしまう予感があります。どうぞすすぎにはご注意を!
そういえば、私の友人も歯磨き粉で同じようなことを言っていました。特定の歯磨き粉を使うと体調が悪くなるそうです。
こういう薬品類のことは他人事は考えず、できるだけ少量を使用する必要がありますし、環境への配慮も必要だと思いますね。
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2011年12月18日
冬至に小豆とかぼちゃの煮込みを食べる
寒い冬がやってきて、冬至の日を迎える前になりますね。昔から「冬至に小豆とかぼちゃの煮込みを食べると風邪を引かない」と言われてきました。どうしてなのでしょう?
かぼちゃは保存がきくのだそうですが、冬至までが限界であり、以後は栄養価が下がっていくのだそうです。もっとも昨今はいつでもかぼちゃが店頭に並んでいますから、あまり気になりませんけれども。
かぼちゃは栄養価が高いので気血を補う方向に働きます。また温性の食物なので冬に滞りがちな気血の循環を助けます。さらに食材自体に胃腸の働きを整える作用があります。解毒効果を謳っているサイトもありますが、これはかぼちゃの種の効能だと思います。
確かにかぼちゃを冬に食べることには一理ありそうですね。
小豆は利水消腫、つまり利尿を促して浮腫みを除くという作用が強いようです。それと、解毒排膿効果があるそうです。抗生物質を使いダメなら切開排膿と教えられている私には排膿効果は驚きがありました。
小豆の帰経(主に影響する経絡)が心と小腸というのも面白いですね。どちらも休みなく働き、表裏関係の臓腑ですね。利水効果も解毒効果もあまり心と小腸には関連性がないように感じられますが、何か関連があるのでしょう。
小豆を冬に食べるのは、冬に循環が悪くなり浮腫みやすくなったのを解消するためでしょうか。もしかすると、アントシアニン(赤い色の元)の抗酸化作用が何らかの作用をしているのかもしれませんね。
さて本題ですが、小豆とかぼちゃの煮込みを食べると風邪を引かないのは、主にはかぼちゃの作用であり、胃腸を整えて衛気(防御のエネルギー)が増すからでしょう。小豆はその気の循環を妨げないように作用しているものと思われます。
(おまけ)
かぼちゃをつかった美味しそうなデザートを見つけました。
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2011年12月10日
冬の寒さは、血の足りない人には堪えるでしょうね
今日は雨のためか妙に冷えます。だんだん真剣に寒さ対策を考えていかないといけません。先週は冬に弱くなる腎を補うお話でした。今週は冬には辛いのではないかと思う血虚(けっきょ;血が足りない)の人のお話をしてみます。
中医学的には血(中医学らしく「けつ」と読みましょう)は、栄養と保湿の作用をもっています。筋肉を逞しくし、皮膚や毛髪を艶やかにし、知覚や運動を鋭敏にすると教科書にも書かれています。
したがって血虚の症状と言えば、顔色が悪く、髪が細くなり、皮膚が乾燥し、四肢が痺れます。舌は唇、爪の色が白くなります。臓器も栄養が足りなくなるので、全体に代謝が弱くなり、場合によると動悸がすることもあります。
もちろん血虚は、栄養を十分に摂取しなかったり、脾(消化器)が吸収しなかったりする場合に生じますが、血が各臓器に上手く循環しない場合にも生じてしまいます。
血が正常に運行するには、心臓の他に、肺、肝、脾など、体全体の働きがバランスよく行われていることが重要です。血が滞るとき、血がよどんで流れなくなるとお血、血が巡ってこないところは血虚ということになります。体全体のバランスについては見落とされがちなので注意が必要です。
血を直接補うための食材は、にんじん、ほうれん草、落花生、葡萄、いか、だそうです。そして潤いを補うものとしては、百合根、黒ゴマ、松の実、卵、牛乳、牡蛎、ほたて、だそうです。
こういう食材を使ってみては如何でしょうか?
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2011年12月03日
気候が寒くなってきました。腰痛の季節です
寒くなってきましたね。冬は腎(生命力)の力が弱くなるのでそれに合わせた対策を考えていかなければなりません。
では腎が弱くなったときの腰痛とはどんなものでしょうか?
腰自体は力が入らない、だるい、疲れると悪化するなど、あまり特徴的な症状はありません。
腰回り全体で考えると、頻尿や夜間尿、精力減退なども腎が弱くなったときの症状です。
また、腰回りのことだけではなく、体全体の症状にも注目する必要があります。手足のむくみ、耳鳴り、めまい、難聴、脱毛、肩こり、脱力感、無気力などが主だって現れることもあります。
こういう症状と共に腰痛がある人は腎虚(腎の力が弱くなった状態)が原因で腰痛が生じていると考えましょう。
さて、腎虚に由来する腰痛に対応する食材を参考書から抜粋してみますと、
にら、くるみ、黒豆、松の実、山芋、エビ、黒ゴマ です。
さて、
CMで有名な杜仲茶は、テレビではメタボリックシンドロームに効果があるとテレビで紹介されました。私も脂肪が溶けるようなイメージを持っていました。いろんなサイトで血管から若返りましょう、ダイエットしましょう、というようなイメージが流布されています。サイト1 サイト2
しかし調べてみると、杜仲茶はむしろ、腎を補う不老長寿の強壮薬としての働きが大きいようです。薬膳の教科書をみても、腎と肝を温めて補うのが本来の杜中の働きです。
杜仲茶で動脈硬化が改善するというデータがもしも本当であるなら、杜中の腎を補う作用により血流が改善し、その副産物として動脈硬化が改善したと考えるべきなのではないでしょうか。
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2011年11月26日
アロマテラピーと社会のかかわりについて
最近アロマテラピーに興味があるので、日本アロマテラピー学会に先日出席して参りました。そこでロハスな私にはとても興味深い内容の演題があったのでご紹介してみます。
最近、安価な輸入木材に押されていて林業は衰退していることはみなさんご存知でしょう。林業が衰退すると間伐が行われなくなり、森に光が入らなくなるため、低い樹木や草が生えなくなり森の活力がなくなっていきます。
また日本の木材を加工して生活すれば、廃材から出る二酸化炭素も日本の中で循環することになり、これこそ循環型社会と言えるように思います。概要について
さらに間伐材や枝などの材木としては使わない部分から精油を抽出することでこの循環システムの中から精油が生まれ、その精油は安全で安価な抗菌抗カビ剤にもなり得るので、農業の発展にも寄与できるというのです。なるほど~。
精油が特定防除資材(特定農薬とも言うそうです)に指定されれば、さらに上記の流れが加速するのではないかというお話もありました。参考サイト
現在、いろんなものが特定防除資材の指定の検討対象になっているようです。
そして面白いなあと思ったのは、精油を抽出したあとの有機物は、抗微生物活性がなくなっているので、容易に堆肥化するということでした。
精油を抽出するだけで、林業が栄え、農業にもかなり良い影響が出るのかなと思いました。私も初めて伺った内容ですので、この仕組みがそこまで良いものなのかは検証されなければならないとは思いますが、こういう良さそうな取り組みはどんどん進めていただきたいですね。
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2011年11月19日
(雑談)これから冬の診察に向けての対策
診察中に生汗が出てくることが多いので気になっていました。診察以外のときにはほとんどそういうことはないのです。
― あれ?疲れかな?・・・まさか歳か??
いろいろ考えてみましたが、どうも腑に落ちません。
しばらくして、診察中に何か悪いものを受けて体が自然に反応しているこ が分かりました。患者さんが持って来られた邪気と言えるでしょう。
感覚が敏感なのは良いことですが、結構な汗の量なので着替えの時間が必要になり困ります。ひどいときには半日に2回の着替えが必要なのです。
― 気功をするのだから邪気を自分で払えば良いではないですか?
こういう指摘も受けるかもしれませんね。確かにそう思うのです。
でも耳鼻科の診察スピードを考えてみて下さい。診察の椅子から患者さんが立たれて、その後の指示をしている間に次の患者さんが入ってきます。邪を祓う時間的余裕はありません。
本格的な風邪の季節を迎えます。インフルエンザも局地的に流行していると伝え聞きます。東京では学級閉鎖があったということも聞きました。もう、そういう季節なのですね。
私も診察室でどのように対応すべきなのか、ちょっと試案しています。
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2011年11月11日
こじれた風邪の様々な側面について
この季節、朝夕あるいは日によって寒暖差があるため、風邪をひかれている方が多いです。疲れによって少しこじれたようになっていて、やや強い薬を処方する機会も増えています。
そういう時に生じる症状を覚えておきましょう。
少し肌寒い・水のような鼻水がでる、あるいはくしゃみがでる・ときに咳がでることもある・喉が痛くなることもある、そんな感じです。
鼻水がダーっとでるので、秋の花粉症と間違えて来院される方が少なくありません。しかし花粉症は毎年少しずつ症状が出てきます。今まで秋の花粉症になったこともないのに、急に鼻水がたくさん出る場合にはむしろ花粉症は疑い難いです。
あとよく患者さんがおっしゃるのは、「疲れているけど、いつも通り働いているだけなんだけど」というものです。
確かにいつもと変わりないのかもしれませんが、疲労の蓄積によって体が外邪(外からの悪い刺激)に対して、体温を上げることができるほどに体力が残っていない、ということが起こり得るということを覚えておきましょう。
鼻水がさらさらだったのに、粘ってきて、咳も強くなってしまった、と治療中におっしゃる方もいらっしゃいます。このように風邪がこじれたときには、こじれがほどけるほどに鼻水は粘り、痰のからむ咳がしつこく出てきます。寒くて水のような鼻水がたくさん出る時間が長いほど、反動で粘った鼻水も後からたくさん出て参ります。
寒気と水のような鼻水は風邪がこじれていなくても、もらった瞬間に生じる症状でもあります。どちらにしても、寒くなくなるまで温かくして寝ている方があとあとスッキリ治ります。
寒いから入浴して温まって寝たいという方もいらっしゃると思いますが、体力温存のため、できるだけ入浴はせず、早く就寝することをお勧めします。
ご参考までに、このこじれた状態から回復させる特効薬があります。漢方薬の麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)と呼ばれる処方です。
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2011年11月05日
熱ショック蛋白について
早朝のラジオで熱ショック蛋白(HSP;Heat Shock Protein)のことを話していたので、興味が湧きました。
実は動物実験をしていた時代(15年くらい前ですが・・)に、耳にもHSPがあり、どういう作用をしているのか、という話になっていたので、蛋白質としてはよく知っているものなのです。でも健康法と関係があるのか・・!と驚いています。
熱を加えて出てくるのだからあまり良くない蛋白質なのかと思っていましたが、実はそのダメージから細胞を守る蛋白質なのですね。見直しました!
ラジオでは、HSP入浴法という形で紹介されていました。人間は深部体温が下がっていくときに眠気を感じるものなので、就寝前に入浴で体温をあげることは睡眠にとっても凄く重要なことなのだそうです。
HSPの性質を分かりやすく例えているサイトもあります。(以下、抜粋です)
HSPは瀕死の細胞を助け、また救助が難しい場合は周りの細胞に迷惑をかけずに旅立たせるなど、新居に移るまでの間、体の中の被害を最小限にするために全力を尽くすのです。細胞内の災害対策本部と言っても過言ではないでしょう。
癌にもHSPは関与するのですね。癌の温熱療法のときに自分の細胞はどのようになるのか、HSPが大変重要な役割を果たしていることが分かります。
治療によって障害を受けた自分の細胞を修復したり、障害の大きい細胞を排除したり、癌に対する免疫力を向上させたり。HSPの作用は大きいのですね。
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2011年10月29日