この梅雨の病気の傾向について~子どもの鼻水から
今年は例年の梅雨とは何か違う様相なのです。それは子どもたちの体調がそろって悪いことです。鼻水が止まらない子どもの数がとても多くて、診察も大変です。近所の小児科の先生もいつもと違うと言っています。
例年はこの季節になると暖かさが持続してくるので、気温差に影響されることが少なくなってくるものなのですが、どうしてでしょう?
それは、恐らくですが、湿気が例年よりも多いことに原因があるのではないかと思うのです。
湿気はあまり重要視されていない気候の要素ですが、リウマチの人が痛みを湿度計よりも敏感に訴えたりするように、体には大きな影響がでてきます。
東洋医学では「湿邪」と言います。教科書では体表では体が重くなり、関節を侵すと痛みと運動制限が起こるとの事。そして「脾」つまり胃腸の傷害を生じ、水分が排出されない状況になるのです。
鼻の周囲には水が蒸発するスポットがたくさん用意されています。そこに炎症が生じると副鼻腔炎という病気になるわけですが、子どもはエネルギーが強いので副鼻腔炎を生じやすいのです。ハナタレ小僧はこの状態のことです。
ところが、昨今の子どもたちは体温が低いので、普段からハナタレにならない代わりに、湿度の高いこの季節に体調を崩しやすいのではないか、と推測しています。
子どもが湿邪の影響を受けるなんて、本当なら大変です。毎年この傾向が拡大してしまいますから・・。もっと走り回ったり、いろんな手伝いをしたりして、筋力を上げないといけないのかもしれません。
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2008年06月15日
寝てからの体温変化について
みなさん、寝てからの体温の変化について考えたことがありますか?
私も以前は知らなかったのです(苦笑)。
7~8年前、我が家の小さな子どもたちが、どうしたら風邪をひかなくなるのか?と考えて、体温のことを調べたのが始まりでした。
何の教科書で見たか忘れましたが、寝てから1~2時間は体温が0.5度程度(数値はあいまいです)上昇して、あとは朝までずっと下がっていくというのが自然の流れのようです。
そのときの私の得た熱論は、寝ている子どもが汗まみれになっていても、自分が寝る前に全て着替えさせ、しかも少し厚めに着せれば、その後は汗をかいて体が冷えてしまうことはない、ということでした。
ところで・・・
昨日、よく知っている患者さんが、寝る前に咳がしつこく止まらない、ということを訴えてきました。
私は経験のみから「寝る前には出るもんなんだよ」と乱暴に答えてしまいました(反省!)。するとその患者さんが言うのです。
「寝る前の咳は体温のせいですかね?」
これを聞いたときに、寝てからの体温変化のグラフが頭に浮かびました。確かに、体温の生理的変化に応じて咳が出ているのかもしれません。相手が生理的変化ですから、あまりいじり過ぎないようにこの咳に対応できると良いと思います。さて、どうしたら上手くいくかな?(まだ考え中)
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2008年06月07日
(改題)私のアレルギー対策3
食餌アレルギーの報道番組のことを書きました(怒)。
それ以後、自分のアレルギー対策について多数メールをいただいています。ありがとうございます。そこで「私のアレルギー対策」というコーナーにしてしまいました。でははじまり~。
Oさんからのメール
> 私は十数年間、ひどい鼻炎に悩んでいました。点鼻薬と飲み薬が 片時
> も手放せない状態でした。それが、ナチュラルハイジーン」を始めると、
> 体重が減り、慢性疲労が治り、体が軽くなり、1年後には アレルギー
> 性鼻炎が軽くなり、飲み薬が不要になりました。
「ナチュラルハイジーン」という言葉を聞いたことがないので調べました。生野菜や果物を主体に、自然の恵みをそのままに摂取するというのが基本のようですね。あと水の飲み方などの細かいルールがあるようですが。それはサイトをご覧下さい。
http://momo-taku-tomo.boo.jp/kenko/
Oさんは肉・乳製品・卵は一切食べないとのことですが、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎もよくなったそうです。
ちょっと心配だったので、この方法で治療を開始してからの肌艶に影響がでないかどうかをお聞きしましたが、全く問題ないとの事でした。
全ての人に勧めて良いのか分かりませんが、アレルギーに悩んでいる方ならムリのない範囲で試してみても良いかもしれません。これに似た方法を使っておられる方もいらっしゃるようですが、良い面、悪い面を教えていただければ幸いです。
lohas@jjclinic.jpまでお願いします。
アレルギーに関する病気はいろんな人がいろんなことを考えて実践しているようですね。みなさんの工夫について教えて下さい。このコーナーもしばらく続けてみようと思っています。
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2008年05月31日
食餌アレルギーの報道に関して2
食餌アレルギーの報道番組で「こういう時代だから(仕方ない)・・」と軽々しく発言していることに先週は憤慨しておりました。
関与しているのが明らかだと思われる時代背景についてみなさんで考えてみませんか?と言ったことに対して多数のメールをいただきました。ありがとうございました!早速ご紹介します。
Nさんからのメール
> 私は全くアレルギーがありません。スギ花粉を浴びながら育ったためか、
> 虫下しが小学校高学年まで必要な、生活環境だったからか、雑菌の多い
> 田舎を駆け回りながら育ったからか。「ハタ!」と気づいたのは、子ども
> のころの食生活のおかげではなかったか、ということです。
そうですね。どのくらい昔か分かりませんが、コンビ二が出来てからだと思うのですが、かなり食生活が変わった感じがしますよね。私の行くレストランのマスターも、トマトペーストひとつでもしっかり作らない手抜きのものを出している店が多いし、それに気づかない客も多いと嘆いていました。
IMさんからのメール
> とくに治療は受けず、添加物は極力さける。甘い飲み物は摂らない。肉
> はほんの少し。野菜もなるべく農薬の少ないものを選ぶ。お風呂でも無
> 添加石鹸だけしか使わない。できるだけ歩く。
> 完治とまでは行きませんが、かなり良好な状態が保てています
IMさんは漢方治療を始めてから、その効果よりも健康、病気、食物や環境についての考え方が変わったとおっしゃっています。そして不自然な暮らしがアレルギーの原因ではないかと考えておられます。
私もこの考え方は好きです。そして漢方と付き合うようになってからいろんな考え方が変わったところは私と同じですよ。不自然さが気になるのですよ。
紙面の都合で、今回はお二人からの情報のみ掲載しましたが、これからも少し続きそうなシリーズですので、もしもアレルギーがこうしたら治った、軽くなった、という情報(癌でも構いません)をお持ちでしたら、ぜひlohas@jjclinic.jpまでお願いいたします。
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2008年05月24日
食餌アレルギーの報道に関して
食餌アレルギーの報道番組を見ました。その中であるコメンテーターの興味深い発言がありました。
「みんなが花粉症も含めて、何らかのアレルギーを持っている時代です」
「こういう時代だから、食事アレルギーなどは個性と思い、普通に接しよう」
私は少しずつしか進めることのできない食餌アレルギーの治療をお子さんが受けている姿をみて、
「早くアレルギーの原因になっている時代背景を明確にして、アレルギーがなかった時代に戻したいものだ」と思って見ていました。随分違います。
現在のアレルギー治療には、根本的にアレルギーをなくすだけの決定的な治療方法がありません。しかし昔はアレルギーの人は少数だったわけですから、何かが背景で原因になっているに違いありません。
私は私なりに睡眠不足とストレスにより、粘膜の乾きを呼んで、粘膜が過敏性を増しているだけなのではなかろうか?と考えています。でも、これを確かめようとすると、まず動物実験から始めないといけないので無理そうです。
医療界には薬で収まれば良い、というムードがあります。私も抗アレルギー薬を処方するわけですから、片棒をかついでいるわけではありますが、このムードは気に入っていません。
そうしたら報道まで、「こういう時代だから・・」なんて軽々しく発言してしまうので、なかなかこの流れを止めることができません。
医療が進歩している現在、目だって増え続けている病気は癌とアレルギーです。時代背景が関与しているのは明らかだと思います。生活を変えることは容易ではありませんが、この時代背景についてみなさんで考えてみませんか?
アレルギーがこうしたら治った、軽くなった、という情報(癌でも構いません)を募集します。lohas@jjclinic.jpまでよろしくお願いいたします。
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2008年05月17日
第109回日本耳鼻咽喉科学会総会
大阪の第109回日本耳鼻咽喉科学会総会に出席してきました。学会ホームページですが、結構、一般向けの内容が出ていますよ。何か耳鼻科でお困りのことがありましたらご覧下さい。
ちなみに私が長年お世話になっている教授が現在の学会長で、この人のおかげで開業医になってからも、最新の耳鼻科の知識を増やせるわけです。
学会では意外な発見がありました。耳鼻科の先生でも漢方薬を(私のように)硬派に使おうという動きが段々出てきていました。私は一般の啓蒙のためにこのメルマガを書いていますが、今後は学会で医師にもアピールしないといけない、と感じました。
今回の学会では新たな知己が2名増えて収穫大でした。
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2008年05月17日
毎日の診療の中で少し最近気になること
毎日の診療の中で少し最近気になることがあります。
治癒までの期間をとにかく短く!と求められることが多くなったことです。非常に近視眼的な診察を求められます。熱が出たら解熱剤、咳がでたら鎮咳薬と症状を除くスピードを求められるのです。
これはちょっと不本意だな、と思うことがあります。もっとすっきり治る方法があるのに、と残念に感じることも少なくありません。
熱が出るのにはそれなりに意味があります。高熱がでているから重症とも思いません。数日続くこともあるかもしれないですが、理にかなっていれば、そのままにすることもあります。
大切なことは、何故熱が出るに至ったのか、どうして咳がでているのか、ということなのです。それがきちんと理解できるものならば、その流れを止めないように薬は出していきたいと思うのです。
もちろん、「明日、大切な○○だから、何とかして!」という切実な思いにはできるだけ対応しようと思います。でも流れを理解していただいた上で対応したいと思っています。
風邪には必ず原因があります。それを毎回推測していかないと、二の足を踏むということになりますから、それをできるだけお伝えしているつもりです。そして最終的に皆さんが自分から健康を指向してくだされば、この上ない幸せです。
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2008年05月10日
最終目標は薬無用の診察ですね
私の診察はただでさえ日常生活のあれこれにうるさい指導が入るのですが、さらにそれに磨きをかけて(笑)、薬を使わない治療を編み出すというのが私の目標です。
救急医療では薬が必要なことはいうまでもありませんが、普段の診療では生活を見直すだけ、あるいは時間を待つだけ、で解決できることが少なくありません。そして一度崩れたバランスを元にもどすのが、本当に困難であることも日々実感します。
まだ基本は西洋医学者ですので薬で治す診療ですが、いつか処方箋無用の診察ができたら良いと思っています。まだまだですけれど(笑)。
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2008年04月27日
のぼせとかゆみの対策~耳がかゆい人が来院されて
急に耳のかゆみを訴えて来院される方が大変に多かった1週間でした。
理由として考えられることが2つあります。
1つは気候です。
雨模様ではありますが、確実に気温が上がってきています。のぼせの話を書きましたが、体の中のエネルギーがだんだん活発になってきて、体の上へ上へと上昇する季節です。
すると、温度が上がって頭部の皮膚や粘膜が悲鳴を上げて、少しの刺激でも目のかゆみ、耳のかゆみが生じてきて、中には喉がかゆいと訴える人もでてくるのです。
2つ目はストレスでしょうか。
この季節は新入学や異動などがあり、何かとストレスの多い時期です。初めのうちは気合でがんばるものですが、その気合は体の中では熱になりますので要注意です。
なぜなら、熱はやはり体の中で上に昇りますので、首から上の皮膚や粘膜に影響を与えてしまいます。
これらのエネルギーを制御して良い方向に意識して持っていくと、逆に仕事の能率も上がります。そのためには悪化要因を排除することが重要なのです。
体の上に上がったエネルギーを処理するには、エネルギーを循環させて体の下に下げるか、エネルギーの勢いを冷ますか、ということになります。
ストレスはそれ自体がエネルギー循環を妨げるので、できるだけ減らしておきたいですね。あとは便秘や胃もたれはエネルギーが降下するのを妨害します。エネルギーを一番安全に冷ますには十分な睡眠が良いのではないかと思います。
直接冷たいもので体表から冷ますと、循環自体が悪くなる可能性があるのであまりお勧めはしません。一時的には気分が良いかもしれないですがー。
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2008年04月20日
のぼせの季節が到来~収功の利用
春は陽気が盛んになり、植物は芽吹いて、人々は活発になります。気候もあたたかで「よい季節ですね」なんて挨拶が交わされます。
しかし結構、健康に過ごすのは難しい季節である感じがします。私は早速、頭痛が生じ、自分の陽気(体内のエネルギー)が過剰であるのを感じます。最近、気功で気の鍛錬をするためでしょうか、頭痛が例年よりひどく感じます。
鼻血で来院する人も急に多くなりました。気候は乾燥していないのに、恐らく陽気が過剰になり鼻内を乾かしているのでしょう。のぼせだけでも出血はしますし、とにかく出血しやすくなります。
こういうときに風邪をひくと、たまっている陽気に治りを妨害されて、いつまでも喉が痛いということになりかねません。風邪のときに耳もかゆくなりやすいです。
こういうときには、食べ物を少しあっさりしたものにしたらよいかもしれませんね。陽のエネルギーを多く取り込まないようにするということが大切でしょう。
あとはよく寝ることでしょうか。新芽が吹くように活動したいと体があなたに話しかけることでしょうから、活動と休息のバランスを意識して活動していくことが大切になるでしょう。
どうしてもすぐ何とかしたい!ということでしたら、掌を空に向けて手を真上に上げてみましょう。すーっと、まず腕、そして体のエネルギーが下に下がるのが分かりますか?イライラもとれるはずです。低血圧の人は止めたほうが無難です。
そのあと、体の前で手を下ろしていきますが、エネルギーが再度上昇して来ないように首の高さからは掌を下に向けます。
そしてそのまま手を下ろしていき、両手を下腹部の前で組んで(男性は右手が上、女性は左手が上、と書いている本があります)、エネルギーを下腹部に収めて終わりです。気功の収功を応用して、のぼせを除くとこうなります。
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2008年04月12日