第109回日本耳鼻咽喉科学会総会

 大阪の第109回日本耳鼻咽喉科学会総会に出席してきました。学会ホームページですが、結構、一般向けの内容が出ていますよ。何か耳鼻科でお困りのことがありましたらご覧下さい。
 
 ちなみに私が長年お世話になっている教授が現在の学会長で、この人のおかげで開業医になってからも、最新の耳鼻科の知識を増やせるわけです。

 学会では意外な発見がありました。耳鼻科の先生でも漢方薬を(私のように)硬派に使おうという動きが段々出てきていました。私は一般の啓蒙のためにこのメルマガを書いていますが、今後は学会で医師にもアピールしないといけない、と感じました。

 今回の学会では新たな知己が2名増えて収穫大でした。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年05月17日

毎日の診療の中で少し最近気になること

 毎日の診療の中で少し最近気になることがあります。

 治癒までの期間をとにかく短く!と求められることが多くなったことです。非常に近視眼的な診察を求められます。熱が出たら解熱剤、咳がでたら鎮咳薬と症状を除くスピードを求められるのです。

 これはちょっと不本意だな、と思うことがあります。もっとすっきり治る方法があるのに、と残念に感じることも少なくありません。

 熱が出るのにはそれなりに意味があります。高熱がでているから重症とも思いません。数日続くこともあるかもしれないですが、理にかなっていれば、そのままにすることもあります。

 大切なことは、何故熱が出るに至ったのか、どうして咳がでているのか、ということなのです。それがきちんと理解できるものならば、その流れを止めないように薬は出していきたいと思うのです。

 もちろん、「明日、大切な○○だから、何とかして!」という切実な思いにはできるだけ対応しようと思います。でも流れを理解していただいた上で対応したいと思っています。

 風邪には必ず原因があります。それを毎回推測していかないと、二の足を踏むということになりますから、それをできるだけお伝えしているつもりです。そして最終的に皆さんが自分から健康を指向してくだされば、この上ない幸せです。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年05月10日

最終目標は薬無用の診察ですね

 私の診察はただでさえ日常生活のあれこれにうるさい指導が入るのですが、さらにそれに磨きをかけて(笑)、薬を使わない治療を編み出すというのが私の目標です。

 救急医療では薬が必要なことはいうまでもありませんが、普段の診療では生活を見直すだけ、あるいは時間を待つだけ、で解決できることが少なくありません。そして一度崩れたバランスを元にもどすのが、本当に困難であることも日々実感します。

 まだ基本は西洋医学者ですので薬で治す診療ですが、いつか処方箋無用の診察ができたら良いと思っています。まだまだですけれど(笑)。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年04月27日

のぼせとかゆみの対策~耳がかゆい人が来院されて

 急に耳のかゆみを訴えて来院される方が大変に多かった1週間でした。

 理由として考えられることが2つあります。

 1つは気候です。

 雨模様ではありますが、確実に気温が上がってきています。のぼせの話を書きましたが、体の中のエネルギーがだんだん活発になってきて、体の上へ上へと上昇する季節です。

 すると、温度が上がって頭部の皮膚や粘膜が悲鳴を上げて、少しの刺激でも目のかゆみ、耳のかゆみが生じてきて、中には喉がかゆいと訴える人もでてくるのです。

 2つ目はストレスでしょうか。

 この季節は新入学や異動などがあり、何かとストレスの多い時期です。初めのうちは気合でがんばるものですが、その気合は体の中では熱になりますので要注意です。

 なぜなら、熱はやはり体の中で上に昇りますので、首から上の皮膚や粘膜に影響を与えてしまいます。

 これらのエネルギーを制御して良い方向に意識して持っていくと、逆に仕事の能率も上がります。そのためには悪化要因を排除することが重要なのです。

 体の上に上がったエネルギーを処理するには、エネルギーを循環させて体の下に下げるか、エネルギーの勢いを冷ますか、ということになります。

 ストレスはそれ自体がエネルギー循環を妨げるので、できるだけ減らしておきたいですね。あとは便秘や胃もたれはエネルギーが降下するのを妨害します。エネルギーを一番安全に冷ますには十分な睡眠が良いのではないかと思います。

 直接冷たいもので体表から冷ますと、循環自体が悪くなる可能性があるのであまりお勧めはしません。一時的には気分が良いかもしれないですがー。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年04月20日

のぼせの季節が到来~収功の利用

 春は陽気が盛んになり、植物は芽吹いて、人々は活発になります。気候もあたたかで「よい季節ですね」なんて挨拶が交わされます。

 しかし結構、健康に過ごすのは難しい季節である感じがします。私は早速、頭痛が生じ、自分の陽気(体内のエネルギー)が過剰であるのを感じます。最近、気功で気の鍛錬をするためでしょうか、頭痛が例年よりひどく感じます。

 鼻血で来院する人も急に多くなりました。気候は乾燥していないのに、恐らく陽気が過剰になり鼻内を乾かしているのでしょう。のぼせだけでも出血はしますし、とにかく出血しやすくなります。

 こういうときに風邪をひくと、たまっている陽気に治りを妨害されて、いつまでも喉が痛いということになりかねません。風邪のときに耳もかゆくなりやすいです。

 こういうときには、食べ物を少しあっさりしたものにしたらよいかもしれませんね。陽のエネルギーを多く取り込まないようにするということが大切でしょう。

 あとはよく寝ることでしょうか。新芽が吹くように活動したいと体があなたに話しかけることでしょうから、活動と休息のバランスを意識して活動していくことが大切になるでしょう。

 どうしてもすぐ何とかしたい!ということでしたら、掌を空に向けて手を真上に上げてみましょう。すーっと、まず腕、そして体のエネルギーが下に下がるのが分かりますか?イライラもとれるはずです。低血圧の人は止めたほうが無難です。

 そのあと、体の前で手を下ろしていきますが、エネルギーが再度上昇して来ないように首の高さからは掌を下に向けます。

 そしてそのまま手を下ろしていき、両手を下腹部の前で組んで(男性は右手が上、女性は左手が上、と書いている本があります)、エネルギーを下腹部に収めて終わりです。気功の収功を応用して、のぼせを除くとこうなります。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年04月12日

風邪について最近思うこと~どこまで治療するか

 最近、風邪についてちょっと考えていることがあります。

 それは、治療が上手く行ったな、と思う人ほど次の風邪を簡単にひいてしまうということです。

 う~ん・・・。どうしてかしら。気のせいなのでしょうか?

 特に漢方薬を使用して治療がキマッたときは、劇的に良くなる印象があります。しかし、自分がどうして風邪になってしまったのか、などと生活を見直す機会を奪っているのかな?と考えているのです。

 子どもの治療でも同じことが言えます。

 すぐに鼻水を止めて欲しい、と言うみなさんの気持ちはとても良く分かります。でもお子さんを強く育てたいという観点から言うと、あまり手を貸さない方が良いのかもしれません。

 先日、とあるお母さんともお話しましたが、後遺症が残らないような程度に手を貸していくということが大切なのかもしれません。

 覚えておきたいことは、子どもは病気に耐えることだけで強くなっていきますが、大人は強くならないので、生活を見直さないとまた病気になってしまうということです。

 大人は子どものように柔軟ではありませんから、病気を、生活パターンを見直す機会ととらえては如何でしょうか?

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年04月06日

コレステロールが低いほうが危険・・?

 いつかこういう話題がでるのではないかと思っていました。なお、新聞記事が読めなくならぬように「ウェブ魚拓」と「TinyURL」を使用しています。

 コレステロール、低い方が危険=男性は高いほど死亡率減る~富山大など
記事1 記事2

 17万人の分析とのことですので、無視できませんよね。以前もメルマガで書いたことがありますが、心筋梗塞などの血管の病気ではリスクが下がるようですが、免疫力が落ちるのではないかと指摘している本もあります

 4月から特定健診が始まります(具体的にはよく知りません。ごめんなさい)。コレステロールの適正値が自分の場合いくつになるのか、一応参考になるサイトを挙げておきます。

 1分で判定!あなたのコレステロール目標値-特定健診・特定保健指導All About

 でも45歳を超えるだけで総コレステロール値は240mg/dl未満から220mg/dl未満が適正値になるのだとか。新聞記事とは随分と値に開きがありますね。

 こういう内容では保険会社のサイトが参考になると思います。
 共栄火災~お役立ち情報「見直されるコレステロール

 私はこういう情報では、心筋梗塞の生じやすさよりも、総死亡率の方が重要な感じがします。あまり厳格な管理はどんなものか、と思っていますけれど、みなさんは如何感じられたでしょうか?

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年03月29日

ホントに花粉症ですか?本当に花粉症が悪化したの?

 花粉症は日本人全体の大問題であると思います。しかしいくつか知っておいていただきたいことがあります。

 花粉症の診断ですが、血液検査で陽性だから花粉症!ということがかなり言われているようです。しかし、これはあくまでも花粉に反応し得る体であるということを言っているに過ぎません。

 一番大切なことは何か?それは花粉が飛んだであろう日、つまり暖かくなったり、風が強く吹いた日に症状が増悪することが確認されることです。

 大体はそういうことがあって花粉症だろう、と暫定診断されて血液検査をすることになるのですが、時として天候との相関がはっきりしないこともあるのです。実はホコリに反応しているということもあります。

 症状も確からしい、血液検査でも陽性となると花粉症か、というとそうとも言い切れません。鼻汁内に好酸球というアレルギーを起こす細胞ががあるかどうかを調べて、症状、血液検査、鼻汁中好酸球の総合判断ということになります。花粉エキスによる症状の誘発までやるのが正式な診断法ですね。関連サイト1 関連サイト2

 目の症状を訴える人が多いですが、結膜にアレルギーに関わる細胞が誘導さ
 れるかどうかは、あまり問われないようですね。関連サイト

 私はこれらの診断には大きな落とし穴があるように感じます。今日の鼻水が花粉によるものか、風邪によるものかを鑑別することはできないのです。以前から脈の重要性を話していますが、脈は花粉に反応すると、浮いてくるようです。これはリアルタイムで都合が良いです。ただし逆に、花粉症の人がこの季節に風邪をひいたときにはあまり有用なツールではなくなります。

 昨年のような花粉の少ない年から花粉症になったと訴える人、それと生活が変わらないのに急に薬が効かなくなる、とくに症状の抑えが全く効かない感じの人は、ホントに花粉症なの?花粉症が悪くなったというのは本当??と思いながら脈をみることが多いです。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年03月23日

人相も重要な健康管理の指標になる!

 三白眼って知っていますか?

 実は、第25回生命情報科学シンポジウムに参加したとき、末松知子さんの講演をお聞きしたときにでてきた人相でした。最悪の相とされているようですね。

 末松さんによると、事故、病気、暗殺などが起こり得る人相であるとのことでした。故ダイアナ妃も数日前には三白眼だったとか。確かにケネディの写真だと明確に三白眼であることがわかります。驚きです。

 口の大きさや口唇の厚さ、眉間のしわ、耳の形、みんな健康と関連のあることのことで、最近の若者の人相をとても心配されていました。健康的にも良くない人相であることが多いとか。人相判断はツボを結ぶ線である経絡と重なる面もあるように感じました。

 詳しくはこの本をどうぞ。私も読もうと思っています。
 ★『宇宙のリズムが人生を変える』★
 葉瀬中とも子(著)本の森(1999/08)

 あとは食べ物の陽性と陰性を十分に理解して食べることを教えていただきました。「何を食べたら健康になれる!」という理論はおかしいのですよね。総合的にどういうバランスで食べたか、ということが一番大切でしょう。

 私の場合はコーヒーの量が問題でしょうね。定食屋にマイカップを置いて、今もそこでコーヒーをがぶがぶ飲みながらこの原稿を書いているわけです。紅茶は陽性が少ないようです。紅茶に変えようかな。

 実は末松知子さんは衆議院議員末松義規さんの奥様です。末松議員の講演も拝聴しましたが、実に視野の広い方のように思いました。その視野の広さを感じさせるサイトがありますのでご紹介します(特定の政党を応援する気はありませんので、念のため)。以前から注目していたサイトです。
 

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年03月16日

(再掲)風邪と花粉症の区別について

 2月までは「花粉症になりました」という患者さんの半分以上が風邪、という状況が続きましたが、3月に入り花粉が本格的に飛散し始めて、花粉症の患者さんが多くなってきました。

 こうなるとかえって風邪の患者さんを見分けるのが難しくなります。花粉の攻撃を受けるだけで脈は浮いてしまうので、風邪があっても花粉症の人では頼りの脈の診察が役に立ちません(涙)。

 あと頼りにするのは、気候と症状の移り変わりが一致しているかどうか、ですね。これはかなり話を聞かないと分からないのですが、花粉症の患者さんは気温が高いときや風が強いときには明らかにくしゃみ鼻水が増えます。

 先日、花粉症調査のお願いをしました。 

 こんな調査をしなければならぬほど、花粉症と風邪は見分けるのが難しいのですよ。この調査は花粉症と風邪がどのくらい違っていて、どのくらい同じなのかを知るための基礎調査です。

 何でこんな調査をしようと考えているのかというと、花粉症も風邪も、東洋医学的には、風邪(ふうじゃ)が外から体に入ってきて、体がいろいろに反応するということでは同じだからです。

 当方の診断の精度を上げるために必要な調査ですので、もしもご協力いただけるのであれば、lohas@jjclinic.jpにメールを下さい。症状記入用紙を返信いたしますので。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
メルマガ英語版はこちらです。

2008年03月09日