気管支炎に対する認識

 先日、患者さんに面白いことを聞きました。

 私が急性気管支炎と診断した患者さんがいるのですが、内科の先生に真っ向から否定されてしまったようです。

 「気管支炎なのに熱がでないなんておかしいから、気管支炎ではない」と患者さんは言われたようです。

 私は怒り心頭です。「気管が赤いのをファイバースコープで見たんだよ!」

 私はそのときに怒る(心の中で、ですよ)と同時に、内科では気管を見る手段がないから、そう思うのも仕方ないのかもしれないなあ、と思っていました。

 でも・・・(怒りの反省モード)。

 よく考えると声門下喉頭炎が気管に広がったものだから、喉頭炎というべきなのかな、という疑問もあります。気管が左右に分かれるところまでいかないのですから、気管支には炎症がなくて、厳密には気管支炎ではないとも言えます。

 しかしこの部位の炎症が風邪のあと続いていて、放置されていつまでも咳がでて苦しんでいる人もたくさんいるのです。ただ、内科では呼吸音が正常なので、気管支炎ではない、と診断を受けることになります。

 じゃあ部位を正確に伝えるため、「気管炎です」と言うのも何だかおかしい感じです。だいたい気管炎などという医学用語は聞いたことがないです。やはり気管が赤いのみでも「気管支炎」と言ってしまう方が、患者さんにも伝わりやすいように感じます。やや正確さを欠きますが。

 確認方法を教えておきましょう。両側鎖骨が中央でくびれていますが、その上までは気管が浅いので触れます。強く押すと苦しいので、軽く押してみて痛みがあるようなら「気管炎」と言えます。医師には気管支炎の対応をしてもらいましょう。

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2007年10月27日

インフルエンザのローカル感染状況について

 東京、神奈川でローカルなインフルエンザ感染があるようですね。真夏から沖縄にずっと少数の患者さんが出ていたのも不思議でしたが、まだ寒くないいまどきにインフルエンザなんて変ですね。

 都下には学級閉鎖があったという情報もありますよ。びっくりです。
(注:未確認情報です)

 異常なのは気象だけでなく、病状も気候に合わせて変化していくものなのかもしれませんね。気をつけて見ていきます。

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2007年10月20日

秋の花粉症対策・・スギ花粉も!!?

 早朝のテレビで秋にもスギ花粉症が起こることが放送されていました。秋の雑草の花粉症が起こることは大分認識されてきたように思いますが、スギ花粉も飛散することはあまり知られていません。

 でも、実際にスギ花粉は少しですが飛散しています。誤差の範囲かもしれませんが、特にスギ花粉飛散量が多い地域では、5月初旬と同程度に飛散しているところもあるということは言えそうです。これは青梅地域の例です

 テレビではアレルギー反応を抑制する物質を含むつくし、わさびなどを食すると良いとか、断肉が良いというように言っていましたが、食事内容でアレルギー対策を考えるときには、あまり極端にならないように気をつけたいものです。

 同じ放送で、ヨーガが良いのではないか?蒸気浴が良いのでは??と紹介されていました。これらにはそれなりの根拠がありそうです。生活の中に取り入れられる方は試してみると良いでしょう。

 昨今は風邪をひいても「アレルギーになりました」と言って来られる方がとても多いですね。秋の花粉症はあまりひどい症状がでないことがほとんどですし、晴れた日、風の強い日に症状が出やすいです。一方で風邪のときには2-3日経過すると鼻症状は収まります。ご自分でもだいたいの判断はできると思いますよ。

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2007年10月14日

真夏のミステリー~食中毒激減

 東京都の月別食中毒患者が激減しているようです

 これは面白い記事ですよ。

 今年7月は3件14人、8月は6件30人とのことで、記録的な少なさのようです。ちなみに昨年7月は13件242人、8月は12件188人。

 厚労省は個人が注意し始めたというコメントを出していますが、これはあまり信憑性がない印象です。

 「暑いと食べ物がすぐに腐る」と人は考えるというのが識者の意見ですが、これは一理あるかもしれません。というのは屋外イベント時の弁当などに、主催者はかなり気を配ることが予想されるからです。

 私の個人的意見ですが、私は個人レベルで気をつけたからではないと考えています。屋外イベント自体があまりの暑さで少なかったのではないかと思うのです。

 イベント件数を調べようとしましたが、上手く行きません。誰か教えて・・。

 みなさんのご意見は如何でしょうか?何か思いついたらlohas@jjclinic.jp
 まで!

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2007年10月07日

マスクをしない診察

 まだまだ暑いですね。ときに秋の気配も感じますが、完全に残暑の様相です。(注:昨日から急に涼しくなってきました)

 クリニックも夏はヒマと決め込んでいますが、いつまでもヒマなので何だかさびしい感じがします。

 でも寒暖差がだんだんでてきているためか、風邪も少しずつ流行って来ているようで、私は不覚にも患者さんから風邪をもらってしまったようです。今はちょっとおかしい程度で、回復したようですけれど。マスクをしないからかしら・・。

 私は患者さんと話をしやすいようにマスクをできるだけしないようにしているのです。でも3年前にインフルエンザで3日間休診してから、風邪の流行がひどくなる真冬にはマスクをつけるようになりました。今シーズンもインフルエンザが流行するまではマスクなしで頑張ります。

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2007年09月30日

相対湿度の年次推移をみた衝撃

 先日、鼻アレルギーの講演を聞きました。

 7-8年前に横浜で聴講した演者の先生で、私の診療に大きな影響を与えた内容の講演でした。

 「鼻アレルギーの人が増えていることと、乾燥には関連があるのでは?」

 今回の講演で、年次相対湿度のグラフを見せていただいて衝撃を受けたので、私も自分で調べてみました。

 グラフも見つけました

 このグラフを見ていただくと分かるように、記録の残っている1876年以来、ずっと相対湿度は70%以上だったのです。

 初めて60%台になったのが1957年、初めて50%台になったのが2001年です。高度成長と共に湿度が低下していることが分かります。

 湿気を含まない西洋家屋の広がりもあり、乾燥はどんどん身近に迫っている印象があります。コンピュータもいたるところにありますが、1台1台が熱を産みますし、器械の保全のために乾燥させている事業所も多いはずです(うちのクリニックも、です)。

 これがいろんな病気の広がりを助長しているということもあり得る話ではないでしょうか?喘息も、アトピーも・・・。

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2007年09月15日

気管支炎患者が増加中!

 気管支炎の患者さんが急増しています。

 梅雨時にもいつも話しをすることですが、気管支炎が乾燥している冬の時期に起こりやすいと思っている人が多いはずです。

 確かにそういう気管支炎もあります。

 でも必ず、湿度が増してくると患者数が増加してきます。

 私の考えでは、呼吸によって逃げる水分が、通常はかなり気管から熱を奪っているのではないでしょうか。だから湿気が増して気管から熱が逃げにくくなると気管支炎が起こりやすくなる・・・。そんな気がしています。

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2007年09月09日

長く続く空咳の治療に関する私の考え

 空咳が続く、と訴える人が増加しています。

 世の中の大半(の医師)はアレルギーだ、と言って処理しています。

 まあ確かに、アレルギーの人は増加しているのでしょうし、それが原因と考えたいと言いたい医師の気持ちは分かります。血液検査をすると確かにアレルギーを示す値は上がっています。

 しかし私のように漢方薬を使用する医師が、患者さんの喉を潤してあげて、喉に潤いを保つための簡単な生活指導をすることで気管の被刺激性を下げ、つまり外からの刺激に敏感に反応しにくくし、かなりの患者さんが空咳から救われるのも事実です。

 気管が乾く原因は現代社会の中にたくさん存在しています。

 睡眠不足、暴飲暴食、濃い味の食事、ストレス、過労。そしてみなさんあまり意識していないことが多いかもしれませんが、一部の咳止め薬や一部の抗アレルギー薬も気管の乾きに一役かっているのです。

 アレルギーを抑えること、一方で気道の渇きを抑えること、どちらがより咳の治療の本質を衝いているのかを判断するのは、とても難しいです。

 あと忘れてはいけないのは飲酒の影響ですね。

 お酒を毎日飲んで、朝の喉の渇きが続くという人がいます。そういう方には飲酒量や飲酒機会を減らしていただいています。

 ちなみに、飲酒はタバコと違って癌にならないから飲んでいいのだ、という人もいますけれど、明らかにお酒が原因である癌も少なくありません。機会飲酒程度なら問題はありません。

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2007年09月09日

夏の猛暑と秋の気配

 8月は暑かったですね。西日本は残暑も厳しいようですが、関東以東はもう秋の気配がただよっています。

 気象庁のホームページで8月の猛暑を繰り返し記録した館林市を検索しました。すると、ナント猛暑日(気温35度以上)が21日あったのですね。熊谷市も猛暑日が19日あり、8月16日には40.9度の日本記録更新がありました。

 こんな暑かった夏だったので、本当は気持ちのよいはずの25度前後まで気温が下がると、急に寒くなったような感じがしてしまいます。体がついて行かず体調を崩される方も既に出てきています。

 気温の変化の大きいこれから10月初旬までは気温予想のチェックがいつも以上に必要だと思いますよ。

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2007年09月02日

そろそろ秋に備えましょう~易経の話

 まだまだ暑いですね。

 この季節は汗の量が多くなりますので、尿量が減少します。

 汗と尿は元々同じ吸収された水分で、それが汗と尿に振り分けられているのです。汗と尿によって体から出す毒が異なるようなので、この季節は尿を意識して出す、ということが必要になります。

 尿の排出が十分でないと、晩秋くらいに排出されなかった毒の影響がでるとのことです。

 体には12経絡(ツボの系統)があります。各月に悪くなりやすい経絡があるのでしょう。まだ易経を読み込んでいないので、このあたりはこれから研究します。

 あまり水をがばがば飲むと、胃にも心臓にも負担になりますから、涼しいところで少し多めに水分を摂るということになりましょう。

 しかしエアコンがいつも効いているところにいると、汗がでないために肺(皮膚は「肺」に含まれます)の病になるのかもしれません。これも昨今は要
 注意です。

 暑いけれど、尿量と発汗量のバランスも取らないといけないようです。あまり考えたことはありませんでしたが、そういう真理もあるのかもしれません。

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2007年08月25日