病は気から

病は気からである。

と言ってしまうと、じゃあ処置は?薬は?要らないのー?ということになってしまうが。でも病は気力でかなりの部分克服できる、これが今回のインフルエンザから得た結論である。

昨日も一昨日も「明日は休みだ」と思うとどうも治りが悪い。今日になり「もう明日から診察だ~」と追い込まれると、急に状態が良くなってくる。おかしなものである。

インフルエンザも風邪のひとつなのであるから東洋医学的には邪気。気力は同じく正気。漢方処方も気を動員して正気を助け、邪気にどれだけ打ち勝てるか、というところがポイントなのだから、やはり気力は大切なのである。

実は初期から手元に抗インフルエンザ薬があったのだが、休むと決めたので急ぐことはないと薬は飲まずに今日を迎えた。早くからウイルスの増殖を抑えてしまって自分が免疫を獲得できるのか?という不安があったからである。休んでいるのに免疫を獲得できないなんて馬鹿げている。しかも今年のワクチンはA型B型ともにあまり効いていないようであり、私は仕事をこれから順調にこなす上で、免疫の獲得が最も大切であると思ったのである。

インフルエンザに感染していろいろ考えたことがある。上記の免疫のこともひとつだが、A型B型でどうして少し流行時期がずれているのか?今回の流行の原因は乾燥が続いたことによるものか?(今年の流行が遅れたのもそのせいか?)いろいろ調べていかないといけない。

2005年02月03日

インフルエンザ

インフルエンザが東京でも流行してきたようだ。うちのクリニックでもマスク着用を呼びかけている。忙しくなるとなかなか対応できないが、できるだけ受付でマスクも配るようにしている。

診察をしていて悩んでしまうのは、いかにもインフルエンザの症状なんだけれど検査をしてみるとインフルエンザでないときである。検査の的中率は100%ではないだけに、そのときにどう対応するか悩むところである。予防?のために薬を出すか出さないか、そのときの判断ということになる。流行を広げてはいけないし難しいところである。

あとの悩みは1歳未満のインフルエンザが見つかった時の対応である。症状が激烈であるためか、みんな小児科に受診するようだが、耳鼻科のうちとしてはやはり小児科受診をお勧めするしかないかなと思っている。

実は我が家にもインフルエンザの恐怖が襲ってきている。幸いにして私は無事であるが、湿度を高くしたり、みんなと別の部屋に寝たり、みんなにマスクをしてもらったりと結構な気の使いようである。

2005年01月30日

難聴について

企業が利益を厳しく追及したり、業績が悪くなるとすぐにリストラ、という世の中なので、みんないろんなストレスにさらされていると思う。ストレスがないという人を見ると、現世を生きているのかしら?と感じてしまうほどだ(それほど大げさでもないかな?)。

そんなストレス社会だからか、低音が聞こえない難聴の人が増加している。私には低音障害型難聴になる要素として重要視している点が3つある。

1.ストレスが多い
2.あまり寝ていない
3.忙しい(疲れ)

あとは塩分の取り過ぎなんかも時に気になることがある。

この季節に難聴がひどくなる可能性がある職業としては、耳鼻科医!(花粉症の治療で)、会計士(決算期で)などが挙げられる。特に締め切り厳しい仕事の人にはストレスがかなり大きくのしかかる。

ところで昨日、低音障害型の難聴であるのに、ストレスや疲れを感じていない人で、耳痛を訴える人が2人いた。ウイルスだろうか?耳痛といえばヘルペスウイルスであるが、ちょっと根拠にかけるので、抗ヘルペスウイルス薬は使用しなかった。9月くらいだったが耳痛だけで来院され、抗ヘルペスウイルス薬を使用して改善したことがあった。季節としてもヘルペスウイルスが活動してもおかしくない時期である。どうするか。。

2005年01月26日

本日の診療から(忘備録)

1.花粉症の患者さんが増えてきた。そんな中で興味深い患者さんのお話。
「朝症状がでてしまうと、コンタクトレンズが入らなくなってしまうので、その前に目薬をささないとダメなんですよー」
なるほど。そういうこともあるのだな、と思った次第。眼症状が強い場合には朝も内服薬が効いている必要もあるのかなあ。。。

2.22日に外遊びをしていて冷えて鼻水が出ている子が多い印象。土曜日は結構冷えたのかな。

3.喘息由来の副鼻腔炎の患者さん。麻黄剤を使用したところ(葛根湯加川きゅう辛夷)収まりがついた。長期の内服は難しいかもしれないが、抗アレルギー剤よりも明らかに結果がよく、喘息好発時期には有用な方法かもしれない。

2005年01月24日

注射の話

花粉症が今年はひどそうだ。

問い合わせの電話の中で気になることがあった。

X「そちらでは花粉症の注射はできますか?注射すれば症状が出ないと聞いたのですが」

J「その注射で何を注射しているかご存知ですか?」

X「・・・」

まあもちろん、医師を信頼してくれるのは良い。でもせめて自分が何を飲んでいたり、何を注射されているのか、ということは知っていて欲しい。具合が悪くなったときに医師は聞くでしょう。

「薬を飲んだり注射をしたりしませんでしたか?」

これに対して明確に答えられるかどうかはかなり大切なことである。特に急を要するときに答えが得られないと、医師も治療に手間取ることになるだろう。

研修医のときに質問されたことがある。

「注射で最も大切なことは何か?」

私は、痛くないようにするとか、薬を再確認するとか、いろいろ言ってみましたが、全てNG。答えは、

「注射したものを取り返すことができないことを意識すること」でした。

飲み薬は胃洗浄をすれば一部分は取り返せます。でも注射は入った分は戻せません。

そう考えると注射って怖いです。注射する側にもかなりの注意が求められます。

さて、話は戻って花粉症ですが、私たちのクリニックでは即効性の注射の治療はしません。減感作療法といって、丹念に治療する方法があるのですが、それはやっています。安全性をかなり意識して治療を選んでいます。

即効性の注射に関するコメント

2005年01月24日

診察いろいろ

昨日は咳が出ると止まらない人というが多かった。消毒済みの喉を見る鏡が診察終了間際になくなってしまい、あたふたしてしまった。
やっぱり乾燥のためかな、と思う。いわゆる咳喘息ということで喘息治療薬を処方するときもあるのだが、軽症の人に喘息治療薬は少し気が進まない。漢方薬で潤して様子を見るということにしている。

インフルエンザB型が検出された。ノロウイルスに隠れていたが、とうとうやってきたという印象。関係ないが昨日飲んだ仲間で「ノロウイルスって何?」という反応もあった。興味がないとそんなものかもしれない。

そういえば乾燥のために鼻血で来院される人がここ5日くらい多い気がする。

2005年01月18日

ノロウイルス?

今になってよく考えると年末に妙に下痢や嘔吐の風邪の人が多いなあ、と感じた。これはもしかすると今流行のノロウイルスだったのかもしれない。子供たちが多かったので、小児科さんに任せようなんて思っていたのであまり気にもかけなかった。

どうして急にそんなウイルスが出現したのだろうか?加えてインフルエンザにまだ明確な流行がないのも気になる。何か決定的な気候要素があったかしら?いつもと違うのは年末温かかったことであるが、何か関連があるのか?湿度は恐らく例年と変わらないと思うので関連ないだろう。こういう基本的なことからしてまだ明確に分かっていないのだ。

2005年01月16日

塩分を控える話

昨日感じた事だが。

最近、めまいがする人、耳の聞こえが悪い人が多いと感じていた。聴力検査をしてみると、大抵はストレスとか睡眠不足、疲れが関連している、ということで納得するところであろう。しかしどういうわけか、ストレスもないし睡眠不足もない、疲れてもいない、なんて人が少なからず存在することに気づいた。

よくよく聞いてみると、食べすぎていたり、塩分の多い食事をしたり、外食が中心という人たちのようである。日本ではあまり言われないことだと思うが、外国の聴覚平衡の診療では「塩分を摂り過ぎないように」という指導が当たり前のように行われているようだ。それからすると、やはり塩分による水分調節の不調が原因のめまい、難聴であろうか。

正月や年末年始のごたごたで忙しかった影響が今頃になって出ているのかもしれない。やはり健康のためには、正月返上で節制して臨まないとダメだということなのか。それはそれでストレスがたまりそうだなあ(笑)。

2005年01月15日

最近の診察

1.冬になりウイルス性感冒が目立つ毎日だが、単なる感冒なのに首のリンパ腺がやや大きく腫れる人が居るようだ。

2.乾燥肌のかゆみは皮膚を掻いて傷害された部分に神経終末が伸びてくることによる、とテレビで言っていた。これはもしかすると、最近増加した乾性咳やひいてはアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎もみな同じことなのではないだろうか?乾性咳がステロイド吸入剤で止まっていた患者さんに、単なる潤性の漢方薬を使用することでかなり効果を上げている。

2005年01月13日

乾燥社会

診察をしていて感じるのであるが、この世は乾燥社会である。

人の心に潤いがないということもあるのだが、とりあえず物理的に世の中が乾燥しているように感じる。

ストレスで熱がこもって乾燥してしまう人もいる。季節柄気候が乾燥しているので燥湿に疎いとその影響をまともに受けてしまう。西洋建築はエアコンが標準装備になってきているがこれがまた乾きの原因になっている。急激にダイエットして口腔粘膜全体に潤いがなくなってしまうという場合もある。疲れや激しい運動のために水分を保持できずに、あるいは胃もたれのために水分が不足して乾燥するなんてこともある。どこの会社もコンピュータが大切なので湿気はご法度で人間の健康よりも「コンピュータ様のご健康」が大切という状態も存在する。

西洋医学には潤す作用のある薬は少ない。ストレスからメンタル面に働く薬を飲んでいる人も多くなっているが、どちらかというと乾燥にベクトルを持っている薬が多い印象だ。

年々気候も燥湿が激しく変化して健康管理も大変であるが、医師にもそういう面で的確な指導力が求められるのではないだろうか?

2005年01月11日