生活の中で紫蘇を役立てる~赤紫蘇と青紫蘇
紫蘇には赤いものと青いものがあります。違いがよく分からないので調べてみました。
赤紫蘇にはアントシアニンが、青紫蘇にはβカロテンが多く含まれており、その色の違いがあるというだけで、赤も青も本質的な違いはないようです。
ただ赤紫蘇は6~7月に出荷されるので、梅干やジュースにして用いられることが殆どです。青紫蘇は店頭でいつも見かけますが、旬の収穫時期は6~10月だそうです。
紫蘇が刺身のつまとして、解毒の効能があることはよく知られています。ほかにも多様な作用を持っているので分かる範囲でご紹介しておきます。
紫蘇に含まれるαリノレン酸やロズマリン酸がアレルギー症状を抑えてくれるので花粉症の季節には使えるかもしれません。
また鮮度が良ければ香りがあるため、気の巡りに良く作用します。ストレスで調子を落としている人には良いかも知れません。ただし温性なので、熱がある人や乾いている傾向のある人には好ましくないこともあります。
さらに発散性があるので、外邪(外から来るウイルスや花粉)に対して対抗する作用を持っています。ですので、風邪予防や花粉症の予防には良い作用を発揮するのではないでしょ?ビタミンCが多く含まれていることも、風邪の予防に役立つと思います。
カリウムやカルシウムも含みますので、血圧の高い方には良いでしょうし、鉄分は貧血の改善に役立つことでしょう。
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2012年01月14日
みかんについて考えること~スジは大切?
冬の味覚の代表格であるみかんが食べごろの季節になってきました。
みかんのスジ、ありますよねー?どうしていますか?
先日、みかんを食べていたときに、
「へえー、スジを取るんですね」と言われて、「・・???」。
何のことかよく分からなかったのですが、どうもこういうことのようです。
みかんの皮は橘皮(きっぴ)、または陳皮(ちんぴ)と呼ばれ、漢方処方の中でも代表的な理気(気をめぐらせる)作用のある生薬です。通常の漢方処方にも多く使われています。とくに胃腸の補強、痰の減少に役立ちます。
どうでも良いことですが、古いものほど上質で「陳皮」と呼ばれるのだそうです。いつ橘皮が陳皮になるのかは分かりません。あいまいなのだと思います。
さて、その橘皮ですが、実は細かく分けられるようなのです。
橘紅(きっこう)は橘皮外層の固い部分で、痰を乾かす作用が強いようです。
橘白(きっぱく)は橘皮内層の白い部分で、胃腸を整える作用が中心です。
橘絡(きつらく)は中の網の目状の線維管束で、通絡(気を流れやすくする)や、順気活血といって気が巡ることで、血も巡るようになるのが特徴です。
さて、みかんのスジは恐らく橘絡に該当するのでしょう。気の巡る作用がもったいないので、中身はスジをつけたまま食べました。
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2011年12月25日
こわ~い、薬品の話
先日アレルギーで来られた患者さんですが、薬品の汚染がかなりある様子だったのです。お仕事を伺うと美容師さんでした。美容師の方たちは1日中薬品に触れていますからね。
でもどうしてアレルギーになる美容師さんとならない美容師さんがいるのでしょうか?
今回の場合、この美容師さんには便秘があり、それで薬品の汚染が十分に体外に排出できなくなっていたことが要因のように感じられました。
さらに上流にさかのぼりますが、何で便秘になったのでしょう?
それは推測ですが、ストレスによりビタミンCが消費され、そのためにビタミンCが足りなくなってしまったことが要因のように思われました。
この患者さんの場合には、ビタミンCの補給と薬品の解毒でアレルギーを治療していくことになりました。
さて、私事ですが。
先日、洗剤が体についてしまったときに「おや?」と思いました。どうも、
呼吸が苦しくなるようなのです。他の洗剤で試してみたところ、それらは大丈夫なんですね。衣服とかについたままになっていると、大変なことになってしまう予感があります。どうぞすすぎにはご注意を!
そういえば、私の友人も歯磨き粉で同じようなことを言っていました。特定の歯磨き粉を使うと体調が悪くなるそうです。
こういう薬品類のことは他人事は考えず、できるだけ少量を使用する必要がありますし、環境への配慮も必要だと思いますね。
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2011年12月18日
アロマテラピーと社会のかかわりについて
最近アロマテラピーに興味があるので、日本アロマテラピー学会に先日出席して参りました。そこでロハスな私にはとても興味深い内容の演題があったのでご紹介してみます。
最近、安価な輸入木材に押されていて林業は衰退していることはみなさんご存知でしょう。林業が衰退すると間伐が行われなくなり、森に光が入らなくなるため、低い樹木や草が生えなくなり森の活力がなくなっていきます。
また日本の木材を加工して生活すれば、廃材から出る二酸化炭素も日本の中で循環することになり、これこそ循環型社会と言えるように思います。概要について
さらに間伐材や枝などの材木としては使わない部分から精油を抽出することでこの循環システムの中から精油が生まれ、その精油は安全で安価な抗菌抗カビ剤にもなり得るので、農業の発展にも寄与できるというのです。なるほど~。
精油が特定防除資材(特定農薬とも言うそうです)に指定されれば、さらに上記の流れが加速するのではないかというお話もありました。参考サイト
現在、いろんなものが特定防除資材の指定の検討対象になっているようです。
そして面白いなあと思ったのは、精油を抽出したあとの有機物は、抗微生物活性がなくなっているので、容易に堆肥化するということでした。
精油を抽出するだけで、林業が栄え、農業にもかなり良い影響が出るのかなと思いました。私も初めて伺った内容ですので、この仕組みがそこまで良いものなのかは検証されなければならないとは思いますが、こういう良さそうな取り組みはどんどん進めていただきたいですね。
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2011年11月19日
サンマと大根おろしの関係について
サンマが美味しい季節になりましたね。
最近、脂質代謝に興味があるので、また脂質の話になりますが、魚油には、EPA、DHAといった人には欠かせない不飽和脂肪酸が含まれています。
ところがこれらの脂肪酸は酸化されやすいため、ビタミンCなどの抗酸化ビタミン摂取をする方が良いと考えられます。
大根おろしにはビタミンCが含まれているため、サンマを食べるときには大根おろしと共に食べたいと思いますよね。
ところが・・・
魚介類に含まれるジメチルアミンが、大根中などの硝酸塩と反応してニトロソアミンという発癌物質に変化する可能性があることが言われています。肉魚類と野菜を同時に摂取することは良くないと極論するサイトもあるくらいです。
この発癌物質が大根中のビタミンCの作用により消去されるとするサイトもあり、一体何が本当なのか分かりかねます。
また、魚の焦げ目にも発がん物質があるとされています。ここでも大根おろしの食物繊維がこの物質を排除してくれると同時に、含まれている酵素が無毒化してくれるのだそうです。
一応、サンマを食べるときにニトロソアミンが怖いからレモン汁でも絞ってビタミンCを補充しながら食べるか、と思いましたが、食物繊維や必要な酵素の補充が期待できないので、焦げ目を綺麗に除きながらレモン汁で食べるか、大根おろしを少量で食べるか。どちらにしても少し味気ないな、と感じています。
2011年10月01日
健康と幸福について考える
最近、「幸福のパラドックス」というものを知りました。
私は人間が幸福になるために生きているのだと信じています。そのために、あくせく働いて収入を得て買い物をしたり、あるいは精神的に何かから満足を得て幸福を感じていますよね。
精神的満足といっても、その何かを行う時間的余裕が必要です。この時間的余裕にも習い事であってもどこかに経済的裏づけが必要になりそうです。
お金も必要としないし、習い事もしていないけど幸せという人もいるかもしれませんが、それはお坊さんのような方なのかもしれません。
やはり通常はどこかに経済的裏づけが絡むように思います。
でもお金を使っても確かに幸福と感じられないこともある気がします。この「幸福のパラドックス」というのは幸福を希求する私にはとても興味深いものです。
断食療法の記述を読んで感じることですが、人間は渇望を満たされたときに幸福を強く感じるものなのだなと思います。断食後の最初の食事のことを、殆どの人が感動をもって書いているものですから。
日々のある程度満たされた生活の中で幸福を感じるためには、自分で意識して幸福を感じることや、小さいことにでも感謝するように心がけることが必要なのかもしれません。
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2011年09月25日
お子さんたちの休息について~腎陰虚
最近のお子さんたちは、本当に忙しそうです。
習い事を複数抱えていて、それをこなすのに懸命なお子さんとか、半端でない運動量をこなしている、プロスポーツ選手の卵のようなお子さんもいらっしゃいます。
少子化の影響なのか、親も子どもたちに多くを学ばせたいという気持ちが明確ですし、スポーツの世界でも小さいころから親しんでいるスポーツでないと一流になれないという現実もあります。
しかし、この暑い季節になって少し分かってきた事があります。
お子さんたちは、興味のあることなので、体力的に無理でも、どんどん吸収しようとして予定をこなしてしまいます。結果として、腎の力(生命力?)を削ってしまうということがあるようです。
まずお子さんをよく観察しましょう。
たくさん寝ないと動けない、あるいはキレてしまう、というお子さん、頭から汗を異常なほどにかくお子さん、何かをすると「疲れた」を連発するお子さん、足が冷たいお子さん、これらのお子さんたちは腎の力が弱いことが予想されます。
腎の力が元々弱い場合、あるいは過労により弱っている場合、足が冷たくなれば腎陽虚、頭の熱いのが目立つ場合には腎陰虚と言います。お子さんは後者の腎陰虚が多いです。
腎陰虚は体の中の熱が上がってのぼせてしまうのを、自分の力では抑えきれない状態です。この季節は暑くて普通でものぼせやすいのですから、腎陰虚のお子さんたちには辛い時期だと思います。
一番重要なのは睡眠時間です。運動した分だけは余計に寝るようにします。よく聞かれますが、通常の睡眠は何時間か、という常識論は全く役に立ちません。お子さんをよく見て、十分に睡眠が取れているかどうかを目で見て判断するように心がけていただきたいのです。
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2011年07月17日
震災復興支援活動について
石巻市で震災復興支援活動をしたというお話を冒頭に書きました。
「おまえは何をしてきたの?」
という疑問が当然湧いてくることでしょう。
実際に耳鼻科の診察道具を持って行きましたが、全く手をつけませんでした。処置はできませんし、そもそもそんなニーズは現地にはありません。耳鼻は二の次、三の次といったところでしょう。これは予想通りでした。
60歳以上の方が殆どと聞いていたので、肩こりや腰痛の問題があるだろうと予想していましたので、気功で十分に役立つだろうと予想していました。
それと、震災でメンタルな問題が出てしまっているのではないか?と考えて阪神淡路大震災で役に立ったと言われているEMDRという方法について勉強して、必要があれば使ってみようと思っていました。
あと、メンタルな問題にはフラワーエッセンスが良いかな?と考え、準備をしておりました。
しかしEMDRを行う機会もなく、フラワーエッセンスも使っている時間がありませんでした。
避難所は途中、道路もまだ十分に直っていない海岸沿いの高台で、一泊で行きましたが実働時間は5時間程度なのです。複雑なことをする時間はなく、しかも次回いつ来られるか分からない一発勝負の支援活動です。
もっとも役に立ったのは、最後にポイッとカバンに入れた鍼でした。
気功は効果が出るのですが、ヒーリングの時間をできるだけ短くしなくてはなりません。そこで、邪気を抜くのに効果的と思われるツボに鍼を刺して、気功を組み合わせて邪気をどんどん抜くということだけに集中しました。
それなりに効果が出たと思います。15人位と思いますが、4時間半ずっと施術を続けました。
「膝を動かしてみて下さい」
「あら?痛くない!」
みんなそう上手くいった訳でもありませんが、それなりに満足な結果でした。
あとは、これが長続きするように、漢方薬を組み合わせて身体のエネルギーが調整されるようにして、それぞれの方に2週間持っておくように指導しました。漢方薬のもつエネルギーが身体に作用し続けて、ある程度楽に過ごせることでしょう。
また持っていった鍼が留置型の円皮針という鍼でしたので、これを1週間程度つけたままにしておいて下さいと話しました。
また機会があれば支援活動をしてみたいと思いました。
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2011年06月12日
みなさんの原発に関する考えは?2
原発に関して先週書きました。
そうしたら、こういうメールを頂きました。
> 私が参考にしているのは中部大学の武田先生のブログです。原発の専門
> 家で、科学的な視点からはっきりモノを仰る姿勢に以前から好感を抱い
> いました。ただ一人専門家然とした発言をしていらっしゃいます。
まだ全部読めていませんが、原発事故が生じた当初からのブログをかなり読みました。ナルホド、原発を守ろうでもなく、危険を煽ろうでもなく、公平な視点で書かれていて参考になります。みなさんもご覧になってみては如何でしょう?
さて、私は雨について調べてみました。
最近雨が降ると極端に皆さん外に出なくなります。クリニックも気味が悪いほどに空いていますし、夜に雨が降ると薄暗いこともあるでしょうけれど、あまり人があるいていません。
みなさん放射性物質を含んだ雨にはあたりたくない、という意識が働いているのでしょうけれど、本当のところ、雨に当たるのは(良くはないでしょうけれど)怖いことなのでしょうか?
先日ガンマ線のカウンターを入手したので、5月10日から11日まで雨水を溜めて(コップが一杯になりました)調べてみました。
結果は・・・全く放射性物質は検出されませんでした。
ニュースでは新たにメルトダウンのことが報じられていますので、今後どうなるかは予断を許しません。しかし現時点、東京の我が家周囲では、一応雨には放射性物質の明らかな汚染は指摘できなかったといえます。
みなさんのお考えをお聞かせ下さい。lohas@jjclinic.jpまで。どんな観点でも結構ですよ。
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2011年05月15日
みなさんの原発に関する考えは?
西洋医学と東洋医学のことをある程度ご存じの方ですと、原発推進派とそうでない人との論点が、両医学の論点にある程度似ていることに気づかれるかもしれません(私だけがこんなことを考えているのかも)。
西洋医学は「このボーダーラインの向こうは健康です!」という医学です。血圧もいくつなら正常、血糖もいくつなら大丈夫、血液検査も異常値よりも下なら全て正常、問題なし!
8Mの津波を想定しています。M9の地震を想定しました。「これ以上ならバッチリ安全です!」何だかニュースで聞こえてくることが、西洋医学の事を言っているように聞こえてしまうのです。
東洋医学は「中庸こそ健康であり、物事は揺らいでいるので、絶対的健康は存在しない」というのが本質です。現状よりも常に健康な状態が存在し得ます。従って、原発もたとえどんなに対策を立てても「もっと安全な状態が存在する」という理由で、原発は全て反対!ということになってしまうのかもしれません。
私は健康も原発も本質を衝いているのは東洋医学的な考え方だと思っていますが、こと原発については(健康も、でしょうね)、現実を見ることも必要です。そうすると東西融合の統合医療的な考え方が便利かもしれません。良いとこ取りをすれば良いのです。
今回首相が、浜岡原発だけを運転停止にしようとしていますが、実は訴訟を恐れてとの報道がなされていますが、理由はどうあれ、なかなか良い線で案を出したのではないかと思うのです。
危険の大きい原発は止めておきたい、企業努力や他電力会社の融通で何とかできるかもしれない、何とか双方の達成が可能な範囲かと傍から見ていると感じられます。もちろん地元の雇用や補助金の問題などもありますから、簡単には片付かないかもしれませんけれど。
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2011年05月08日