【栄養療法】(余談)私の糖代謝と脂質代謝について
今日はちょっと私のことをお話してみます。
私は超音波検査で脂肪肝があるのです、コレステロール値も少しだけですが高いのです。尿酸の値も正常上限でした。
脂肪肝を表す血液データとしてGOT20 GPT23と、GPTの方がやや高い値だったのです。20前後の肝炎などがない場合、GOTの方が理論上は高くなります。GPTが高いのは脂肪肝のことが圧倒的に多いのだそうです。
普通であればコレステロールを下げたり、尿酸を下げる薬を使うのかもしれません。しかし私は全く美食家ではありませんので、何か体の異常から来ているに違いないと考え、栄養状態の改善で対応しようとしました。
食後血糖が上がらないように、食前にプロテイン5gを飲み、食事の内容は自由にしました。むしろ油モノが増えたかもしれません。ビタミンB群が重要であることは理解しておりましたので、毎日少しずつ摂取しました。
すると、今回の採血の結果はGOT20、GPT19、尿酸値もかなり下がり、コレステロール値も緩やかに下がり正常範囲に入ってきました。
当初、脂質代謝を改善しようとEPAとDHAを摂取使用と思ったのですが、どうしても自分の体が受け付けなかったのです。そこで基本的な糖代謝とアミノ酸代謝を改善しただけなのですが、脂質にも良い影響があったようです。
3つの代謝はそれぞれ強く結びついているので、まずは最も基本になる糖代謝からきちんと修正していくことが重要なのではないかと感じました。ただ私は昔から血糖が上がり易かったので、効果が大きくでたのかもしれません。脂肪肝はどうなっているかしら・・。
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2010年09月04日
【栄養療法】(拡大番外編)サプリメント外来の行きつくところ
今日はちょっと脱線してサプリメントの総論をお話しようと思います。
先日、ナチュラルハーモニックスクールに行ってきました。
河名さんという代表の方は、自然栽培の作物を店頭に揃えるために大変なご努力をされた方なのです。自分の目でひとつずつ確かめてきたので、ホンモノに対するこだわりが半端ではありません。
まず話されたことは、経済第一主義ですべてのものが提供されているが、これを命第一主義に変えなくてはならない、ということでした。
私もこれは本当に納得しました。真に体に良いものを全ての生産者と流通業者が努力して提供するということが、これからは必要になってくるでしょう。このためには消費者が命第一主義で作られた作物を積極的に購入して良いものを作る生産者を支えていくことが必要です。我が家もハーモニックトラスト会員になることにしました。
このサイトにはいろんな食材の安全を見分ける方法が書かれていました。
こういう自然栽培で作られた強い食材を使っていると、サプリメントなど不要である、と河名さんは話しておられました。果たしてサプリメントは必要ないのでしょうか?
現状では私は必要だと思います。
自然栽培の野菜に目が向いている人たちはかなり健康に関心のある人たちであると言えます。そういう人たちの場合、日頃から体のケアが成されていて、河名さんのスクールにもいらっしゃる人たちなのでしょう。
しかし健康に関心のない人たちも少なからず存在します。そういう方たちは健康に関する情報を集めることはしないので、体調が悪くなると良い野菜には目が向かず、病院に来ることになるわけです。もちろん、病院にいらっしゃる方が全て健康に関心がないとは思いませんけれど。
そういう人たちには、まず健康の立て直しが必要であると考えます。サプリメントはそういう面では大変有用なツールであると思います。健康に関心が薄いのですから結果を早く出す必要もあると私は考えています。
ある程度、栄養状態が良くなってから、次の段階に進むわけですが、さらに品質の良いサプリメントを飲んでいくというのもひとつの手段と考えます。
しかし私はもうひとつの道として、自然栽培で作られた作物を勧めていく、ということも面白いのではないかな、と考えています。
現在の農業の問題点は、作物の品質にあると考えます。ですので、その点がクリアされるのであれば、農業から状況を改善していくというのは、考え方としてとても良いのではないかと思うのです。
みなさん、如何思われますでしょうか?
ご意見、質問はメールで結構ですのでお寄せ下さいね。
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2010年08月22日
【栄養療法】コンドロイチン硫酸とグルコサミンについて2
今日はコンドロイチン硫酸とグルコサミンについて考えます。
先週は老人の膝痛や白内障、飛蚊症の予防、肌の保湿にコンドロイチン硫酸とグルコサミンが役立つ可能性があるので、総合的に老化を予防する可能性があるというお話をしました。
他にも効果の上がる可能性のある病態があります。
手術後や外傷のときには、組織の修復に役立つことが考えられます。これは予想がつきますね。
ではこれはどうでしょう?
ネフローゼ。これは通常なかなか治りにくい病気に入ると思います。まず、尿のタンパクがどのように保存されているか考えてみましょう。
腎基底膜は負に帯電して、同じく負に帯電しているタンパク質が腎糸球体でろ過されにくいような仕組みを持っています。これを荷電バリアと言います。もちろんタンパク質がろ過されてしまわないように、網の目のサイズも小さくなっています。これはサイズバリアと呼ばれます。参考サイト
コンドロイチン硫酸は負に帯電しているので、これが助けになり尿タンパクが出ている人(つまりネフローゼの患者さん)でも、尿タンパクが出なくなるようです。これについては、裏付けとなる情報をサイト上で探したのですが、見つかりませんでした(泣)。
ただ、コンドロイチンを摂取して尿タンパクがなくなった方の体験談がこのサイトに掲載されています。ご覧下さい。
やはりネフローゼにコンドロイチン硫酸の効果があることは明らかのように思えます。
来週も続くと思います。
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2010年08月14日
【栄養療法】コンドロイチン硫酸とグルコサミンについて1
今日はコンドロイチン硫酸とグルコサミンについて考えます。
コマーシャル等で2つともに有名になりましたね。余談ですが、よく考えると、テレビコマーシャルで流れている物が、安価で良い物だとはとても思えません。値段をその分高くするか、原材料費を安くあげるか、当然そういう仕掛けがあるものと思って下さい。
さて、本題です。
変形性膝関節症という病気があります。老人の膝痛で整形外科に行きますとレントゲン撮影を見せられ、手術をどうしましょう?という判断を迫られる病気という印象が私にはあります。
ヨーロッパではコンドロイチン硫酸とグルコサミンで治療するというのがスタンダードのようです。実際に良質のものをある程度大量に摂取すると、変形がだんだんと治っていくようですよ。今まで聞いたこともないことなのでちょっとした驚きです。
ということは、抗加齢という意味合いから、背中の屈曲や、背の縮みなども抑えることができる物質ということが言えるでしょう。
また、目の角膜や水晶体、硝子体にもコンドロイチン硫酸が多く含まれているので、白内障、飛蚊症の予防にも効果があるようです。目にも抗老化の効果があるのですね。
さらに肌の保湿にも大いに役立つため、見た目の老化予防にも有効と言えます。
高齢者にとって福音とも言える、コンドロイチン硫酸とグルコサミンですが、実は各種疾患の治療にも役立てられるかもしれないのです。
これについてはまた来週考えてみましょう。
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2010年08月08日
【栄養療法】微量でも、とても大切な鉄分について5
鉄分に関して、今週で5回目です。今回は鉄を補給するときの飲料です。
以下はマウスの実験データです。参考にしているサイトはこちらです。
例えば紅茶とともに鉄分を摂取すると、紅茶のポリフェノールと鉄が結合してしまうので、鉄の吸収が悪くなります。しかし、前もってゼラチンを加えておくと、ゼラチンとポリフェノールが結合するので、鉄吸収は低下しません。
食事と共に鉄分を摂取すると、鉄の吸収は落ちません。つまり鉄サプリメントを単独で、しかもお茶で摂取すると、鉄分の吸収が悪くなるので、食事と共に摂取するか、お茶でない飲料を用いると良いでしょう。食事からの鉄分の吸収はあまり飲料の影響は受けないと予想されます。
さて、鉄については以上ですが、ここからは余談です。
先日、某団体から、サプリメントの被害に関する情報を共有しましょう、という紙面が配られました。サプリメント被害に関する事例を集めたいようです。
私はサプリメントを全面的に良いものとは思いませんが、現代人の食事事情、
ストレス社会にあっては、サプリメントを摂取することで救われる人たちが
少なからずいらっしゃることは事実として認めざるを得ません。
サプリメントも服用方法や薬の選択を誤らなければ何も問題ないものと考えています。私は分子整合栄養医学を勉強して、それに即して、さらにご本人に合うものかどうか確認してサプリメントをお渡ししています。
やはりこういう紙面が回ってくるということは、血液検査などでしっかり検査して、論理的にサプリメントを摂取する必要性が高まっている、という印象を持ちました。
私とともに勉強している人たちです。
オーソモレキュラー研究会
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2010年08月01日
【栄養療法】微量でも、とても大切な鉄分について4
鉄分に関して、今週で4回目です。今回は鉄欠乏をどのように判断していくか、ということを考えてみます。
鉄が欠乏していると思う時には血液検査が欠かせません。注目すべき項目は
・ヘモグロビン(Hb)
・ヘマトクリット(Ht)
ですね。貧血のときにこれらの値を見ることは広く行われています。逆にいうと、これらの値が基準値であると「正常」という判断がなされがちです。
あと赤血球数を加えて、計算により導かれる値も注目したいですね。
・MCV(平均赤血球容積)=Ht/赤血球数×10
・MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)=Hb/Ht
実は案外これらの値はあまり注目されません。Hbさえ正常ならOKという風潮があるのが現実です。
しかし、MCVは値が90を切ると少し鉄欠乏と判断します。ビタミンB群が不足している人はとても多いのですが、そういう方ではMCVが上がりますので、鉄欠乏+ビタミンB不足=MCV正常、という図式もよくありますので総合的な判断が求められます。
MCHCが低下していると(具体的には31以下くらいかな?)鉄欠乏が軽度を過ぎていると判断します。MCHCが低値でもHbが正常のことがありますので注意が必要です。
そして通常の血液検査では全く測定されませんが、重要な項目はフェリチンです。フェリチンは炎症がどこかにあると上昇してしまうので注意が必要ですが、低値は貯蔵鉄の欠乏を考えねばなりません。そして鉄欠乏症状とフェリチンの値がとてもパラレルに動きますので、とても有用な検査項目です。
フェリチン(単位ng/ml)は検査によっては女性10、男性20が基準とされていますが、これがとても問題で、男女ともせめて50くらいは欲しいです。100程度だと鉄欠乏の症状が出ないものと安心してみていられる感じですね。
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2010年07月25日
【栄養療法】微量でも、とても大切な鉄分について3
さて、今日は鉄欠乏の臨床についてです。
鉄が不足するともちろんのことですが、体に酸素が行き渡らなくなります。手足の冷えや頭痛、耳鳴りなどはこれが原因かもしれません。全身倦怠感、眠気やうつ症状との関連も考えておきましょう。
さらに鉄は骨、皮膚、粘膜の代謝、コラーゲンの生合成に働くので、鉄の不足により、爪の変形、肌の張りの低下を招いたり、ニキビができやすくなりシミが増えます。風邪をひきやすいときも鉄の不足を考えるべきです。
知能や情動とも関連するため、イライラ、疲れ、集中力の低下が特に原因がないのにいつもみられる時にも鉄の低下について考えておきましょう。
これだけ多彩な症状が出てしまう鉄不足ですので、診断と治療が重要になってきます。検査データの読み方と、食事あるいはサプリメント摂取の上での注意を次回に考えてみたいと思います。
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2010年07月18日
【アーユルヴェーダ】アーユルヴェーダ37~プラクリティの概念12
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説、37回目、体質(プラクリティ)の概念12をお届けします。今までのまとめです。
特徴的体質の人のアーユルヴェーダに基づく表現型分類法は、正常な人間における特異な病気の素因につながる生体システムの機能の違い(例えば心血管系の違い)を引き起こしている可能性のある遺伝子を明らかにすることに役立ちます。
この研究により、ゲノム発現、生化学的、血液学的数値と被験者のプラクリティとの間に関連があることが立証されましたが、同様な複数の研究によってプラクリティはゲノムと全く同等のものであると言うのには問題があるという結論に達しています。
何故なら、人の遺伝的体質とプラクリティはどちらも受精時に決定しますが、出生後に遺伝子変異が起こる可能性がある一方、プラクリティは不変であること、遺伝学は遺伝形質の科学だが、プラクリティは形質だけでなく総合的なものであることが挙げられます。
これで体質の概念については終了します。
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2010年07月18日
【栄養療法】微量でも、とても大切な鉄分について2
先週から鉄について解説を始めています。頭痛や肩こり、風邪をひき易い、めまい耳鳴り、疲れやすい、などのありふれた症状が、鉄欠乏性貧血の診断にならなくても、鉄欠乏により生じている可能性がある、ということでした。
さて、今日は鉄の代謝についてです。
鉄は吸収率が必要量や摂取した鉄の形態、同時に摂取した食物などに影響を受けます。
食物中の鉄分は一時小腸粘膜細胞の中に貯蔵されます。そして必要時には吸収されるわけですが、不要な場合には小腸粘膜ごとはがれおち、便となり排泄されます。小腸がこういう機構を持っているので、鉄が過剰に吸収されるということは考えにくいわけです。
動物性食品の中にはヘム鉄が豊富に含まれます。吸収率が10~30%と高くなります。一方、植物性食品の鉄は非ヘム鉄で吸収率は5%以下です。同時に摂取した食物により吸収率が左右されやすい性質があります。
鉄の吸収を妨害する物質とは、鉄と不溶性の塩を形成するものと考えられます。フィチン酸(穀物の外皮に含まれる)、リン酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、お茶やコーヒーに含まれるタンニン、食物繊維、カルシウム、防腐剤に含まれるEDTAが挙げられます。
逆に鉄が可溶性で吸収されやすくなるためには、2価鉄が酸化されないこと、または3価鉄が可溶性キレートを形成することが条件になります。ビタミンCは最も有効な物質と考えられ、他には食肉中の含硫アミノ酸、有機酸が挙げられます。
読者のHさんからは、カフェインの影響について質問がありました。ここで調べた限りですが、コーヒーの場合にはタンニンの方が影響あるようです。たくさんの人が緑茶をペットボトルで飲んでいますけれど、鉄の代謝の観点からはあまりおススメできないことのようです。
Hさん、ありがとうございました。
来週は鉄欠乏の臨床についてお話します。
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2010年07月10日
【アーユルヴェーダ】アーユルヴェーダ11-2番外編
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説、37回目、体質(プラクリティ)の概念12をお届けするはずでしたが、今週は少し脱線します。
先日、日本アーユルヴェーダ学会の分科会に参加してきました。この分科会、実は当たり前なのですが、学会員以外はNGの会合です。
薄々気づいてはいたのですが(笑)、どうしても出席してみたい内容だったので、「学会員に必ずなるから」ということで参加させていただきました。ちなみに既に申込書を送付し、入会費も支払いましたよ。
会合の内容は、漢方とアーユルヴェーダをどのように融合させるか、というものでした。とても斬新な内容で面白かったです。
昨今の統合医療は、患者さんに、適切なジャンルの医療を提供するということで満足しているという面があります。しかしこれではたくさんの理論を勉強する必要が生じ、その割に一芸に秀でることが難しくなります。
私が必要と感じているのは、医療の内容自体が統合されていくことなのです。これは本当に統合医療であると思うし、それぞれの医療が一段階進化した形になるのではないかと考えています。
最近、大して意味も考えずに「統合医療」と言えば商売になると考えている人が医師にも業者にも見受けられますので、懲らしめてやりたい(笑)と思っているところです。
来週は元に戻りますよ。
★ アーユルヴェーダに関する質問を受付けます。lohas@jjclinic.jpまで。
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2010年07月10日