子どもの診察2

子どもの診察について、今日も思い知らされたこと。

やはり子どもはどんなに慣れていると言っても病院は不安なところらしい。

いつも来ている男の子だからと軽い気持で「もう一度鼻を見せて」と言ったところ、いつもになく拒否反応であった。「ただ鼻の中を見るだけだから」と言っても硬直して拒否のまま。

子どもはそういうところがあるから、私はいつも同じように動いて同じ手順で診察し、同じような処方をしているのである。そりゃあ、違うことをすれば子どもにも拒否されるのは当然かもしれない。やはりどんなになれていても、違和感のあることは子どもに拒否されてしまうのだ!!

そこでいつも診察を始める時のように右手にスプレーを持った状態で「鼻の中をみるぞー」という調子で臨んだら容易に診察させてもらえた。う~ん、子ども診察って本当に難しいけど面白い。そうやって所見をきっちり取ると結構いろいろ分からなかったことが見えてくるというのも実感である。

2005年03月16日

今日の診察

先週から気温が下がったせいか、今日は風邪の患者さんが多かった。

困るのは「花粉症だ」と言って来られる方が大変に多いのだが、実際には感冒であるということが多いことだ。どちらなのか慎重に検証しないといけないので結構時間がかかってしまう。患者さんにも「もっと早く診察しないとだめだよ~」と言われる始末。まあ待っている患者さんからすればそういう気持になるのも分からないでもないが、苦笑するしかない。でもやはり何でも「花粉症ですね」と済ますわけにはいかないので時間がかかってしまう。

いつか書いたけれど、花粉症と感冒初期を見分けるのは結構難しい。しかも判断を誤ったときに治癒までの時間が結構かかってしまうことが予想されるだけに、ついつい時間をかけてしまう。感冒にまつわるところを自分のライフワークにしているだけにくどい診察になってしまう。

花粉症は花粉症でたくさんの患者さんがいらっしゃる。軽い薬では効きにくい傾向があるのが困ったところである。

2005年03月14日

子供の診察

子供の診察をしていて感じることがある。それは子供の人格に対する配慮である。大人たちにはいろんな配慮の仕方があるものだと感じる。

「はい、○○だけだから」と丁寧に説明してくれる人がいる。これは安心を与える言葉である。しかしもしそれがその場しのぎだったりすると後々子供の不信感は増大する。このような説明にもうそが入らぬように細心の注意が必要である。私は子供であっても事実を説明するようにしている。まああまり効果がないこともあるが。

「大丈夫、大丈夫」となだめるのも同じ。大丈夫かどうかは本人の問題である。大丈夫でなかったときにやはり不審を買ってしまうのではなかろうか?言葉の選び方には注意が必要である。

あとよくあるのは「約束したでしょう?」と子供を責めるパターンである。私は子供は約束を守るものであると思っている。少なくとも少しは我慢しようとしてくれるものだ。その約束のときの状況がどうであったか?ちょっと強引な約束ではなかったか?大人たちはそのあたりを検証する必要がありそうだ。

大人たちはみんな懸命に生活しているため、いちいち指摘することはなかなかできない。しかし子供たちはみな大人が思う以上に物事を理解していると考えたほうが良いように感じている。子供たちにも大人のような接し方をしようとするのが陣内流である。正しいのかどうかは分からないが、自分の子育ての経験からはこれでいいのだと思っている。あらら、あまり医学的な内容ではないですなあ。。。

でも子供が診察室に入ってきて「陣内先生、お久しぶりです」なんて言われると、大人扱いばかりしている私でもちょっとびっくりしてしまう。

★★★

保育園をめぐるさまざまな問題があるように思っている。先日驚いたのは「与薬依頼書」である。本当に文書作成料を算定しようかと思うくらい面倒な書類だった。責められても困るという保育園の立場も分かるが、過度の保身もどうかと感じる。保育園と親たち、保育園とわれわれの関係が疎遠になっているのでこういう事態が生じるのではないかと思う。これは今後の課題である。

★★★

保育園も幼稚園も特色をだそうといろんなイベントを行っている。お誕生会、クリスマス会、運動会などなど。イベントで気合が入るのは良いのだが、その後、こぞって子供たちが熱を出しているのに園の人たちは気づいているだろうか?本当にクリスマスのあとの熱発のお子さんたちは疲れが目立っていた。運動会などはそれぞれ日程が違うから分かりにくいが、よくよく聞いてみると結構イベント絡みのことが多いように感じる。練習も結構過酷な様子。ビデオ撮影なんてするのでよりよいものを、ということかもしれないが、どんなものでしょうか?もう少しシンプルでもいいのでは?

2005年03月10日

子供の話

耳鼻科の診察をしているとついつい子供が泣くことに鈍感になってしまう。鼻水を吸引しては泣き、耳を診察しては泣き、説明中に泣いて、お母さんの診察中も泣いている、子供はそれが当たり前である。根拠はないが、お母さんが子供が泣くのを嫌がるほどに勢いよく子供が泣くということもあるように感じている。

子供の診察が多くて大変ですね、と言われることがある。大人よりも本人から得られる情報が少ないだけにそういう大変さはある。ただ、だからこそ少ない情報からどのようなことが起こっているのかを推測したり、大人の診察を応用したりして結構楽しく診察している。時間はかかるし、多少疲れることもあるが、泣くから大変ということはあまり感じない。

私の診察は子供が恐怖感を持たないように極力同じパターンを繰り返すようにしている。その中で得られる情報から判断して処方をしたり指導をしたりしている。

子供が自分から鼻を吸って欲しいと言って来ることは、子供に認められたようで嬉しい。「耳も見て」といわれることも少なくない。このように子供が自分の健康や体について興味をもつことは大いに歓迎すべきことであろう。私は
特定非営利活動法人地域予防医学推進協会
の会員として、昨年は京都で市民講座を担当するなど、ささやかな活動もしている。風邪予防に関しても紙芝居を作らないといけないのだけれど、なかなか進まないのが悩みの種である。

Yahoo京都ニュース
正しい習慣は幼児期から 紙芝居や人形劇で子ども健康教室

2005年02月20日

意外な敵

今日は意外な敵が現れた。のどが痛いという患者さん。口の中がピンクに染まっている!!

「あめでもなめましたか?」なんてやや批判めいたツッコミ。すると
「いや、歯医者に行ってきたんですよ」と返された。がーん。

歯垢を見るためのあのコマーシャルでもやっているピンクの液体か。。インジゴカルミンだったっけ?染色のための色素だよなあ。

のどの微妙な赤みを見分ける診療をしていると、ちょっとの色の変化でもいろいろ考えてしまう。あまりにピンク色が強くてさすがの私もそれが病気だとは思わなかったが、診察の邪魔には十分になる色だった。

まあ、結局はほかの所見が明確だったことと、ご本人が詳細にお話くださったことで事なきを得たが、今後は注意すべき染色液であるな、と思った。でも防ぎようがないな。。

2005年02月13日