いまごろになって夏風邪の流行が・・
夏風邪がいまだに流行しているようです。
アデノウイルスの感染はお子さんのプール熱のウイルスで、真夏に流行するのが一般的ですが、涼しくなってきた今でも感染している人がいることに、少々驚いています。
まあ、明確にアデノウイルスの感染かな?と意識するから見つかるという面もあるので、いままで気がつかなかっただけなのかもしれません。普通の風邪にしてはおかしいと大きな病院に紹介してみたら、やはりアデノウイルスの感染だったということもありました。
こんな季節までアデノウイルスの感染があるのだな、とあらためて感じさせられます。
高熱がやたらと続いたり、眼が充血するような風邪の場合にはアデノウイルスの感染を疑ってみましょう。大抵は疲れた人、仕事でやたらと忙しい人に生じやすいと思います。
先日、これまた夏風邪のヘルパンギナのお子さんを見つけました。真夏以外にはあまりみたことがない病気です。口の中にアフタ性口内炎ができていたので、ヘルパンギナでしょう。
ヘルパンギナは、どちらかというと初夏に多い病気だと思っていたので、これまた驚いています。知っているウイルスの感染と分かると患者さんへの説明も対応も比較的スムーズです。
いつまで夏風邪の対応が続くのでしょうか?
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2012年09月30日
基礎医学の重要性について(硬い話しです)
基礎医学と臨床医学の乖離は深刻だといつも感じます。
基礎医学とは、最初に習う医学の基礎で、正常な体の状態をいろんな側面から学んでいく医学的知識の足元を固める学問、そして病気の状態や薬の動態などに関するモノの見方を習い、臨床医学に備える学問です。。
思いつくままに挙げてみますが、大学3年のときに習ったのは、正常な状態を学ぶ、解剖学(体の構造)、生理学(体の機能)、生化学(体の物質の変化)でした。
そして4年生になり、病理学(病気を肉眼や顕微鏡で観察する)、薬理学(薬が体にどう影響するか)、微生物学(体内微生物や体に影響する微生物について)、放射線基礎医学などを習いました。
そして5年からは臨床医学として、内科学、外科学、産婦人科学、小児科学を中心に勉強し、患者さんのデータの見方や、診察方法を習います。そして残りの科目を勉強しながら、実際に病院の中で担当患者さんをもたせてもらい、自分なりにレポートを作成していくのが6年生でした。
5年生から急に忙しくなり、現場の血液データとか診察方法を習得するのにみんなが一生懸命になります。現実には3年から4年にかけて勉強した基礎医学の知識を使って考えるというよりは、それぞれの科目独自の学問体系に振り回されてしまい、ハウツーを勉強することに終始するのです。
最近いろんな勉強をして思いますが、実は基礎医学的な内容がとても重要であり、それを元にして考えないと、治療方針も思わぬ方向に行ってしまうことがあるように感じます。
例えば、分子整合栄養医学を勉強してみると、殆どが生化学を元にした内容であり、昔勉強した内容が少しずつではありますが蘇ってきます。いや、全く蘇らないものもありますが(苦笑)。
バイオレゾナンス医学を勉強していても、ナルホドと思う背景にはいつも基礎医学の重要性を感じています。
いつも「何で?」という理論的背景をきちんと考えていると、ハウツーだけではなく、基礎医学をもっと勉強しようということになります。私ももう少し頑張って勉強してみようと思っています。
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2012年09月23日
いつまでも続く咳~気管支炎
咳が出続けて来院される方が数多くいらっしゃいます。いろいろ原因はありますが、最近は気管支炎になっている方が多いですね。
急性気管支炎はほとんど風邪が元になって生じます。風邪の終わりに気管支炎だけ残して風邪が治ったのに、いつまでも気管支炎の咳が続いているということもあります。
気管支炎のときの注意点を書いておきます。
気管支炎は潤いがないと治りが悪くなります。潤いを気管の粘膜に与えるのに最も大切なのは安静です。ずっと寝ている必要はありませんが、運動は控えたいものです。
習い事などで、定期的に運動されている方は要注意です。大したことがないと思っていると、いつまでも軽い咳がつづいてしまいますよ。
あと、同じく潤いを与える意味で睡眠を十分に取る必要があります。睡眠不足のときにはお肌もがさがさしますよね?それと同じように気管も乾いてしまい、炎症が取れにくくなります。
そして最も避けていただきたいのは飲酒です。飲酒は気道に熱を与えます。しかも喉が渇くことでも分かる通り、気管の粘膜も乾いてしまいます。これではいつまでも気管支炎は治りません。
首の一番下、鎖骨のくびれのところを軽く押してみて違和感がある人で、咳がいつまでも続く場合には気管支炎の可能性が高いので、以上のことを守って下さいね。
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2012年09月16日
耳鳴りの漢方処方の考え方
耳鳴りの漢方治療について講演を聞きましたのでご報告しますね。
通常耳鳴りは腎虚という生命力の減退の状態を治療していくのが基本になります。しかし講演の中では、耳の領域で寒熱燥湿の状態を見極め、それを引き起こしている全身の状態を整えていくことが重要であるとのことでした。意外とストレスによる気の滞りと慢性疲労による血虚の状態をもっている人が耳鳴りになりやすいということも聞き、確かにそういう傾向で耳鳴りになっている人が多いようにも感じました。
また、白し(びゃくし)という生薬が耳を開くという作用を持っているのでそれを配合することで耳鳴りを治りやすい状況にするということも聞きました。白しを使っている漢方処方は少ないのですが、いくつか今後は考えていこうと思っています。
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2012年09月02日
暑い夏ですけれど、冷たいものは控えましょう
ストレスを抱えている人が多く来院するので、発散性のある漢方薬を選択しようと考えることが多いです。
発散というと、桂枝(シナモン)、蘇葉(しそ)が代表的だと思いますが、理由は不明ながら、桂枝の入った漢方薬が体に合いやすい季節のようです。
特に最近使い始めたのが桂枝人参湯です。発散とともに、お腹を人参で温める、つまり体表の発散にも、内臓の温めにも効果がでる(温裏作用といいます)という処方です。
よく考えてみて下さい。
この処方がこの夏に出るという意味は何でしょう?
この桂枝人参湯の中に入っている人参が胃腸の働きを補うのです。食卓にある西洋人参とは違いますよ!
連日の暑さで冷たいものを口にする人が多くなっているのだと思います。いつもは黙々と食べたものを処理してくれる胃腸も、冷たいものがどんどん入ってくるので少しお疲れ気味なのでしょう。
こういう背景があり、桂枝人参湯を処方することが多くなっているのでしょう。
暑い夏ではありますが、できるだけ冷たいものは口にせず、胃腸を守ってあげましょう。
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2012年08月12日
双子は副鼻腔炎になりやすい?
特に双子のお子さんをたくさん診察しているのではないかもしれませんが、何となく、双子のお子さんたちは耳鼻科にいらっしゃることが多いように感じるのです。
あまり真剣に考えたことはありませんでしたが、副鼻腔炎が全然治らないある患者さんを診て、もしかして・・と思ったのです。
双子は結構ストレスが多いのではないかと予想します。10歳くらいまでは、欲しいものも半分と言われ、もしかすると優劣を何かと比較される、ということがあるのかな?と想像します。
ストレスと副鼻腔炎の関係はあまり言われていませんが、東洋医学的に考えると大いに関連があります。
ストレスは気逆と言って、気、つまりエネルギーが上へ上へと流れます。エネルギーは温かいものですから、通常上に向かって流れやすいのですが、どんどん流れていってしまう状態は病的です。
お子さんは気をたくさん持っていますし、気が上に登らないように抑える力が不安定ですので、気がただでさえ上に登りやすいのです。それに増してストレスがかかるのであれば尚更です。
双子のお子さんを見かける機会が多いのは、もしかして副鼻腔炎を繰り返す、または長引くということがあるためなのかな?と感じました。
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2012年08月05日
5タイプに分ける診察で精度を上がったかな?
最近、診察の内容を変えたという話をどこかに書きました。
やはり、体の根本の体質が結構影響してしまうので、体質をざっくり5つに分類してそれのどれに当てはまるのかをみながら治療を組みたてています。
先日、風邪の患者さんがいらっしゃいました。咳をしています。結構続いているそうです。そこでいつものように診察をして、風邪の後半で喉の渇きが出る前の状態と判断して、それに合うように漢方薬を処方しました。
通常ならおしまい。治ります。
でも、その患者さんは治りませんでした。・・・あれ??おかしい?
いつも風邪の診察をするときには、寒熱の状態(寒いのか暑いのか)、燥湿の状態(乾いているか、湿っているか)を診ています。大体はそれで治療はできるのです。
でも時々、血の足りない人、あるいは血の滞っている人がいて、それが治療の妨げになることがあるようなのです。治りが悪い、と感じられるときには血の状態に注目するようにしています。
その患者さんの場合、確かに初回の診察のときに、どこかしっくりこない感じがありました。でもいつも通りの内容で診察を終えました。
案の定、その患者さんは咳が止まらないと再度診察にみえました。血の状態を確認したところ、お血(血の滞り)が強くあるために咳が止まりにくいこと、またストレスによる気滞(気の滞り)も同時にあることが分かりました。
そこで、お血と気滞を治療する処方をしてみました。初見よりもはるかにしっくりくる処方でしたので、治っていくことでしょう。
5タイプに分けて治療薬を選択するようになり、先入観が入らずに上手く処方薬を選べるようになりました。
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2012年07月29日
日本における抗がん剤の認可基準
先日、バイオレゾナンス医学会に出席しました。
波動医学とは関係のないところですが、ナルホドと思ったところがありましたのでご紹介します。抗がん剤のことです。
抗がん剤は奏効率2割を達成されると厚生労働省の認可が下りるとのことです。奏効率2割とはどういうことでしょうか?
日本における抗がん剤の認可基準は、部分寛解(腫瘍の縮小率が50%以上で、新しい病変の出現が4週間以上ない状態)が、20%の患者さんで認められることとされています
みなさんどう思われますか?
奏功するということが、腫瘍の縮小だけでよく、しかも4週間の縮小があればよいのです。さらにその縮小が20%の患者さんで認められれば良いのです。
あれ?治らない薬でも認可されるの?という印象を私は持ちました。
学会発表の中で問題点が指摘されていましたが、延命効果は考慮されていないこと、そして副作用の程度も考慮されていないのだそうです。
患者さんや家族の方たちは、治る、あるいは延命するということを期待されて抗がん剤治療に踏み切るのでしょうけれど、医師は縮小または一時的効果があり、時には治るという認識なのかもしれません。
諸外国で認可されている抗がん剤を日本でどうして使えないのだ、と様々な意見をサイトで拝見します。諸外国の認可制度のことは分かりませんし、何が正しいのかも分かりませんが、どのような経緯で日本で、あるいは海外で認可された抗がん剤なのかをきちんと調べて使用する必要がありそうです。
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2012年07月22日
嗅覚障害に当帰芍薬散がよいの?
嗅覚障害、つまりニオイがしなくなった人に当帰芍薬散を処方することが多くなってきました。
実は私が不勉強で、患者さんから医学雑誌(しかも耳鼻咽喉科の!)のコピーをいただき、「これを読んで下さい」と渡された内容なのです。もう数年前になりますが。しかもその後、その雑誌のコピーは放置してありました。
最近、何だかそのことが気になって、そのコピーを読んだり、ネット検索をかけたり、自分で診察したりした感想を述べます。
何故か分かりませんが、確かに嗅覚障害のエネルギーを消す効果があることが多いように感じられます。そして治療薬としても実際に使えるという印象も持ち始めています。
耳鼻咽喉科で漢方薬を使い始める人たちの間では、めまいには苓桂朮甘湯、嗅覚障害には当帰芍薬散という安直な使い方もでてきています。めまいよりも、嗅覚障害の方が上手くいく印象ですね。
今後、どのように当帰芍薬散が効いているのか、観察していきたいと思います。
ひとつ注意点があります。
ネット上では学術論文としていろんなところに紹介されているこののサイトですが、これは研究発表であり学術論文ではありません。両者の間には大きな差があるので要注意です。
しかも地方の漢方研究会ですので、全く鵜呑みにはできない情報です(信じないわけではありませんが)。何故なら内容の確認ができないからです。どうして効果があったかのようなことをみなさん書くのでしょうか? 一人が発信するとみんなが信じてしまうのがネット情報の怖いところです。
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2012年07月15日
完璧な体調を求めるあなたへ
よく診察にいらっしゃる方には、体調を完璧にしたいので通院している、という方も多くいらっしゃいます。
この体調を完璧にしようという発想は西洋医学的ですね。
なんで・・?と思われますか?
西洋医学には目標とする値が存在します。その数値を達成するために生活の内容を変えたり、お薬を飲んだりするわけです。
そして、その値に自分の検査値が入ってくるとゴールに到達!というわけで、そこから先は安心して、ある意味、気を抜いても健康で居られるという発想なのです。
つまりある一定以上の状態であれば全て健康なのです。
ところが、東洋医学ではどうでしょう?
東洋医学は中庸が最も良い状態とされています。全ての面で中庸という状態はあるのでしょうか?
残念ながらそれはありません。体の状態は時間によってダイナミックに変わっていきます。ですので全ての面で中庸というバランスのよい状態は、頭の中では想定できるものの、実際にはあり得ないわけです。
つまり常に今よりも健康な状態が存在するということですね。
いつも食事などの生活の内容を改善することにより、さらに健康になれるということですね。
体調を完璧にしたいのであれば、常に自分の身体がどのようになっているかをモニターし、生活をそれに合わせていくことになりますね。東洋医学の考えでは病院に来ても完璧な体調は恐らく達成されないのだろうと思いますよ。
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2012年07月01日