今年の花粉症をめぐる話題
今年も花粉症の季節がやってきました。飛散開始日も少し早く、辛い期間が長くなってしまうかもしれません。
そんな中、新しい花粉症の薬が登場しました。注射剤で重症者だけが対象ということです。何年も前に先輩の先生から夢のような薬なんだよ、と治験段階の話を聞いたことがありましたが、どうもその薬のようです。私は使うのだろうか・・?
私は花粉症の症状を弱めるために、漢方薬、食事指導、生活指導とあれこれ考えてやっています。そういう指導はいらないから薬をくれ!という患者さんもおられます。でも私はそういう指導を入れていく治し方が正しい治し方であると信じているので、また口うるさく指導をしてしまうことがあるかもしれません。鬱陶しかったらご容赦を願います。
2020年02月21日
新型肺炎に関する見解
厚生労働省から新型肺炎に関する受診の目安が発表されました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200217/k10012289041000.html
不安を感じた人たちが検査を希望して殺到するようなことがないと良いのですが。何故なら、既に不顕性感染者(症状がなく感染する人)は多数存在するはずであり、大した症状でなくてもタイミングが悪いと感染者とされてしまう可能性もあります。ほとんどの人が重症肺炎になるような報道がなされていますが、それは違うのではないでしょうか。
対応する薬がないのは確かなので、高齢者、妊婦、免疫の状態が良くない人は、かなり注意深く人込みを避けるなどの配慮が必要と思われます。しかし、基本的に元気な人にとってはふつうか、ちょっと酷い風邪程度で収まるものであり、日頃から免疫が下がるようなことを避けることが必要でしょう。あとマスクをしていても、長時間の接触により感染は広がっていくと思われるため、何より人込みを避け、他者との不要不急の接触を避けることが重要だと思います。
新型インフルエンザのときもそうでしたが、ひと通りいきわたると収束してきます。もう数週間かなと思っています。ただし、船舶に残っている人たちの動向には左右されるかもしれませんが。
2020年02月18日
私の体調について
私は体調が狂わないように、他の人たちの何十倍も気をつけているということは、私をよく知っている人でしたらお分かりだと思います。それを医師として実践する中で、いろいろな状況にどう対応すべきかを常に考えて行動しています。もちろん私も何かをしくじって体調が悪くなることがないではありませんが、仕事量の割にかなり良い状態を保っていると自負しています。
一番大切だと思っていることはルーチンを崩さないことでしょうか?例えば、朝に30分のストレッチをしますが、これでさえも同じメニューで行います。そうすることで、体の小さな異常に気づけます。ほかにもたくさんのルーチンがあります。
そして感染症予防には、何といっても人込みを避けることですね。先日、混雑している電車への乗車を見送りました。やはり感染症が騒がれている昨今、長時間の電車への乗車は慎重にしています
私は風邪の専門家と称していますから、風邪をひくわけにはいきません。予防できない者に治療はできないというのが私の考えです。こんなことを書いてしまうとさらに一層、日常生活を気をつけて送らねばなりませんね(苦笑)。
2020年02月14日
味覚外来について
現在、6年間の味覚専門外来のデータを全て見直しています。
現状は、治る人もいます。治らない人もいます。中途半端に治る人もいます。
自分の知識と経験を全てつぎ込んでいるつもりですが、まだ足りないのか治療の道筋に関する結論がなかなか出ません。医療の中でも恐らく最大級に難しい分野だと思います。この2か月くらいは、夜の余暇は全て味覚データの整理と新中野分院の嗅覚専門外来開設の準備(いつになるやら・・)に没頭している状態です。
今度2月中旬に兵庫医大の味覚外来を見学にいきます。年末に慈恵医大の嗅覚外来を訪れたときには本当に参考になりました。今度も実りが何かあると期待しています。
当院の味覚専門外来は、あまりたくさんの患者さんを受け入れることはできませんが、お困りの方は電話で予約をいれてみてください。
2020年02月09日
寒暖差の影響~めまいにも・・
今日はとても寒いので、暖かかった昨日を考えると寒さが身に染みます。
さて、寒暖差について行かれない時には風邪をひきやすくなるので、衣服の防寒をどうするかをよく考える必要があります。他に寒暖差で注意が必要な病気といえば「めまい」です。
めまいはのぼせと共に生じることが多い病気ですが、疲れていて、あるいは胃腸を壊していて急に気温があがるとのぼせが強く出てしまい、めまいが生じます。案外めまいは注目されませんが、この2-3月は少し患者さんが多くなります。特に今年のような気候は要注意だと思います。対策は良い睡眠でしょうね。あとは暴飲暴食を避けることです。
イラストはめまいナビより
2020年02月06日
新型コロナウイルスをめぐる英語表現
英語学習をしている人は多いと思います。私もその一人ですが、今朝は驚きましたね。テレビでwalking pneumoniaという単語が出てきました。「歩いている肺炎」という意味ですが、先日、日本に上陸した新型コロナウイルスが、症状が出ない人が歩きまわって広がっていくことの表現だと説明されていました。
しかしAmerican lung associationのホームページを見る限り、感染力のある人が歩いている表現ではなく、あまり強く症状が出ていない状態の人で、健康に十分に配慮すべき人という意味のようです。油断すると発症するということがその意味であって、感染させて回る人という意味はあまりないか、あっても付加的な意味のようです。
2020年02月02日
新型コロナウイルスの報道から
新型コロナウイルスはすでに日本で8人の感染者が確認されており、潜伏期間中に感染するという中国政府の発表や、バス会社関連の報道を考慮すると、あくまでも予想ですが、すでにこれは何百倍(もっと?)もの不顕性感染(症状がでないうちに受ける感染)者がいると推測せざるを得ません。しかしそのことで、知らないうちに免疫を獲得する人も出てくると思います。もちろん危険なウイルスだと思うので、封じ込めなど気をつける必要がありますが、みなさんは怖がるよりも自分の体調を整えることに集中し、人込みを避けるようにして、SARSの時のように時間の経過を待つのが良いと思います。
2020年01月30日
花粉症による目のかゆみ
花粉症の季節になってきました。
年々、花粉症の方は増えているわけですが、とくに目のかゆみの強い人が多くなっています。ステロイド点眼薬を使用するケースもないことはありませんが、眼圧が上がりやすいのであまり好んでは使用しないようにしています。
気づいたのは、目のかゆみを訴える方は、やたら忙しい、あるいはきちんとした食事を摂らない人が多いということです。外食が多くなると食品添加物摂取が多くなります。それにサプリとか薬をたくさん飲む人も多く、飲料も多様になっています。それらすべてに食品添加物が入っていると考えると、結構な量を摂取していて、これが一因になっているのではないでしょうか?
目のかゆみがでる皆さん、一度ご自分の食卓を見直してみましょう。それだけで症状を軽減できるはずです。
2020年01月26日
嗅覚セミナーに行ってきました
味覚や嗅覚障害をもつ患者さんが増加しています。日ごろ困る症状ですし、五感をひとつでも失うことはQOLにも大きく影響することは間違いありません。味覚嗅覚障害の治療は重要な割に、あまり行われていません。
当院の味覚外来で久しぶりに新患を受け付けたところ、問い合わせが数件あったようです。分院の新中野耳鼻咽喉科クリニックでは、嗅覚に関する専門外来を立ち上げるべく、現在精力的に準備を進めています。先日の連休も”嗅覚冬のセミナー”という合宿形式の泊まり込みセミナーに参加してきました。嗅覚研究の専門家が数多く参加されていました。
もちろん現在でも、味覚嗅覚に関するお悩みに対応しておりますので、どうぞご相談ください。
2020年01月19日
口内炎を漢方薬で治す
先日、山梨中医学研究会に久しぶりに行ってきました。
今回は、私の師匠である田中耕一郎先生が口腔の病気と漢方治療についてご講演されました。
口内炎を漢方薬で治せるということはわかっているのですが、根が耳鼻科医の私はどうしても局所処置とビタミン剤の投薬で治療をしてしまいます(それでも治りますけれど、笑)。それを漢方薬を使って治すにはどうするかというお話でした。
まず重要なのは胃熱。食べすぎ飲みすぎが原因で胃が熱をもつとき、石膏と知母を合わせて使う。口唇にアフタが多発するのは胃熱の特徴。
そして、強い炎症があるとき、特に舌尖が赤くなるような心火があるときには黄連を用いる。<黄連解毒湯、清上防風湯、黄連湯>
さらに薬効を強くする(口腔に向かわせる)には、桔梗、川きゅう、辛夷を用いる。
あとは解表剤を用いたり、ストレスの対応を考えるということでした。
従来の治療に漢方薬を併用するとよいのではないかと思いました。
2020年01月19日