副鼻腔は熱の効果器だ!

 以前に、副鼻腔の粘膜が腫れている患者さんで、水分摂取の制限(と言っても、4L飲んでいるので通常の量にするように指導しただけですが)をしたら劇的に良くなったという話をしたことがありました。

 私は正しいことを言っているという確信がありましたが、偉い先生たちには、体内の余剰の水分が鼻に溜まったり、鼻水として出ることはない、と一蹴され、大変に嫌な思いをしました。

 最近、副鼻腔は水分だけでなく、熱の効果器でもあるという確信を抱いています。つまり余分な熱を副鼻腔から捨てているわけです。

 では、どのようにでしょう??

 風邪をひいた人をみていて思ったのですが、ウイルスに反応して生じた熱が最後に行き場を失って、膿のような鼻水として排泄されているような感じがして仕方がなかったのです。しかしどうしても自信が持てませんでした。

 しかし、とある患者さんをみてこれが確信に変わったのです。

 その患者さんはがっちりとしたお子さんで、平素はとてもよく食べるそうです。普段から膿のような鼻水をたくさん鼻に溜めているので、エネルギーが余っているのだなあ、と思っておりました。

 その患者さんが急に2日間食欲不振になったときのことです。いつもならたくさん溜まっているはずの鼻水が・・ほとんどなくなっていました。あまりの(良い)ショックで、私は何度も頷いてしまいました。

 副鼻腔は水と熱の処理器官であるというのが私の結論です。

 もう医師になり17年経過しましたが、未だにたくさんのことを患者さんが教えてくれます。本当に感謝感謝です。

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2008年03月02日

今年の風邪の最大の特徴とは・・?(エネルギー医学)

 今年の冬の風邪の最大の特徴は何か・・?

 私が耳鼻科だからそう思うのかもしれませんが、中耳炎が多いことです。

 風邪をひいて子どもなら鼻水が垂れて次の日、大人なら3日くらい置いて、急に耳が痛くなってきます。しかもシャープな痛みです。

 へえ、そう??という声が聞こえてきそうですが、この中耳炎はエネルギーが体をたくさん上昇してこないと生じない中耳炎なのです。

 簡単に言うと、ハナタレから中耳炎になっているのではなく、風邪に対抗しようとする体のエネルギーが大きすぎて耳に集まってしまって、その結果として中耳炎が生じているのです。

 このエネルギーがどうして大きくなってしまっているのか、仮説を考えてみました。
 1)飽食の時代なので、反発するエネルギーを生みやすい
 2)ストレス、過労、睡眠不足により、エネルギーの抑えが効かない
 3)この冬が寒いので、風邪になったときにより大きな反発エネルギーがでている

 こういう中耳炎は元々5月に多いものなのです。体のエネルギーがどんどん生まれる季節です。中耳炎だけでなく、そのエネルギーが頭に上って五月病なんて状態も生まれます。

 でもそれが今年は1月に来ているのです。回りに耳が痛い人が増えていませんか??その人はどんな人でしょう?食べすぎ?睡眠不足?あるいは薄着の人でしょうか?

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2008年02月23日

慢性的な腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛に!

 先日、漢方薬の講習に行ってきました。そのときにピンと来た処方がありました。「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」という処方です。

 慢性的な腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛に効果があり、どうやら頭痛にも良いようです。「活血」というだけあって、血の滞り由来の痛みであればかなり効果が出そうです。久しぶりにコレだ!という処方です。

 どうしてここで紹介するのかというと、血の滞りで痛みを訴えている人はかなり多いだろうという予想があるからです。痛み止めを時々使ったり、温めたり冷やしたりしながら何とかしている、という方は多いと思います。

 そういう方に一度試していただきたい処方です。ただ、医薬品と薬局で売っているものとでは、生薬の量にかなりの差があるようです。試してみたいという方は漢方医を訪れてみてはどうでしょう?

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2008年02月16日

またまた花粉症のお話(皮肉調)

 スギ花粉症の症状が出ていると訴える患者さんが増えてきました。

 先日、とある有名医学雑誌の付録についてきた「患者さんのための花粉症治療」という記事を読んで、苦笑苦笑の連続でした。

 症状の内容や強さと薬をできるだけ合わせるために、よく患者さんの話を聞きましょう、ですって・・・。当たり前のことじゃないですか??

 サプリメント関連の販売も、「これを飲んだら症状が軽減できる」というようなレベルの話がほとんどですね。あーあ。

 何でもっと花粉症にならない体を作る、というような真剣な議論が起きないのですかね?手軽なところでは東洋医学の勉強が役に立つと思いますけれど。

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2008年02月10日

花粉症~ちょっと遅いけれど予防の話

 スギ花粉症の勉強を中医学的にしてきました。

 昨今花粉症も変わってきたということです。何が変わったかというと、以前は「風寒型」つまり寒がり、頭痛で口は渇かない、風邪の初期症状と同じような症状の人がほとんどだったとのことです。

 ところが、昨今は「風熱型」「湿熱型」と呼ばれるような、熱感をもっている人、水分を処理しきれない人が多くなってきているようです。これは私の実感と一致します。

 熱を生むのは多くはストレスと睡眠不足、そして水分を処理しているのは胃腸の働きです。あまり胃腸の働きは花粉症では重要視されませんが、胃腸を整えるだけで花粉症にならずに済む人も少なくないのではないでしょうか?

 もうシーズンインしてしまったので、もう少し早く言えばよかったかな?

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2008年02月03日

花粉症の情報にもの申す

 スギ花粉症のことをときどき書いています。

 新聞にもでかでかと「東日本は大飛散~昨年の最大3倍」などと見出しが躍ります。日経新聞1月25日の記事を読んでみましたが、どこにも例年よりはやや少ないということは書いていないのです。

 まあ確かに症状は昨年との比較でないと語れない部分はあると思いますが、昨年の花粉量が少なかったことをもう少し情報として入れるべきではあると思っています。花粉飛散量は平年並みかやや少なめということを説明して、みなさんにもう少し落ち着いてもらおうと躍起になっているところです。

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2008年01月27日

冬の運動にはご注意を

 運動は体に良い、ということは間違いではありません。

 しかし、ただ運動をすればよいというものではありません。気候に合った運動を考えなければなりません。

 太平洋側の冬はとても乾燥します。あまり激しい運動をすると水分が失われた結果、とても乾燥がひどくなります。粘膜の乾燥は病原菌やスギ花粉の侵入を許すことがありますので、乾燥対策をしながら運動をする必要があります。

 粘膜の乾燥を最も効率よく防ぐ簡単な方法とは、十分な睡眠とリラックスした気分です。冬の運動時にはいつもにも増して休養をとる必要があるのです。休養が取れないのに運動ばかり激しくならないように注意が必要です。とくに水泳は運動量が多いので、特に冬には注意が必要なように感じます。

 冬に湿潤な気候になる日本海側では、太平洋側のようには注意が必要ではないのかもしれません。

 私の考えでは粘膜の乾燥に一番大きな影響を与えるものは、激しい運動とともに、ストレスと睡眠不足ではないかと考えています。ストレスは体の中では大きな熱になるので、乾きがひどくなります。

 ストレス発散のために運動をするのも良いですが、十分な休養をとるようにして下さい。ストレス発散を飲酒でするのも止めた方が良いでしょう。

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2008年01月19日

めまいを伴う風邪2

 「みんなの健康法1」でメールを寄せてくださったIさんが、めまいと風邪の関係についての経験をおしえて下さいました。ありがとうございます。

 やはり風邪のときにめまいを観察したところ、ぐるぐるめまいでも、ふらふらめまいでも、強い凝りを認めたのは「風池」穴であったとのことです。

 実は西洋医学的にも内耳(平衡感覚と聴覚があります)から頚部の筋肉には神経が伸びていて、平衡感覚に変調がくると頚部の筋肉の緊張が変化して、姿勢を保つようにできているのです。

 でも頚の筋肉の側を調整するとめまいが軽くなるのは面白いですね。風池穴は少陽胆経ですから、ストレスなどで凝りが出やすいのでしょう。ですので
 ストレス→風池穴の凝り→内耳へ影響→めまい
ということもあるかもしれませんね。いろいろ考えられて面白いです。

 風池穴

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2008年01月19日

めまいを伴う風邪が流行中です!

 風邪はときどき特徴的な症状を伴うことがあります。

 昨年末には下痢を伴う風邪、いわゆる嘔吐下痢症にかかられた方がいらっしゃるのではないでしょうか?これはノロウイルスが原因ではないか?と毎年のように言われるようになりましたね。

 夏には結膜炎を伴う咽頭結膜熱は俗称プール熱と言われ、アデノウイルスの3,4,5型で引き起こされるとされています。

 このようにウイルスの種類と引き起こされる症状には因果関係が大きく存在しています。でも因果関係がよくわからない症状を引き起こしてくる風邪も一方では存在します。

 この1月からめまいを伴う風邪が流行しています。他の症状は大したことがないので、風邪と診断されないことも多いようですが、他の所見も明らかに風邪であることを表しています。

 どうして急にみんな風邪でめまいを生じるようになったのか?これが私の最近の最大の疑問です。

 めまいを生じやすいウイルスがあるのか?本人の体調の問題なのか?環境の因子が多いのか、まだよく分かりません。

 めまいを生じやすいウイルスは今のところ見つかっていないと思います。体調要因としては新年会が続いて水毒(水の代謝が悪化している状態)の人が多いことが考えられます。でも患者さんを見ていても、宴会続きという印象はありません。気候も乾燥していますし、どうしてめまいを生じる風邪が増えているのか全くわかりません。

 読者のみなさんの中にめまいを伴う風邪をひかれた方はいらっしゃいませんか?いろいろ教えて欲しいのですがー。

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2008年01月13日

花粉症の季節がやってきました

 いよいよ花粉症の季節ですね。

 ドクター間でも花粉症に関する情報交換が盛んになってきています。私も最低限の情報は必要ですので、今日は花粉症の講演会がグランドハイアット東京で行われるとのことでしたので、受講しに参りました。

 今年の花粉症はヒノキの当たり年だそうです。元々ヒノキ花粉症は、花粉症全体の30%なのだそうですが、西日本の太平洋側ではヒノキ花粉症の割合が多いそうで、多いところではスギ花粉症よりも多いとか。

 飛ぶ花粉の量は昨年の倍程度の予想ですが、これで平年並みなのだそうです。東京では例年よりやや早い飛散開始(5日ごろ?)になりそうです。

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2008年01月13日