花粉症の情報にもの申す

 スギ花粉症のことをときどき書いています。

 新聞にもでかでかと「東日本は大飛散~昨年の最大3倍」などと見出しが躍ります。日経新聞1月25日の記事を読んでみましたが、どこにも例年よりはやや少ないということは書いていないのです。

 まあ確かに症状は昨年との比較でないと語れない部分はあると思いますが、昨年の花粉量が少なかったことをもう少し情報として入れるべきではあると思っています。花粉飛散量は平年並みかやや少なめということを説明して、みなさんにもう少し落ち着いてもらおうと躍起になっているところです。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2008年01月27日

冬の運動にはご注意を

 運動は体に良い、ということは間違いではありません。

 しかし、ただ運動をすればよいというものではありません。気候に合った運動を考えなければなりません。

 太平洋側の冬はとても乾燥します。あまり激しい運動をすると水分が失われた結果、とても乾燥がひどくなります。粘膜の乾燥は病原菌やスギ花粉の侵入を許すことがありますので、乾燥対策をしながら運動をする必要があります。

 粘膜の乾燥を最も効率よく防ぐ簡単な方法とは、十分な睡眠とリラックスした気分です。冬の運動時にはいつもにも増して休養をとる必要があるのです。休養が取れないのに運動ばかり激しくならないように注意が必要です。とくに水泳は運動量が多いので、特に冬には注意が必要なように感じます。

 冬に湿潤な気候になる日本海側では、太平洋側のようには注意が必要ではないのかもしれません。

 私の考えでは粘膜の乾燥に一番大きな影響を与えるものは、激しい運動とともに、ストレスと睡眠不足ではないかと考えています。ストレスは体の中では大きな熱になるので、乾きがひどくなります。

 ストレス発散のために運動をするのも良いですが、十分な休養をとるようにして下さい。ストレス発散を飲酒でするのも止めた方が良いでしょう。

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2008年01月19日

めまいを伴う風邪2

 「みんなの健康法1」でメールを寄せてくださったIさんが、めまいと風邪の関係についての経験をおしえて下さいました。ありがとうございます。

 やはり風邪のときにめまいを観察したところ、ぐるぐるめまいでも、ふらふらめまいでも、強い凝りを認めたのは「風池」穴であったとのことです。

 実は西洋医学的にも内耳(平衡感覚と聴覚があります)から頚部の筋肉には神経が伸びていて、平衡感覚に変調がくると頚部の筋肉の緊張が変化して、姿勢を保つようにできているのです。

 でも頚の筋肉の側を調整するとめまいが軽くなるのは面白いですね。風池穴は少陽胆経ですから、ストレスなどで凝りが出やすいのでしょう。ですので
 ストレス→風池穴の凝り→内耳へ影響→めまい
ということもあるかもしれませんね。いろいろ考えられて面白いです。

 風池穴

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2008年01月19日

めまいを伴う風邪が流行中です!

 風邪はときどき特徴的な症状を伴うことがあります。

 昨年末には下痢を伴う風邪、いわゆる嘔吐下痢症にかかられた方がいらっしゃるのではないでしょうか?これはノロウイルスが原因ではないか?と毎年のように言われるようになりましたね。

 夏には結膜炎を伴う咽頭結膜熱は俗称プール熱と言われ、アデノウイルスの3,4,5型で引き起こされるとされています。

 このようにウイルスの種類と引き起こされる症状には因果関係が大きく存在しています。でも因果関係がよくわからない症状を引き起こしてくる風邪も一方では存在します。

 この1月からめまいを伴う風邪が流行しています。他の症状は大したことがないので、風邪と診断されないことも多いようですが、他の所見も明らかに風邪であることを表しています。

 どうして急にみんな風邪でめまいを生じるようになったのか?これが私の最近の最大の疑問です。

 めまいを生じやすいウイルスがあるのか?本人の体調の問題なのか?環境の因子が多いのか、まだよく分かりません。

 めまいを生じやすいウイルスは今のところ見つかっていないと思います。体調要因としては新年会が続いて水毒(水の代謝が悪化している状態)の人が多いことが考えられます。でも患者さんを見ていても、宴会続きという印象はありません。気候も乾燥していますし、どうしてめまいを生じる風邪が増えているのか全くわかりません。

 読者のみなさんの中にめまいを伴う風邪をひかれた方はいらっしゃいませんか?いろいろ教えて欲しいのですがー。

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2008年01月13日

花粉症の季節がやってきました

 いよいよ花粉症の季節ですね。

 ドクター間でも花粉症に関する情報交換が盛んになってきています。私も最低限の情報は必要ですので、今日は花粉症の講演会がグランドハイアット東京で行われるとのことでしたので、受講しに参りました。

 今年の花粉症はヒノキの当たり年だそうです。元々ヒノキ花粉症は、花粉症全体の30%なのだそうですが、西日本の太平洋側ではヒノキ花粉症の割合が多いそうで、多いところではスギ花粉症よりも多いとか。

 飛ぶ花粉の量は昨年の倍程度の予想ですが、これで平年並みなのだそうです。東京では例年よりやや早い飛散開始(5日ごろ?)になりそうです。

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2008年01月13日

私の風邪に対する対処

 新年から伊豆の遊覧船に乗りました。

 ちょっと寒いなあと思っていましたが、団体に事故のないようにと目配りをしていたので、その緊張感からか、風邪をひいたという自覚はありませんでした。

 2日、3日と家族で初詣をする程度で、子どもたちとボードゲームなどをして遊んでいましたが、何かかったるい感じがありました。

 4日に自動車免許書き換えのため警察署と、別の用事で区役所に行きましたが、ここでとても気分が悪くなり、食欲もなく、あ~風邪をひいていたのかと気づきました。脈は沈み、寒気もあり、疲れを取らなければならない状況でした。

 昼に帰宅して、漢方薬を飲んで寝たら、カーッと熱くなり熱が体から出ていく感じがしました。3時間くらい寝たら寒気はとまり、脈も尖ってきて、風邪も終盤戦と感じましたので、さらにダメ押しの漢方薬を飲みました。

 漢方薬で体を強く温めるとその時は体が楽なのですが、あとで鼻水の粘りがひどくなるような感じがしているので、今回も温める漢方薬は1回のみの服薬にしてみました。

 さらに10時間寝たところ、脈も元に戻りだいたい回復したように感じています。睡眠は風邪の時計を早めますね。子どもが具合の悪いときにさっさと寝てしまうのはとても合理的です。

 そして、朝からゆっくりと入浴してさっぱりしたところです。風邪が治ったときには、邪をはらう意味でいつもすぐ入浴しています。これも案外大切だと思うのです。

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2008年01月06日

風邪の脈に関する一考察

 何故、風邪をひくと脈が浮いて、だんだん沈んで、また元にもどるのか?こういう一見馬鹿馬鹿しいことを真剣に考えることが重要だと思うのです。

 西洋医学の先生たち(私はちょっと外にいるつもりです)からは、「脈の浮き沈みなんて考えられない!脈の数の多い少ないが重要だろう」と教科書に書いていないことは、考えても無駄と思っている人が多いのです。

 しかし脈の細かい変化は現実に存在します。実は脈に関する細かい考察がなされている本があります。血液の流量が増加すると解剖学的に脈が浮いて、元に戻ると脈が沈むという考え方です。

 ★「鍼灸医療への科学的アプローチ」★(少し専門的に知りたい人向け)
 水嶋丈雄(著)、三和書籍(2005/09)
 
 ただ、この本でさえ、脈の浮き沈みを厳密に言い表したとは言い難いです。風邪のときに生じているのはもっと単純な現象かもしれません。免疫に関する細胞は血管の中にありますから、血管がある位置が免疫的に最も有利な場所であろうと私は考えました。

 すると風邪の初期に免疫の中心を体表に持って行くために脈が浮くこと、その後だんだん風邪が体内に進行していくに従って血管が沈むことは、免疫を最も効率よく働かせる体の適応のように思えるのです。サッカー日本代表がトルシエ監督時代に、ディフェンスラインを上げたり下げたりしていたのを思い出します。そんなイメージです。

 何も証拠はありませんが、人間の体はこれくらい精巧にできているのではないでしょうか??

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2007年12月30日

インフルエンザの早期発見の努力について

 インフルエンザが東京では流行が始まっています。昨年よりもやや早い流行の始まりです。私のクリニックでも1日に4人のインフルエンザ患者さんが来院されたことがありました。

 最近はタミフルとかリレンザというようなインフルエンザ治療薬がありますので、その薬をいかに早く患者さんに提供するか、ということに心を砕いています。目標は熱が出る前の診断です。熱が出れば誰でも診断できますから。

 以前にもメルマガに書いたことがあったかもしれませんが、脈証は有効な診断ポイントのひとつであると思います。ただ、熱が出る前のインフルエンザの診断に100%成功するわけではありません。疑陽性、つまりインフルエンザでないのに脈証では陽性と思える人たちが半分います。ただ偽陰性、つまり見逃し例はあまりないので、脈証も使い方によっても有用な方法と言えると思います。

 脈証でどうインフルエンザ初期を判断するかを説明します。風邪の初期症状として寒気やだるさがでてきたときに脈は軽く触れるだけで強く触れてきます。これを「脈が浮いている」と表現します。体が病気に抵抗している時期です。

 インフルエンザの場合は脈が浮いている期間が長いので、脈が浮いたまま、初期症状、つまり寒気、だるさ、熱があるままで、頭痛、そして喉が痛くなるという具合に風邪の中盤から終盤の症状が重なって出てくるのです。慣れないと判断はやや難しいです。

 もうひとつ判断の根拠となり得ることが先日起こりました。目の前のインフルエンザ患者さんの寒気が私にも生じたのです。その後何も起こりませんでしたので、感染したのではないと思います。感染にしては症状がでるまでやや早すぎると思います。気の世界に共振という現象がありますが、私はそれであったと思っています。同じ周波数の音叉が共鳴して鳴るように、病気に共鳴したということです。

 私は毎日、気のエクササイズをしているので、少しずつ敏感になっているのかもしれません。もしかすると精度がどんどん上がる?という期待もあるのですが、体を張って診断するのはちょっと抵抗がありますね(笑)。

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2007年12月23日

久しぶりの雨~カラカラボディ

 東京ではカラカラ天気が続いていましたが、先日ようやく本格的に雨が降りました。

 インフルエンザウイルスは水に弱いので、これで流行も一段落ということになると良いですね。

 私のクリニックの近隣では学級閉鎖が増えてきているように聞いています。不思議と私のクリニックにはあまりインフルエンザの方はいらっしゃいませんけれど。

 ところで、天気と同様にカラカラボディになっている人をよく見かけます。実際に喉が渇くことを自覚している人もいますし、皮膚に潤いがなくなっている人や、空咳が続く人もそうです。

 人間は体内に宇宙を持っている、と書くと宗教がかっているように見えますから、体内に自然を内包していると表現してみますか。東洋思想では自然に起こっていることが、体でも起こっているわけです。

 エネルギーが燃焼して温暖化し、水を維持できず砂漠化する。人間でも同じことが生じているに過ぎないのです。ですから自然環境を守れないようでは健康の永続的維持など不可能なのではないかと思えてしまいます。

 みなさんも環境問題を健康問題と捉えるようにしたら如何でしょうか?

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2007年12月16日

副鼻腔炎についての考察

 私はおしゃべりなので、患者さんの前でぺちゃくちゃ話をすることがときどきあります。そんな中で、自分の話したことから気付きを得ることがあるのです。

 昨日も「こういう理屈だとうまく説明できるなあ」と自画自賛しながら(笑)話をしていました。やはり副鼻腔炎のことです。

 もともと副鼻腔炎(昔で言う蓄膿症です)というのは、細菌の感染が原因であるというのが定説なわけです。ですので、抗生物質をどんどん与えていき、治ればハッピー、ダメならあきらめるか、手術か、というような流れになっていきます。

 でもよく考えると、細菌が検出されたからといって、その菌が副鼻腔炎を起こしたということにはなりません。ちょっとだけここには論理の飛躍があります。菌は私たちの周りにいつもいるので、鼻汁が好きな菌がたまたま増殖しただけに過ぎないということだってあり得ることです。

 抗生物質はあたると確かに効果があります。ですので細菌が副鼻腔炎に拍車をかけているということを否定するつもりはありません。でも細菌がきっかけになって副鼻腔炎は発症しているのでしょうか?

 東洋医学では、膿は熱があるとき、水は寒いときに生じるとされています。ついでですが、尿が濃いのは熱があるとき、薄い尿は寒いときに生じます。

 来年1月に耳鼻科医のための漢方講座を担当することになったのですが、そのスライドを準備しているときから、副鼻腔炎の位置づけがどうも気になっていました。もしかして分泌物で自分の熱を捨てているのではないか?と。

 気管支炎の治り方でも痰がどんどん出せると、赤さがどんどん取れて治っていきます。乾きがひどくて気管から痰が出せない人の場合にはなかなか治りません。実は「熱を捨てる=痰」より「熱を捨てる=膿性分泌物」が真実なのではないか?と感じたわけです。

 そうすると「膿の出る副鼻腔炎を生じやすい人=体の熱がたまりやすい人」ですので、ストレスで頭に熱がこもる人、毎晩度数の高い酒を飲む人、運動不足の人、過食の習慣があって太りやすい人などが挙げられるでしょう。

 前週にも指摘しましたが、上半身の冷えも増悪因子です。冷えは気の流れを阻害しますので、免疫的に不利になりますし、熱もこもりやすくなりそうです。これで話に矛盾はないのですよ。

 実際に副鼻腔炎が細菌によって引き起こされているかどうかを、確実に診断する手段はありません。ですので、議論しても仕方のないことです。ですがこういう東洋医学の考え方だけは知っておいても良いでしょう。

 細菌のせいにばかりしないで、自分の側を調整することを覚えましょう。

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2007年12月08日