またまた気管支炎が増えている理由

 梅雨時に気管支炎が出やすいということをメルマガ52号でお話しました。

 いや、エアコンかもしれませんよ、というご意見もいただいておりましたが、このところの湿気の多い気候のためか、またまた気管支炎は増えてきました。エアコンも否定はできませんけれどね。

 ただ、湿気が多いということが気管支炎増加の大きな要因であることは間違いないと思います。

 では雪国は冬中湿気が多いから気管支炎の患者さんが多いのかというと、そんなことは無いようです。

 湿気は気管支炎のための必要条件ではあるのですが、それで十分とはいえないようです。湿気だけで気管支炎は起こらないということです。

 では何が他の要因として大切でしょうか?

 私なりに3つの要因を候補として考えてみました。

 1.6月と10月初旬は気温の高さがだいたい同じであるので、適度に湿気があるうえに気温も比較的高いこと。

 2.適度な湿気がある上に、気温の変動が大きく季節がわりの時期であること。

 3.6月は新年度の疲れ、10月初旬は真夏の疲れが出る時期であること。

 恐らくどれかが、または複数が正しいのだと思っています。

 気管支炎はウイルス性感冒の後から生じてくることが多いので、それを考慮すると、恐らく2.が最も正解に近いのだと思います。しかし、それを検証することができません。

 また毎日観察する中で答えを探して行こうと思います。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2006年10月08日

成都に行ってきます!

 当初、秋の学会は遠方(青森)なので、ちょっと気が進まず、さぼってしまおう、と思っていました。でも毎年、10月下旬と言えば、疲れがたまってくる季節なので、どこかでちょっと休みたいな、なーんて思っていました。

 開業医のくせに不謹慎だ!と言わないで下さいね。仕事も疲れるんですよっ!

 急に成都中医薬大学研修という話が舞い込んで来ました。研修で行くなら、不謹慎とは言えないな、と自分に言い聞かせ(結構気にしています)、思いきって言って来ることにしました。

 11月1日から5日まで留守にしますのでよろしくお願いいたします。また経験談をメルマガ上で公開しようと思いますので、お楽しみに~。

 東洋学術出版社が運営する中国研修旅行ブログ

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2006年10月01日

東洋医学のない風邪診療は考えられません

 私の診察を見て、漢方薬を使ってみたい、という先生がいます。しかし大学病院では人の患者さんの様子を細かく見ることはできません。

 じゃ、アルバイトの病院で毎週診察したら!と提案してみたのです。

 ・・・ところが

 そのアルバイトの病院には漢方薬が十分においてありません。私の場合、大学病院の漢方薬の品揃えでも少し不便を感じることがあります。漢方薬はまだまだ診察の主役ではないのです。

 聞いた話なのですが、先日日経新聞に「急性疾患は西洋医学、慢性疾患には東洋医学で対応する統合医療」という記事があったそうです(未確認)。

 では漢方薬は、急性期病院には不要でしょうか?風邪には不要でしょうか?私は漢方薬のない風邪の診察なんて恐ろしいです。

   風邪をひいて寒気があるとき
   水みたいな鼻水が出るとき
   頭痛がはじまったとき
   喉が痛くなってきたとき
   痰が混じり始めたとき
   咳が出てきたとき
   再度、寒気が襲ってきたとき
   今度は喉仏のあたりが痛くなってきたとき
   喉が渇いてきたとき

 風邪にはいろいろな場面が予想されますが、これらの症状に対して漢方薬にはそれぞれにふさわしい漢方薬があるものです。しかし西洋薬ではどうでしょう。十分に対応できるのは恐らく痰に対してのみでしょう。

 鼻水止めをもらって効いた、と思っている人の多くは自力で鼻水が止まっているように感じます。頭痛に頭痛薬を飲んで、気分的にはよくなっているのだけれど、本当によくなっていますか?身体を薬で冷やしてしまい、逆に風邪を長引かせる要因を作っていませんか?

 そういうことを考え出すと東洋医学なしで診察することが恐ろしくさえあります。

 先日、脈がどうしても触れることのできない年配の方がいらっしゃいました。風邪の症状で何度か来られているのですが、脈が診られないのは本当にこまります。脈は東洋医学の主幹を成すものですからね。

 急性、慢性で東洋医学と西洋医学を分けるのではなく、それぞれの患者さんを前に考えて、内容を選択していかなくてはならないと私は思っています。

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2006年10月01日

「沖縄26ショック」寿命を縮める要因について

 みなさんは沖縄の「26ショック」というものを知っているでしょうか?これには健康管理に関する大きなヒントが隠されているように感じています。

 長寿国の沖縄に異変

 医療関係者の間では3Cが原因であろうとの推測がなされています。

 沖縄長寿3Cでかげり
 
 コレステロール、シガレット(タバコ)、カー(車)による運動不足ということです。なかなか上手い言い方です。

 豆腐を使った郷土料理などはあまり意識されなくなってきており、本土とほとんど食べるものは同じであるということです。やはり食事は大きな要因と言えそうですね。

 きちんと確認できておりませんが、肺ガン死全国1位のようですね。健康と向き合う文化が育っていないと喫煙率が上がるような印象があります。これはどうも、喫煙率が低下している地域からそうでない地域へとタバコ消費地が移動していることが原因のようなのです。

 あとは運動不足ですか。耳が痛いですね(笑)。ただ、案外地方都市の方が車社会であるがゆえに運動不足になりやすいもののようですね。私も自動車通勤を先日から半分程度にしています。

 他に議論されていたところでは、自殺、飲酒機会が多い、検診率が低いといったところが挙げられていました。そう、今トップを行く長野県は検診率がとても高いのだそうです。うーん、やはり検診は寿命にも顕著な影響を与えるのですね。

 私は生活環境よりもストレスなどの職場環境の方が寿命には大きな影響を与えると思ってきましたが、生活環境もこれだけ影響が大きいということには驚きでした。

 他に参考にしたサイトを挙げておきます。

 揺らぐ長寿王国沖縄
 
 コザの町医者ブログ
 

2006年09月24日

鼻づまり。夏の暑さの影響か、ストレスなのか?

 今日も耳鼻科っぽく、鼻のお話をしてみます。

 大体この季節の鼻詰まりというと、ハウスダスト、または秋の花粉症(東京だと主にブタクサですね)のアレルギー性鼻炎を考えます。

 あとは感冒初期の鼻づまり、そして感冒後期に副鼻腔炎を合併して膿のような鼻汁が鼻に詰まってしまうことを考えます。お子さんの場合には逆の順番で考えて行きます。

 他に鼻づまりの病気といえば、腫瘍とかポリープなど何かができているというようなことでしょうか。それくらいしか思いつきません。

 ところが何が原因かよく分からない鼻づまりの患者さんが2人いました。

 2人は性別も違いますし、共通点があまり見出せないのですが、ひとつだけ共通部分を見つけました。

 首から上が熱いと感じるようなのです。そういえば赤ら顔の男性、かたや首から上に汗をかく女性です。

 ・・・

 男性は暑さの影響のようでしたが、女性はストレスが原因のようです。

 男性には熱を冷ます漢方薬を渡したところ、何と鼻づまりがとれてきたとのことでした。熱いことと鼻づまりは理論的にはつながり難いですが、これは事実です。

 先日も、体の水のバランスを取る漢方薬を使っただけで鼻水が少なくなり、汗かき体質まで修正されて喜ばれた、ということも経験しています。やはり体のバランスは鼻にとっても重要なのです。

 鼻だけでもこんな調子ですから、西洋医学ではどうしても説明のできない病態がまだまだたくさんありそうです。

 ストレスを持った女性にも同じ処方をしてみましたが、どうなりますか?

2006年09月16日

めまい、難聴の患者さんが増加!

 秋雨前線が日本列島に横たわり、南から湿った空気が流れ込んで来ています。日本全国のことのようですね。

 朝のテレビの湿度計を見ると、雨も降っていないのに93%などという値になっていました。大変っっ!

 こんな天気が続くとめまい、難聴の患者さんが増えてしまうなあ、と思っていたら、案の定、週末はめまい、耳鳴り、難聴外来になっておりました。

 その前までは、夜に急に冷えたから風邪をひいたのですよー、とばかり言っていたのですが、本当に気候によって左右されています。

 水の代謝が悪くなるということは、体にいろんなゆがみが生じてきます。恐らく整形外科では膝の痛みを訴える患者さんが多くなっていることでしょう。内科にはむくみや頭痛の患者さんが増えるのではないでしょうか?

 さっき患者さんに説明したのですが、体の中で水を循環させるにはエネルギーが必要です。ですので、老化、あるいは胃腸が悪いとき、過労など、エネルギー不足が生じやすい状況になると水のトラブルが増えやすくなります。

 また水の循環を妨げるものもあります。代表的なものはストレスです。これは現代社会ではいろんな症状に少なからず絡んでいるのではないでしょうか。

 湿った気候+過労+ストレスというように諸条件が揃ってしまったときには特に注意が必要ですよ。

 仕事など、どうしても逃れられない状況の方たちは、とにかく睡眠時間を確保するようにしてください。意識することで睡眠時間は確保できるものです。日本人はみな夜更かしですから気をつけないといけません。

 でも読書の秋だからなー・・。

2006年09月09日

【イチオシ】陣内耳鼻咽喉科クリニックはこどもたちの教育を応援します

 こどものやる気を引き出し、夢を広げるコーチング(コミュ二ケーション手法)
 こどもにかかわる全ての人にコーチングを伝えたいと活動を続けている
 『共育コーチング研究会主催 第4回 研究大会』のお知らせです。

 ◇9月23日(祝) 渋谷ウィメンズプラザ
 ◇午前10時~午後4時半.半日参加も可能です。 お一人1000円。
 ◇内容:午前は こどものコーチングの実践事例と研究発表、
     午後はスキルの体験が中心になります。

 共育コーチング研究会

2006年09月02日

病気に対する考え方

 この1週間は本当に病気に対する見方について本当に考えさせられました。

 というのは、

 「この病気は治りません」「これは気のせいです」「慣れてください」「歳のせいですね」という医療が幅を利かせているのですがー・・。

 私に言わせれば「治すことはできませんけれど、こういう対応の方法はどうでしょうか」とか、「こういう風にすると症状が和らぐかもしれません」という対応も医師がすべきだと思うのです。

 それに現代医学ではなかなか治らない症状や病気にこそ、神秘的な面白い部分がたくさんあるものです。

 数日前も私の友人の医師と新宿で飲みながら話をしましたが、そういう面白さを理解している医師はほとんどいないとぼやきつつ、お互いに「そうだよなー」と妙に話が合って楽しく酔っ払いました。

 これまた8月27日日経新聞ですが(日経日曜版はかなり面白いです)、『医師の目』というコラムに「がん治療においても最後までケアも駆使しながらやるべきことをやれば、患者さんも安らかな最期を迎えられる」とありました。

 これはすべての治療において必要な観点だと思います。西洋医学で治せないときに、今までなら「治りません」で済ませていたのですが、治らない事実を客観的に捉え、「良くなる」ことをいろいろ考えていくことが大切だと思うのです。

 現実に目を背けず、医師ももちろん患者さんも事実をありのままに受け止め、自分にも周りにも優しく対応する、これがロハスな姿勢ということになりましょう。

2006年09月02日

あなたはアレルギー?夏風邪?

 夏になると必ず診断に困ることがあります。

 水みたいな鼻水がやたらと出て私のクリニックにいらっしゃる患者さんがい
 ます。最近はみんな自分がアレルギーだと思っていて、「アレルギーの薬を
 下さい」なんて言う人もいます。

 でも、この季節に何のアレルギーですか??

 イネ科の雑草の花粉は確かに飛んでいます。

 でもほかの季節に症状がでないのに、8月だけ症状が出るなんてことはない
 とは言えないまでも、あまり多いことではないです。

 イネ科花粉症

 2日前から出ていた鼻水が、雨でもないのに収まってきているということは
 ないでしょうか?もしかして鼻水が粘っているかもしれませんね。

 そういう場合には風邪を考えましょう。

 寝苦しい日々が続きますが、クーラーをつけたままということはないでしょ
 うか?そういう場合に風邪の鼻水は起こりがちです。熱がなくても、喉が痛
 くなくても、風邪という選択肢は残しておきましょう。

 風邪はだんだん喉が渇いてきます。そこにアレルギーの薬なんて飲んだら最
 悪!さらに喉が渇いて苦しくなります。

 脈を診ることができるとなお診断精度が増しますよ。
 参考までに、風邪と脈の関係についてです。

 話はこれで終わっても良いのですが、実はまだもうひとつあります。

 夏の暑さで体力を消耗してしまい、体力不足で鼻水が出る(というよりも、
 出て行ってしまうという感じです)ことがあります。これは私の私見です。
 でも東洋医学的には論理性があります。

 営業や建築現場など、外の仕事の方はご注意を!休めば元にもどります。

2006年08月26日

寒さは緩んできましたが

寒さは緩んできましたが、昼夜の寒暖の差が激しくなってきました。

私は早朝、夜間の出勤なので、服装はあまり真冬と変わりませんが、
昼に外で活動される方には、服装が難しい季節になりました。

さらに昼に外出される方には問題のスギ花粉も飛び始めましたね。
毎年のこととはいえ、ややうんざりです。

生活が不規則になったり、ストレスが増えたりで、花粉症が悪くなる
要素の方が圧倒的に多いわけです。これは何とかならないかなあ、と
思ってしまいます。

あまり報道などはされませんが、大陸から偏西風が吹く季節ですので
ちりホコリも多くなってきています。これも症状に影響を与えている
ようです。

さらに年度末でお忙しい方もいらっしゃったり、まあよくこれだけ
健康面の悪条件がそろうものだと思います。

みなさんそれぞれにお気をつけて。

2006年03月07日