関西TV系「ベリーベリーサタデー」2006年10月21日
加湿器の効用についてコメント
2006年10月21日
加湿器の効用についてコメント
2006年10月21日
さて、すっかり残暑がなくなり、季節は秋ですね。
神戸南京町では主な節句ごとの祭りがあり、中秋が過ぎたという実感がもてますね。こういう季節感って大切だと思います。第9回中秋祭は6日から9日まで行われました。
残暑が終わり中秋も過ぎて、寒さに向かうこの季節の健康法について少し話しておきます。
秋で最も大切なことは、水分を大きく消耗しない生活です。秋から冬に乾燥がひどくなります。特に住居の機密性が高くなっている昨今、屋内の乾燥はこれからかなりきつくなりますから要注意です。
そして水分を補わないといけない理由が他にもあります。それは、この夏に消耗した水分を補うという側面と、さらに来春に陽気がぐっと盛んになり、いろいろな意味でグンと成長する時にこの秋の水分が必要になってくるという側面です。たとえば秋に消耗の激しい生活をさせると、春からの成長期にお子さんの身長が伸びない、なんてことが理論的には起こりえます。
これほど、秋の水分保持(「養陰」と言います)は重要なのです。
さて、秋に傷害されるといわれている臓器は中医学の「肺」に関連する臓器は肺、口、鼻、皮膚、大腸です。
皮膚や粘膜がやられやすいのは実感として分かりますが、大腸が乾いて便秘の傾向も増すようです。そんなものですかね?耳鼻科の私にはちょっと分かりにくいことですが。
秋は養陰の季節なので、水をたくさん飲もう!とお考えのあなた!それではダメなのです。
飲んだ水がうまく身体の中を流れて、しかもその水が失われないように節度ある行動をして、初めて達成されるのが養陰なのです。そのために体をあたたかくしておくことも重要です。
人間は器械ではありません。喉が潤ってもすぐに体全体が潤う感じがしないことは日ごろ実感されることではないでしょうか?水をのんで皮膚もすべすべになるなら女性は苦労しないのです。
さてそれなら過度の運動以外にどのようなことに気をつけて生活したら良いでしょうか?
秋は早寝早起きの季節です。まずはこのあたりからでしょうか。特に早寝は有効です。寝ることは陰分(水分)を養う滋養効果があります。お肌にももちろん良いのです。
あとは食材にも少し目を向けてみましょう。
陰分(水分)を補う、という意味では梨などの果物は有効です。しかし体はやや冷える傾向になりますので過量に食べるのは要注意です。白菜、小松菜などの野菜類も同様です。
だんだん冷えてくるにしたがって、大根、人参を食べるのに良い季節になってくると思います。さらに豆類ですね。豆類には潤性のものが多く、養陰には役立つと思います。季節のものでは銀杏ですね。
いろいろな観点で養陰を実践すれば、春からどんどん元気がでてきますよ!
メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
2006年10月15日
梅雨時に気管支炎が出やすいということをメルマガ52号でお話しました。
いや、エアコンかもしれませんよ、というご意見もいただいておりましたが、このところの湿気の多い気候のためか、またまた気管支炎は増えてきました。エアコンも否定はできませんけれどね。
ただ、湿気が多いということが気管支炎増加の大きな要因であることは間違いないと思います。
では雪国は冬中湿気が多いから気管支炎の患者さんが多いのかというと、そんなことは無いようです。
湿気は気管支炎のための必要条件ではあるのですが、それで十分とはいえないようです。湿気だけで気管支炎は起こらないということです。
では何が他の要因として大切でしょうか?
私なりに3つの要因を候補として考えてみました。
1.6月と10月初旬は気温の高さがだいたい同じであるので、適度に湿気があるうえに気温も比較的高いこと。
2.適度な湿気がある上に、気温の変動が大きく季節がわりの時期であること。
3.6月は新年度の疲れ、10月初旬は真夏の疲れが出る時期であること。
恐らくどれかが、または複数が正しいのだと思っています。
気管支炎はウイルス性感冒の後から生じてくることが多いので、それを考慮すると、恐らく2.が最も正解に近いのだと思います。しかし、それを検証することができません。
また毎日観察する中で答えを探して行こうと思います。
メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
2006年10月08日
当初、秋の学会は遠方(青森)なので、ちょっと気が進まず、さぼってしまおう、と思っていました。でも毎年、10月下旬と言えば、疲れがたまってくる季節なので、どこかでちょっと休みたいな、なーんて思っていました。
開業医のくせに不謹慎だ!と言わないで下さいね。仕事も疲れるんですよっ!
急に成都中医薬大学研修という話が舞い込んで来ました。研修で行くなら、不謹慎とは言えないな、と自分に言い聞かせ(結構気にしています)、思いきって言って来ることにしました。
11月1日から5日まで留守にしますのでよろしくお願いいたします。また経験談をメルマガ上で公開しようと思いますので、お楽しみに~。
メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
2006年10月01日
私の診察を見て、漢方薬を使ってみたい、という先生がいます。しかし大学病院では人の患者さんの様子を細かく見ることはできません。
じゃ、アルバイトの病院で毎週診察したら!と提案してみたのです。
・・・ところが
そのアルバイトの病院には漢方薬が十分においてありません。私の場合、大学病院の漢方薬の品揃えでも少し不便を感じることがあります。漢方薬はまだまだ診察の主役ではないのです。
聞いた話なのですが、先日日経新聞に「急性疾患は西洋医学、慢性疾患には東洋医学で対応する統合医療」という記事があったそうです(未確認)。
では漢方薬は、急性期病院には不要でしょうか?風邪には不要でしょうか?私は漢方薬のない風邪の診察なんて恐ろしいです。
風邪をひいて寒気があるとき
水みたいな鼻水が出るとき
頭痛がはじまったとき
喉が痛くなってきたとき
痰が混じり始めたとき
咳が出てきたとき
再度、寒気が襲ってきたとき
今度は喉仏のあたりが痛くなってきたとき
喉が渇いてきたとき
風邪にはいろいろな場面が予想されますが、これらの症状に対して漢方薬にはそれぞれにふさわしい漢方薬があるものです。しかし西洋薬ではどうでしょう。十分に対応できるのは恐らく痰に対してのみでしょう。
鼻水止めをもらって効いた、と思っている人の多くは自力で鼻水が止まっているように感じます。頭痛に頭痛薬を飲んで、気分的にはよくなっているのだけれど、本当によくなっていますか?身体を薬で冷やしてしまい、逆に風邪を長引かせる要因を作っていませんか?
そういうことを考え出すと東洋医学なしで診察することが恐ろしくさえあります。
先日、脈がどうしても触れることのできない年配の方がいらっしゃいました。風邪の症状で何度か来られているのですが、脈が診られないのは本当にこまります。脈は東洋医学の主幹を成すものですからね。
急性、慢性で東洋医学と西洋医学を分けるのではなく、それぞれの患者さんを前に考えて、内容を選択していかなくてはならないと私は思っています。
メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
2006年10月01日
みなさんは沖縄の「26ショック」というものを知っているでしょうか?これには健康管理に関する大きなヒントが隠されているように感じています。
医療関係者の間では3Cが原因であろうとの推測がなされています。
沖縄長寿3Cでかげり
コレステロール、シガレット(タバコ)、カー(車)による運動不足ということです。なかなか上手い言い方です。
豆腐を使った郷土料理などはあまり意識されなくなってきており、本土とほとんど食べるものは同じであるということです。やはり食事は大きな要因と言えそうですね。
きちんと確認できておりませんが、肺ガン死全国1位のようですね。健康と向き合う文化が育っていないと喫煙率が上がるような印象があります。これはどうも、喫煙率が低下している地域からそうでない地域へとタバコ消費地が移動していることが原因のようなのです。
あとは運動不足ですか。耳が痛いですね(笑)。ただ、案外地方都市の方が車社会であるがゆえに運動不足になりやすいもののようですね。私も自動車通勤を先日から半分程度にしています。
他に議論されていたところでは、自殺、飲酒機会が多い、検診率が低いといったところが挙げられていました。そう、今トップを行く長野県は検診率がとても高いのだそうです。うーん、やはり検診は寿命にも顕著な影響を与えるのですね。
私は生活環境よりもストレスなどの職場環境の方が寿命には大きな影響を与えると思ってきましたが、生活環境もこれだけ影響が大きいということには驚きでした。
他に参考にしたサイトを挙げておきます。
2006年09月24日
今日も耳鼻科っぽく、鼻のお話をしてみます。
大体この季節の鼻詰まりというと、ハウスダスト、または秋の花粉症(東京だと主にブタクサですね)のアレルギー性鼻炎を考えます。
あとは感冒初期の鼻づまり、そして感冒後期に副鼻腔炎を合併して膿のような鼻汁が鼻に詰まってしまうことを考えます。お子さんの場合には逆の順番で考えて行きます。
他に鼻づまりの病気といえば、腫瘍とかポリープなど何かができているというようなことでしょうか。それくらいしか思いつきません。
ところが何が原因かよく分からない鼻づまりの患者さんが2人いました。
2人は性別も違いますし、共通点があまり見出せないのですが、ひとつだけ共通部分を見つけました。
首から上が熱いと感じるようなのです。そういえば赤ら顔の男性、かたや首から上に汗をかく女性です。
・・・
男性は暑さの影響のようでしたが、女性はストレスが原因のようです。
男性には熱を冷ます漢方薬を渡したところ、何と鼻づまりがとれてきたとのことでした。熱いことと鼻づまりは理論的にはつながり難いですが、これは事実です。
先日も、体の水のバランスを取る漢方薬を使っただけで鼻水が少なくなり、汗かき体質まで修正されて喜ばれた、ということも経験しています。やはり体のバランスは鼻にとっても重要なのです。
鼻だけでもこんな調子ですから、西洋医学ではどうしても説明のできない病態がまだまだたくさんありそうです。
ストレスを持った女性にも同じ処方をしてみましたが、どうなりますか?
2006年09月16日
秋雨前線が日本列島に横たわり、南から湿った空気が流れ込んで来ています。日本全国のことのようですね。
朝のテレビの湿度計を見ると、雨も降っていないのに93%などという値になっていました。大変っっ!
こんな天気が続くとめまい、難聴の患者さんが増えてしまうなあ、と思っていたら、案の定、週末はめまい、耳鳴り、難聴外来になっておりました。
その前までは、夜に急に冷えたから風邪をひいたのですよー、とばかり言っていたのですが、本当に気候によって左右されています。
水の代謝が悪くなるということは、体にいろんなゆがみが生じてきます。恐らく整形外科では膝の痛みを訴える患者さんが多くなっていることでしょう。内科にはむくみや頭痛の患者さんが増えるのではないでしょうか?
さっき患者さんに説明したのですが、体の中で水を循環させるにはエネルギーが必要です。ですので、老化、あるいは胃腸が悪いとき、過労など、エネルギー不足が生じやすい状況になると水のトラブルが増えやすくなります。
また水の循環を妨げるものもあります。代表的なものはストレスです。これは現代社会ではいろんな症状に少なからず絡んでいるのではないでしょうか。
湿った気候+過労+ストレスというように諸条件が揃ってしまったときには特に注意が必要ですよ。
仕事など、どうしても逃れられない状況の方たちは、とにかく睡眠時間を確保するようにしてください。意識することで睡眠時間は確保できるものです。日本人はみな夜更かしですから気をつけないといけません。
でも読書の秋だからなー・・。
2006年09月09日
こどものやる気を引き出し、夢を広げるコーチング(コミュ二ケーション手法)
こどもにかかわる全ての人にコーチングを伝えたいと活動を続けている
『共育コーチング研究会主催 第4回 研究大会』のお知らせです。
◇9月23日(祝) 渋谷ウィメンズプラザ
◇午前10時~午後4時半.半日参加も可能です。 お一人1000円。
◇内容:午前は こどものコーチングの実践事例と研究発表、
午後はスキルの体験が中心になります。
2006年09月02日
この1週間は本当に病気に対する見方について本当に考えさせられました。
というのは、
「この病気は治りません」「これは気のせいです」「慣れてください」「歳のせいですね」という医療が幅を利かせているのですがー・・。
私に言わせれば「治すことはできませんけれど、こういう対応の方法はどうでしょうか」とか、「こういう風にすると症状が和らぐかもしれません」という対応も医師がすべきだと思うのです。
それに現代医学ではなかなか治らない症状や病気にこそ、神秘的な面白い部分がたくさんあるものです。
数日前も私の友人の医師と新宿で飲みながら話をしましたが、そういう面白さを理解している医師はほとんどいないとぼやきつつ、お互いに「そうだよなー」と妙に話が合って楽しく酔っ払いました。
これまた8月27日日経新聞ですが(日経日曜版はかなり面白いです)、『医師の目』というコラムに「がん治療においても最後までケアも駆使しながらやるべきことをやれば、患者さんも安らかな最期を迎えられる」とありました。
これはすべての治療において必要な観点だと思います。西洋医学で治せないときに、今までなら「治りません」で済ませていたのですが、治らない事実を客観的に捉え、「良くなる」ことをいろいろ考えていくことが大切だと思うのです。
現実に目を背けず、医師ももちろん患者さんも事実をありのままに受け止め、自分にも周りにも優しく対応する、これがロハスな姿勢ということになりましょう。
2006年09月02日