5タイプに分ける診察で精度を上がったかな?

 最近、診察の内容を変えたという話をどこかに書きました。

 やはり、体の根本の体質が結構影響してしまうので、体質をざっくり5つに分類してそれのどれに当てはまるのかをみながら治療を組みたてています。

 先日、風邪の患者さんがいらっしゃいました。咳をしています。結構続いているそうです。そこでいつものように診察をして、風邪の後半で喉の渇きが出る前の状態と判断して、それに合うように漢方薬を処方しました。

 通常ならおしまい。治ります。

 でも、その患者さんは治りませんでした。・・・あれ??おかしい?

 いつも風邪の診察をするときには、寒熱の状態(寒いのか暑いのか)、燥湿の状態(乾いているか、湿っているか)を診ています。大体はそれで治療はできるのです。

 でも時々、血の足りない人、あるいは血の滞っている人がいて、それが治療の妨げになることがあるようなのです。治りが悪い、と感じられるときには血の状態に注目するようにしています。

 その患者さんの場合、確かに初回の診察のときに、どこかしっくりこない感じがありました。でもいつも通りの内容で診察を終えました。

 案の定、その患者さんは咳が止まらないと再度診察にみえました。血の状態を確認したところ、お血(血の滞り)が強くあるために咳が止まりにくいこと、またストレスによる気滞(気の滞り)も同時にあることが分かりました。

 そこで、お血と気滞を治療する処方をしてみました。初見よりもはるかにしっくりくる処方でしたので、治っていくことでしょう。

 5タイプに分けて治療薬を選択するようになり、先入観が入らずに上手く処方薬を選べるようになりました。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年07月29日

日本における抗がん剤の認可基準

先日、バイオレゾナンス医学会に出席しました。

 波動医学とは関係のないところですが、ナルホドと思ったところがありましたのでご紹介します。抗がん剤のことです。

 抗がん剤は奏効率2割を達成されると厚生労働省の認可が下りるとのことです。奏効率2割とはどういうことでしょうか?

 日本における抗がん剤の認可基準は、部分寛解(腫瘍の縮小率が50%以上で、新しい病変の出現が4週間以上ない状態)が、20%の患者さんで認められることとされています

 みなさんどう思われますか?

 奏功するということが、腫瘍の縮小だけでよく、しかも4週間の縮小があればよいのです。さらにその縮小が20%の患者さんで認められれば良いのです。

 あれ?治らない薬でも認可されるの?という印象を私は持ちました。

 学会発表の中で問題点が指摘されていましたが、延命効果は考慮されていないこと、そして副作用の程度も考慮されていないのだそうです。

 患者さんや家族の方たちは、治る、あるいは延命するということを期待されて抗がん剤治療に踏み切るのでしょうけれど、医師は縮小または一時的効果があり、時には治るという認識なのかもしれません。

 諸外国で認可されている抗がん剤を日本でどうして使えないのだ、と様々な意見をサイトで拝見します。諸外国の認可制度のことは分かりませんし、何が正しいのかも分かりませんが、どのような経緯で日本で、あるいは海外で認可された抗がん剤なのかをきちんと調べて使用する必要がありそうです。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年07月22日

高齢者の不眠について~食事内容でも改善できるかも?

 高齢者が不眠を訴えることがとても多いですね。

 今までは、高齢者なのだから、と以下のように考えていました。

 腎陽の力(つまり生命力ですね)がなくなって、水分を体の上の方に汲みあることができなくなり、下に水が停滞して浮腫み、上は水が下からやって来ないので熱する(虚熱といいます)、という状態が生じると不眠になります。

 そこで補腎剤という腎を補う作用のある処方をして対応することがほとんどでした。

 しかし、それだけなのかな?と、ふと思ったのです。

 心の血が足りなくなって煩躁(焦躁感があり眠れない感じでしょうか?)の状態になるのも高齢者が多いのではないでしょうか?いわゆる血虚の状態は高齢者でも少なくないように感じます。

 最近は高齢者の人をコンビニとか、お惣菜コーナーでよく見かけるようになりました。食事を作るのを負担に感じている高齢者は少なくないのではないかと思います。

 でもそういう食事の内容では糖分中心の食事になってしまい、良質のたんぱく質のような栄養価の高い内容があまり含まれていないのではないかと推測します。

 血虚による煩躁に似たような感じで不眠になっている場合には、腎の力が衰えて不眠になっているときと異なり、食事内容を変えることで不眠を解消できる可能性があるのではないかと思います。

 こういう不眠のときに「歳をとったから」と思いこまないようにしたいものです。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年06月22日

診察の方法が少しだけ変わっています

 実はみなさんから見えないところで診察の方法を変えました。

 何を変えたのか・・?

 漢方薬の選び方を変えたのです。

 今までは、感染症がどのように生じているか?ということにかなり重点を置き、それに対処できる抗生物質や漢方薬を選択して参りました。

 さらに今後、同じような悪い状況になりにくくなるように、体質を強化するような漢方薬も選んでいました。望診と脈診を主として、最終的にはエネルギーで確認することで漢方薬を決めていました。

 ただ現実には、手足の問題を言われると水の問題として、産前産後の女性の問題は血の問題として考えた方がより早く解答にたどりつけます。

 つまり東洋医学でいうところの「気血水」で問題を捉えることができれば、処方の精度がさらに増していくのではないかと思っています。

 言ってみれば、今までは攻撃と守りに徹していたのですが、これからは、機能にも目を向けて診察をしていくというでしょうか。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年06月17日

風邪の終わりこそ入浴は控えめに

 風邪のときによく、入浴はどうしたら良いですか?という質問を受けます。

 従来の医学では、統一見解はなく、医師の判断、それも大した根拠のない判断で(だと思いますけど)、入って良い、入ってはいけないということを患者さんに伝えているのだと思います。

 医学教育の中で、入浴をどの段階で許可するか、何を根拠に禁止するか、などということを私は教えていただいた記憶がありません。もっとも最近の医学教育でどうなっているのかは分かりませんけれど。

 強いて言えば、入浴に耐えうる体力かどうかを判断していると言えます。

 ところが単純な風邪の場合、入浴に耐えられない体力などということはあまり考える必要がなく、気分的に入りたい、入りたくないで決めればよいようにも感じます。

 でももう少し深く考えてみましょう。より良く風邪を治すための入浴方法があるはずです。

 入浴することにより何が起きるか考えてみましょう。

  > 汗をかく
  > のぼせる
  > 表面から温まる
  > 疲れる

 こんなところでしょう。風邪の初期には表面が冷える、汗をかいていないと辛い、ということがあるかもしれません。疲れの問題がなければ、さっと温まり終わりにしておきたいところです。

 そして風邪の後半。もう身体は辛くないので、ゆったりと入浴したいところかもしれません。問題は身体の中に残った熱が身体を上っていくことでしょう。それが咳になったり、口の渇きになったりするのです。

 この時期ののぼせは咳を増悪させるので、長い入浴はやはり避けた方が無難です。汗をかくほどに入浴すると口の渇きもひどくなり、治りが悪くなると思います。

 風邪の間は体力に合わせて入浴するかどうかを決め、症状がある間は短時間で切り上げるようにしたいものです。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年06月10日

耳鳴り治療の一側面について

 耳鳴りの治療は難渋することが多いです。

 現時点では大きな耳鳴りとか、気になる寝られないような耳鳴りを鎮めることは割とできるようになっていると思います。例外はありますが。

 しかし、完治にはなかなか至らないのです。

 最近、興味深いことがありました。

 耳鳴りの患者さんが不妊治療を続けているということをお聞きしました。相当な冷えがあるようで、なかなか難しいようにお見受けしたので、

 「漢方薬で冷えをとってみましょうか?」

 と何の気なしに薬を選び始めました。強い冷えを鎮める処方のサンプル瓶を患者さんが持った瞬間、

 「あれ?耳鳴りがなくなりました」とのこと。

 耳鳴りの治療に関して、寒熱の状態がそれほど大きく関係するとは考えたことがなかったので、驚きました。

 漢方薬を使っている患者さんの場合には、寒熱の状態に即した内容の漢方薬を選択していることと思いますが、西洋薬のみを用いている患者さんも少なくないため、漢方薬を併用してみようかどうしようか、迷うところです。

 日常の診察の中にヒントがたくさん隠されているのですね。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年05月20日

診察には確かにロジックも大切ですけれど

 診療をしていて、間違いが思わぬ解決法を生み出してくれることがあります。

 私の手元には、身体の微妙な変化を観察するため、薬のサンプルが200種類以上あります。それを短時間で触れていただき、その後観察するということを行う事があります。

 「この人はストレスによる気逆(気が頭の方に上がってのぼせた状態)だから、気を降ろして、気が巡りやすい状態を作ってあげないとな」と思うことはよくあります。

 さて、どうやって気を巡らせるか・・・。

 その時は、まず気を巡らせてストレスを処理しよう。まずは香蘇散(こうそさん)と考えました。

 香蘇散は気を巡らせる働きのある蘇葉(そよう;紫蘇の葉のこと)と香附子(こうぶし)、陳皮(ちんぴ;ミカンの皮)を含んでいるので、これで良いかなと思い、サンプルに手が行きました。

 ところが、実はそこで手にしたのは女神散(にょしんさん)でした。女神散は、気を巡らせる生薬と共に、気を補ったり、血を巡らせたりする働きのある生薬も多く含まれています。

 気が足りないとか、血が回っていないという印象がなかったので頭の中では香蘇散を選択したわけですが、たまたま(誤って)手にした女神散がその患者さんにピタリと来たのには驚きました。

 診察には確かにロジックも大切ですけれど、こういう勘というか、運的なものも作用することは確かですね。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年05月13日

切迫早産の漢方治療??

 先日、切迫早産の方に良い漢方薬を処方するよう、助産院から依頼がありました。

 「切迫早産かー。よく分からないよー」
 というのが本音ではありましたが、薬のエネルギーを身体に合わせていくと行き先が見えてきます。

 ご本人が言う事には、疲れたときに切迫早産になったのだそうです。

 そして、ご本人の身体が選んだ処方は血虚の処方でした。

 ということはどういうことなのか・・?

 そうか!分かりました。いや、これは常識的なことなのかもしれないし、逆に正しい内容かどうかも分かりませんけど。私なりの解釈ですので、悪しからず。

 切迫早産とは、胎児が十分な発育を待たずに母体から出ようとしてしまう状態です。どうしてそのようなことが生じるのか?それは、母体内の環境が胎児にとって、あまり良くなくなったからなのでしょう。

 今回は過労が切迫早産の原因になっています。疲れにより、交感神経が緊張した状態になり、母体の血流が悪くなったのでしょう。胎児は十分なガス交換ができなくなり、体外に出ようとしたのでしょう。

 休養を取ったところ、切迫早産は持ち直して安定したとのことでしたので、さらに血流を良くする、つまり血の消耗を抑える補血の内容を選択して処方を考えてみました。

 良くなるとよいですね。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年05月06日

一貫堂処方を少し応用してみようかな

すぐに扁桃腺が腫れて熱が出るお子さんが少なからずいらっしゃいます。慢性扁桃炎で何かをきっかけに熱がドーンとでる病気です。口の中のリンパ組織もいつもモコモコ腫れる傾向を持っています。

 こういう状態の人をみると、何とか炎症を止めたいと思うのですが、いつまでも抗生物質を使うわけにもいきませんし、なかなか難しいものです。

 ある時ふと、古典では腺病質の治療薬とされている柴胡清肝湯はどうだろうか?と思い至りました。古典では小児に対する処方として紹介されている処方です。
 
 ちなみに腺病質は体格が悪く、貧血や湿疹などを起こしやすい病弱な小児の状態、と説明されています。一般に体質虚弱で神経質とのことです。
 
 この処方は生薬構成から考えても、熱を抑える作用、血を補う作用が中心に作られていますが、さらに解毒のための生薬(牛蒡子、連翹)が加えられており、腺病質の人であれば、大人でも使える処方のように思われました。

 一貫堂処方と呼ばれる体系の中では、腺病質の小児によくある上気道炎に広く応用されるのが柴胡清肝湯です。この体質の人には青年期は荊芥連翹湯、女性や泌尿器疾患には竜胆瀉肝湯を用いるとされています。

 一貫堂処方の考え方は、どうして年齢ごとに分かれているのかが分かりにくい難しい体系ではありますが、少しずつ応用していきたいと思っています。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年04月30日

お母さんも良いものを食べて下さい

 最近、お子さんの診察をしていて、化学薬品の汚染を感じることが結構多くなりました。

 鼻水がずっと続いているお子さんは、体質だからと諦めてしまうことも多かったのです。今までは睡眠不足を疑ったこともあるのですが、どうもピンときませんでした。みなさんではないでしょうけれど、食べ物に問題がある場合もあるのではないでしょうか?

 近頃は食品売り場も皆さんの忙しい生活ぶりを反映して、惣菜の占める割合が増えています。きちんと作られた惣菜もあるのでしょうけれど、化学薬品を使っている場合も少なくないのではないかと思います。

 あとは冷凍食品ですね。レンジだけで料理が完成するのですから、それなりの薬品が使われていると考えざるを得ません。コンビニ弁当の表示も見るとかなり色んなものが使われています。

 鼻水がどうして?と思われるかもしれません。

 化学物質は主に便、尿、汗から体外に排泄されます。これは未確認ではありますが、鼻水からも排泄されることがあると思うのです。もしもこれが正しければ、便、尿、汗から出しきれないほどに化学物質が体内に入ると、鼻水が沢山出ることになります。

 証拠はどこにもありませんが、実感としてはかなり正しいつもりです。

 先日、お子さんの食事はきちんと作っていて、化学物質は考えられないというお母さんがいらっしゃいました。ところがお母さん自身の食事が少しいい加減になることがあるそうで、授乳中ということもあり、それを修正していただくように指導してみました。どうなりますでしょうか。楽しみです。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

お好みのタイプのメールマガジンを是非ご登録下さい!バックナンバーも見られます。

2012年04月22日