本のご紹介~儀礼の重要性を知る
本当は菅沼先生の耳鳴講義について書く予定でしたが、これまた予定変更で是非ご紹介したい本がでてきたので、それを紹介します。耳鳴については、来週に必ず書くようにします。
私が是非紹介したいと思った本はこの本です。
『儀礼があるから日本が生きる!』
ライアル・ワトソン(著)、翔田朱美(訳)、2001/08 たちばな出版
私は日本に自信をなくしていたなあ、とこの本を読んで思いました。日本が世界に稀にみる優位を築いている、ということを心から実感でき、嬉しくなったのはこの本のおかげです。
何が優位なのか・・? それは儀礼、儀式なのです。
世には人工的な人間関係を作る仕組みがたくさんあります。社交クラブから軍隊教育、社歌を歌うことまで、さまざまです。
でもここからは社会的な結束は生まれません。全ては人工的な人間関係に過ぎません。日本にはたくさんの儀式や祭りが存在します。それらのほとんどが旧来の方式に則って行われています。そういう方式、すなわち儀式こそが自然な社会の一体感を生む要因になっているということです。
私たちは、そういうものに自然のうちに囲まれています。歳を取るにつれてお宮参り、成人式、還暦とありますし、季節ごとにいろんな祭事があります。そういうものは意識には上りませんが、自然な一体感を生んでいると言えると思います。
ただし、儀礼は商業主義に飲み込まれる危険性があるので、気をつけるべきと本には書かれていました。昔の共同体が息づく国であることを私たちはもっと意識して、誇りに思わないといけないのかもしれません。
今まで、年賀状、お中元、お歳暮って面倒だなあと思いましたが、これも、歴史は浅い(ですよね?)ものの、欠かしてはならない儀礼のひとつであると思いを新たにしました。
最近、いろんな方たちにお世話になっているので、お中元は大変だなあ(笑)。
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2009年06月14日
耳かきについて
耳かきをするとよくあかちゃんが眠れる、というお母さんが少なくありません。まあ大したことではないと思うのですが、迷走神経(副交感神経)反射が起こることでリラックスしているわけですから、寝ている赤ちゃん(これまた副交感神経優位)はにさらに耳かきをするのは、もしかしたら良くないのかな?と考えます。リラックスも行き過ぎはどうかと思うのです。大人にもそういう人が少なくありません。
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2009年05月31日
友人の急な入院で思うこと
親しい友人にメールしたところ「昨日入院した」との返事・・・びっくりして、昼食抜きで見舞いに行きました。余談ですが、お見舞いの品は、吉村和敏さんの最新写真集です。このメルマガでもご紹介しましたね。
いつも元気な友人は何度か入院歴があるようで、健康を過信するタイプのようです。無理がきくタイプの人は大抵、無理に無理を重ね、いつか体が悲鳴を上げてしまいます。
体が弱い人が体を整えることはもちろんですが、無理がきく体の強い人も生活から整え、中庸を目指して健康管理することが大切でしょうね。メルマガや、ブログ、クリニックでの指導で、そのお手伝いができるよう頑張ります!
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2009年05月17日
後発医薬品について
後発医薬品のことをご存知でしょうか?
後発医薬品とは主成分が同じで製法の異なる薬のことです。名前が異なっても内容がほぼ同じ、しかも従来品よりも安価であるため、だんだん服用する人も増えてきています。私は後発医薬品を否定はしませんが、先発医薬品とは全く異なる薬と捉えています。
薬にはいろんな添加物が含まれています。ことによると、アレルギーを起こさなくても、添加物で体調不良ということは起こり得ると考えています。多種多様な添加物を含んだ薬が流通する現状に、私は何事も起こらないことを祈るのみです。
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2009年05月10日
新型インフルエンザ対策で考えさせられたこと
新型インフルエンザ対策といっても、まだ大したことはしておりません。職員に映画「感染列島」を見ておくように言ったのと、マスクの見積もりをしているくらいです。
しかし、興味を持って情報を集めているうちに面白いことが分かってきました。一番見落としていたことは、今のH5N1型鳥インフルエンザは人への感染力がとても弱いということです。
感染力が強いという報道もされているようですが、人に対して2003年から約400人の発症ですので、とても感染力が弱いといえます。全ての国がきちんと家禽処理をしていれば、もうH5N1型鳥インフルエンザは収束しいていたという人もいます。新型インフルエンザとしてN5H1型が流行する可能性は低いという専門家も少なくないようです。
とはいっても、何型かの新型インフルエンザが出てくることには異論のないところのようです。最大の死亡原因が細菌性肺炎であることから、対策として一番必要なもの(ところ)は、重症の患者さんの入院先、レスピレーター、病院マンパワーを削がないように、開業医が踏みとどまることのようです。
まだまだ新しい情報が出てくるでしょうから、その都度情報を出していこうと思っています。
ご意見ご感想がございましたらlohas@jjclinic.jpまで!
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2009年02月15日
インフルエンザ~新型インフルエンザを考える
耳鼻科の講習会でもインフルエンザのことが大きく取り上げられています。その中で、新型インフルエンザをどのように考えるか?ということがありました。
その中で私が最も大切だと感じたのは、social distancingという考え方です。つまり社会が、人と人との距離を作るということです。
このサイトが分かりやすいです。
スペイン風邪の当時、フィラデルフィアは人口10万人あたり13000人の死者が出ました。ところが感染者が確認されてから、劇場、サロン、教会、学校、図書館を閉鎖して、スポーツ大会を延期したピッツバーグでは7000人の死者に、さらに全ての社会的な集まりを制限したセントルイスでは3000人の死者に留まったのです。
人と人が触れることで広がる病気です。しかも1か月、長くて2か月の流行です。薬などの医療だけでは感染抑制には限界があります。その間の混乱を避けるためにも、不便を我慢して最小限の流通を残して生きるよう、各自が、各地域が、各団体がシミュレーションすることが必要でしょう。
そして、現実には急にそういうことが起こるわけですから、自治体が各団体にそういう呼びかけをして、協力を求めていくことが必要なのではないでしょうか?
お気づきのことがありましたら、ご遠慮なくlohas@jjclinic.jpまで!
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2009年02月01日
五行の解説2(保存版(笑))~肝について
10月25日に受講した「次のステップを目指す中医学講座」のノートから内容をご紹介しています。
五行説は木火土金水(もっかどこんすい)の順番で生じるという、世の中の原理を表しています。木から火が生まれ、火で燃えて灰→土になり、土の中に金属が生まれ、金が鉱脈となり水が生じ、水は木を育てる、という輪廻の思想です。
一日の朝昼晩も、人間の一生も、考えてみれば、みんな五行で例えることができます。「肝」が例えられる春の伸び行く木々の様子は、青年期の少年少女が成長する様であり、二軍から初めて一軍登録されたプロ野球選手の様であり、健全に急成長する新興企業のようです。
このドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」を見て下さい。
民衆の死してなお自由を勝ち取ろうという力強さ、勢いは「肝」そのものです。そしてこの「肝」は実は、その勢いを止められると、そのエネルギーを自分で処理することができません。
浜田省吾「MONEY」 歌詞 楽曲
その止められたエネルギーは熱に変化します。自分の行為を咎められた若者が怒るのは、その熱に相当します。その熱をこの楽曲で感じることができます。金のない現実に昇華させられない自分の欲求ということでしょう。
自分の勢いをせき止める、つまりこれはストレスの存在を意味します。ストレスを「肝」は何とか処理しようとします(疎泄機能と言います)。しかし、過度のストレスは最終的には「肝」を傷めてしまいます。最近、ストレスの影響が体に感じられる人がとても多いです。
健康を守るためには、どのくらいストレスが体に影響を与えているか。これを病気が発症する前に知ることが大切です。私は脈が弦のようにピーンと張っていると、将来ストレスによる影響が体に出そうだと判断しています。
さて、「肝」の本質の話に戻ります。がむしゃらに伸びていく「肝」ですが、伸びていく中で自我の目覚めが生じ、他者との関係が意識されるようになります。その中で最も嫌なものは権威、既成概念です。
次週以後に出てきますが、既成概念は完成品としての「肺」を意味しています。「肺(金)」の力が強くなり過ぎると「肝(木)」の力は弱くなります。これを金克木と言います。木は金属に切られてしまう、と考えると分かりやすいですね。
大切なことは、体も社会も宇宙も、五行の相互のバランスで成り立っているということです。アーユルベーダですと、空、風、火、水、土の五大要素ということになりますが、これは切り口の相違だけだろうと私は考えます。要は複数要素の相互バランスであるという認識が大切でしょう。
だいたい「肝」のイメージを持っていただけましたでしょうか?
次週は「心」についてお話します。
2008年11月08日
五行の解説1(保存版(笑))~腎について
五行説は木火土金水(もっかどこんすい)の順番で生じるという、世の中の原理を表しています。木から火が生まれ、火で燃えて灰→土になり、土の中に金属が生まれ、金が鉱脈となり水が生じ、水は木を育てる、という輪廻の思想です。
一日の朝昼晩も、人間の一生も、考えてみれば、みんな五行で例えることができます。「水」で表現される夜明けは、初めて光を見る人間の誕生のようです。そして引きこもりつつ少し表の光を見て歌う中島みゆきの楽曲も、闇を描く画家であるレンブラントも、みんな闇の中の光を表現していて、水の性質を持っていると言えます。この「水」の性質は体の器官では「腎」を示しています。
私はこの説明を聞いた講義の最初の30分で、芸術にまで入り込んでいる五行は、間違いなく諸事万物の根本であると確信しました。
たぶん中島みゆきの歌は、引きこもりの人には心地よく感じられるのではないでしょうか?(どうですか?)
「腎」は腎臓と言ってしまうと、ただの一臓器ということになってしまいますが、東洋医学では「腎」=生命力であり、砕けて言うと、「腎」は体の強さを表していると言えましょう。
私が時々メルマガで「腎虚」という言葉を使いますが、これは生命力の不足を意味しています。元々腎虚は、生まれつき虚弱な方の場合と老化で力がない場合がほとんどで、中年の方たちには縁のないものでしたが、最近は慢性疲労により「腎」が枯渇して、体力を失い、風邪をひき易いなどの症状を訴える人が多くなっています。
「腎」のもつエネルギーは「腎精」と言いますが、これを誰もがたくさん持って生まれ、段々に消耗し、高齢者になると枯渇してくる。これが人の一生と「腎」の関係です。だから高齢者は皆、「腎虚」の傾向を持っています。
あと余談ですが、生まれるときに、難産などのトラブルがあると、新生児が生まれるときに腎精を大量に消費してしまい、虚弱になりやすいのです。
ちなみに腎の生命力を補う生薬は「附子(ぶし)」です。附子はトリカブトを無毒化したものを使います。手足を中心に体を温める作用が強いです。「腎」の熱が補われて温まるわけです。
足の裏には「腎経」という経絡(ツボを結んだ線です)が走っています。足裏マッサージなるものが流行していますが、もしかすると腎経に効果があって生命力アップ!ということになっているのかもしれません。
次週は「肝」についてお話します。
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2008年11月02日
大野病院医療事件~判決は無罪に
この裁判は帝王切開後に容態が急変して、出産4時間半後に産婦が死亡したという出来事に対して、医師に過失があったかなかったかを争うものでした。
私が大変にショックを受けたのは、当時、全力を尽くしたが、結果的には亡くなった、ということに対して、業務上過失致死と医師法違反が問われたことです。
私は以前に手術をたくさんしていた経験から、とうとう来るところまで来てしまった、という実感を持ちました。
15年以上前には「手術が無事終わり、症状も良くなり、良かったね」という世界でした。しかしそれ以降は「手術はおわったし、症状も多少良いけれど、思ったほどではなかった」という評価を受けることが出てきました。
私は癌と難しい耳の手術以外の全ての手術の指導医でしたが、同じ事をやっても感謝されるどころか、批判めいたことを言われるようになったのは大変にショックでした。このことは総合病院勤務を辞めたいと思った理由のひとつです。
当時、横でよく産婦人科の先生たちが手術をやっていました。本当に大変な手術で、いつもたくさんの出血がありました。ひとつの命を維持するための血液が子宮に集中するのですから、出血は当たり前なのでしょう。
リスクの高い出産になると100%母子健康、というわけにはいかない、というのが医師の感覚です。そういう手術を過酷な勤務(だろうと思います)の中でやるのですから大変です。医師と一般の方との感覚のズレもトラブルの原因になりそうです。あってはいけないことですが、あり得ることですので・・。
自分の身内を同じように亡くしたら、こんなに冷静に語れないかもしれません。しかし今回の事件は刑事事件ではなかったでしょう。真実の追求は成されるべきですが、方法にはルールが必要でしょう。
事件の詳細はまだ情報が完全に正確ではないようですが、概要が分かるサイトはこれでしょうか。⇒ウィキペディア「福島県立大野病院産科医逮捕事件」
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2008年08月24日
秋の気配を感じます~太陰暦や24節気と易
秋の気配が漂い始めているのか、暑いけれど少し風が涼しいことがあります。真夏は8月!と思っている人もいらっしゃるかもしれませんが、立秋は8月7日でしたよね。今の暑さは暦の上では残暑です。
易の世界でも、8月は陽気の中に陰の気が段々差し込んでくる時期であるとされており、太陽暦よりも太陰暦や24節気の方が世の中の様子をよく表していると感じます。
季節感を表す言葉にも注目して生きていこうと思っています。
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2008年08月17日