相対湿度の年次推移をみた衝撃

 先日、鼻アレルギーの講演を聞きました。

 7-8年前に横浜で聴講した演者の先生で、私の診療に大きな影響を与えた内容の講演でした。

 「鼻アレルギーの人が増えていることと、乾燥には関連があるのでは?」

 今回の講演で、年次相対湿度のグラフを見せていただいて衝撃を受けたので、私も自分で調べてみました。

 グラフも見つけました

 このグラフを見ていただくと分かるように、記録の残っている1876年以来、ずっと相対湿度は70%以上だったのです。

 初めて60%台になったのが1957年、初めて50%台になったのが2001年です。高度成長と共に湿度が低下していることが分かります。

 湿気を含まない西洋家屋の広がりもあり、乾燥はどんどん身近に迫っている印象があります。コンピュータもいたるところにありますが、1台1台が熱を産みますし、器械の保全のために乾燥させている事業所も多いはずです(うちのクリニックも、です)。

 これがいろんな病気の広がりを助長しているということもあり得る話ではないでしょうか?喘息も、アトピーも・・・。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2007年09月15日

夏の猛暑と秋の気配

 8月は暑かったですね。西日本は残暑も厳しいようですが、関東以東はもう秋の気配がただよっています。

 気象庁のホームページで8月の猛暑を繰り返し記録した館林市を検索しました。すると、ナント猛暑日(気温35度以上)が21日あったのですね。熊谷市も猛暑日が19日あり、8月16日には40.9度の日本記録更新がありました。

 こんな暑かった夏だったので、本当は気持ちのよいはずの25度前後まで気温が下がると、急に寒くなったような感じがしてしまいます。体がついて行かず体調を崩される方も既に出てきています。

 気温の変化の大きいこれから10月初旬までは気温予想のチェックがいつも以上に必要だと思いますよ。

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2007年09月02日

記録的猛暑と熱中症

 今年の夏の暑さは異常ですね。子どものころに山形県で40.8度が日本記録であることを習いましたが、この記録も破られてしまいました。熱中症の患者さんも多いようです。

 チーム森田の“天気で斬る”から

 高齢者は水分の枯渇により体を冷却する働きが失われることが問題であり、水分をこまめに摂取することが大切です。

 これに対して運動中の熱中症の場合、水分摂取不足は論外ですが、正常な発汗があっても、運動で生まれる熱量が多すぎる時、湿度が高くて汗が蒸発しない時には体温が下がらなくなってしまうので危険です。

 寝転んで本を読んでいても汗が出てきますが、そのかいた汗がいつまでも体から蒸発しないということは、結構あることのように感じます。

 また運動中は水分だけでなく、塩分も摂取しないと、数年前の私のように、ゴルフ場で意識が朦朧とする事態にもなりかねません。私はこのとき塩分のあるトマトジュースで具合が良くなりました。私はこれ以来ゴルフをしていません(笑)。

 環境省から熱中症保健指導マニュアルというものが出されています(10.4Mb)。分かりやすいと思います。
 
 東南アジアの暑い国では、人々は必ず日陰にいますし、日中の暑いときには人影がまばらになります。暑さに対する身のおき方を分かっているのでしょう。無理をしている人は見かけません。そういう意味で日本人はまだエアコンと根性に少し頼りすぎているのではないでしょうか?自然には逆らえない、ということを感じ取りましょう。

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2007年08月18日

このところの病気の傾向について

 今週の東京は、湿気の気になる日が続きました。

 体の中の水の移動は見えませんから机上の理論ではありますが、体に取り込まれた水分は、体を巡ってから一部は尿や便となり、一部は体表から蒸散していくのが通常の状態です。

 しかし湿度が上がってくると水の蒸散は抑えられるので、体内の水の移動が上手くいかなくなり水に関連する症状がいろいろ出てくる、というのが東洋医学の理論です。

 したがって湿気が多くなると耳鼻科では、耳の閉塞感、めまい、耳の痒み、頭痛などの患者さんが増えてきます。

 軽症の場合には、他の病気がないことが確認されれば、季節が過ぎるのを待つように、と指導するのみのこともあります。患者さんにとっては何もしない私のやり方が少し不安かもしれませんね。

 あと今週は、気温が早朝に低くなり、朝夕の気温差が増したような感じがしました。

 こういうときには、お子さんの受診が増えるのです。まあプール前ということもあるかもしれません。

 もう既に窓を開けて寝ていたり、クーラーを付けて寝ている家庭があるようです。家の向きや風通しがいろいろなので、どのように指導したらよいか、とても苦慮していますが、ある程度汗をかいて寝ることも考えてよいのではないでしょうか?その方が自然な感じがしています。

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2007年07月08日

こんな寒暖差のあるときこそ、最低気温チェックを!

 5月下旬の東京は、朝が少し冷え込んでいます。

 私は家を7時に出て、帰りは21時を過ぎますので、家を出るときには薄手のセーターが必要ですが、帰りは長袖であれば上着は不要です。私は2種類の上着を持ち歩いていますよ。

 さて、久々に気象庁の気象データを見てみました

 すると、5月の月間平均気温、月間最高気温は去年も今年もあまり変わらず、最低気温にいたっては、今年の方が13度と高いのです。ふーん、意外ですね。今年の方が寒いような感じがしますよね?

 ただ今年は月末になって最低気温が下がったので、イメージとのズレが大きくて、妙に寒いように感じるのでしょう。

 この季節感というか、気温推移のイメージというのは、健康に大きな影響を与えるものだと思います。毎日わざわざ翌日の最低気温と最高気温を確認することはないでしょうからね。

 しかし、健康オタク+気象オタク?の私は、冬物のパジャマをしっかり着て寝ていました。翌日の気温をチェックすることが習慣になってからは、大きく体調を崩すことが少なくなったように感じます。

 みなさんも如何でしょうか?気温チェック生活!

 以前から言っているように最高気温だけではダメですよ。最低気温が特に大切です。前日の夜に確認してみましょう。最低気温が23度を超えるまで、窓を開けたままで寝てはダメですからね~。

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2007年06月02日

春の衣服の選び方について

 春めいて来ましたね。

 三寒四温とは言いますが、東京は4月1日は最高気温24.5度でした。これは半袖でも十分な気温です。大体、半袖で快適なのは23度前後だと思います。

 ところが、4月3日から4日は最高気温が12から13度です。これだとセータ-の上に最低でも薄手のコートが必要な気温です。

 こういう急激な気温差がある上に、最低気温と最高気温の間にも大きな較差があるわけですからとても過ごし易いとは言えないですよね。

 暑い日があるとついその流れで薄手の服を選んでしまいがちです。実際に、4月3日から4日に寒くて風邪をひいてしまった、という人はとても多かったように思いました。

 ファッションを気にする人には不向きかもしれませんが、私は気温データを元にして健康を機械的に守るという方法を独自に実践しています。これなら誰にでも簡単に健康管理ができます。

 私は、23度(半袖)を基準に3度下がる毎に服装を変えるように考えています。20度(長袖)、17度(長袖+セーター)、14度(さらにコート)。あとはさらに衣服の厚みでカバーしていくわけです。

 実際に、この14度から23度の気温の変化がめまぐるしいから風邪をひいているという人がとても多いのです。だからこういう情報が役に立つのではないかと思って公開してみました。みなさん如何でしょう?

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2007年04月07日

天気予報の報道に関して3題

 最近、天気予報の報道の内容についていろいろ考えさせられます。

 1)最低気温にも注目したい!

 天気予報で天気と最高気温が主に発表されます。

 これは農家の人が多かった頃の名残なのか、あるいは外の仕事の人が多かった時代の名残なのではないかと感じてしまいます。

 まあ、営業マンなど昼に移動の多い人には役に立ちますね。私のように早朝と夜間に移動することが多く、あまり役に立たない、という人も少なくないでしょう。

 最高気温が高いからと出かけてみると、帰宅時には放射冷却ですごい寒い思いをすることも結構あります。朝の天気予報で朝夕の天気と気温を報道してもらいたいものです。

 最低気温は早朝の気温を反映していると言えるかもしれません。しかし何故か、夜の天気予報で最低気温に注目している人はあまり見かけません。健康維持には最低気温も大切であることを受け手側も認識する必要があります。

 2)月齢も分かると良い

 病気と月齢の関係を考えるようになってからは、月齢も天気予報で伝えてもらえないものかと思います。

 私はいつも月齢を調べるとき、実はビックカメラでもらったカレンダーを見ることがほとんどです。こういうサイトもありますけれど、わざわざ情報を得なければ知ることはできないのが不便です。

 今日の月齢
 
 3)スギ花粉飛散量は、数十個と数百個で表現を分けたほうが実用的!

 スギ花粉症はみなさん如何でしょうか?暖かくなってまた飛散が多くなっているようですね。先週は月曜日にとても飛散が多かったので、症状が出る人は大変です。

 スギ花粉報道は30個/cm2以上で「多い」になってしまいます(何故か気象庁のホームページにはこの分類が掲載されていません)。私は花粉症になってしまうのは大量飛散日(数百個/cm2くらいかな?)にそれを浴びてしまうせいだと考えているのです(私見です)。

 だからそういう日が分かるような報道が成される方が良いのではないかと個人的には思っています。毎日「多い」「非常に多い」と繰り返されると、受け側も耳慣れてしまうのではないかと思います。

 花粉情報

 さてさて、みなさんはどうお感じになりますか??

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2007年04月01日

秋の養生法について

 さて、すっかり残暑がなくなり、季節は秋ですね。

 神戸南京町では主な節句ごとの祭りがあり、中秋が過ぎたという実感がもてますね。こういう季節感って大切だと思います。第9回中秋祭は6日から9日まで行われました。

 熱烈歓迎!神戸南京町

 残暑が終わり中秋も過ぎて、寒さに向かうこの季節の健康法について少し話しておきます。

 秋で最も大切なことは、水分を大きく消耗しない生活です。秋から冬に乾燥がひどくなります。特に住居の機密性が高くなっている昨今、屋内の乾燥はこれからかなりきつくなりますから要注意です。

 そして水分を補わないといけない理由が他にもあります。それは、この夏に消耗した水分を補うという側面と、さらに来春に陽気がぐっと盛んになり、いろいろな意味でグンと成長する時にこの秋の水分が必要になってくるという側面です。たとえば秋に消耗の激しい生活をさせると、春からの成長期にお子さんの身長が伸びない、なんてことが理論的には起こりえます。

 これほど、秋の水分保持(「養陰」と言います)は重要なのです。

 さて、秋に傷害されるといわれている臓器は中医学の「肺」に関連する臓器は肺、口、鼻、皮膚、大腸です。

 皮膚や粘膜がやられやすいのは実感として分かりますが、大腸が乾いて便秘の傾向も増すようです。そんなものですかね?耳鼻科の私にはちょっと分かりにくいことですが。

 秋は養陰の季節なので、水をたくさん飲もう!とお考えのあなた!それではダメなのです。

 飲んだ水がうまく身体の中を流れて、しかもその水が失われないように節度ある行動をして、初めて達成されるのが養陰なのです。そのために体をあたたかくしておくことも重要です。

 人間は器械ではありません。喉が潤ってもすぐに体全体が潤う感じがしないことは日ごろ実感されることではないでしょうか?水をのんで皮膚もすべすべになるなら女性は苦労しないのです。

 さてそれなら過度の運動以外にどのようなことに気をつけて生活したら良いでしょうか?

 秋は早寝早起きの季節です。まずはこのあたりからでしょうか。特に早寝は有効です。寝ることは陰分(水分)を養う滋養効果があります。お肌にももちろん良いのです。

 あとは食材にも少し目を向けてみましょう。

 陰分(水分)を補う、という意味では梨などの果物は有効です。しかし体はやや冷える傾向になりますので過量に食べるのは要注意です。白菜、小松菜などの野菜類も同様です。

 だんだん冷えてくるにしたがって、大根、人参を食べるのに良い季節になってくると思います。さらに豆類ですね。豆類には潤性のものが多く、養陰には役立つと思います。季節のものでは銀杏ですね。

 いろいろな観点で養陰を実践すれば、春からどんどん元気がでてきますよ!

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2006年10月15日

またまた気管支炎が増えている理由

 梅雨時に気管支炎が出やすいということをメルマガ52号でお話しました。

 いや、エアコンかもしれませんよ、というご意見もいただいておりましたが、このところの湿気の多い気候のためか、またまた気管支炎は増えてきました。エアコンも否定はできませんけれどね。

 ただ、湿気が多いということが気管支炎増加の大きな要因であることは間違いないと思います。

 では雪国は冬中湿気が多いから気管支炎の患者さんが多いのかというと、そんなことは無いようです。

 湿気は気管支炎のための必要条件ではあるのですが、それで十分とはいえないようです。湿気だけで気管支炎は起こらないということです。

 では何が他の要因として大切でしょうか?

 私なりに3つの要因を候補として考えてみました。

 1.6月と10月初旬は気温の高さがだいたい同じであるので、適度に湿気があるうえに気温も比較的高いこと。

 2.適度な湿気がある上に、気温の変動が大きく季節がわりの時期であること。

 3.6月は新年度の疲れ、10月初旬は真夏の疲れが出る時期であること。

 恐らくどれかが、または複数が正しいのだと思っています。

 気管支炎はウイルス性感冒の後から生じてくることが多いので、それを考慮すると、恐らく2.が最も正解に近いのだと思います。しかし、それを検証することができません。

 また毎日観察する中で答えを探して行こうと思います。

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2006年10月08日

寒さは緩んできましたが

寒さは緩んできましたが、昼夜の寒暖の差が激しくなってきました。

私は早朝、夜間の出勤なので、服装はあまり真冬と変わりませんが、
昼に外で活動される方には、服装が難しい季節になりました。

さらに昼に外出される方には問題のスギ花粉も飛び始めましたね。
毎年のこととはいえ、ややうんざりです。

生活が不規則になったり、ストレスが増えたりで、花粉症が悪くなる
要素の方が圧倒的に多いわけです。これは何とかならないかなあ、と
思ってしまいます。

あまり報道などはされませんが、大陸から偏西風が吹く季節ですので
ちりホコリも多くなってきています。これも症状に影響を与えている
ようです。

さらに年度末でお忙しい方もいらっしゃったり、まあよくこれだけ
健康面の悪条件がそろうものだと思います。

みなさんそれぞれにお気をつけて。

2006年03月07日