新型肺炎に関する見解

厚生労働省から新型肺炎に関する受診の目安が発表されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200217/k10012289041000.html

不安を感じた人たちが検査を希望して殺到するようなことがないと良いのですが。何故なら、既に不顕性感染者(症状がなく感染する人)は多数存在するはずであり、大した症状でなくてもタイミングが悪いと感染者とされてしまう可能性もあります。ほとんどの人が重症肺炎になるような報道がなされていますが、それは違うのではないでしょうか。

対応する薬がないのは確かなので、高齢者、妊婦、免疫の状態が良くない人は、かなり注意深く人込みを避けるなどの配慮が必要と思われます。しかし、基本的に元気な人にとってはふつうか、ちょっと酷い風邪程度で収まるものであり、日頃から免疫が下がるようなことを避けることが必要でしょう。あとマスクをしていても、長時間の接触により感染は広がっていくと思われるため、何より人込みを避け、他者との不要不急の接触を避けることが重要だと思います。

新型インフルエンザのときもそうでしたが、ひと通りいきわたると収束してきます。もう数週間かなと思っています。ただし、船舶に残っている人たちの動向には左右されるかもしれませんが。

2020年02月18日

味覚外来について

現在、6年間の味覚専門外来のデータを全て見直しています。

現状は、治る人もいます。治らない人もいます。中途半端に治る人もいます。

自分の知識と経験を全てつぎ込んでいるつもりですが、まだ足りないのか治療の道筋に関する結論がなかなか出ません。医療の中でも恐らく最大級に難しい分野だと思います。この2か月くらいは、夜の余暇は全て味覚データの整理と新中野分院の嗅覚専門外来開設の準備(いつになるやら・・)に没頭している状態です。

今度2月中旬に兵庫医大の味覚外来を見学にいきます。年末に慈恵医大の嗅覚外来を訪れたときには本当に参考になりました。今度も実りが何かあると期待しています。

当院の味覚専門外来は、あまりたくさんの患者さんを受け入れることはできませんが、お困りの方は電話で予約をいれてみてください。

2020年02月09日

寒暖差の影響~めまいにも・・

今日はとても寒いので、暖かかった昨日を考えると寒さが身に染みます。

さて、寒暖差について行かれない時には風邪をひきやすくなるので、衣服の防寒をどうするかをよく考える必要があります。他に寒暖差で注意が必要な病気といえば「めまい」です。

めまいはのぼせと共に生じることが多い病気ですが、疲れていて、あるいは胃腸を壊していて急に気温があがるとのぼせが強く出てしまい、めまいが生じます。案外めまいは注目されませんが、この2-3月は少し患者さんが多くなります。特に今年のような気候は要注意だと思います。対策は良い睡眠でしょうね。あとは暴飲暴食を避けることです。

イラストはめまいナビより

2020年02月06日

新型コロナウイルスをめぐる英語表現

英語学習をしている人は多いと思います。私もその一人ですが、今朝は驚きましたね。テレビでwalking pneumoniaという単語が出てきました。「歩いている肺炎」という意味ですが、先日、日本に上陸した新型コロナウイルスが、症状が出ない人が歩きまわって広がっていくことの表現だと説明されていました。


しかしAmerican lung associationのホームページを見る限り、感染力のある人が歩いている表現ではなく、あまり強く症状が出ていない状態の人で、健康に十分に配慮すべき人という意味のようです。油断すると発症するということがその意味であって、感染させて回る人という意味はあまりないか、あっても付加的な意味のようです。

2020年02月02日

花粉症による目のかゆみ

花粉症の季節になってきました。

年々、花粉症の方は増えているわけですが、とくに目のかゆみの強い人が多くなっています。ステロイド点眼薬を使用するケースもないことはありませんが、眼圧が上がりやすいのであまり好んでは使用しないようにしています。

気づいたのは、目のかゆみを訴える方は、やたら忙しい、あるいはきちんとした食事を摂らない人が多いということです。外食が多くなると食品添加物摂取が多くなります。それにサプリとか薬をたくさん飲む人も多く、飲料も多様になっています。それらすべてに食品添加物が入っていると考えると、結構な量を摂取していて、これが一因になっているのではないでしょうか?

目のかゆみがでる皆さん、一度ご自分の食卓を見直してみましょう。それだけで症状を軽減できるはずです。

2020年01月26日

嗅覚セミナーに行ってきました

味覚や嗅覚障害をもつ患者さんが増加しています。日ごろ困る症状ですし、五感をひとつでも失うことはQOLにも大きく影響することは間違いありません。味覚嗅覚障害の治療は重要な割に、あまり行われていません。

当院の味覚外来で久しぶりに新患を受け付けたところ、問い合わせが数件あったようです。分院の新中野耳鼻咽喉科クリニックでは、嗅覚に関する専門外来を立ち上げるべく、現在精力的に準備を進めています。先日の連休も”嗅覚冬のセミナー”という合宿形式の泊まり込みセミナーに参加してきました。嗅覚研究の専門家が数多く参加されていました。

もちろん現在でも、味覚嗅覚に関するお悩みに対応しておりますので、どうぞご相談ください。

2020年01月19日

高齢者の難聴と認知症

今月は院内研修として「高齢者の難聴と認知症」というタイトルで話をしています。

この話の発端は、Lancetという有名雑誌に「認知症の関する修正可能な9つのリスク要因のうち、難聴が最上位である」という報告がでたことです(Livingston G et.al: Lancet390(10113): 2673-2734, 2017)。

この9つのリスクとは、難聴、低教育、高血圧、肥満、喫煙、うつ、運動不足、社会的孤立、糖尿病だそうです。

補聴器の認知症に対する効果も出ており(Amieva E, et al: J Am Geriatr Soc63: 2099-2104, 2015)、早期の補装具(補聴器)使用や人工内耳も選択肢として重要なのだなとあらためて思いました。

余談ですが、私が面白いとおもったのは、高齢者が騒音下で話が聞き取りにくいこと、離れると聞きにくいことには科学的データがあることです。高齢になると必要なSN比(信号対雑音比)が大きくなること(Sato H, et. Al: J Acoust Soc Am117: 1157-1167, 2005)、残響の負荷に弱くなるため、距離が離れた時に直接届く音と残響の音が混在しやすくなる(Nabelek AK, et. Al: Handbook of clinical audiology 3rd ed. : 834-848, Williams& Wilkins, 1972)ことが理由として挙げられていました。

 

2019年10月20日

認知能力の改善を補聴器で

「健康な100歳をめざして」という日本赤十字社から出版された本を読みました。

耳鼻科に関連するところを抜粋すると、難聴があると軽度認知機能障害が1.3倍、認知症には2.39倍なりやすいのだそうです。音の刺激とはかくも脳の機能に重要なのだなと感じます。

老人性難聴はある程度は避けられないものですので、ビタミンCが不足しないようにして進行を抑えつつ、補聴器で適切な補正をかけていることが重要になるでしょう。

補聴器の一番のメリットはもちろん聞こえることですが、いつまでも聡明で居られるというところに私は大きなメリットを感じています。認知症の予防ということとつながるように思います。

当院の補聴器外来は月2回しかありませんが、一度通常の外来での診察をお願いいたします。

2019年07月28日

アレルギーに関する学術講演を行ないました

7月3日に渋谷区耳鼻咽喉科医会で「小青竜湯と抗アレルギー剤の使い分け」というタイトルで講演を行いました。クリニック内では常勤の先生方との月1回の講習会でご説明してきたことなので半ば当たり前になっている内容でしたが、医師会の先生方には興味を持っていただけたようで、講演後や懇親会でいろいろなご質問をいただきました。

抗アレルギー剤にもいろんな性質がありますが、小青竜湯にも効果の上がる使い方があり、それらを熟知することでより効果的に、より安全に患者さんの症状を和らげることができます。

渋谷区医師会の諸先生方、国立成育医療センターの守本先生、熱心に聞いていただき本当にありがとうございました。

2019年07月05日

耳かきで英国人はなぜ意識を失ったのか?

 

耳かきで英国人が意識を失った、というニュースが先月あったのを覚えていますか?

これを聞いたとき、最初は外耳道皮膚の副交感神経が刺激されすぎて、一種の脳貧血状態になったのかと思っていました。そもそも、耳の中に綿棒の先が残っていたからって、簡単に菌は頭にまで達しません。しかし、この英国人は報道を見る限り、中耳と頭の境い目にある頭がい骨が、炎症の長期化で一部なくなってしまい、さらに耳かきをしたことで菌が頭に到達して意識を失ったのだろうと推測されました。

これはかなり長期間炎症が持続したレアケースだと思います。

ただ、耳かきのし過ぎでトラブルになるケースは非常に多いので、気をつけたいものです。毎日掃除するという人も少なくないようですが、せいぜい2-3週に1回。あとは掃除する綿棒の綿の部分が取れやすくないものであることは確認すべきでしょう。

2019年07月02日