水の飲み過ぎからくる頭痛とめまい

 最近、頭痛がする人、めまいのする人が多くなっています。

 そういう人は大抵、舌が腫れて歯型がついているか、脈が全体に深く感じられます。一種の浮腫みの状態なんですね。

 季節柄、どうしてもたくさん水が飲みたくなります。さらに水をどんどん飲みなさいと水毒を誘発するような声がたくさん聞こえてきます。致し方ない部分もあるのですが、しかしその水を循環させる力が体にない場合には、やはり症状がでてしまいます。その代表格が、めまい、頭痛なのです。

 水を循環させる漢方薬がありますが、それだけで症状が解消することも多いです。通常使われるような利尿剤などはあまりお勧めできません。

 それと、冷たいものばかりを飲んでいると量が少なくても症状がでることがあるようですので要注意です。

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2010年08月22日

不眠やストレスからくる鼻水と鼻づまり

 夏なのに「アレルギーがでて鼻水や鼻づまりになっています」と訴えられる方がとても多いです。本当にアレルギーなのでしょうか?

 結論はでていませんが、湿気がまだ多い日があるのでハウスダストによるアレルギーは確かに否定できません。

 花粉はあまり目立って飛んでいるものはないと思います。

 ハウスダストは否定できないものの、あと可能性のある病態として私が考えているものはのぼせです。

 鼻出血の人も増えてきましたが、ほとんどがのぼせと脱水による粘膜の乾燥のようです。

 夏は暑くなりますのでのぼせ易くなります。しかもこの暑さですから、不眠傾向の人が多いですよね。睡眠は体を冷ます働きがありますので、不眠は体に熱を残すことになります。これがのぼせの原因になります。そこにストレスが加わると、さらにのぼせが強くなります。

 コンピュータが暑くなると調子が悪くなるように、人の体も暑さが過ぎると調子がくるってきます。この状態を気滞(きたい)と言います。気の滞りのことです。首から上の気滞でまず出てくる症状は鼻づまりです。

 鼻水は気滞からとも考えますが、過労により体を維持する力が殺がれて、鼻の粘膜が水を維持できなくなり鼻水がでているようにも見えます。風邪のときに過労が重なると、寒気がでて鼻水がでますけれど、それと同じような現象かな、と思っています。

 漢方薬ではストレスに効果的に働くもの、体の熱を処理するものを主に使用し、そこに気の巡りがよくなるようなものを補助的に入れて効果を高めるように考えています。

 ご質問はlohas@jjclinic.jpまで

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2010年08月01日

この季節の慢性的な咳への対応

 今日はTさんのご質問をご紹介します。

 > 私も風邪をひくとなかなか咳だけ抜けません。体調が悪いときと重なると、
 > 体の中が熱くなって風邪のような症状をぶり返します。これはどのような
 > なだめ方がいいのでしょうか。スポーツドリンクは効果があります。

 この季節は、睡眠不足や脱水傾向、気温上昇が特徴です。

 氣で解説を試みてみますと、気温が高くなると氣が体を上り易くなります。これは感覚的にわかりますでしょうか?

 だいたい氣は上がり易いので、下げるための仕組みが必要になってきます。体を覚ます働きが氣を下げるのですが、もっとも重要なのは睡眠です。

 ところがこの暑さですから睡眠不足になりがちで、しかも発汗過多で脱水傾向で熱を奪うものが不足することになり、余計に氣が下がらなくなります。

 体の中が熱くなるのは、体を冷ます水分が不足しているのではないでしょうか?スポーツドリンクで水分が補給されると、その水に熱が奪われて熱さも氣の上昇も抑えられるようになるでしょう。

 できることは適度に水分を補給すること(しすぎも不可です)、よく休むこと、ぬるい風呂などでリラックスすると循環が良くなり、熱の偏りがなくなりやすくなるでしょう。

 私は漢方薬を多用しますが、柴胡で体の興奮を除き、麦門冬など甘みのある方剤で水分を維持するように考えます。水分を維持するので、浮腫みがある人では注意が必要です。

 通常の感冒薬では、過敏性を化学的に押さえているだけですし、乾きの強くなる傾向を持っている薬が多いので、たとえ咳が止まっても、根本的にはなおらないことが殆どです。

 Tさん、ご質問ありがとうございました。
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2010年07月25日

梅雨時のめまいについて~漢方薬の選択

 梅雨になり湿気が増してくると、気温の上昇で生じたのぼせ状態の上に、体の中の水の動きが鈍くなり、首から上の水滞(すいたい)という状態になります。症状としてはめまい、むくみ、頭痛ということになりましょう。

 中医学では胃腸の機能が水の運行を支配しているとされていますので、このめまい、むくみ、頭痛は胃弱の人ほど生じやすいようです。

 耳鼻科はめまいの専門科ですが、耳鼻科では神経障害から生じるめまいを診察することが得意です。しかしこの季節のめまいは神経障害があまり見られないのが特徴です。ですので、この季節にめまいがしたらどの診療科に行けば良いのか難しいですが、漢方薬だと対応できる場合が多いように感じます。

 解決策のひとつとして苓桂朮甘湯という漢方薬があります。梅雨時のめまいに重宝する漢方薬です(注:逆に他の季節には合わないことが多いのですが、耳鼻科の漢方薬の会合では「まず苓桂朮甘湯を処方しましょう」という感じなので困ります(苦笑))。

 古典ではこの漢方薬は激しい咳、呼吸困難があり、顔のむくみがある人と解説されています。心臓性喘息、気管支喘息などが想定されているようです。そういう人に生じるめまいに効果があるということになります。

 風邪のときにも一時的に突き上げるような咳がでて、飲水量が風邪の口渇で増し、胃腸の強い人でもめまい、頭痛が激しくなることが多くなります。梅雨明けまではこういう患者さんが多いのでしょうね。

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2010年07月18日

足首の冷えについて4

 1週飛んでしまいましたが、足首の冷えに関して、4通目のメールです。内科のT先生からコメントをいただきました。いつもありがとうございます。

 > 私はとても冷えが強い方ですのでよくわかりますが、体調が悪いと冷え
 > が入りやすいところです。

 足首から冷えが入りやすいことを体感なさっているのですね。私は感じたことが無かったので、これから少し注意を向けてみようと思いました。

 > 仙頭先生の本では、「熱を逃がしやすいポイントは、襟もと、脇の下、
 > 肘、臍まわり、股関節、膝の裏、足首であり、この部位を覆えば、薄い
 > 生地でも陽気を守りやすい・・」と言う話がありました。

 陽気が逃げやすいポイントがあるのですね。肘とか膝の裏というのは全く知りませんでした。ありがとうございました。

 次は39歳男性Aさんです。

 > くるぶしからすねの辺りを冷やすと、軽い風邪症状がよく出ます。冷え
 > を感じた時は厚手の靴下やレッグウォーマーを着用したり、足湯をしま
 > す。首と肩の冷えからも体調を崩すことがあります。

 くるぶしは骨の形が複雑ですので、血流が悪くなりやすいかもしれません。すねですか。膝裏同様に意識が行きませんでしたよ。いろいろ勉強になりますね!Aさん、メールありがとうございました。

 来週もメールをご紹介する予定です。まだまだご意見をお寄せ下さい。

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2010年07月04日

インフルエンザは本当に季節外れなのか?

 「足首の冷え4」をお送りしようと思いましたが、紙面の都合で内容を変更しました。インフルエンザのことです。

 我が家はインフルエンザ感染が流行?しています。私は大丈夫なのですが。

 大学病院と近隣の内科で診察してもらいましたが季節外れなのでインフルエンザは想定していないらしく、通常の血液検査だけです。

 問題ありませんと言われても、あまりに異常なだるさに納得がいかず、私が波動診断してみたところAソ連型インフルエンザだったわけです。

 実は翌日、患者さんからもB型インフルエンザを検出しました。風邪にしてはおかしな経過であったことと、我が家でのインフルエンザ騒ぎのおかげで診断に至りました。これは鼻水でも検査陽性でした。

 さらに同じ日に波動検査ではインフルエンザが検出された人が、まだ2人いたのです。そこで考えました。本当に季節外れなのだろうか?と。

 根路銘国昭先生は「ウイルスはどこかに潜んでいて・・」とサイトで発言されていますが、もしかしてその場所とは、実は体内ではないだろうか?と私は思ってしまいました。
 

 冬だと免役が下がりやすいのでウイルスが出てきやすい。夏でも別に出てきてもおかしくないのではないでしょうか?

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2010年06月27日

足首の冷えについて3

 足首の冷えに関して、2通目のメールです。75歳細身のUさんからです。

 > 昔から あちこち 冷たいなと感じる事がありましたが、60歳を過ぎ
 > た頃からひどく足首が冷えるようになり、夏でも寝るときは足首だけの
 > サポートをして休みます。翌日は調子が良く、これはおすすめです。

 Uさん、ありがとうございました。

 足首、と場所を限定されていますね。やはり足首の冷えは相当影響があるのですね。認識不足だったなぁ。これだけで調子が良くなる、ということにも驚きがありますね。

 次はSさんからのメールです。ありがとうございます。

 > 男友達が「七分袖の服で手首を出すと風邪を絶対にひく」というのです。
 > 私も足首が出る格好や、首から寒気がくると風邪を引きます。
 > 「首がつくところは全部冷やしてはいけないな」という結論になりまし
 > た。男性がそういっていたので、ちょっとびっくりしました。

 手首も同じなのですか。また経絡の話になってしまいますが(つまりツボですね)、上半身のツボに繋がる経絡は必ず手首を通り、下半身のツボにに繋がる経絡は必ず足首を通ります。そして全身の経絡は全て首を通ります。これはきっとそういうことが原因で起こっている現象なのですね。それを体感するとは凄い!

 いろいろ考えてみると発見があります。来週もメールをご紹介する予定です。

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2010年06月19日

足首の冷えについて2~多くのご意見を頂きました

 足首の冷えに関して、先週の編集後記でコメントしたところ、多くのご意見をいただきました。ありがとうございました。今週、全て返信できるか分かりませんが、ひとつずつ見ていきましょう。

 初めはSさんの場合です。この方は相当冷えに苦しんでいると見えます。ご本人のメールから見てみます。

 > 寝るときも足首には、表がアクリル、裏がシルクのウォーマー、手首に
 > は指きりの手袋、首は真夏でもハイネックの服しか着用できません。パ
 > ジャマはハイネックのTシャツ+長袖襟付きです。夏でもブーツです。

 何でも、デパートや映画館にも入れず、電車も辛いとか。ご本人の体型とか個人的な情報が分からないので何とも言えませんが、こういうひどい冷えの場合はまず栄養状態が気になるところです。ビタミンB群と鉄分が十分にあるか、ちょっと気になります。

 あとはストレスなどで、体の緊張がないか、確認の必要があるでしょうね。精神的ストレスは交感神経を興奮させるので、血管が収縮します。すると皮膚表面の温度が下がるので、慢性的に冷えになやまされることになります。

 あと、後の本の内容と関連しますが、何かを我慢することが習慣になっていないでしょうか?あるいは昔、何か嫌な目に遭遇したとかいうことはないですか?それを黙って乗り越える代償として冷えを体が受け容れているということもあるかもしれません。

 冷えはありふれた症状ではありますが、必ず原因があります。あきらめないで探し出して、冷えを克服して下さいね。

 来週以後も続く予定(笑)です。

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2010年06月13日

扁桃炎について~理解の難しいこの病気

 耳鼻科の中で、私が最も奇怪な病気だと考えているものは扁桃(腺)炎です。

 扁桃炎なんてありふれた病気じゃないか・・?と思う方もいるでしょう。しかしそういう優しい病気ではありません。どうして生じるのか、どうしても分からないのです。

 耳鼻科でよく遭遇する副鼻腔炎、中耳炎、気管支炎は、気道の病気ですので、風邪に端を発して、体の状態に左右されながら炎症の出方が決まってくると私は確信しています。

 扁桃炎は気道の病気ではありません。消化器の病気です(だと思います)。ですので、少し異なる理論でアプローチしないと病気の完全な理解には至りません。でもそのアプローチを探しあぐねています。

 最近、ひとつ参考になることがありました。

 妊娠している人の扁桃炎を診察する機会がありました。どうして漢方薬で治して欲しいと無理を言います。しかし折角患者さんが機会を作って下さったのでやってみました。

 大防風湯と神秘湯、つまり攻めと守りの両方を強めてみたのです。

 経験から、疲れなどの免疫低下状態により扁桃炎が生じることが多いため、大防風湯が役立つでしょうし、とにかく発散して気が巡るようにすることで神秘湯がウイルス感染であれば役立つでしょう。ウイルス性の場合にはこの組み合わせはかなり役立つでしょうね。

 よく考えると、仙頭正四郎先生から教えていただいたインフルエンザの治療と同じ組み合わせです。ウイルスのときには同じ対応で良いのでしょう。

 さて、細菌性のときにはどうすべきか?真の原因とは?引き金はどこにあるのか?まだまだ分からないことばかりです。

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2010年06月06日

気候が変わると対策も変わります~急な暑さへの対応

 みなさんは休暇をどのように過ごされましたか?

 急に暑くなりましたから、体調を悪くされている方も多いのではないかと思います。

 私も風邪をひいてしまい、そのまま家族旅行に突入しました。私が自分で計画した神社仏閣めぐりだったので、神社から良い気をいただいたり、タクシーを使って疲労しないようにして、何とか予定はこなしました。

 急な暑さのために体はのぼせを生じています。その結果として多く見られるのは、以下のようなものです。

  気が上り過ぎて頭痛や不眠になる(大人に多い)
   特に肝胆の経絡に関係して、側頭部に痛みがでることが多いです

  上り過ぎた気を処理するために副鼻腔炎や中耳炎になる(子どもに多い)

  あとは気が上って鼻出血になる(大人も子どもも)

 診察をしていても、頭を冷ます力の強い処方が求められることが多いです。あとは肝胆の強まる季節ですから、柴胡の含まれている漢方薬を使用することも多くなっています。

 体が暑さに慣れるまではこのような状態が続きますね。当面、過労と睡眠不足が大敵だと思います。

 この季節が終わると、今度は梅雨対策ということになりましょう。

2010年05月09日