からだの強い弱いの判断~私の思考プロセス
西洋医学と同時に、中医学は私の診察の基本ですので、どうしても患者さんが強い体質なのか、弱い体質なのか知りたくなります。
先日、屈強そうな大柄な男性(Aさん)がクリニックに現れて、慢性的に副鼻腔炎(いわゆる蓄膿です)の状態であることを私に話しました。
体つきから見て、私は考えました。
「仕事で毎日遅くまで頑張って、付き合い酒も多いのだろう。睡眠不足もありそうだし、のぼせた状態だろうな。蓄膿もそれが原因かな?」
私はストレスを測るときには脈を必ず取ります。脈に強い緊張が走っていると、何が原因かは分かりませんが、体に緊張を与えるストレスがあると言えます。
実際に脈を取ると、「ふーん、意外~。」脈の緊張はあるけれど、大したことはなく、それよりも気になるのは、その体格であるのに脈が触れにくい部分がある事です。脈が触れないのはそこに相当する臓器が弱点を抱えている事を意味しています。今回は腎(生命力)に問題がありそうです。
私「もしかして疲れやすい?」
A『そうですね。足腰が弱い気がしています』
私「下半身が冷えたりする?」
A『足はかなり冷えます』
私「・・・(えええ~っ!本当・・?)」
仕事は忙しく、ストレスもあるのですが、それに対応できるだけの体の強さが備わっていないということが分かりました。治療はこれからですが、中医学の視点がなければ治せなかったかもしれません。
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2010年01月16日
間違いなさそう~風邪のときの軽症インフルエンザ
先日、風邪をひいているときにインフルエンザにかかると軽症で済むというお話をしました。その後も注意深く観察しておりますが、そういう目で見ているためか、軽症のインフルエンザを多数発見することができます。
風邪の自然経過は頭にはいっておりますので、その経過からずれている場合、インフルエンザを積極的に疑うようにしております。
もっとも、インフルエンザの患者さんが診察椅子に座ると、問診をしている間に大抵は(おそらくインフルエンザの波動を受けて)気分が悪くなってきますので気がつきます。相変わらずヘルペスの波動とは区別できません(苦笑)。
たとえば、のどが痛くなり、のどが渇いてきて咳がでるようになってから、熱はないがだるさが増してきた、気管支炎がある、というような場合です。
風邪から生じる気管支炎のときに多少上気するようなことはあります。でも風邪としては終わりに近い段階(のどが渇いてきます)になり、熱がたとえなくてもだるさはあってはならない症状です。今週はこのパターンで2人の熱なしインフルエンザ患者さんを見つけました。
インフルエンザは熱がなくても、だるさが強かったら疑ってよい病気であることは覚えておきましょう。
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2010年01月10日
インフルエンザ感染を軽く済ませるために(邪道)
インフルエンザの患者さんを毎日のように診察しています。
風邪について詳しく勉強してきて良かったなーと思うことがあります。それは、風邪の一般的経過を厳密に考えていくと、その流れから外れている症状、例えば喉が痛くなって口も少し渇いてきて、もう風邪が終わりの様相なのにだるいなど、不自然な症状がきちんと拾えるからです。
不自然な症状の人にインフルエンザの検査を(波動検査で、ですけれど)すると、インフルエンザ陽性のことがとても多いです。
熱が出るかどうか、ということが皆さんの一番の判断基準だと思います。
しかし、これではダメです。だるさを重視した方が漏れはありません。
ここで少し考えたいのは、どうして熱が上がる人と上がらない人がいるのかということです。
ワクチンを打った人が軽くて済んでいる、という意見もあります。確かにそういう面はあると思うので否定はしません。でもそれだけではないものを感じるのです。それは何か・・?
細胞は同時にふたつのウイルスの感染を許しません。これがポイントです。
風邪をひいているときを考えてみましょう。通常のウイルスが後からやってきたなら、拒否するか、一部共存して病状も特に変化しないのだと思います。
しかしインフルエンザウイルスが後からやってきた場合には、ウイルスが強い力を持っているので、共存したとしても、元の風邪のウイルスが出していた症状よりも症状が強く出始めるのではないかと思います。
ただ既に感染が成立している細胞には、後発のインフルエンザウイルスは広がりにくいため、シャープな症状は出にくいのではないかと想像します。風邪をひいている上に、だるくなった、熱がポンと上がった、などの軽い症状だけで済んでいるのは、ウイルス感染が既にある人ばかりのように見受けます。
科学的な証拠はありませんが、元の風邪、後追いの風邪を一つ一つ診断した印象として、かなり確からしい情報だと考えています。
もしも本当なら、風邪をひいておくことがインフルエンザの重症化を防ぐひとつの方法であるとも考えます。もちろん邪道ですので、そのような状態を目指さないで下さいね(笑)。
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2009年12月27日
アスピリン喘息にも、食事指導で挑んでいます
アスピリン喘息の患者さんは高率に鼻茸(ポリープ)が鼻の中にできて、強く鼻が詰まります。
手術をすることで鼻づまりはおさまるとする先生方もいらっしゃるのですが、どうしても鼻茸が再発して、また鼻づまりに逆戻りということも少なくありません。
ある患者さんをみて、やはり喘息からきちんと治療しないとダメだ、と感じた私は、患者さんに強く食事指導をしました。
あまり食事に関して詳細を聞いていませんでしたので、聞いてみてビックリでしたが、その患者さんの場合には禁止したのが、まぐろの刺身、生卵、ケーキ類で、グルタチオンだけを薬で処方しました。
通常は炎症ですので、抗生物質と抗アレルギー薬で治療をしていきますが、それでは行き詰るのは見えていますので、これらは思い切って処方せずに食事指導を中心に持ってきました。
この患者さんは今後どうなるか、いつかご報告できると良いですね。
このようにアレルギー関連の病気は、食事の指導がとても大切だと考えます。しかし、薬で簡単に症状が取れてしまうため、その治療が中心になっている現状があります。そういう治療は悪いことばかりではありませんし、自分でもそういう治療を選択することもあります。
しかし私が目指しているのは、より根本的に治療し、できるだけ患者さん自身で努力できることをしていただく、ということです。
でも案外、ケーキが止められない人が多いのですよねー。
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2009年12月20日
うつ病が10年間で2.4倍に!~私の意見
ニュースでうつ病が増加しているという記事を読みました。
「長引く不況などが背景とみられる一方、新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘する声もある」
読売オンラインではこのように書かれていました。珍しく(笑)鋭い指摘だと思います。
高脂血症の新しい治療薬が出た時に、高脂血症の患者さんがどっと増えたことは記憶に新しいですが、これと構造が似ている感じがします。うつ病も新薬が大量に処方されているようですね。
私の全くの推測ですので無理にご賛同いただかなくても結構ですが、私の目にはうつ状態は何もしたくない気分を作って動かないことで、何かを守ろうとしているように感じられます。
何を守るのか・・・?
私は何らかの栄養素が極度に不足している人が、その栄養素の消費を抑えるために動くことを控えるのではないかな?と考えています。
だから栄養療法で劇的に治ることが少なくないのでしょう。
ですので、逆に薬で強制的に気分を高揚させるとどうなるでしょう?
おわかりと思いますが、不足している栄養素の消費が増大して、ますます薬がないとうつ症状が出てしまうことになります。
何の根拠もありません。しかし、もしかしてそういうこともあるのでは?ということを意見として書かせていただきました。
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2009年12月06日
扁桃腺炎を起こす人、気管支炎を起こす人
耳鼻科の診療をしていて、以前からとても疑問にも思っていることがあります。それは、扁桃腺炎が何故起こるのか?ということです。
今日書くことは、教科書などには全く出ていない、私の私見であることを、あらかじめお断りしておきます。
風邪をひいて、ウイルスなどを撃退するために体に熱が生まれますが、その後始末として、熱を処理することを余儀なくされます。
その後始末とは、膿がでることなのです。
中耳炎や副鼻腔炎は頭にたまった熱を処理するために生じる現象です。中耳とか副鼻腔は、頭の中心の方まで入り込んでいるので、頭の熱を処理するのに大変都合よくできています。
気管支炎も起こりますが、これは喉頭(のど仏のあたり)から気管にかけての熱を処理しているのだろうと思います。
ところが、風邪をひくと扁桃腺に炎症を起こす人がいます。若い人、とくに男性に多い気がします。
扁桃腺は派手に膿が出ないので、熱の処理としてはとても効率が悪いように思います。そうか・・だから熱が出てバランスをとってるのかもしれません。
中耳炎と副鼻腔炎ではなく、気管支炎が起こる人、扁桃腺炎が起こる人とはどういう人なのでしょうか?
私は経絡にヒントがあるのではないかと考えています。ツボのことです。
関連する経絡に元々不調があるので、風邪の熱がスムーズに処理されずに、そういう炎症が起こるのではないかと考えています。
炎症を起こしやすい部分から、詰まっている経絡を想定して、鍼を打つのが体質の改善としては劇的に効果がでるのではないかと予想しています。
まだ研究が足りないので、詳細をお話できませんが、いずれそういう診療も取り入れていきたいと思います。
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2009年11月15日
Mステーションで放映されなかった部分~喉と体質
号外でも告知しましたが、TV朝日系列「ミュージックステーション」でビデオ出演をしました。
テレビを見ていて、本当に出演するのか心配な若者向けの番組でした(笑)。
平井堅さんは、花梨に龍角散のど飴を溶かして使っていらっしゃいます。この詳細は放映されませんでしたが、少し解説します。
花梨は元々咳止めとして使われています。香りが良いので、気の流れを調整する働きが強いと思います。あと、痰を通じて喉の熱を体の外に出す働きを龍角散が強めています。
しかも飴には薄荷が含まれていますので(飲んで確認しました)、喉を冷ます効果があるのだろうと思います。
どちらかというと、体格の良い、熱あまり傾向の方に向いていると思います。そんな人で歌いすぎの人、ストレスで声が出にくい人が対象になるでしょう。
Aikoさんはハチミツに大根おろしを混ぜて飲んでいます。これはテレビでも説明しましたが、ハチミツの喉を潤す効果と、大根の喉の熱を除く効果が合わさった、なかなか考えられた飲料だと思います。
この飲料にはとても大きな特徴があります。
食品には体のどの部分に効果が出やすいか、という帰経というものがあります。
ハチミツと大根の帰経は、粘膜と皮膚(この二つで中医学の「肺」です)、さらにどちらも胃腸(これは中医学の「脾」です)に効果があるのです。ハチミツは胃腸虚弱に対応して、空咳などにも用いられまし、大根も胃熱を除く作用があります。
この飲料は、喉を直接潤し冷ますだけでなく、胃腸の吸収を良くして、潤い成分を体が取り込みやすい状態を作るという面があるのです。
したがって、どちらかというと虚弱な乾き易い人が使うと効果的な飲料ということになるでしょう。お二人ともに、自分の体質に合ったものを選んでいるように思えます。
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2009年11月07日
何故なし診療2 ~ アレルギー疾患
「何故なし診療」は本当に深刻です。
アレルギーもそのひとつです。
これも大切だとは思いますが、自分の体がどの物質に反応するのか、とても気になるわけです。それを避ければ症状が出ないのですから。
でも、どうしてアレルギーになったの?
この視点が欠けているのがどうも気になります。
世の中全体のスピードが速くなっていて、段々熟成されてできたアレルギーのような病気はとても治療が難しくなっています。
一度薬を飲んで効果がないと、患者さんは不満なので、症状を即効性に抑える抗アレルギー剤を処方せざるを得ないこともしばしばです。私も新人の頃ら、抗アレルギー薬の治療がスタンダードと教育されてきたので、世の医師たちも皆、抗アレルギー剤を当たり前に使います。
抗アレルギー剤も必要な薬ですが、治療がそれだけ、というのはおかしいということを言いたいわけです。
あと、時間がないのも困ります。アレルギーの患者さんは以前よりも増えています。しかし仕事が速く進むわけではないので、考える時間が短くなるのは必然です。
それに、完治へのアプローチは、あれはダメ、これは摂ってとやたら煩雑で、その割に、効果はゆるゆるとしか感じられません。ゆるゆるとしか治って来ないと、何だかダメ医師のように自分でも感じられてしまいます。これは信念をもって治療に当たるしかないことです。
いつからか、咳が続く患者さんが多くなり、これも「咳喘息」とか「アレルギー性○○炎」とか言われるようになりました。喘息の吸入薬や抗アレルギー薬を使用するのが当たり前になっていますが、どうしてそういう患者さんが増えているの?という視点を他の医師から聞くことは少ないです。
単純ですけれど、睡眠の重要性やストレスを除くこと、休養の重要性を患者さんに説明する医師が増えてくることを望みます。
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2009年11月01日
「何故なし診療」への不満
「何故なし診療」って知っていますか?・・私の造語です(笑)。
これは本当に深刻ですよ。世の中を巣食う邪のような存在です。
先日、どこの医院か分かりませんが「上咽頭が腫れていますね。抗生物資を出しておきますね」と説明されたと患者さんから聞きました。
大して不満に思うことないじゃん?(関西では「ないやん?」ですね)って思いますか?
私はその医師には時間がなくて説明を省略したと思いたいのです。でも私の想像では、「赤い!はいっ抗生物質!」という診察が行われたのではないか、と疑ってしまいます。
何で腫れたの・・?という視点が欲しいわけです。
どんな視点でも良いのです。細菌学に興味がある先生でしたら、○●菌がついたので、赤くなってしまった、ということでもよいです。栄養面から攻めようという先生がいたら、検査をしてビタミンが足りないから腫れてしまった、ということもあり得るでしょう。何を食べたから腫れた、どんな生活をしたから赤くなった、何でもよいのです。何かないと。。。
私はいつも風邪との絡みで考えていますから、こう説明しました。
風邪を1週間弱前に発症して、風邪自体は9割治ったのですが、副鼻腔炎を 残した形で治ったようです。急性副鼻腔炎の喉に流れる鼻水で上咽頭が炎症を起こしたのでしょう。
これなら生じたきっかけから筋道が立っていますから、患者さんも次回から風邪に気を付けていれば、上咽頭が腫れることはなかろう、と思っていただけるのではないか、という細かいお話でした。
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2009年10月25日
インフルエンザの気の話の続き
インフルエンザがまだまだ猛威を奮っていますが、診察を重ねるごとに、その邪気を感じることができるようになった、というお話をしました。
インフルエンザの邪気は本当に独特の強さがあります。他の風邪とかでは全く感じないものです。発症直後でも体感で診断できますよ。
インフルエンザ迅速診断キット(鼻水を採取して調べる検査)の正診率が、新型の場合、一般には40-65%とされています(本当は10%くらいだと思っています)。でも私の感覚の方が、検出率が高いと思います(?)。
ところが、この前、そんな感じの強い邪気をもって診察室に入ってきた人で、具合も悪そうな人だったのですが、波動検査でインフルエンザではない人がいました。
げーっっ。違うの・・?? インフルエンザじゃないのかー?
実は疲れがひどく、のどが痛いのが取れなくなっている人でしたが、その人の口からは1型ヘルペスの波動を認めました。
ヘルペスには抗ウイルス剤がありますが、それに触れると炎症の波動がすーっと消えたのです。
ヘルペスでも同じ邪気が出るんだなー、と変に感心しました。
波動を感じているのだろうと思うので、その周波数と振幅を感じているのでしょう。インフルエンザとヘルペスの違いはその周波数の違いと考えられます。でもその違いまでは私の感覚では分からないようです。
うー、修行が足りん!
さらに音楽でも分かるように、波動には周波数と振幅に加えて、音色も大切な要素です。まだ病気にとって音色が何を表しているのか分かりませんが、だんだんいろんなことが明らかになっていくので、とても楽しいです♪
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2009年10月18日