冬至に小豆とかぼちゃの煮込みを食べる

 寒い冬がやってきて、冬至の日を迎える前になりますね。昔から「冬至に小豆とかぼちゃの煮込みを食べると風邪を引かない」と言われてきました。どうしてなのでしょう?

 かぼちゃは保存がきくのだそうですが、冬至までが限界であり、以後は栄養価が下がっていくのだそうです。もっとも昨今はいつでもかぼちゃが店頭に並んでいますから、あまり気になりませんけれども。
 
 かぼちゃは栄養価が高いので気血を補う方向に働きます。また温性の食物なので冬に滞りがちな気血の循環を助けます。さらに食材自体に胃腸の働きを整える作用があります。解毒効果を謳っているサイトもありますが、これはかぼちゃの種の効能だと思います。
 確かにかぼちゃを冬に食べることには一理ありそうですね。

 小豆は利水消腫、つまり利尿を促して浮腫みを除くという作用が強いようです。それと、解毒排膿効果があるそうです。抗生物質を使いダメなら切開排膿と教えられている私には排膿効果は驚きがありました
 
 小豆の帰経(主に影響する経絡)が心と小腸というのも面白いですね。どちらも休みなく働き、表裏関係の臓腑ですね。利水効果も解毒効果もあまり心と小腸には関連性がないように感じられますが、何か関連があるのでしょう。

 小豆を冬に食べるのは、冬に循環が悪くなり浮腫みやすくなったのを解消するためでしょうか。もしかすると、アントシアニン(赤い色の元)の抗酸化作用が何らかの作用をしているのかもしれませんね。

 さて本題ですが、小豆とかぼちゃの煮込みを食べると風邪を引かないのは、主にはかぼちゃの作用であり、胃腸を整えて衛気(防御のエネルギー)が増すからでしょう。小豆はその気の循環を妨げないように作用しているものと思われます。

 (おまけ)
 かぼちゃをつかった美味しそうなデザートを見つけました
 

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2011年12月10日

冬の寒さは、血の足りない人には堪えるでしょうね

 今日は雨のためか妙に冷えます。だんだん真剣に寒さ対策を考えていかないといけません。先週は冬に弱くなる腎を補うお話でした。今週は冬には辛いのではないかと思う血虚(けっきょ;血が足りない)の人のお話をしてみます。

 中医学的には血(中医学らしく「けつ」と読みましょう)は、栄養と保湿の作用をもっています。筋肉を逞しくし、皮膚や毛髪を艶やかにし、知覚や運動を鋭敏にすると教科書にも書かれています。

 したがって血虚の症状と言えば、顔色が悪く、髪が細くなり、皮膚が乾燥し、四肢が痺れます。舌は唇、爪の色が白くなります。臓器も栄養が足りなくなるので、全体に代謝が弱くなり、場合によると動悸がすることもあります。

 もちろん血虚は、栄養を十分に摂取しなかったり、脾(消化器)が吸収しなかったりする場合に生じますが、血が各臓器に上手く循環しない場合にも生じてしまいます。

 血が正常に運行するには、心臓の他に、肺、肝、脾など、体全体の働きがバランスよく行われていることが重要です。血が滞るとき、血がよどんで流れなくなるとお血、血が巡ってこないところは血虚ということになります。体全体のバランスについては見落とされがちなので注意が必要です。

 血を直接補うための食材は、にんじん、ほうれん草、落花生、葡萄、いか、だそうです。そして潤いを補うものとしては、百合根、黒ゴマ、松の実、卵、牛乳、牡蛎、ほたて、だそうです。

 こういう食材を使ってみては如何でしょうか?

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2011年12月03日

気候が寒くなってきました。腰痛の季節です

 寒くなってきましたね。冬は腎(生命力)の力が弱くなるのでそれに合わせた対策を考えていかなければなりません。

 では腎が弱くなったときの腰痛とはどんなものでしょうか?

 腰自体は力が入らない、だるい、疲れると悪化するなど、あまり特徴的な症状はありません。

 腰回り全体で考えると、頻尿や夜間尿、精力減退なども腎が弱くなったときの症状です。

 また、腰回りのことだけではなく、体全体の症状にも注目する必要があります。手足のむくみ、耳鳴り、めまい、難聴、脱毛、肩こり、脱力感、無気力などが主だって現れることもあります。

 こういう症状と共に腰痛がある人は腎虚(腎の力が弱くなった状態)が原因で腰痛が生じていると考えましょう。

 さて、腎虚に由来する腰痛に対応する食材を参考書から抜粋してみますと、

 にら、くるみ、黒豆、松の実、山芋、エビ、黒ゴマ です。

 さて、

 CMで有名な杜仲茶は、テレビではメタボリックシンドロームに効果があるとテレビで紹介されました。私も脂肪が溶けるようなイメージを持っていました。いろんなサイトで血管から若返りましょう、ダイエットしましょう、というようなイメージが流布されています。サイト1 サイト2  

 しかし調べてみると、杜仲茶はむしろ、腎を補う不老長寿の強壮薬としての働きが大きいようです。薬膳の教科書をみても、腎と肝を温めて補うのが本来の杜中の働きです。

 杜仲茶で動脈硬化が改善するというデータがもしも本当であるなら、杜中の腎を補う作用により血流が改善し、その副産物として動脈硬化が改善したと考えるべきなのではないでしょうか。

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2011年11月26日

(雑談)これから冬の診察に向けての対策

 診察中に生汗が出てくることが多いので気になっていました。診察以外のときにはほとんどそういうことはないのです。

 ― あれ?疲れかな?・・・まさか歳か??

 いろいろ考えてみましたが、どうも腑に落ちません。

 しばらくして、診察中に何か悪いものを受けて体が自然に反応しているこ が分かりました。患者さんが持って来られた邪気と言えるでしょう。

 感覚が敏感なのは良いことですが、結構な汗の量なので着替えの時間が必要になり困ります。ひどいときには半日に2回の着替えが必要なのです。

 ― 気功をするのだから邪気を自分で払えば良いではないですか?

 こういう指摘も受けるかもしれませんね。確かにそう思うのです。

 でも耳鼻科の診察スピードを考えてみて下さい。診察の椅子から患者さんが立たれて、その後の指示をしている間に次の患者さんが入ってきます。邪を祓う時間的余裕はありません。

 本格的な風邪の季節を迎えます。インフルエンザも局地的に流行していると伝え聞きます。東京では学級閉鎖があったということも聞きました。もう、そういう季節なのですね。

 私も診察室でどのように対応すべきなのか、ちょっと試案しています。

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2011年11月11日

サンマと大根おろしの関係について

 サンマが美味しい季節になりましたね。

 最近、脂質代謝に興味があるので、また脂質の話になりますが、魚油には、EPA、DHAといった人には欠かせない不飽和脂肪酸が含まれています。

 ところがこれらの脂肪酸は酸化されやすいため、ビタミンCなどの抗酸化ビタミン摂取をする方が良いと考えられます。

 大根おろしにはビタミンCが含まれているため、サンマを食べるときには大根おろしと共に食べたいと思いますよね。

 ところが・・・

 魚介類に含まれるジメチルアミンが、大根中などの硝酸塩と反応してニトロソアミンという発癌物質に変化する可能性があることが言われています。肉魚類と野菜を同時に摂取することは良くないと極論するサイトもあるくらいです。
 
 この発癌物質が大根中のビタミンCの作用により消去されるとするサイトもあり、一体何が本当なのか分かりかねます
 
 また、魚の焦げ目にも発がん物質があるとされています。ここでも大根おろしの食物繊維がこの物質を排除してくれると同時に、含まれている酵素が無毒化してくれるのだそうです。

 一応、サンマを食べるときにニトロソアミンが怖いからレモン汁でも絞ってビタミンCを補充しながら食べるか、と思いましたが、食物繊維や必要な酵素の補充が期待できないので、焦げ目を綺麗に除きながらレモン汁で食べるか、大根おろしを少量で食べるか。どちらにしても少し味気ないな、と感じています。

2011年10月01日

夏ばてからくる諸症状について

 夏ばてからいろんな症状がでてくる人を見かけます。

 基本的には食欲がわかないため、あるいは夏ばてをしてしまったために免疫が低下して、今まで押さえ込んできた体内の感染症が再開してしまうという形が多いようです。

 具体的に例を挙げると、食事がいい加減になり、免疫が下がったためにおなかが痛くなってしまった人とか、頭を冷やしすぎて?頭部の免疫が下がり、頭痛が起きてしまった人などが挙げられます。

 困ったことに、病院でいくら詳細に調べても結論がでてきません。潜在感染という発想が西洋医学には乏しいからだと思います。ですので「夏ばてでしょう」とか、「歳ですね」と言われてしまうわけです。

 現実には、局所免疫が下がったところ、あるいは全身の免疫が下がったときには、その人の免疫的に弱い場所に症状が出るようです。

 気をつけないといけないことは、痛みがでるので、冷やしたい、あるいは、鎮痛剤を飲みたい、と思うかもしれませんが、冷やすと局所免疫が下がりますし、鎮痛剤は全身免疫を下げるので、どちらも不適切であるということです。

 もちろん熱中症などの対策は十分に必要ですが、打ち身などの外力でできた痛みでなければ、むしろ少し保温をするくらいのつもりでいる方が結果が良いと思います。

 以前にもご紹介しましたが「不通即痛」、すなわち、通りがわるくなると痛みがでるということもありますので、とくにこの季節は水分をやたらと摂取することは控えたいものです。もちろん熱中症にならないように気をつける必要はありますが。

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2011年08月06日

今年は水に関するトラブルが絶えません

 今年は本当に水に関するトラブルが絶えません。猛暑に加えて節電なので、大量の水を飲む人が多いのか、めまい、頭痛、首の違和感など、水にちなんだ症状をたくさんの人が起こしています。

 このような症状を水が原因だとは誰も思いません。水はたくさん飲んだ方が良いというテレビ番組もそれに拍車をかけます。

 症状が取れなければ大きな病院に行くことになりますが、西洋医学にはこれらの症状に対応する薬があまりありません。めまいに対して時に利尿剤を使うことはありますが、その程度です。

 頭痛があるので鎮痛剤を使うことになります。しかし元々水の循環が滞って痛みがでているのです。鎮痛剤で体温が下がってしまい、水が余計に動きにくくなり、痛みがさらに悪化することがあるのも覚えておく必要があります。

 水を動かして痛みを除く方法はいくつもあるのですが、簡単なのは漢方薬ですね。五苓散などは有名で、かなりの医師が知っている処方かもしれません。

 鍼も有効です。鍼は経絡上の詰まりを動かして通るようにすることができます。また邪魔している悪いエネルギーを除いて改善する場合もあるでしょう。

 マッサージをしたり、温めたりするのも有効でしょう。マッサージの場合には、施術者がどの方向に水やエネルギーを流すべきか、明確に分かった上で行わなければなりません。

 あとは、運動などで発汗させて、余分な水を捨てて水が流れやすくするとか、大量に水を摂取しないようにし、飲酒を控えるのも有効でしょう。

 たかが水なのですが、水が原因と分かるまで時間がかかる場合があるので、注意が必要です。

2011年07月31日

真夏のビールはおいしいけど控えめに

 私はお酒があまり飲めません。飲める人は冷たいビールをカブカブという季節ですが、気をつけるべきことがあります。

 ひとつは水の摂り過ぎ。

 水はたくさん摂る方が良いと信じている人があまりに多くて困ります。摂らないのは熱中症などの問題が生じる可能性がありますが、摂り過ぎの害をいう人が誰もいないので私が話します。

 まあ確かにたくさん飲みましょう!というと売れるものもありましょう。適量飲みましょう、と言っても経済効果はないのですから、そんなことを言う人はいない訳です。

 以前にも話したことがありますが、不通則痛という言葉が中国にはあります。「通じず、すなわち痛む」・・つまり、通りが悪くなると痛みが出ますよ、という意味です。

 水がたくさん体に入ってきても全て処理できるとは限りません。実際に若い人でも水の影響を受けて、ふらつきや鼻水で来院されるケースが少なくありません。水を循環させるような漢方薬をだして、少し水分を制限するように話をします。

 二つ目はビールが熱になることです。

 酒類はみな熱の要素を持っています。これにストレスや暑い夏であることなど、熱の要素がさらに加わる可能性があります。すると、器械と同じように頭がオーバーヒートしてしまいます。

 やたらと頭から汗をかいたり、ボーっとしたり、寝られないとか、ひどいとうわごとを言ったりということになります。調子がくるって鼻水もでることがあります。水のときとは別の形のふらつきとか、軽い難聴になる人もいます。

 特にストレスを酒で発散しようとすると、熱の要素が加わるので健康にはあまりよくありません。暑い夏が続きますので飲みたいところですが、逆にビールはかなり控え目にされた方が良いでしょう。

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2011年07月23日

だんだん梅雨どきの診察内容になってきました

 4月ごろは気の流れが悪くなり、理気剤と呼ばれる処方をたくさんしてきましたが、最近どうもそれではうまくいかなくなってきています。

 もう暑さが増しているので、その影響でしょうか?

 あとは節電でエアコンもあまり稼動していないところも多いでしょうから、暑いところも多いのかもしれませんね。

 恐らく、ついついたくさん水分を摂ってしまって、水の流れが悪くなっている人が多いように感じられます。

 細かいことを言うと、冬も寒くなりますと水が流れにくくなります。しかしこのときには臓腑の水の流れが悪いように感じられます。

 今はどうも経絡の水のつまり・・・イメージ的には体の表面の水蒸気にも流れがあって、それがうまく流れない、そんな感じです。

 水をたくさん飲むと、その水を循環させるだけのエネルギーが必要になります。ところが冷たい水を飲むと、それを温めるのに余分にエネルギーが必要になりますので、水を十分に循環させられないという事態が生じやすくなります。

 私も相当水を飲む方なので、気をつけないといけないのですが、肩こり、首のこり、軽いめまいなどが生じやすくなります。私の場合には頭痛が起こります。

 水は喉が渇いた分だけ飲みましょう。

 それと、温かい飲み物は大丈夫と思わないようにして下さい。水分は体内に入れば、その温度を維持するのに結局エネルギーをとられます。冷たいものを飲むよりは良いですが、温かくても大量に飲めば、その温度を維持し、十分に循環させられないと、不快な症状の原因になります。

 私も気をつけます・・。

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2011年05月22日

自然災害も体も、まずは自分にできることから

 私は自然が、本当の自然の姿を取り戻すのに自然災害が起きているように感じます。プレートが入り込んでいるから地震が起こったのは事実ですが、私たちにできることはたくさんありそうです。

 病気も自然の体の姿に戻すための反応と私は考えているので、病気をうつされた、花粉が飛んできた、と考える前に自分でできることを少しずつでも考えましょう。

 自分たちにできることのヒントがここにあるかもしれません。よい話です。
 

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2011年03月13日