【栄養療法】しばらくは亜鉛について、いろいろ語ります2

 先週は亜鉛中毒、亜鉛の吸収、亜鉛欠乏の症状についてお話しました。

 ちょっと脱線しますが(自分ではホントは脱線のつもりではありません)。

 私は耳鼻咽喉科なので、味覚障害から亜鉛欠乏を推測することが多いです。先日、味覚障害の患者さんの「気」の流れを見ていたとき、亜鉛サプリメントで気の流れが整うことが分かりました。

 最初、自分でもどういうことか分かりませんでした。

 このことはとても興味深く、「気」のレベルで味覚障害が生じている可能性がある、つまり「気」のレベルで味覚がコントロールされているということを表しています。

 味は舌の感覚器で味を物質的に感じることに教科書ではなっています。しかし、私は気功を使ってものの味を変化させられます。ただ本質的なところ、例えばコーヒーの味をケーキの味には変えられません。

 何が言いたいかというと、味覚は本質的な部分は物質に依存し、細かな味わいの部分はエネルギーによって支配されている、と感じたわけです。

 ここからは少し難しくなりますよ。

 亜鉛は電子が比較的安定であり、遷移金属に現在は分類されていません。亜鉛の代わりに、例えばコバルトのように同じく2価の遷移金属が働いてしまうと、電子の状態が不安定なため、味が変化することが考えられます。というのは、電子の状態が不安定であることと、気功で味を変化させることが、同じことのように私には感じられるからです。

 もしかするとコバルトなどの金属汚染がある人では、亜鉛が駆逐されて味覚障害が生じていて、亜鉛を相当量服薬することで治っているのではないかと私には思えるのです。もしかして味の安定のために電子の安定した状態の亜鉛が必要なのかしら?

 来週も亜鉛の話をしますね。

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2010年02月13日

【栄養療法】しばらくは亜鉛について、いろいろ語ります!

 亜鉛は金属ですが、体に必要なものです。

 亜鉛と特に関係の深い酵素は約70に及びます。血液検査でよく見る中では、アルカリフォスファターゼ(ALP)でしょう。100以下ですと、亜鉛の不足も考えます。亜鉛が不足すると後述しますが、多彩な症状がでてきます。

 亜鉛は中毒を生じるとも言われていて、塩化亜鉛や酸化亜鉛を吸入すると体に異変を生じます。急性亜鉛毒性は口から摂取したときにも生じるとされ、下痢、嘔吐、発熱などの症状を呈するというのが一般的です。

 ただし亜鉛を吸収する際に小腸粘膜で一時的に貯蔵されて、過剰な亜鉛は小腸粘膜とともに剥離して便になって排泄されてしまうので、よほど高濃度の亜鉛を一度に摂取しない限り、急性毒性は生じないと私は思っています(これには異論もあるようです)。メッキ工場などで亜鉛を吸入した場合には、小腸粘膜のようなバリアがないのでやはり危険でしょう。

 さて、亜鉛欠乏時の症状です。

 一番有名なのは味覚障害です。亜鉛の欠乏により味蕾が壊れて生じるとされています。高血圧や胃潰瘍の薬、あるいは抗生物質にも亜鉛の働きを失わせるものがあり、味覚障害を生じることがあります。

 あと皮膚の乾燥やびらんなどの皮膚症状が生じるのも有名です。これはコラーゲンやケラチンの合成に亜鉛が関わっていることによります。従って、褥瘡が亜鉛投与で良くなる、ということもあるそうです。

 あとは精神症状です。無欲化や情緒不安定が生じるようです。これは海馬という脳組織に亜鉛が多く含まれていて、その働きが十分でなくなるため、とされています。

 でも今日、私がどうしても亜鉛のことを書きたくなったのは、ちょっと面白い発見をしたからです。この続きはまた来週~。

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2010年02月06日

【栄養療法】今日は最近気になったナイアシンの解説です

 ナイアシンという物質をご存知でしょうか?昔はビタミンB3とも言われていました。最近、この物質がどうも気になります。何故なら家族に飲ませてようかと思っていますし、これから忙しい季節の会計事務所の方がナイアシンを買い求めに当方にやってきたということもあります。

 (注)いわゆるナイアシンはナイアシンとナイアシンアミドの総称とご理解下さい。

 一般にナイアシンは通常の食事をしていれば不足はしないとされます。また、肝臓で合成可能なので、サプリメントは不要という考え方もあります。参考サイト

 ナイアシンが不足しないって本当でしょうか・・?

 すごくたくさんの生体の反応に関わっている補酵素です。DNAの修復や、エネルギー代謝のときに大量に必要とされます。世の中がいろいろ複雑になっていますから、生体恒常性を保つために、従来よりもたくさん必要になっている補酵素なのかもしれません。

 私のようにストレス性(自覚ないけど・・)に溶血している人はビタミンCとビタミンEが有効なのですが、ナイアシンアミドを投与することによって溶血を防ぐことができるのだそうです。いろんなストレスに有効なのですね!

 アルコールは代謝されるときにナイアシンを材料とする補酵素が必要になるので、ナイアシン不足になります。さらに肝臓がダメージを受けると、ナイアシンが肝臓で作られなくなり、さらい不足が深刻化します。

 これは私の意見ですが、いろんなストレスにさらされている現代、ナイアシンの需要は増しているのではないでしょうか?ストレスからアルコールをつい口にしてしまう人も少なくないでしょうし、ナイアシンが多く含まれているとされるかつお節もずいぶん食べる回数が減りましたし・・。

 ナイアシン不足では、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)という酵素が上手く働かなくなります。その結果たまった乳酸は筋肉ではLDHにより分解されず、肝臓でブドウ糖の材料となるのです。乳酸がたまる傾向になるので慢性疲労状態になり、うつ病と診断されていることもあると思います。疲れがある人でLDHの検査値が低めに出ている人はナイアシン不足を疑います。

 調べていてびっくりしたことがあります。ナイアシンには高コレステロールを改善し、HDL(善玉コレステロール)を増加させ、動脈硬化を抑制する作用があります。また、ナイアシンアミドはインスリン分泌を上昇させ、血糖をもコントロールするとあります。

 でも内科の先生は「ナイアシンを使いましょう」とは言わないみたいですね。理由は何かな?

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2010年01月31日

【栄養療法】閑話休題 私の3ヶ月の栄養療法の結果について

 ビタミンCをはじめとした抗酸化物質についてコメントしてきました。今週はグルタチオンの解説をするつもりでしたが、予定を変更して、頭が疲れない内容をお送りします。

 私自身が3ヶ月間の厳しい(?)指導に従い、食事の採り方に気をつけて、サプリメントを摂取して、3ヵ月後の診断を受けました。

 まず先日予告したとおり、間接ビリルビン値が下がり(1.15→0.82)、ビタミンEの効果を実感しました。でもまだ赤血球を作る働きが強い、つまりそれだけ壊れている赤血球がある、ということから、ビタミンEは続けることになっています。

 さらに、たんぱく質の摂取が順調であることがアルブミン値(4→4.5)と尿素窒素値(15.9→18.5)の変化からも分かります。アルブミンの材料はたんぱく質なので、少し高く感じられるかもしれませんが4.5程度が至適と考えられます。

 また、種々のたんぱく質が不要になり排泄されるときに尿素窒素が生じますので、たんぱく質の出納がある程度回り始めると尿素窒素の値も20に近いところまで少し上がります。たんぱく質がどんどん壊されて尿素窒素が20よりも高い値になるのは困りますが、たんぱく質が順調に作られずに値がすごく低い方を数多く見かけます。

 HDLコレステロール値が66→57と少し減少傾向なので、今回はEPA(エイコサペンタエン酸)を摂取することになりました。カルシウムも減少傾向がある(9.7→9.2)ため、カルシウムとマグネシウムの合剤も摂取してみます。これは(少し自信なし)カルシウムばかり摂取すると、反比例してマグネシウムが減少してしまうために合剤で摂取するのだと思います。

 みな、そんなに悪い数値でない所謂正常範囲なのですが、至適値という観点をもつと、まだまだ健康になれそうです。どうかな?

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2010年01月23日

【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用6

 ビタミンCが働くのに、ビタミンB群、グルタチオンが必要でなこと、ビタミンCとともに、ビタミンEの働きを助けているのがコエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンEと協調して抗酸化作用を発揮するのがβカロチン、いうところまでお話ししました。

 光刺激で生じる活性酸素である1重項酸素はカロチノイドでしか処理されないので、ニンジン、アプリコット、カボチャ類などの摂取は重要でしょう。焼き海苔、しそ、パセリなどもよいようですね。

 ちょっと脱線しますが、カロチノイドってそもそも何でしょう?

 天然、とくに植物に存在する色素です。フラボノイドも同様です。カロチノイドは黄、橙、赤、フラボノイドは赤、紫、青を発色します。ともに抗酸化作用を持ちます。

 代表的なカロチノイドとしては、カロチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチンがあり、代表的フラボノイドとしては、イソフラボン、アントシアニン、カテキンなどがあります。両者は化学構造で分類されていて、フラボノイドはポリフェノールにも属しています。

 カロチノイドの中で目によいとされているのはルテイン、皮膚にはリコピンとされています。でもその他にも多数の報告があるらしく、多種類のカロチノイド(マルチカロチノイド)を摂取するのが良いようです。

 来週は231号でもお話したグルタチオンのことをもう少し解説してみます。お楽しみに!

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2010年01月16日

【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用5

 ビタミンCが働くのに、ビタミンB群、グルタチオンが必要でなこと、ビタミンCとともに、ビタミンEの働きを助けているのがコエンザイムQ10というところまでお話ししました。

 これらは体にできてしまったヒドロキシラジカルという、活性酸素を除去するのに役立つ物質なのですが、これ以外にもヒドロキシラジカルを除去する物質があります。それはβカロチンです。

 βカロチンはカロチノイドのひとつで、みかんをたくさん食べて手が黄色くなるときの黄色い成分です。

 従来はビタミンAの材料としか思われていませんでした。しかしビタミンC、ビタミンEと協調して抗酸化物質として作用することが分かってきました。

 βカロチンなどのカロチノイドには、1重項酸素という光刺激で生じる活性酸素を除去する働きがあります。この1重項酸素はカロチノイドでしか処理することはできないため、十分な摂取が望まれます。

 ニンジン、アプリコット、カボチャ類など、明るい色彩の植物に多く含まれているβカロチンは、動脈硬化を防ぐばかりではなく、抗腫瘍効果もあるとされています。ただし、βカロチンは喫煙、飲酒で濃度が低下しますし、低蛋白状態だと吸収が低下してしまいますので要注意です。

 さて、来週は何の話をしましょうかねえ。。。

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2010年01月10日

【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用4

 ビタミンCが抗酸化物質として機能するのに、ビタミンB群、グルタチオンが必要であること、細胞膜の酸化を直接修復しているのはビタミンEで、それをビタミンCが支えていること、そこまでお話ししました。

 さて、ビタミンCとともに、ビタミンEの働きを助けている物質があります。それは、コエンザイムQ10です。

 コエンザイムQ10は年齢とともに段々減少していきます。肝臓のコエンザイムQ10を作る働きが弱くなるのでしょう。コエンザイムQ10が老化と関わっていると考えられてもいるようです。

 先日、老人性難聴がコエンザイムQ10で予防できるという動物実験結果をお話ししましたが、コエンザイムQ10と老化との関わりを感じさせる結果であると思います。
 http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/tanokura091110.pdf

 コエンザイムQ10はなかなか食物では摂りきれないのだそうです。そこでサプリメントなどで補給することを考えるのですが、ひとつだけ大切なことがあります。

 高齢者の方でコレステロールを下げる薬を飲んでいる方は少なくないと思います。この薬はコレステロールの原料になるメバロン酸が作られないようにする薬なのです。ところがコエンザイムQ10もメバロン酸から作られます。

 つまり、コレステロールとともにコエンザイムQ10も減らしている可能性があるということです。こういう薬を飲まれている方はコエンザイムQ10の補給をした方が良いかも知れません。

 抗酸化作用については、まだ続きますよ。

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2010年01月03日

【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用3

 先週、ビタミンCが抗酸化物質として十分に機能するために、ビタミンB群と、グルタチオンが必要であることをお話ししました。

 たくさんのビタミンB群とビタミンC、グルタチオンを補給すれば、抗酸化力は完璧か?というとそんなことはありません。

 私の例を挙げます。私は以前からビタミンCをそれなりの量飲んでいました。しかし、これでは不十分であることを血液分析が知りました。

 実はビタミンEが足りなくなっていたのです。

 ビタミンEは脂溶性で、細胞膜がヒドロキシラジカルによって酸化されるのを抑えてくれます。

 ところが私の場合には赤血球に溶血(赤血球が壊れること)傾向があり、ふつうの人よりも赤血球を作る働きがとても強くなっていました。しかも溶血によりビリルビンの値が1.61と上がっていました(通常は1以下です!)。

 血液分析の結果、ビタミンEの高度欠乏状態と判断され、ビタミンEを毎日大量に服薬しました。その結果、3ヶ月経過した現在、ビリルビン値は1.07まで減少、血液を作る働きもまだ高いですが、やや改善しています。

 今回ビタミンEが赤血球の細胞膜を壊れにくくしてくれたですが、そのビタミンEの働きを支えているのはビタミンCなのです。

 細胞膜が壊れやすくなっているというのは、症状としては分かりにくく、怖いことだと実感しました。知らぬ間に溶血していることがないか、みなさんもビリルビンの値を見て下さいね。ビタミンCとビタミンEで補える場合もあるのです。

 でも何でビタミンEが足りなくなったのかなー?ストレス??(笑)

 抗酸化作用については、まだまだ続きます。

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2009年12月27日

【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用2

 228号では、活性酸素が強い毒性を持っているということをお話しました。

 体に強い傷害を与える活性酸素に、ヒドロキシラジカルというものがあります。ヒドロキシラジカルを消去することで防ぐことができる病気も多いと思います。

 じゃあ、何も考えずにビタミンCを補給することで何とかできるでしょうか?

 例えば、ビタミンCを含んだ清涼飲料水を飲んだとしましょう。しかしそれだけでは十分な働きは「期待できません。自然の状態ではビタミンCはすぐに酸化型ビタミンCになってしまいます。

 では何を考えながらビタミンCを摂取したら良いのでしょう?

 酸化型のビタミンCを元のビタミンCに戻す働きは細胞の中にあります。この力が弱いとビタミンCが働けなくなってしまうのです。

 細胞の中では、二つの酵素が酸化される前のビタミンCに戻しています。

 一つの酵素はビタミンB群(ビタミンB2とナイアシン)から成ります。ビタミンCが十分に働くためにはビタミンB群がたくさんあることが必要であるといえます

 もうひとつの酵素の反応では、グルタチオンが必要になります。グルタチオンは、3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)からなる、トリペプチドで、多くの食品に含まれ、日常摂取されているものです。大量の薬を飲んでいる時や、酒の常飲、癌のときにはグルタチオンの需要が亢進します。食品添加物の処理もグルタチオンの仕事です。

 ビタミンB群とグルタチオン、これだけ揃えばもう抗酸化対策はOKと思った方もいらっしゃると思います。しかしまだまだ複合的に考える必要がありそうです。

 抗酸化作用について、来週以後もしばらく続きそうです。

 頑張ってついてきて下さい!では!

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2009年12月20日

【栄養療法】ビタミンB群の補給により体温が上がっているようです

 分子整合栄養医学に基づいて血液検査結果を解析すると、かなりの人たちにビタミンB群不足が認められます。

 ビタミンB群は体のエネルギー代謝の中心と言える物質ですので、不足すると、体温が下がるのではないかと思います。子供たちの低体温が問題になっていますけれど、ビタミンB群の不足が原因かもしれません。

 私はビタミンB群を多めに補給しています。体の変化としては、
 ・ 以前よりも寒がりでなくなった。
 ・ 体温が5分くらい上がった
 こんなところです。小さな変化かもしれませんが、自分としては意味のある 変化であろうと予想しています。

 たとえば、ウイルスも体温が高いことで繁殖しにくくなるので、風邪の予防にもなるのではないかと考えています。

 ただし、たんぱく質などのエネルギー源となる物質もビタミンB群と一緒に摂取しないと、体温は上昇しないかもしれません。

 他の異常があまり目立たない方であれば、ある程度詳しい血液検査をすれば、ビタミンB群の不足を予想するのは容易です。ただし数字だけで全てを判断するのは困難ですので、詳細を知りたい方は分子整合栄養医学を実践しているクリニックを訪ねてみられてはいかがでしょうか。

 当院では検査結果はどうでも良いが、サプリメントだけ試してみたい、という方にも対応しています。先日もアイ・サポートという目の衰えに良いとされるサプリメントの組み合わせをお出ししましたよ。

 受験対策セット、風邪予防セット、美肌セットなどがご用意できます。
 お気軽にご相談下さい。

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2009年12月13日