まずは冷え性から治しましょう ~ 花粉症、うつ病
長年花粉症で悩まれていた患者さんが来院されました。どの抗アレルギー剤を使用しても良くならないと訴えられていました。
私は効果がないものは使わない方が良いと考え、思い切ってアレルギー関係の薬は止めていただき、ひどい冷え性にだけ漢方薬で対応することにしました。
2週間後に来院されたときに、どうしても止まらなかった鼻水が8割なくなりました、とのこと。さらに2週間後には鼻水が出なくなったとのお知らせをいただきました。
花粉症も自律神経の関係する免疫異常と考えれば、冷え性を処理するのは、必要なことでしょう。この患者さんの場合には、他の異常がすくなかったのでしょうね。冷え性の改善だけで体の機能が元にもどったのでしょう。
これは経験的にうつ病にも言えることかもしれないと思っています。
うつ病の方は冷え性のことがとても多いですね。もしかすると、冷えで体の機能が衰えていることで活発になれず、心の病になっているということもあるかもしれません。
冷えは万病の元ということを言う人がいますが、本当に実感しました。
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2013年04月07日
汗が出た方が良い、というのは嘘
「汗が出た方が良い、というのは嘘なんですね?」
私が患者さんから聞いた印象的な言葉です。そう、もちろん嘘です。
最近、自分の体のバリアがあまり明確でない人を多数見かけます。たまたま何ともないということもあるかもしれませんが、風邪などひくとウイルスに体の奥まで入られてしまい、寒気が強くないけどなかなか良くならないということが生じます。
バリアというのは、外からの攻撃に対して内側、つまり自分の体を守るという意味があるのはもちろんです。しかし、内側のものを外に逃がさないというのもバリアの重要な働きです。
バリアは体のエネルギーが構成します。中医学では衛気(えき)と言います。体のエネルギーが疲れなどによりなくなってしまうとバリアが薄くなります。
また、有害な環境にいるために、バリアを作れど作れど消費してしまうということもあるようです。とくに多いのは、携帯電話やパソコンの使い過ぎで自分のバリアを消耗してしまう場合です。
自分のバリアが薄くなると、実は自分の内側の汗や鼻水も出て行き易くなります。悪い環境から自分のバリアを傷めてしまい、鼻水や汗がたくさんでてしまう人が少なくないので、よく注意しましょう。
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2013年03月10日
花粉症と漢方処方にみる季節感
気温としてはあまり暖かくなったという感じがせず、雪混じりの雨が降ったり、底冷えのする日もあったりという今日このごろですが、少し春に向かって変化が感じられるようになってきました。
ひとつは花粉症。
暖かい日には花粉が飛散するようになってきました。私が大変お世話になっている新横浜の三保先生は、自院のサイトに飛散情報を掲載しておられます。
新横浜は少し内陸にあり、花粉飛散量が全国でも有数のところなので、少し東京の事情とは異なると思いますが、それにしても結構飛散しているのですね。驚きます。
東京ではそろそろ敏感な方達から目のかゆみ、鼻のムズムズが始まっています。おそらく新横浜では相当症状が出ている人がいらっしゃるのではないかと思いますので、その土地の地域性は十分に考えておく必要がありますよ。
さて二つ目。それは漢方処方にあります。
冬の間は患者さんたちの水の動きが本当に悪く、利水剤と言われる漢方処方を多用したり、利水効果のある生薬を含んだ処方を意識して処方しました。
ところが、このところの少し陽気が上昇してきた様子を反映して、体は敏感に反応し、利水はだんだん必要なくなってきました。
もしかすると読者の皆さんの中にも、むくみが少なくなったとか、血色が元に戻ってきたというような方がいらっしゃるかもしれませんね。
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2013年02月17日
女性の漢方薬 ~ 不妊への対応
【新医療研究】
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今日の中医学講座は、女性の漢方薬についてでした。
講師の菅沼先生は「いかに弁証論治するか」などの著書で有名な先生です。
今日は特に不妊症の講義の中で気になったところを書いてみます。
不妊症の主な原因と思われるのは肝腎不足です。腎は生命力ですので、この力が足りないことは不妊の原因になるでしょう。そして肝は血を蔵する臓器ですから、やはり不妊の因子になりそうです。
そして、それに別の要因が絡んでいることが多いとのことです。
つまり、水分の余りや詰まりがある場合、ストレスが多い場合、血の滞りがある場合が考えられ、肝腎を補いながらこれら要因への対応をするということが基本戦略になるのだそうです。
なるほど。
要因が複数になると複雑になってしまい、考えがまとまらなくなりますが、肝腎不足への対応+αと考えると分かりやすいですね。
妊娠や不妊に関する漢方治療をする場面が少しありますので、今日はよい勉強をしましたー。
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2013年02月10日
腎の障害により続く咳(中医学)
二人目のお子さんが生まれると、お母さんもお世話で大変ですが、第一子のお子さんも不眠ぎみになって大変という面があるようです。
あるお子さんは、不眠が続いて、腎(生命力)の力が落ちてしまい、咳が出るようになってしまいました。
なぜ腎の力がおちると咳がでてしまうのでしょうか?
中医学では、咳は気が上にあがってしまうので出るという解釈をします。普段は体の水を循環させて上がった気のエネルギーが残らないようにしています。これは腎の働きです。
それと、腎には上がった気を回収する役割があるので、これも普段咳がでないように作用していると考えられます。
腎が慢性疲労などにより失調してしまうと、水をくみ上げたり、気を回収したりする作用が弱まってしまいますので、気が体の中で上へ上へと昇るようになってしまいます。
大人ではよくあるのはストレスによる咳ですが、子供では睡眠不足による咳が常態化しているのではないかと思われる人が増えているように感じます。わかりにくいので注意が必要と思います。
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2012年12月02日
依存症に対する考察~臓躁(ぞうそう)
数年前から飲酒運転の規制が厳しくなりましたね。サイトによると2002年からだそうです。飲食店が大打撃を受けたと書かれていましたが、その後はどうなったのでしょう?
さてさて。飲酒運転は罰金が高額になったこともあり、私の周囲では全くと言って良いほど見かけなくなりました。
ところが新聞によると、アルコール依存症の人については、まだ飲酒運転を繰り返しているという実態もあるとのこと。飲酒運転者の半数はアルコール依存症の疑いがあるのだそうです。
先日、東方医学会主催の講演会で講師の先生が、アルコール依存症は身体的依存の傾向が強いので専門家が診察する方が良いとお話されていましたが、精神医学的に解釈すると、社会と接する過程で、小さなフラストレーションが溜まっていき、それが社会の許容される形で解消されんとするのが依存症なのだとのことでした。
中医学的にはこのフラストレーションは内に向かい臓躁となるのだそうです。臓躁とは、憂うつ、絶えず泣き笑う、頻繁にあくびするなどの症状を呈する状態で、2つに分類されます。
1)脾の損傷から心神が失養(十分に栄養されない)して発症する
2)体液漏出や、失血により火熱が生じ、心神をかく乱して発症する
どちらにしても、心を潤すことが最も重要のように思われます。大棗は燥を潤し、小麦には安神補気の作用があるので、中医ではよく使われるようです。
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2012年11月25日
だんだん冬支度処方になってきました
だんだん寒くなってきましたね。寒くなると、体の気血の巡りが悪くなります。夏の間は順調に経過していた患者さんも、だんだん薬が合わなくなってきています。
温める薬の場合、一段階温める力を強化するような対応をしています。
例えば、六味丸という漢方薬を使っていた患者さんに対しては、そこに附子(ブシ)と桂皮(ケイヒ)という温める生薬を加えた八味地黄丸という処方に変更します。
では八味地黄丸を処方していた人にはどうするかというと、少し附子を少し増量した牛車腎気丸という処方に変更しています。
別の例では、めまいの処方で苓桂朮甘湯という処方があります。茯苓、桂皮、白朮、甘草という構成生薬の1文字ずつを名前に入れた処方です。これも少し寒くなってから切れ味が悪くなってきました。
そこで私は桂皮の代わりに乾姜(生姜を乾燥させたもの)を配した苓姜朮甘湯という処方を用います。
苓姜朮甘湯がめまいに効果があるということはあまり知られていませんが、実際には真冬時のめまいにはかなり効果のある処方なのです。
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2012年11月18日
月経と季節の関係について
生理と体調の関係については以前から興味がありましたが、このたび中医学の講義を聴く機会があったので、少し考えてみました。
生理前には卵胞が成熟して成熟卵胞になるが、元になる卵子は腎の力が反映し、その成長には脾が関係します。そして成熟卵胞が卵巣から出るにあたり、肝と腎のエネルギーが関わります。
そして子宮の側ですが、内膜が厚くなる過程が十分に行われるために腎の固摂作用、脾の統血作用が必要になります。
つまり肝、腎、脾のエネルギーの問題があると、月経まで上手く持って行かれない状態になってしまうのです。
卵子の成長に問題があって不妊の場合には腎と脾の働きに注目すべきですし、過少月経の場合には、子宮の十分な内膜肥厚が生じないのですから、やはり腎と脾の働きに問題があると言えるでしょう。
つまり慢性疲労とか過食の人などは妊娠しにくい状態ができてしまうので、注意が必要です。
また肝の働きに問題があると、卵胞が卵巣から出られない状況になってしまうので、ストレスなどの問題はこれまた不妊の原因になってしまいます。
月経前に痛みなどのトラブルがある場合にも、肝、腎、脾の働きについて、注目していく必要がありそうです。
次回に続く
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2012年11月04日
水治療は肝胆を鍛える?~肝胆、とくに胆にまつわる話
朝が弱い人って多いと思います。そういう人は胆の腑が弱いことが多いという話を聞きました。
胆は決断の腑ですので、朝起きてしまおう!という決断が鈍っていて、寝覚めが悪いのかもしれません。
ストレスが大きくなると、肝の蔵がその処理を始めます。現代人は肝が働き過ぎている人が多いですね。
でも胆の働きとは・・?なかなか分かりにくものです。
満腹時には決断力が鈍るわけですが、それを表現して、「胃、熱を胆に移せば、食えきという」と言われるそうです。参考サイト
このサイトの話を始めから読むと分かる通り、水による禊(みそぎ)が胆の力を鍛えるのに役立つとされているそうです。
アトピー性皮膚炎など、アレルギー性疾患の多くは胆力の不足という指摘もあります。つまり、アトピーも水治療で治療していくということが今後でてくるのかもしれませんね。
現実的な対応として、風呂上りに冷水をシャワーで10秒程度浴びる、できれば掛け声をあげながら行う、ということが雑誌に書かれていましたが、アトピーなどが本当にそれで良くなるなら手軽で良いですね。
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2012年10月21日
陰を今のうちに補う
陰を今のうちに補う、ってどういうこと・・・?と思われた方も少なくないでしょう。説明していきますね。
陰とは中医学の言葉づかいです。「陽=温かい、エネルギー」に対して、「陰=冷たい、物質」ということになりましょう。
今のうちに冷たい物質を補う、そんな感じです。
冷たい物質で最も分かりやすいものは水ですね。体の中に水がたくさん入っても体は冷えます。陰とは水分、体液と考えると良いかも知れません。
ではどうして今のうちに水分を補う必要があるのでしょうか?
秋から冬にかけて、地域差はありますが、概して乾燥しやすい季節になります。乾燥に対応するために、たくさん水を飲む人が居ますけれど、これはNGです。
急に乾燥から脱却して潤いを得ることは難しいので、普段から潤いを保ち冬場の乾燥に対して事前の準備をしておくことが必要です。
実はこの潤いのための準備は春の花粉症にも役立ちます。
春は風邪が邪気の中心になります。花粉症もその一部分と考えられます。風邪はめまぐるしく変化する症状のことを意味しているので、それを抑えるのは重みのある物質です。つまり水ということになります。
花粉症は乾燥が症状を悪化させているという側面があります。睡眠不足などで乾燥がよりひどくなると症状も悪化するわけですが、秋の補陰(水分を補う)が十分でないと、乾燥の程度が増して花粉症も悪くなるというわけです。
秋の補陰は、りんご、キウイ、梨、びわ、柿などの果物が主体になります。良質な果物を食べるようにして下さいね。
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2012年10月14日