現在の患者さんの動向について ~ 各科協調して
先週のメルマガに対するコメントを内科のT先生が寄せてくれました。ありがとうございます!記事に少し現場と異なる部分があるようです。
> 最近は、一般内科開業医でも心療内科的病態を患った方がかなり増えて
> いる印象です。病因は複合的で、経済情勢や重金属汚染など様々でしょ
> うが、場(国全体?)が悪くなっているような気がします。
私は抗うつ剤や、高脂血症治療薬が患者増加の一因であるという考えに賛成と書きましたが、実数として増加しているし、要因は複合的であることを忘れてはいけないということですね。
> 今では20歳台の人の高脂血症や脂肪肝はあたりまえ、10歳台でも高脂
> 血症をしばしば認めます。当たり前の運動量や脂肪摂取量、間食の取り
> 方の修正だけでも相当の効果があります。
私は高脂血症の基準値がコロコロ変わるのが気に入らなかったのですが、これも脳梗塞予防の観点からそうなっているなど、理由があるようですね。事情を知らないで誤った解釈をしているようです。
> 各医療の診断・治療体系はそれぞれに存在意義があり、それらを尊重し
> ながらお互いに連係することがこれから重要になると思います。
私は既存医療に対して批判的な部分を多く持っているので(笑)、こういう「現実をきちんと見よ!」という意味合いのコメントをいただくのは大変に有難かったです。ありがとうございました。
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2009年12月13日
うつ病が10年間で2.4倍に!~私の意見
ニュースでうつ病が増加しているという記事を読みました。
「長引く不況などが背景とみられる一方、新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘する声もある」
読売オンラインではこのように書かれていました。珍しく(笑)鋭い指摘だと思います。
高脂血症の新しい治療薬が出た時に、高脂血症の患者さんがどっと増えたことは記憶に新しいですが、これと構造が似ている感じがします。うつ病も新薬が大量に処方されているようですね。
私の全くの推測ですので無理にご賛同いただかなくても結構ですが、私の目にはうつ状態は何もしたくない気分を作って動かないことで、何かを守ろうとしているように感じられます。
何を守るのか・・・?
私は何らかの栄養素が極度に不足している人が、その栄養素の消費を抑えるために動くことを控えるのではないかな?と考えています。
だから栄養療法で劇的に治ることが少なくないのでしょう。
ですので、逆に薬で強制的に気分を高揚させるとどうなるでしょう?
おわかりと思いますが、不足している栄養素の消費が増大して、ますます薬がないとうつ症状が出てしまうことになります。
何の根拠もありません。しかし、もしかしてそういうこともあるのでは?ということを意見として書かせていただきました。
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2009年12月06日
漢方薬がこれからも医療保険で処方できるように
本日は緊急で重要なお願いからです。署名のお願いです。
行政刷新会議の事業仕分け作業で、漢方薬を医療保険から外す動きがあるそうです。私と当方の職員は電子署名または通常の署名を行いました。
漢方薬が自費診療だと、私のクリニックでも半数程度の人が、満足な診療を受けられなくなってしまいます。みなさんもぜひぜひ署名して下さいませ。
携帯電話のサイトもあるそうです。
みなさんのご協力をお願いいたします!
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2009年11月29日
第13回統合医療学会に参加しました
統合医療学会が開催されたので行ってきました。場所は東大安田講堂です。道すがら、東大のイチョウ並木のすがすがしい風にあたりながら講堂に向かいました。本当に自分の気が整うほどに良い場所にあるのだと感じました。
会場の安田講堂は初めてでしたけれど、これまた立派な講堂でした。けれど、ここはあまり気の良くない感じでした。理由は分かりませんが、少し慣れるのに時間がかかりました。もしかして背負っている歴史のためでしょうか?
学会ではみな統合医療の必要性を痛感しつつも、どこか前に進めないもどかしさを感じました。確実に道は広がっているのですが、まだまだ主流にはなれない学問の悲しさを感じて参りました。
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2009年11月22日
扁桃腺炎を起こす人、気管支炎を起こす人
耳鼻科の診療をしていて、以前からとても疑問にも思っていることがあります。それは、扁桃腺炎が何故起こるのか?ということです。
今日書くことは、教科書などには全く出ていない、私の私見であることを、あらかじめお断りしておきます。
風邪をひいて、ウイルスなどを撃退するために体に熱が生まれますが、その後始末として、熱を処理することを余儀なくされます。
その後始末とは、膿がでることなのです。
中耳炎や副鼻腔炎は頭にたまった熱を処理するために生じる現象です。中耳とか副鼻腔は、頭の中心の方まで入り込んでいるので、頭の熱を処理するのに大変都合よくできています。
気管支炎も起こりますが、これは喉頭(のど仏のあたり)から気管にかけての熱を処理しているのだろうと思います。
ところが、風邪をひくと扁桃腺に炎症を起こす人がいます。若い人、とくに男性に多い気がします。
扁桃腺は派手に膿が出ないので、熱の処理としてはとても効率が悪いように思います。そうか・・だから熱が出てバランスをとってるのかもしれません。
中耳炎と副鼻腔炎ではなく、気管支炎が起こる人、扁桃腺炎が起こる人とはどういう人なのでしょうか?
私は経絡にヒントがあるのではないかと考えています。ツボのことです。
関連する経絡に元々不調があるので、風邪の熱がスムーズに処理されずに、そういう炎症が起こるのではないかと考えています。
炎症を起こしやすい部分から、詰まっている経絡を想定して、鍼を打つのが体質の改善としては劇的に効果がでるのではないかと予想しています。
まだ研究が足りないので、詳細をお話できませんが、いずれそういう診療も取り入れていきたいと思います。
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2009年11月15日
Mステーションで放映されなかった部分~喉と体質
号外でも告知しましたが、TV朝日系列「ミュージックステーション」でビデオ出演をしました。
テレビを見ていて、本当に出演するのか心配な若者向けの番組でした(笑)。
平井堅さんは、花梨に龍角散のど飴を溶かして使っていらっしゃいます。この詳細は放映されませんでしたが、少し解説します。
花梨は元々咳止めとして使われています。香りが良いので、気の流れを調整する働きが強いと思います。あと、痰を通じて喉の熱を体の外に出す働きを龍角散が強めています。
しかも飴には薄荷が含まれていますので(飲んで確認しました)、喉を冷ます効果があるのだろうと思います。
どちらかというと、体格の良い、熱あまり傾向の方に向いていると思います。そんな人で歌いすぎの人、ストレスで声が出にくい人が対象になるでしょう。
Aikoさんはハチミツに大根おろしを混ぜて飲んでいます。これはテレビでも説明しましたが、ハチミツの喉を潤す効果と、大根の喉の熱を除く効果が合わさった、なかなか考えられた飲料だと思います。
この飲料にはとても大きな特徴があります。
食品には体のどの部分に効果が出やすいか、という帰経というものがあります。
ハチミツと大根の帰経は、粘膜と皮膚(この二つで中医学の「肺」です)、さらにどちらも胃腸(これは中医学の「脾」です)に効果があるのです。ハチミツは胃腸虚弱に対応して、空咳などにも用いられまし、大根も胃熱を除く作用があります。
この飲料は、喉を直接潤し冷ますだけでなく、胃腸の吸収を良くして、潤い成分を体が取り込みやすい状態を作るという面があるのです。
したがって、どちらかというと虚弱な乾き易い人が使うと効果的な飲料ということになるでしょう。お二人ともに、自分の体質に合ったものを選んでいるように思えます。
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2009年11月07日
何故なし診療2 ~ アレルギー疾患
「何故なし診療」は本当に深刻です。
アレルギーもそのひとつです。
これも大切だとは思いますが、自分の体がどの物質に反応するのか、とても気になるわけです。それを避ければ症状が出ないのですから。
でも、どうしてアレルギーになったの?
この視点が欠けているのがどうも気になります。
世の中全体のスピードが速くなっていて、段々熟成されてできたアレルギーのような病気はとても治療が難しくなっています。
一度薬を飲んで効果がないと、患者さんは不満なので、症状を即効性に抑える抗アレルギー剤を処方せざるを得ないこともしばしばです。私も新人の頃ら、抗アレルギー薬の治療がスタンダードと教育されてきたので、世の医師たちも皆、抗アレルギー剤を当たり前に使います。
抗アレルギー剤も必要な薬ですが、治療がそれだけ、というのはおかしいということを言いたいわけです。
あと、時間がないのも困ります。アレルギーの患者さんは以前よりも増えています。しかし仕事が速く進むわけではないので、考える時間が短くなるのは必然です。
それに、完治へのアプローチは、あれはダメ、これは摂ってとやたら煩雑で、その割に、効果はゆるゆるとしか感じられません。ゆるゆるとしか治って来ないと、何だかダメ医師のように自分でも感じられてしまいます。これは信念をもって治療に当たるしかないことです。
いつからか、咳が続く患者さんが多くなり、これも「咳喘息」とか「アレルギー性○○炎」とか言われるようになりました。喘息の吸入薬や抗アレルギー薬を使用するのが当たり前になっていますが、どうしてそういう患者さんが増えているの?という視点を他の医師から聞くことは少ないです。
単純ですけれど、睡眠の重要性やストレスを除くこと、休養の重要性を患者さんに説明する医師が増えてくることを望みます。
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2009年11月01日
「何故なし診療」への不満
「何故なし診療」って知っていますか?・・私の造語です(笑)。
これは本当に深刻ですよ。世の中を巣食う邪のような存在です。
先日、どこの医院か分かりませんが「上咽頭が腫れていますね。抗生物資を出しておきますね」と説明されたと患者さんから聞きました。
大して不満に思うことないじゃん?(関西では「ないやん?」ですね)って思いますか?
私はその医師には時間がなくて説明を省略したと思いたいのです。でも私の想像では、「赤い!はいっ抗生物質!」という診察が行われたのではないか、と疑ってしまいます。
何で腫れたの・・?という視点が欲しいわけです。
どんな視点でも良いのです。細菌学に興味がある先生でしたら、○●菌がついたので、赤くなってしまった、ということでもよいです。栄養面から攻めようという先生がいたら、検査をしてビタミンが足りないから腫れてしまった、ということもあり得るでしょう。何を食べたから腫れた、どんな生活をしたから赤くなった、何でもよいのです。何かないと。。。
私はいつも風邪との絡みで考えていますから、こう説明しました。
風邪を1週間弱前に発症して、風邪自体は9割治ったのですが、副鼻腔炎を 残した形で治ったようです。急性副鼻腔炎の喉に流れる鼻水で上咽頭が炎症を起こしたのでしょう。
これなら生じたきっかけから筋道が立っていますから、患者さんも次回から風邪に気を付けていれば、上咽頭が腫れることはなかろう、と思っていただけるのではないか、という細かいお話でした。
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2009年10月25日
インフルエンザの気の話の続き
インフルエンザがまだまだ猛威を奮っていますが、診察を重ねるごとに、その邪気を感じることができるようになった、というお話をしました。
インフルエンザの邪気は本当に独特の強さがあります。他の風邪とかでは全く感じないものです。発症直後でも体感で診断できますよ。
インフルエンザ迅速診断キット(鼻水を採取して調べる検査)の正診率が、新型の場合、一般には40-65%とされています(本当は10%くらいだと思っています)。でも私の感覚の方が、検出率が高いと思います(?)。
ところが、この前、そんな感じの強い邪気をもって診察室に入ってきた人で、具合も悪そうな人だったのですが、波動検査でインフルエンザではない人がいました。
げーっっ。違うの・・?? インフルエンザじゃないのかー?
実は疲れがひどく、のどが痛いのが取れなくなっている人でしたが、その人の口からは1型ヘルペスの波動を認めました。
ヘルペスには抗ウイルス剤がありますが、それに触れると炎症の波動がすーっと消えたのです。
ヘルペスでも同じ邪気が出るんだなー、と変に感心しました。
波動を感じているのだろうと思うので、その周波数と振幅を感じているのでしょう。インフルエンザとヘルペスの違いはその周波数の違いと考えられます。でもその違いまでは私の感覚では分からないようです。
うー、修行が足りん!
さらに音楽でも分かるように、波動には周波数と振幅に加えて、音色も大切な要素です。まだ病気にとって音色が何を表しているのか分かりませんが、だんだんいろんなことが明らかになっていくので、とても楽しいです♪
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2009年10月18日
インフルエンザに麻黄湯、という標語?はいかがなものか
ドクターの間ではこんなことが言われています。
「インフルエンザに麻黄湯」
データ重視のドクター達はみな、麻黄湯がインフルエンザの症状を除く効果が強いとか、総合感冒薬よりも麻黄湯の方が重症化しにくいというデータに飛びついているのです。タミフルよりも解熱剤の使用回数が少ないなどのデータもあるようです。
今更何を言っているのでしょうか?(苦笑)
漢方薬は基本的に体に対して働く薬であり、タミフルなどの治療薬はウイルスの増殖を抑える働きだけですから、麻黄湯の方が、効果発現が早いのは考えてみればあたりまえのことです。
総合感冒薬に至っては、インフルエンザのような強い邪気に対抗できるようにデザインされているとは思えませんから、これも麻黄湯に軍配が上がるのは当然でしょう。比較の対象がおかしいです。
大切なのは、どういう患者さんに、どのタイミングで麻黄湯を使用するか、ということなのです。
麻黄湯は漢方薬の中でもかなり副作用のある処方です。胃腸障害もでます。お子さんでも不眠、動悸といった症状が簡単に出ます。インフルエンザの時期によっては思わぬ喉の渇きに苦しめられることもあるでしょう。
麻黄湯は決してバランスの良い処方ではありません。実際には葛根湯とか、小青龍湯など、少し作用は弱くなるけれど、同じ傾向のもっとバランスの良い処方が好ましい場合が多いと私は思っています。
(注:麻黄湯がダメというつもりは毛頭ありません。念のため)
当院でも麻黄を含んだ処方をたくさん用いますが、麻黄湯を使いたくなることはあまりありません。こちらでも麻黄湯に頼る危険性を指摘しています。
何を考えているのか、麻黄湯を備蓄している医療機関もあると聞きます。生薬である麻黄が品薄になり、値段が上がっているとも聞きます。漢方薬の知識のある先生方から常識的な漢方処方が行われることを私は望みます。
漢方薬には副作用がないなんて、とんでもない誤解です。漢方薬は適切に使用されて、初めて副作用はほとんど生じないと言えるのです。
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2009年10月11日