どこまで毒で毒を制するか・・?

 先日ラジオを聴いていたら、生島ヒロシさんと東京女子医大の川嶋先生が話をしていて、電話をして合言葉を言って賞金をゲットするということをやっていました。その合言葉が川嶋先生らしかったです。

 「毒を毒で制するホメオパシー」

 確かに毒に対して少量の毒を使って、体が元に戻ろうとする反応を惹起しよう、というのがホメオパシーの根本原理になっています。

 先日、耳鼻咽喉科でホメオパシー医学会の先輩に、熱があるときにベラドンナを使ったのだけれど、全然熱が下がらず怖い思いをした、という話を聞きました。これの漢方薬版の話をしてみます。

 ベラドンナは生薬で言うと麻黄(まおう)で、みなさん御存知の葛根湯や小青竜湯にも入っています。感冒初期の熱があるときに葛根湯を使うところは、少しホメオパシーと似ていると言えます。

 ひどく熱が出ている患者さんは耳鼻科にはあまりいらっしゃいませんが、時としてそういう患者さんが来たとき、麻黄が入っている漢方薬を使うのは、原則ではあるけれど、時々難しいなあと感じます。

 私は感冒に対する解熱剤の悪い面をたくさん見てきているので、解熱剤を処方するのをためらってしまいます。

 しかし熱が高い患者さんに「熱を上げる薬を渡します」という説明を分かっていただくのも容易ではありませんし、増してもしも熱が下がらなかったら、という思いも頭をよぎりますから、正直なところどうするか少し迷います。

 まずは「寒さを取らないと風邪が治らないから」という説明をして、熱が出過ぎたときには減量して漢方薬を服薬するように指導することが多いです。

 解熱剤を処方するくらいなら何もしない、という選択肢もあり得ますが、これは一番患者さんが納得しにくい内容であることは間違いありません(笑)。

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2007年04月22日

海外新薬はの承認迅速化は朗報なのか?

 久しぶりに時事問題について語ってみます。

 4月19日の日経に「海外新薬 1年半で承認」という記事がありました。

 欧米で使われる薬が国内では使えないことを「ドラッグラグ」というそうで早く新薬を導入できることは朗報である、という記事でした。

 本当に朗報ですか・・?私は、また薬が増えるのか、という気持ちです。

 確かに海外にしかない薬の使用を待ち望んでいる人たちにとっては朗報でしょう。しかし昨今の新薬開発を見ていると、本当に必要があるのかどうか考えたくなってしまう薬がたくさんあるように感じます。例えば抗生物質でも、少し化学構造を変える事で販売される薬の何と多いことでしょう。

 こんな本もありますよ。古くて安くて効果が確実な薬を集めたリストです。まあこの本が全てを表しているとは思いませんが、参考にはなります。

 ★『世界のエッセンシャルドラッグ』★

 薬の効き方が違う、副作用が少ない。確かにいろいろ理由もあるでしょう。創薬の発展の過程として仕方のない部分もあるでしょう。

 ただ薬の種類が増えることにより、薬の在庫も必要になるし、クリニックの処方薬のリスト管理も大変です。紛らわしい名前の薬も増えて、間違いの元でもありますし、他院でどの薬が出ているのか、最近ではいちいち調べないと分からないことも多いです。

 厚労省は個々の状態に合わせたテーラーメイド医療を推進しているのかと思っていましたが、男女差も無視している現状の上に、人種差や国情まで無視してしまうのか・・?ちょっと批判的に考えてしまいます。

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2007年04月21日

風邪初期。ぞくぞく鼻水の対処について

 みなさんは風邪でぞくぞくしたことがありますか?

 あるに決まっているぞー!と思った方は正常です。でも私自身がそれを明確に感じるようになったのは、実はつい最近のことです。

 気合が乗っていると寒気は感じないものなのです。仕事をやりまくっている方、夢中に何かを作っている方、そういう人たちは風邪初期の寒気がなくなってしまうのです。私の場合にはこれに該当するかもしれません。

 そういう意味では、ぞくぞくすることに意識が向くようになったから、寒気を感じやすくなったと言えるかもしれません。

 病初期の寒気はすぐに収まります。1-2日寝ていると、インフルエンザでない限り、ほとんどの場合になくなってしまいます。病初期のポイントは、喉がまだ痛くない、ということです。喉が痛ければ、病初期でないか、その前にひいた風邪の影響が残っている、ということになります。

 この間に出やすい症状は水のような鼻水です。よく花粉症になったと来られる患者さんもいらっしゃいます。この鼻水を止めるために総合感冒薬を使用する場合がよくありますが、これはお勧めできません。

 総合感冒薬には大抵、アセトアミノフェンが含まれています。あるいはイブプロフェンでしょうか。いずれも解熱効果を有しています。ぞくぞくしているときにこれらの感冒薬を使うと寒さが増してしまい、風邪が治りにくくなります。

 感冒初期にたくさん水のような鼻水が出る時に、最も頼りになるのは小青竜湯です。

 ドラッグストアで売ってるよー、とか、花粉症の薬じゃないの?という人もいるかもしれませんね。

 しかしこの漢方処方は、麻黄という生薬を含んだ葛根湯の仲間です。風邪の葛根湯に鼻水を止める力を増強したものと考えて下さい。

 それと、必ずお湯で飲んで下さいね。ドリンク剤を冷たいまま飲んでもあまり効果はでないと思います。

 みなさん、試してみてください!

 ・・・でも風邪の始まりであることが分かるかどうかが勝負です!

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2007年04月15日

春の衣服の選び方について

 春めいて来ましたね。

 三寒四温とは言いますが、東京は4月1日は最高気温24.5度でした。これは半袖でも十分な気温です。大体、半袖で快適なのは23度前後だと思います。

 ところが、4月3日から4日は最高気温が12から13度です。これだとセータ-の上に最低でも薄手のコートが必要な気温です。

 こういう急激な気温差がある上に、最低気温と最高気温の間にも大きな較差があるわけですからとても過ごし易いとは言えないですよね。

 暑い日があるとついその流れで薄手の服を選んでしまいがちです。実際に、4月3日から4日に寒くて風邪をひいてしまった、という人はとても多かったように思いました。

 ファッションを気にする人には不向きかもしれませんが、私は気温データを元にして健康を機械的に守るという方法を独自に実践しています。これなら誰にでも簡単に健康管理ができます。

 私は、23度(半袖)を基準に3度下がる毎に服装を変えるように考えています。20度(長袖)、17度(長袖+セーター)、14度(さらにコート)。あとはさらに衣服の厚みでカバーしていくわけです。

 実際に、この14度から23度の気温の変化がめまぐるしいから風邪をひいているという人がとても多いのです。だからこういう情報が役に立つのではないかと思って公開してみました。みなさん如何でしょう?

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2007年04月07日

天気予報の報道に関して3題

 最近、天気予報の報道の内容についていろいろ考えさせられます。

 1)最低気温にも注目したい!

 天気予報で天気と最高気温が主に発表されます。

 これは農家の人が多かった頃の名残なのか、あるいは外の仕事の人が多かった時代の名残なのではないかと感じてしまいます。

 まあ、営業マンなど昼に移動の多い人には役に立ちますね。私のように早朝と夜間に移動することが多く、あまり役に立たない、という人も少なくないでしょう。

 最高気温が高いからと出かけてみると、帰宅時には放射冷却ですごい寒い思いをすることも結構あります。朝の天気予報で朝夕の天気と気温を報道してもらいたいものです。

 最低気温は早朝の気温を反映していると言えるかもしれません。しかし何故か、夜の天気予報で最低気温に注目している人はあまり見かけません。健康維持には最低気温も大切であることを受け手側も認識する必要があります。

 2)月齢も分かると良い

 病気と月齢の関係を考えるようになってからは、月齢も天気予報で伝えてもらえないものかと思います。

 私はいつも月齢を調べるとき、実はビックカメラでもらったカレンダーを見ることがほとんどです。こういうサイトもありますけれど、わざわざ情報を得なければ知ることはできないのが不便です。

 今日の月齢
 
 3)スギ花粉飛散量は、数十個と数百個で表現を分けたほうが実用的!

 スギ花粉症はみなさん如何でしょうか?暖かくなってまた飛散が多くなっているようですね。先週は月曜日にとても飛散が多かったので、症状が出る人は大変です。

 スギ花粉報道は30個/cm2以上で「多い」になってしまいます(何故か気象庁のホームページにはこの分類が掲載されていません)。私は花粉症になってしまうのは大量飛散日(数百個/cm2くらいかな?)にそれを浴びてしまうせいだと考えているのです(私見です)。

 だからそういう日が分かるような報道が成される方が良いのではないかと個人的には思っています。毎日「多い」「非常に多い」と繰り返されると、受け側も耳慣れてしまうのではないかと思います。

 花粉情報

 さてさて、みなさんはどうお感じになりますか??

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2007年04月01日

めまい、耳鳴の患者さんが増えてきました

 気候が変わりましたね。日差しが暖かになりました。

 テレビではインフルエンザがまだ流行しているようなことが言われているようですが、もうインフルエンザは終わりました。みなさんの周りはいかがですか?

 花粉症も昨年同様の早い店じまいでした。東京では3月10日ごろに大きな飛散がありましたが、以後は収まる一方です。

 病気の様相としては4月初旬に突入したような感じがしています。

 さて!そこで出てきた病気があるのです。何でしょうか。

 実は、ここ数日、急激にめまい、耳鳴の患者さんが増えてきました。

 いつも思うのですが、どうしてなのかよく分からないのです(悩)。

 みんな「気圧が・・・」と知っているかのように言っていますけれど、そんなに簡単なものとは思えないのです。

 気象庁のホームページを見ると、確かに3月5日ごろから10日間くらい、少し気圧が低かったとは思います。しかしめまいを起こした患者さんが2週間以上経過してから来院している様子はありません。

 気圧の変化が分かるというリウマチ患者さんの話を聞いたことがありますが、私はこれは湿度の変化を感じているのではないかと考えています。でも確かにめまいや耳鳴の流行には周期性があるように感じられます。では一体何が我々の健康を左右しているのでしょうか?

 私はコレではないかと思っているのですよ。

 バイオタイド 月

 月の引力はかなり圧力としては大きいらしいです。これなら天気の様相よりも定常的に気圧に変化を起こし得るでしょう。新月のときなら太陽―月―地球の並びになりますから、最も気圧を下げる可能性があります。

 そういう意味から考えると、3月で最も気圧が下がりそうなのは19日です。そして数日で病院へ行ったということであれば辻褄が合います。もしもそういうことで病気が起こるなら、夏至の新月のときが一番生じやすいと言えそうです。今年は6月15日ですね。そのころに同じことが起きるかどうか楽しみ(失礼!)です。

 月の魔力
 

 この件について、読者の方たちで何かお感じになられた方はご意見をお寄せ下さい。誰も真実はまだ知らないのです。

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2007年03月25日

風邪vs花粉症 最終章

 今までずっと風邪と花粉症を見分けることに時間を費やしてきました。

 喉の赤み、脈の沈み、寒気の有無が風邪と判断する根拠でした。

 喉の赤みは鼻づまりによる口呼吸からも生じることがあると自分でも感じていましたから、そこは十分に注意して鑑別を進めていました。

 ところが・・・

 ある疑問が私の中に芽生えてしまいました。否定しても否定しきれないこの疑問を誰かに解いてもらわねば!そこで・・・

 私ははじめて東洋医学を習った浅岡俊之先生の講演を聴きに行きました。

 東京漢方入門講座

 そこで私は思いきって、浅岡先生に尋ねました。

 「もしかして東洋医学的には風邪も花粉症も同じものなのではないですか?」

 私にとっては今までの診療姿勢の完全な自己否定ですから、かなり思い切った質問なのです。しかし浅岡先生は事もなげに

 「そうだよ」

 とおっしゃいました。外からやってくる邪なものに対して体が反応している、その反応の仕方はどちらも変わらないのです。しかし、一時点で判断するから、どちらかのように見えてしまう、そういうことなのでしょう。

 私がいままで風邪と花粉症を必死により分けていたことは何だったのでしょうか?(苦笑)

 漢方の世界では病因の如何を問わないということなのでしょう。まあそりゃ、漢方薬は自分に働く薬ですから、体の状態こそが大切です。そうか!漢方薬を正しく出していればはずれはない、ということになりますね。

 今後も徒労に終わるかもしれませんが、風邪なのか、花粉症なのかという西洋医の視点をまだ持っておこうとは思っています。ただ、私の診断と治療は今後少し匙加減か変わるかもしれません。。。

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2007年03月18日

かかったかな?と思ったら・・・(私の場合)

 風邪の診察をしていると、どうしても風邪をうつされてしまうことがあります。インフルエンザも例外ではなく、先日もちょっと油断していて「もらったかな?」と感じたことがありました。

 私の場合おかしいと感じるのは、うつりそうなやりとりがあった後、5人くらい診察していると、ぼーっとしたり、だるくなったり、先日インフルエンザをもらった感じがしたときには動悸がしました。あくまで雰囲気ですが。

 当然、診察をしながら内心、まずいまずいと思っています。その時点で患者さんにうつしてしまうことはありませんが、自分の体調は転げ落ちるように悪くなる予感がします。

 <<よいですか!!ここで耐えてしまうとダメなのです。>>

 初期症状がでる2日間を乗り切ると、風邪が体に入っていく過程で一時小康状態になるからです。大半の人たちはここで、治ったと判断するか、何事もなかったと判断するようです。

 しかし!実際にはさらに2日くらい経過すると喉が痛くなってきます。そうなると、人によっては痰が出たり、咳が出たりでその後1週間くらい苦しむことになります。

 さてさて私の場合、かかったかな?と思ったら、たとえ診察中でもまずお湯を沸かします。これは診察が一段落したときに漢方薬を飲む準備なのです。

 そして体を温める漢方薬(葛根湯など)を熱めの湯で飲んで、みかんや飲料などでビタミンCを補給してとにかく寝ます。昼寝だと1時間程度ですが、午後の診療は十分できるようになります。そしてその日は早く帰り寝る!!とにかく自信が持てるまで最大限寝ます。

 ときには栄養ドリンク剤を使って半日だけ持たせることもありますけど、そのときにはあとでよく休養することが重要です。

 結局、今シーズンは1度も風邪らしい風邪はひかずに仕事を続けています。

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2007年03月11日