学会に思うこと

漢方に関する医学会では、漢方処方に関するエビデンスを集めるのに必死である。「○○病に△△湯を用いたらXX%の患者さんが良くなった」とか、そういうことである。

でも・・・
○○病とか、XX%というのは西洋医学の統計医学的側面なのではないのだろうか?つまり有効率の高さを競う治療である。東洋医学は証が合致すれば必ず効果の出るはずの治療方法であり、治療効果がでないなら、証を取り違えている、ということなのだと思う。

だからある意味、東洋医学は理想的には有効率は100%であり、それを目指して日々研鑽をするというのが私の考える東洋医学なのである。従って治療が上手くいかないとき、薬が悪いのが西洋医学、見立てが不十分と反省するのが東洋医学である。

そう考えている私なので、西洋薬が効くとホッとするが、漢方薬が効くととても嬉しい。西洋薬が効かないと何だか腹立たしいが、漢方薬が効かないとみじめな気持ちになる。

余談だが、医師が治療がうまくいかないときに患者さんに辛くあたることがあるかもしれないが(私は非協力的でなければ辛くあたることはありません)、これは西洋医学の、いや西洋の特性なのではないだろうか?と思ったりして。

2005年07月08日

漢方医学の会合

正式名称は忘れてしまったが、渋谷漢方の会合に出席した。

漢方の勉強会にありがちな総花的なものでもなかったし、くそまじめな会でもなかったし、久々になかなか良い会合であったように思う。

ストレスがテーマであったのだが、これは現代社会では大変に大きなテーマである。ストレスから生じる病気が多い昨今、やはり臓器別に考える西洋医学よりも心身一如の東洋医学の方に自分としては魅力を感じる。

東洋医学のみで勝負している人たちの話には本当に深みを感じる。今日の講師の先生にも何か人間力というのであろうか、感じるものがあった。

かたや、私の診察は東西のちゃんぽんで、都合の良い方を取ったり、両方の理論を使ったりしている。人間も八方美人的で診察と同じ感じ(笑)。

2005年07月06日

病気の傾向

ここのところ雨模様の日が続いているせいか、めまい、難聴の患者さんが増えてきました。

と思っていたら、7月1日ごろに気温の変化が激しくなったためか(特に夜寒くなったせいかな?)、そのあたりから調子を落としている方が大変に多くなっているのに気づきました。

でも夏の定番、ヘルパンギナが近隣の保育園で大流行しているようで、夏も一歩一歩近づいているという印象です(ヘルパンギナ;子どものウイルス性口内炎で夏に流行することが多い)。

やっぱり気管支炎の方が多いです。絶対に湿気が多くなる時期に罹患する人が多いと思うのだがどうでしょう?ある程度水分が蒸発していくことが健康な気管を維持するために必要なのかしら?と思います。つまり、水が飛ばないから熱がこもるという仮説なのですが、、、、。

2005年07月06日

クーラーの季節

クーラーが必要な季節になってきた。

昔の私の家には勉強部屋にだけクーラーがついていた。父に事務所にも、居間にもクーラーはなかった。それが当たり前の生活だったのだが、現在ではクーラーがあって当たり前の生活である。

ちょっとクーラーのせいかな?と思うような副鼻腔炎が増えてきている。こういう患者さんが夏には少し増えてくる。私は寒がりなのでそう思うのかもしれないが、どこに行っても冷えすぎなのではないだろうか。

そうそう、生鮮食料品を扱う店などは店全体が冷蔵庫のようだ。こういうところで働く人たちには苦労が多いと聞く。食料品を扱わない場所にはクーラーがなかったりするようで、暑いところと寒いところを行ったり来たりしなくてはならないこともあるようだ。

百貨店の販売員なども、職場で冷えるのを防ぐために上着を着るように勧めている。しかし、彼らは見た目が良くないから上着は着られないと言う。案外、やってきている人たちも少し寒いと思っていて、上着を着ていることもある。だったらみんなで少し暑いのを我慢した方が合理的なのではないだろうか?

摂食も飲水も何でもそうなのだが、本当に必要なもの、本当に必要なことをもう少し考える世の中にならないだろうか?と思う。

汗をかきたくない、という考え方が広がっているが、健康を考えるとこれは正しい考え方とは言えないと思っている。

まとまりがないけれどおしまい。

2005年06月27日

耳の痒み

今日(昨日だ!)、医師で尊敬する大先輩と話をしたときに面白い話が出てきた。

「子ども達が耳を痒がるのは、多分睡眠不足のせいだぞ」

これには私も賛成である。東洋医学的には睡眠不足は気の上衝を呼び込んで首から上に熱感をもたらすのだと思っている。最近は東洋医学を学んでいるので、こういう発言に素直に賛成できる。

どうしてこの先輩先生は東洋医学を学んでいないのに、こういうことに気づくのだろうか?睡眠不足に原因を求めるなんて、東洋医学的な考え方だと思う。

大人で同じような現象が生じるのも同じ理由であろう。大人はストレスかな?

2005年06月26日

雑文

「ブログを見て来ました」という患者さんが少なくない。

そこで思うのは、
1.案外、自分の言わんとするところが伝わっていること
2.案外、みんなが一般的な医療のレベルでは満足していないこと
である。

特に、みんながやっている(私もやっています)西洋医学は懐が浅い。「データ上○○だから、もう治りません」なんて結構簡単に言ってしまう。

でも、人間は人それぞれだから、西洋医学的には不可解なことも起こり得るだろう。そこに期待を繋いでいる人たちもいるわけである。ただ、医師があきらめた時点でその人たちはThe endになってしまう。

私が、私の家族が患者なら諦めて欲しくない。だからそれを考えながら自分もやって行きたい。

ただ・・・
今日はたまたま二人で診察していたので、じっくり話を聞くことができたのであるが、いつもこうだとは限らない。構想としては、いつもじっくり話を聞けるだけの体制を作ることを考えている。ただ、いつもバイト医師と診察するようなゆとりは全くないので、自分の時間のゆとりをどう作るか、これが問題である。まあ、いろいろ考えてはいるけれど、うまく行くかなあ。

2005年06月26日

今日も・・

今日もいろいろな人たちに来ていただきました。

今日の行きがけに、「そういえば最近、治らないっていう事を言われなくなったなあ。やっぱり漢方の知識も、詳細をとことん聞く胆力も何でも総動員して治療している成果がとうとう出てきたなあ。」なーんて考えていたわけです。

でもやはりそれは甘い甘い考えでした。

「まあだいたい良いのですけれど、、、」

「仕事中に#$%&・・」

こんな患者さんがちらほら。。。本当に自分の力不足が申し訳ないのですが、ただ今のところこれが自分の全力であるのも事実です。

漢方の勉強を始めたときのように、やはりもうひとつ何か欲しいと感じます。西洋医学の縦糸と、東洋医学の横糸、そしてもうひとつ欲しい。精油(アロマの)に関する本をアマゾンで買ってみようと思って買い物かごに入れてありますが買うか買わぬか。。。そしてまだ横糸も少し弱いので強化しなくてはと思い、また日々鍛錬している今日この頃です。

日常の診療にご不満を持たれた皆様(たくさん居られたら悲しいですがー)、完璧診療まではまだしばらくお待ち下さいませ。日々努力中でございます。

2005年06月24日

のどの痛み

今日の診察では季節柄、耳が痒くなったり、めまいがしたり、聞こえがおかしくなったりという診察もあったのだが、今日は喉の診察について考えてみたい。

風邪をひいた人は、「喉が痛くなった」と言って診察室に来られる。この時点ですでに風邪を発症して数日経過していることが多い。それを指摘して発症日を推測するためにいろいろ質問する、というのが私の常道なのだが、最近ではなかなかさかのぼれない。それは何故か?

これは推測なのだが、風邪の病歴をさかのぼれない人たち、つまり風邪という自覚を持たずに喉が痛いと言って来られた人たちは、決まってかなり多忙な人たちである。したがって、そのハイテンションによってだるさとか寒気は飛んでしまい、熱でさえ発散して微熱程度で済んでしまっているのだと思う。

そうして喉が痛いと言って初めて診察室にやってくる、これが真実なのではないだろうか?たかが喉の痛みなのであるが、こんがらがった糸をほぐしてより正確に処方を出すためには結構いろいろ考えざるを得ない。

喉の痛みにもなかなか取れないものがあるのは確かである。例えば不適切に消炎鎮痛剤が使われてかえって痛みが増したり、微熱が取れなくなったりすることも少なくないが、あまり一般には知られていないのは残念である。

今日は「喉の痛みがずっと取れない」と言って来られた患者さんが居られた。折角遠方から来られた方だったので、自分なりに集中して対処した。私はその患者さんには漢方処方で対応してみたのだが、満足のいく結果になったであろうか?その方は知り合いの紹介で来られた。喉の痛みで紹介してくれたその紹介者の方にも、わざわざ来ていただいたその患者さんにも、この場を借りて御礼を申し上げる次第である。

2005年06月21日

子どもにまつわる話

こどもの診察は面白い。けれど大人にはない難しさがあるように思う。難しいからこそ挑戦しがいがあるのもまた事実である。

今日は幼稚園か、というくらいに子どもばかりの診察であった。自分に子どもが生まれる前は、子どもの診察が得意です、と言える事はなかったように思う。ただ子育てに自分なりに真剣に取り組み、いろいろ悩んだりしているうちに、少しやり方が分かってきた面があるように感じている。

子どもは症状を言わないし、所見も取りにくい。圧倒的な情報不足の中であれこれ推論をしつつ、日々診療の精度を高めているつもりである。そんな中で案外、日常生活に落とし穴がたくさんあることに気づかされる。この季節はとにかく寝冷えが多い。私にはこの季節を乗り切るための独自の理論がある。現在うちの子供たちでそれを検証しているところである。そのうち披露することができるかもしれない。

さて、昔は父親が厳しく、母親が甘いという家庭が多かったように思う。私もそういう両親に育てられた。子どもを育てるときに何か威厳のようなもの、筋の通ったものを見せつけるのが私は必要ではないか、と考えている。父親が忙しさゆえに子育てに関わることがだんだんできなくなり、その分、母親がどんどん厳しくなっている感じがする。

果たして母親が子どもに対して威厳を示すことができるだろうか?特に理由はないが答えはNOである。やはり父親には威厳を、母親には優しさを求めたい。これが自然な家族のあり方ではないだろうか?考え方が古いかな?

いろんな子ども達を見ていて感じるのだが、子ども達の精神的な安定をもたらしているのは、父親の子どもに対する接し方と、母親の優しさ特に声かけの量であると思ったので、ついついこんなことを書いてしまいました。

2005年06月19日

子ども達の管理~私流

今日も微妙な気温で夜を迎えた。子ども達の寝具をどう管理していくか、ということである。

もっと暑くなれば半そでのまま転がしておけば、窓さえ開けなければ問題ない。もっと寒くなればカーディガンをさっさと着せてしまうところである。

でも子ども達は何となく汗ばんでいて長袖のパジャマを着ているのに、これ以上必要なのか??と疑念が湧いてくる。

昨日はその疑念に負けて、データ上は絶対にカーディガンを着せるべきとは思ったのであるが、何となく自分の感覚におぼれてしまい、そのまま子ども達を転がしておいた。

すると子ども2人共に起きたときから「のどが痛い~」ということになってしまった。やはりデータは感覚よりも大切なのか!痛く反省した次第。

今日は鬼になって上着を一枚着せて寝ようと思っている。でもできるだけ遅くに、と思ってこんな時間になってしまっている。いつも眠いはずである(苦笑)。

2005年06月16日