花粉症で気になること2

花粉症でもうひとつ気になることがあった。「○○医院で渡された薬が効かない!」と言って多数の患者さんが訪れるのだけれど、「じゃあ何て言う薬をもらったの?」と聞くと答えられる人はほとんどいない。

なんでこんなことが起こるのか?といろいろ考えてみた。結論は、『花粉症に効く薬と効かない薬がある』という考え方に根幹があるのかな?と思った。つまり・・・

花粉症の薬の効き方は、
・薬の強さ
・本人の症状の強さ
・その日の花粉の量
に左右される。考えてみれば当たり前だが、世間では効果が出ない時には全て薬が悪者になってしまう。でも効果の悪い薬が出されているだけではないのです。

特にその日の花粉の量には注意を払いましょう。

2005年04月07日

花粉症で気になること

花粉症の患者さんを見ていてとても気になることがある。

ひとつは去年出なかったから治ったのだと思っていた、と発言する人が大変に多いことだ。私達は仕事で花粉症を扱うので、昨年は記録的に花粉飛散量が少なかったことを知っている。しかし患者さんは当然そんなことは知らないわけだ。

花粉症は病気ではない、という向きもあるが、重症の患者さんを診るにつけ、やはりこれは病気と認識せざるを得ない。病気であるという認識が広がればもう少し花粉の量に気を配るようにみんながなっていくのではないだろうか?

もうひとつは患者さんが花粉症はすぐに治せるはずである、と思っていることである。確かに鼻水やくしゃみは日常のものであるので、それを止めることは簡単であると考えられてもしかたがないが、それなりに用意周到に年初から対処しておくことが重要である。幸い今年は減感作療法を5-6月から始めたい、という患者さんが4-5人いらっしゃる。これは良い傾向であると思う。

簡単に治したいがためにステロイドホルモンを注射したり、レーザーで鼻を焼いたりという治療に安易に走るのはどうかと思っている。どちらも劇的によくなる治療ではあるのだが、どういう治療なのかよく考えてから受けるようにしていただきたい(私はどちらもやりません)。何でも一度は受け入れてしまうというのが日本人の悪いところであると思う。

そんな花粉症もだんだん終わりが近づいてきていて、ちょっとホッとする。

2005年04月05日

桔梗

2c4b1e0f.jpg先日、患者さんがこんなことを言っていた。

この薬は良い!今までなかなか取れなかった喉の痛みがこの薬だと取れる!

私はこれが大変に嬉しかった。というのは・・・、
どこでも喉が痛いと言えば消炎鎮痛剤を使う。それでもダメなら抗生物質か?しかし、実際にはそれではダメな痛みの方がはるかに多い。それに気づいているこの患者さんのような人は案外多いのではなかろうか?

風邪のとき、何かの理由で喉が渇きで痛みが出たとき、渇きの体質の人、そういう人の喉の痛みには桔梗が効果を発揮する。先日も医者の友人が桔梗湯が効くと実体験を話していた。私は潤す効果の期待して桔梗石膏を多用する。

桔梗(写真は(株)ツムラのホームページより)はいろいろな処方に入っているが、やはり桔梗の効能がより強く出るのは、桔梗湯、桔梗石膏ではないだろうか?

あまり去痰に効果があるという実感はなく、乾いた感じに有効であると思うのは桔梗よりも石膏の効果を強く感じているのか?

私は平素、痛みなら痛み止め、効かなければ抗生物質、という短絡的な医療に警鐘を鳴らしたいと思っている。痛み止めが悪いと言うことではなく、使うべきときとそうでない時があるということである。こういうことをわかってくれる患者さんが増えると市中の医療も変化するだろう。

2005年04月03日

めまい、耳鳴り

少し空気が湿気を帯びてきたと思っていたら、めまいと耳鳴りの症状を訴える人が増えてきた。天気が悪いときに限ってそういう人が多く来院する。

東洋医学的にはめまいも耳鳴りも水毒である。水の調節がうまく行かないために、首から上の水分が過剰になり症状が出るという理屈である。

水の調節がうまく行かない人たちに2通りあることを従来より主張している(けれど誰も賛同はしてくれません(苦笑))。

ひとつは朝に具合が悪くなるパターンである。これは朝にむくんだりするのと同じで冷えが背景にあり、朝に体が温まるまで水の流れがスムーズに行かないために(恐らく神経の)むくみにより症状がでる。こういう場合には温めて水の流れを作ってやる必要が生じる。

もうひとつはストレスから気逆の状態になり首から上の水がうまく巡らない状況になり、症状が出てくる状態が考えられる。この特徴は午後、特に仕事が終わる夕方にかけて症状が出てくるのが特徴である。こういう場合には気を降ろしつつ水をめぐらせる治療が必要になってくる。

水を意識してたくさん飲んでいる人も少なくない。特に年をとった人に限って必要ないのに無理して水をたくさん飲む傾向にある。これはメディアの影響と思うが、全くナンセンスであると思う。必要なだけきちんと水分は摂取すれば良いのだ!こういう人たちがこの季節に上記のような症状で苦しむのである。

なかなか西洋医学とは相容れない考え方であるが、特に耳鳴りは西洋医学の治療が行き詰っているだけに、こういう東洋医学的見方が必要になっていると思う。どういう耳鳴りにも神経を回復させるために循環改善剤などを投与して、あとは観察のみ、というスタイルはあまりにさびしい感じがする。

2005年03月30日

花粉症

花粉症の患者さんが溢れている。

今日、駅から仕事場に至るまでにすれ違った70人のうちマスクをしていた人は自分を含めて7人。ゴーグルをしていたのは自分だけだった。

マスクをしている人が10%だが、これはすこし少ない印象である。花粉症の人は全国で人口の約20%なのでその半分が対策をしているとすればそんなものか・・・。

花粉を浴びるほどに症状が増強するということは案外知られていないが、それを考えると罹患していない人でも十分な予防対策を考える必要がある。

私は移動を8時以前、19時以降にしているが、これも(もともとそうなのだが)花粉対策の一環と考えている。

明日も相当量の花粉が飛ぶようである。屋外で遊ぶ予定のあるうちの子供たちには、発症はしていないがマスクとゴーグルを着用することを義務付けている。やりすぎという意見もあるが、花粉症になってしまってからでは遅いと思うので、子供たちには言い聞かせて着用させている。

花粉症も予防を真剣に考えるときが来ていると思うが、ひどい花粉症になってしまった人には減感作を勧めている。

2005年03月30日

子供

子供の診察は難しい。今日も思ったのだけれど、病気の移ろいが速くてなかなか病気の実態を捉えるのが難しいことが多い。病気になったらすぐに診察できるわけではないので、風邪ですか?アレルギーですか?と聞かれてちょっと返答に詰まることもある。

そういう難しさと子供特有の恐怖感による診察の困難さもある。これを克服するのは大変だが、子供の側がその恐怖を乗り越えるのはもっと大変なことである。その診察が大丈夫なものである、自分のためになる、という確信をこちらが与えてあげなくてはその恐怖をなかなか乗り越えられないだろう。

と思っていたら、ちょっと気になることがちらほら見られた。
「この子にできるかしら?」
「病院では必ず泣くんですよ」
という親御さんの発言である。確かに本音なのかもしれない。でも診察は怖いものではない、あなたのためだよ、という確信を与えようと必死になっているところにちょっと水を差される感じがする。ちょっと正直すぎる。

せめて子供の前でないところで発言してもらえると良い。子供は自分の自信が持てるかどうかの瀬戸際にいるわけである。プラスの暗示があると「できるかもしれない!」という気持ちにもなると思う。でもマイナスの暗示があると「やっぱりできないのかな?」という気持ちになってしまうのではないだろうか?

あー、自分の子育ての態度に跳ね返ってくるなあ。。。

2005年03月27日

覚書

今日は覚書です。

1.睡眠時無呼吸
   アンダーバイトにして無呼吸を治療するというマウスピースが
   ナント通販で売っているとのこと
2.今日の子どもとのやり取り
   今日はちょっと厳しく言い過ぎてしまったかな。泣かせてしまった。
   ちょっと口の効き方が気になって厳しく言ってしまった。
3.今日感じたこと
   ポケットに手を入れたまま診察を受けるのはちょっとあんまりだと
   思った。
4.風邪と生理痛
   風邪をひいて解熱しない方が良いと思っていても生理痛で
   痛み止めを使ったと言われると何もいえないな。
5.めまい
   やはりめまいの患者さんが増えた。今日も結構大きいめまいの人が3人。
6.咳
   話すと咳が出る、という症状の時には燥証による咳嗽が考えられる。
7.花粉症
   月見草オイルが効果があるということで売られているという。
   本当か?根拠はあるのか?

2005年03月25日

めまい

めまいの中でも水によるめまいであると思われる方を時々診察する。2日続けて湿気の多い日になったためか、めまいの患者さんは多い。

その中でも、水のみを意識して行っている人が二人居られた。私の考えでは水は体が求めるだけ飲むのが正しい。意識して飲んだってその水がずっと血管内にとどまるはずはないし、サードスペースに逃げた水が冷えなどの多彩な症状の原因になる。めまいもそのひとつである。

耳鼻科なので口の中を見る機会が多いが、舌が腫れているひとには必ずと言って良いほど頭痛の症状がある。それとともにめまいがあることが時々ある。私はどこに行っても異常がないと言われる、というそういう患者さんに水を処理する漢方薬を用いている。さて、今回はどうなるだろうか?

みんな水はたくさん飲んだ方が良いと思っているようだが、それで良いのだろうか?水が容易に入手できない地方の人たちはそんなに不健康だろうか?血液がどろどろだからとか、糖尿病だからとか言う理由で水をがばがば飲むのはマスメディアが言っているように本当に正しいのだろうか??

2005年03月25日

気候の変化

気候が激しく変化する今日この頃である。何だか気分の優れない人もいるに違いない。それを医師の側も「季節の変わり目」という言葉で説明するが、これって説明になっているのだろうか?

季節が何をもって変わろうとしているのか。

気象庁のホームページから(今、ひょうが降ってきた。初めての経験だ!)、今月の気象情報を確認してみた。特徴的なのは

1日から23日までで
・平均相対湿度60%以上の日が7日ある(2月は6日)
・最小相対湿度50%以上の日が5日ある(2月は4日)
・最高気温15度以上の日が8日ある(2月は1日)
・最低気温7度以上の日が7日ある(2月は0日)
・瞬間最大風速20m以上の日が5日ある(2月は6日)

う~ん、湿度が大きく違うと思ったけれど、気温が一番大きく違うんだな。。でも湿度の高い日も明らかに多い。

2005年03月25日

子供とのつきあい方

今日も病院では子供達の泣き叫ぶ声がする。

「ちょっとまってー」
『頑張りなさい』

やや冷たい気もするが、親としては子供達にしっかりして欲しいところ。まあ分からないでもない。でも、

「痛いよ。いたい~」
『まだ痛いことはしてない!』『痛くない!』

何て会話が聞こえてくると、子供を下に見ている大人の気持ちが透けてくる。痛いかどうかの主体は子供達である。大人ではない。それを意識していないと子供はいつまでたっても大人たちを受容せず泣き叫んでしまうのである。

「痛いよ」に対しては、
『そう。痛いけれど○○だから我慢しなさい」

と諭していくのが良い対応であると私は思っている。まず受容すること。その時にはうまく行かないこともあるけれど、将来まで受容されたという感覚は子供の側に絶対に残ると信じている。

子供の側にも受容されないと治療は上手くいかない。

そこで、急に中耳炎の話。
耐性菌と言って薬の効きの悪い菌がはびこっているため、急性中耳炎は鼓膜を切って膿を出すのが当然!という風潮である。しかしこの論理には菌と薬と管理する医師の登場はあるけれど、菌を持っている子供のことは忘れられている。

いくらその時に施した良い治療でも、その後から子供が医師あるいは病院不審を持ってしまうと、その後のその子のさまざまな病気の治療に影響が出る可能性がある。確かに菌が死ぬことや数が減ることも重要かもしれないが、子供が病院をいやがらずに健やかに育つことも忘れないでいてもらいたい。

なんだか小児科医のコメントのようだ。。。

2005年03月24日