第3回耳鼻科漢方懇話会

第3回耳鼻科漢方懇話会を京王プラザホテルで行いました。

京王プラザホテルは身の丈を超える場所であるのですが、準備中に場所がなかなか定まらずマツイさんにお願いして取っていただいたものです。この場を借りて御礼申し上げます。

さて、毎回申し上げることですが、東洋医学を学ぶ目的は漢方薬を効果的に処方することではありません。これはあくまでも手段です。診察の中に東洋医学的視点を持つということが一番大切であると思っています。

西洋医学と東洋医学は、良いところ悪いところが全く違うし、見えるもの見えないものもかなり異なります。そういう両者の良いところ、見えるものを各々の診察に取り入れ2次元的診察をするということが一番大切な目的です。

自分個人的には、さらに各国伝統医学、代替医療も広く(浅くなるかな?)学び、多次元医療を構築していきたいと思っています。でもこうなってしまったら最早耳鼻科医ではなくなってしまうか?(笑)。まずは漢方薬を耳鼻科医が使いやすいツールであることに気づいてもらうように情報を提供し、耳鼻科用に漢方医学を構築していきたいと思っています。

「耳鼻科漢方懇話会」ですが、
耳鼻科+漢方=混和 会 という意味があります。念のため。

2005年03月13日

子供の診察

子供の診察をしていて感じることがある。それは子供の人格に対する配慮である。大人たちにはいろんな配慮の仕方があるものだと感じる。

「はい、○○だけだから」と丁寧に説明してくれる人がいる。これは安心を与える言葉である。しかしもしそれがその場しのぎだったりすると後々子供の不信感は増大する。このような説明にもうそが入らぬように細心の注意が必要である。私は子供であっても事実を説明するようにしている。まああまり効果がないこともあるが。

「大丈夫、大丈夫」となだめるのも同じ。大丈夫かどうかは本人の問題である。大丈夫でなかったときにやはり不審を買ってしまうのではなかろうか?言葉の選び方には注意が必要である。

あとよくあるのは「約束したでしょう?」と子供を責めるパターンである。私は子供は約束を守るものであると思っている。少なくとも少しは我慢しようとしてくれるものだ。その約束のときの状況がどうであったか?ちょっと強引な約束ではなかったか?大人たちはそのあたりを検証する必要がありそうだ。

大人たちはみんな懸命に生活しているため、いちいち指摘することはなかなかできない。しかし子供たちはみな大人が思う以上に物事を理解していると考えたほうが良いように感じている。子供たちにも大人のような接し方をしようとするのが陣内流である。正しいのかどうかは分からないが、自分の子育ての経験からはこれでいいのだと思っている。あらら、あまり医学的な内容ではないですなあ。。。

でも子供が診察室に入ってきて「陣内先生、お久しぶりです」なんて言われると、大人扱いばかりしている私でもちょっとびっくりしてしまう。

★★★

保育園をめぐるさまざまな問題があるように思っている。先日驚いたのは「与薬依頼書」である。本当に文書作成料を算定しようかと思うくらい面倒な書類だった。責められても困るという保育園の立場も分かるが、過度の保身もどうかと感じる。保育園と親たち、保育園とわれわれの関係が疎遠になっているのでこういう事態が生じるのではないかと思う。これは今後の課題である。

★★★

保育園も幼稚園も特色をだそうといろんなイベントを行っている。お誕生会、クリスマス会、運動会などなど。イベントで気合が入るのは良いのだが、その後、こぞって子供たちが熱を出しているのに園の人たちは気づいているだろうか?本当にクリスマスのあとの熱発のお子さんたちは疲れが目立っていた。運動会などはそれぞれ日程が違うから分かりにくいが、よくよく聞いてみると結構イベント絡みのことが多いように感じる。練習も結構過酷な様子。ビデオ撮影なんてするのでよりよいものを、ということかもしれないが、どんなものでしょうか?もう少しシンプルでもいいのでは?

2005年03月10日

3月

67f30e53.jpg暖かくなってきました。花粉症は気になりますが、世間も明るくなってきたように感じます。今朝気持ちよく寝てしまい、少し寝坊しました。でも寒暖差はまだ少しきついですね。

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2005年03月08日

伝統医学

各国の伝統医学に大変に興味を持っている。漢方薬を処方してみて、西洋医学と違う切り口があることに大変感謝する気持ちになった。1次元治療が2次元治療になったのである。ただ漢方医学を耳鼻科流に使いこなすことに現在心を割く必要を感じてはいる。

・・・とすると、さらに切り口を広げるとなれば、各国の伝統医学を用いて、自分の診療を3次元、4,5,6,7・・・多次元医療にできないだろうか?とすると将来(いつだよー?)は外国留学かなあ。アジアなら行ってみたいがー。

2005年03月08日

インフルエンザをめぐる話題

インフルエンザをめぐる話題2つ

まだ流行が収まらないインフルエンザだが、検査キットが足りなくなっている。正確には検査キットは販売されているのだが、期限が来年の流行までないために買うに買えないということが生じている。幸いうちのクリニックでは来年まで有効期限のあるものを入手したのだが、なかなか難しいものである。

インフルエンザが流行している保育園の中には「インフルエンザの検査をしてもらって下さい」と患者さんに言っているところがあるそうな。やや行き過ぎという面があると思うのだが、インフルエンザをうつしたうつされたでもめてしまう昨今である。そういう傾向もまあ仕方がないのかもしれない。

2005年03月07日

健康志向 新聞記事から

2月28日日経5面
「健康志向行き過ぎに異議」拓大教授渡辺利夫氏

(要約)
検査技術の発達で、健康か病気かをきっちり分けていつも健康でいたいという状態は一種の神経症である。

バブル経済崩壊でより豊かになるという外向きの目標を失ったため、健康への執着という内向きな傾向が顕著になっている。サプリメント市場の規模がODAと同じ1兆円と聞くと何だか妙である(注:う~んさすが経済学者!)。

健康と病気の間にグレーゾーンがあることを認めること、仕事をはじめとした自己実現に価値を見出すこと、人生を「お勤め」、死ぬことを「お迎え」と呼んでいた日本の伝統的な死生観を取り戻すことが大切ではないか。

(感想)
健康をより強く求める傾向は、検査技術の発達と関係していると私も感じる。しかしそれはバブル崩壊によってより顕著になったというよりも、日本人のグレーゾーンを認めたがらない国民性によりより顕著になっているのだと私は思っている。

しかしそれを逆手にとった商売が横行しているのを医師として止められないのは大変に歯がゆい。私に(われわれに?)ほとんど知識がないからである。代替医療の分野を少しずつであっても勉強し、世間に意見していく態度がこれから医師には求められていくのではないだろうか。

サプリメント市場が1兆円なのはちょっと行き過ぎではないかと私も感じた。

2005年03月06日

寒い日々

寒い毎日で粘性鼻汁が続く方も数多くおられますが、生活に根ざしたものが原因になることもあるのでどうぞご注意。最近、気になったのは、

建築現場で働く人、園芸が趣味で屋外にいることが多い人、冬でもがんがんプールで泳いでいる人、です。こういう原因だと薬ではどうにもなりません。

2005年03月04日

インフルエンザ診断

インフルエンザもいよいろ収束してきた。

早期診断に悩んできた毎日であったが、後輩から「今年のインフルエンザ検査は全部当たりました」という報を聞いてのけぞってしまった。う~ん、まだまだだなあ。うちのクリニックでは正答率5割くらいだろうか。違うかもしれないと思いながら確認することもしばしばだから仕方がないが。違うかもしれないのに検査をさせていただいた皆様には感謝しています!

一番早期診断に大切なのは感冒早期の症状と所見がいつまでも続くことであると思う。寒気、だるさ、脈の異常、これらが妙に長く続く時には怪しいと考える。しかし1日目で看破できるほどの所見はまだ得られていない。

2005年03月04日

オシロコシナムについて

ある患者さんがインフルエンザかもしれないと思って「オシロコシナムを服薬した」と話された。スペルはoscillococcinumである。この前も「怪しいと思ったからタミフルを飲んだ」という人がいて憤慨した。どうもこういう薬は難しいインフルエンザの所見をゆがめてしまうからである。まあしかし、すぐに何とかしたいという患者さんの気持もわかるので、憤慨についてはさておき、「オシロコシナム」とは??

オシロコシナム
(ホームページから)
感冒、熱、寒気、筋肉の痛みの症状に効果がある
43カ国で使用されているホメオパシー流感薬である
数百万人に65年間使用されている
日本ではフランス製のものがインターネットで販売されている
2歳未満の人には使用できない

ホメオパシーに関する認識が乏しいのでこの薬が良いかどうかは分からないが、葛根湯と結構似ている感じがする。便利なものかもしれないが、これを飲んだインフルエンザの患者さんが来られたら恐らく診断はつかないに違いない。

余談だが、個人輸入で取り寄せた海外医薬品は第三者へ転売・譲渡が禁止されているとのこと。これは初めて知った。

2005年03月03日

当クリニックのロゴ

当クリニックのロゴはゾウだけでなく、カバが「喉も耳鼻科で診ますよ~」と主張しています。そのことを分かってくれたHPを発見しました。ありがたいです。

鼻*鼻.com

2005年03月02日