続インフルエンザ

インフルエンザにかかる人が大変に多い。かなり注意が必要な状況が続いている。B型の流行で分かりにくく、発見が遅れてしまいがちである。

今日も二人のインフルエンザ患者さんが来られた。説明をしながらふと考えた。インフルエンザと判断する根拠は何なのか?精密検査をしようと思うのはなぜか?自分の行動、判断基準を見直してみた。

まず、ウイルス感染症であると確信が持てることが前提である。それから、熱がすごい高いとか38度くらいの熱が2日以上続くとき、感冒と思っているのに透明な鼻水がいつまでも(発症から4日以上)続くとき、脈の状態が通常の感冒と明らかに異なりいつまでも浮いているとき、熱がありしかもやたらだるい日が3日以上続くとき、である。

たいしたことはない内容である、と感じられるかもしれないが、実はウイルス感染症であると確信を持つためにはそれなりの検証と慣れ(勘?)が必要である。ウイルスキットが汎用されるようになった当初からすると、現在では診断の精度がかなりあがった実感がある。

でもまてよ・・数日経過すれば分かる、というものばかりではないか!初日あるいは2日めでないとウイルスを制圧することは現状では困難である。今後はさらに早い段階でピンとくるための情報集めをしていこうと思っている。

2005年02月10日

扁桃腺が腫れている

「扁桃腺が腫れました」と言って来られる人が結構いる。何で腫れたのが扁桃腺だと思うのだろうか?不思議なことにこの人たちは「喉が痛い」と言うわけではない。「扁桃腺」と明言する。この根拠は何なのか??

「扁桃腺が腫れた」と自分で思っている人たちの話を聞いていると、2通りのパターンがある。口の中を指して痛いと言う場合と、あごの下を指差して「この扁桃腺が痛い」という場合である。実際には咽頭炎やリンパ節炎であることが多い。

これだけ「扁桃腺」が一人歩きしているのも気味が悪い。昔から医師たちが喉の赤みをみて、(説明が面倒なのか?)何でも「扁桃腺が腫れている」と説明したのではないかと疑いたくなる。患者側も「扁桃腺だ」と言われると何となく合点がいくようなところがあるのではないだろうか?

実際には扁桃腺が腫れたと言っている人の喉を見ると、大抵は他の部分が赤かったり腫れているのである。私は扁桃腺が、何か喉の悪いものの象徴として一般に受け入れられているのではないかと思っている。だから患者さんも「扁桃炎だ」ということであれば仕方がないと思えるのであろう。

私は時間をかけて、扁桃炎、咽頭炎、副鼻腔炎、気管支炎とそれぞれを明確にわけで解説している。しかし十分な納得が得られているのか心配になる。何でも「これは扁桃腺炎だ」と言っている方が納得が得られるのではないだろうか?とも思う。正確な情報開示を目指している私としては、これはできないところだが。

2005年02月09日

風邪と花粉症

季節柄、風邪と花粉症の患者さんが多く来院される。

ところでこの両者、区別が結構難しい。ともに簡単な疾患であり、誰もが区別できると思いたいところであろうがそうでもない。風邪の初期のくしゃみと花粉症が始まった時のくしゃみはなかなか区別できない。

私の場合。まず風邪と思って診察する。鼻内に炎症がないか?口の中を観察し、風邪であればどのくらいのステージにあるのかを考える。そのステージと話の流れと脈の所見が合致したら風邪で確定。何かが食い違う時には、包括的に風邪と判断して矛盾がないかどうかを考える。このときに最も重視しているのは本人の訴える症状である。

いちいちそれを考えていると、なかなか診察も進まないが、この区別が正確にできるようになることが自分としては適当に高いハードルであり、やりがいがある。でも未だに「花粉症がでました」と言って来られた患者さんに「風邪ですよ」と躊躇なく言えるようにはまだなっていない。この前も花粉症として診察が終わりそうになってから疑問が湧いて、診察を風邪として全部やり直したりしている。

結構難しい鑑別なのだが、処方する薬が全く異なるので、明瞭に区別していきたい。こういう考え方は、抗生物質を使うかどうか、ということにつながる内容であると思っている。

2005年02月09日

乾燥注意報

東京は昨日で乾燥注意報が解除されたようである。これでインフルエンザも鼻血も咽頭違和感も一段落するに違いない。

今年のインフルエンザはB型が主流であるが、何でA型の流行があまり広がらなかったのか?平年の流行に関する知識がないため、今回のことも考察できないが。。。誰かそのあたりの事情を教えてくれー(誰が知っているかな?)。

今日は適度に湿度があって、過ごしやすい気候である。

2005年02月08日

病は気から

病は気からである。

と言ってしまうと、じゃあ処置は?薬は?要らないのー?ということになってしまうが。でも病は気力でかなりの部分克服できる、これが今回のインフルエンザから得た結論である。

昨日も一昨日も「明日は休みだ」と思うとどうも治りが悪い。今日になり「もう明日から診察だ~」と追い込まれると、急に状態が良くなってくる。おかしなものである。

インフルエンザも風邪のひとつなのであるから東洋医学的には邪気。気力は同じく正気。漢方処方も気を動員して正気を助け、邪気にどれだけ打ち勝てるか、というところがポイントなのだから、やはり気力は大切なのである。

実は初期から手元に抗インフルエンザ薬があったのだが、休むと決めたので急ぐことはないと薬は飲まずに今日を迎えた。早くからウイルスの増殖を抑えてしまって自分が免疫を獲得できるのか?という不安があったからである。休んでいるのに免疫を獲得できないなんて馬鹿げている。しかも今年のワクチンはA型B型ともにあまり効いていないようであり、私は仕事をこれから順調にこなす上で、免疫の獲得が最も大切であると思ったのである。

インフルエンザに感染していろいろ考えたことがある。上記の免疫のこともひとつだが、A型B型でどうして少し流行時期がずれているのか?今回の流行の原因は乾燥が続いたことによるものか?(今年の流行が遅れたのもそのせいか?)いろいろ調べていかないといけない。

2005年02月03日

インフルエンザ

インフルエンザが東京でも流行してきたようだ。うちのクリニックでもマスク着用を呼びかけている。忙しくなるとなかなか対応できないが、できるだけ受付でマスクも配るようにしている。

診察をしていて悩んでしまうのは、いかにもインフルエンザの症状なんだけれど検査をしてみるとインフルエンザでないときである。検査の的中率は100%ではないだけに、そのときにどう対応するか悩むところである。予防?のために薬を出すか出さないか、そのときの判断ということになる。流行を広げてはいけないし難しいところである。

あとの悩みは1歳未満のインフルエンザが見つかった時の対応である。症状が激烈であるためか、みんな小児科に受診するようだが、耳鼻科のうちとしてはやはり小児科受診をお勧めするしかないかなと思っている。

実は我が家にもインフルエンザの恐怖が襲ってきている。幸いにして私は無事であるが、湿度を高くしたり、みんなと別の部屋に寝たり、みんなにマスクをしてもらったりと結構な気の使いようである。

2005年01月30日

難聴について

企業が利益を厳しく追及したり、業績が悪くなるとすぐにリストラ、という世の中なので、みんないろんなストレスにさらされていると思う。ストレスがないという人を見ると、現世を生きているのかしら?と感じてしまうほどだ(それほど大げさでもないかな?)。

そんなストレス社会だからか、低音が聞こえない難聴の人が増加している。私には低音障害型難聴になる要素として重要視している点が3つある。

1.ストレスが多い
2.あまり寝ていない
3.忙しい(疲れ)

あとは塩分の取り過ぎなんかも時に気になることがある。

この季節に難聴がひどくなる可能性がある職業としては、耳鼻科医!(花粉症の治療で)、会計士(決算期で)などが挙げられる。特に締め切り厳しい仕事の人にはストレスがかなり大きくのしかかる。

ところで昨日、低音障害型の難聴であるのに、ストレスや疲れを感じていない人で、耳痛を訴える人が2人いた。ウイルスだろうか?耳痛といえばヘルペスウイルスであるが、ちょっと根拠にかけるので、抗ヘルペスウイルス薬は使用しなかった。9月くらいだったが耳痛だけで来院され、抗ヘルペスウイルス薬を使用して改善したことがあった。季節としてもヘルペスウイルスが活動してもおかしくない時期である。どうするか。。

2005年01月26日

本日の診療から(忘備録)

1.花粉症の患者さんが増えてきた。そんな中で興味深い患者さんのお話。
「朝症状がでてしまうと、コンタクトレンズが入らなくなってしまうので、その前に目薬をささないとダメなんですよー」
なるほど。そういうこともあるのだな、と思った次第。眼症状が強い場合には朝も内服薬が効いている必要もあるのかなあ。。。

2.22日に外遊びをしていて冷えて鼻水が出ている子が多い印象。土曜日は結構冷えたのかな。

3.喘息由来の副鼻腔炎の患者さん。麻黄剤を使用したところ(葛根湯加川きゅう辛夷)収まりがついた。長期の内服は難しいかもしれないが、抗アレルギー剤よりも明らかに結果がよく、喘息好発時期には有用な方法かもしれない。

2005年01月24日

注射の話

花粉症が今年はひどそうだ。

問い合わせの電話の中で気になることがあった。

X「そちらでは花粉症の注射はできますか?注射すれば症状が出ないと聞いたのですが」

J「その注射で何を注射しているかご存知ですか?」

X「・・・」

まあもちろん、医師を信頼してくれるのは良い。でもせめて自分が何を飲んでいたり、何を注射されているのか、ということは知っていて欲しい。具合が悪くなったときに医師は聞くでしょう。

「薬を飲んだり注射をしたりしませんでしたか?」

これに対して明確に答えられるかどうかはかなり大切なことである。特に急を要するときに答えが得られないと、医師も治療に手間取ることになるだろう。

研修医のときに質問されたことがある。

「注射で最も大切なことは何か?」

私は、痛くないようにするとか、薬を再確認するとか、いろいろ言ってみましたが、全てNG。答えは、

「注射したものを取り返すことができないことを意識すること」でした。

飲み薬は胃洗浄をすれば一部分は取り返せます。でも注射は入った分は戻せません。

そう考えると注射って怖いです。注射する側にもかなりの注意が求められます。

さて、話は戻って花粉症ですが、私たちのクリニックでは即効性の注射の治療はしません。減感作療法といって、丹念に治療する方法があるのですが、それはやっています。安全性をかなり意識して治療を選んでいます。

即効性の注射に関するコメント

2005年01月24日

待ち順表示

b74315f3.jpg今日は仕事の後に、大阪の業者さんがいらっしゃいました。来訪の目的はうちの待ち順表示システムのメンテナンスでした。

いつも本当にお世話になっているその人はジェーシーエヌ社の津田さんという人で、トラブルが起こると(そんなに起こるわけではありませんが)、すぐに対応してくれる本当に頼もしい人なのです。

今日は、将来待ち順表示が2列必要になった場合のテストを行いました。もともとうちのクリニックで使用しているシステムはシンプルで大掛かりなハードが要らないというところが私は大変気に入っています。それをさらに2列にしてみたい、と私が言ったので、そのテストをしたのです。

マルチウィンドウ対応のパソコンですか?ということを津田さんには聞かれていました。どうも今使用しているパソコンでは無理らしいということをお伝えしたところ、マルチウィンドウに対応するための機器を持ってきてくださって、接続!。ナントうちで使用中のパソコンでも、少し動作が遅いもの十分に使用に耐える結果を得ました(写真)。システムのことやパソコンの新しい使い方にまたまた私はのめりこんでしまい、帰りが遅くなってしまいました。

こういうシステムが使えるような診療環境に早くならないかなあ、と思いました。津田さん、いつもありがとうございます。今後もよろしく~。

ジェーシーエヌ(順番表示)
http://www.junban.com/

2005年01月20日