唾液から分かるいろいろなコト

 唾液は簡単に採取できるので、何か体の状態を表す物質が測定できるのであれば、とても有用性が高いと言えます。

 以前からストレスを唾液から測定できるということで、新聞などでも取り上げられたことがありましたが、他にもいろいろなことが測定できることが分かりました。

 現在、唾液から分かる項目は以下の通りだそうです。
  虫歯のなりやすさ、歯周病の状態
  HIVウイルスの有無、ストレスの測定
  喫煙習慣、大麻や覚醒剤の使用の有無

 歯科の予防歯科という分野で、かなり唾液検査が使われているようですね。この歯科のサイトを参考にしてみました。
 
 虫歯は菌由来の酸が原因ですから、その酸を中和する力が唾液にどのくらいあるのかを測定することで、虫歯になりやすさの指標にしているようです。

 また、プラーク中の菌が酸をどのくらい産生するかを測定することで、むし歯になりやすさを判定できるようです。

 さらに、菌の培養も予防歯科では行うことがあるようです。

 歯科領域以外では少しずつ唾液検査が実用化されつつあります。

 乳がんや膵臓がんの腫瘍マーカー測定に唾液が使えないか、という研究もなされているようです。唾液検査なら容易に判断できますから、こういう研究 がどんどん進んで欲しいですね。
 

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2012年03月11日

食べ過ぎの治療?について

注)脘=月へんに完

 「てんじんさん」という鍼師のまんがを読んでいてナルホドと思ったことなのですが、子供が「イタイイタイ」と腹痛を訴えたときに、てんじんさんはツボである中脘、足三里、という二つの場所を刺激して治していました。

 やったことがないのでそんなに速効性があるのか分かりませんが、興味が湧いたので「日本人が書いた中医鍼灸実践マニュアル 上巻」で調べてみました。
 
 中医学では「胃脘食滞」という状態のようです。このときには舌の苔が厚くなります。そして「中脘と足三里をもちいて通降胃気、消積導滞により食滞を解消する」

 つまり、胃気は降ろさないといけないものなので、それをこれらのツボを用いて通して詰まりを除いて降ろす、そのことにより食事の詰まりが解消するという意味です。

 漫画も相当調べて書かれているなあ、と妙に感心しました。

 ところで、中脘というツボですが、私もかなり使います。

 どういうときに使うかというと、冷飲食をしたときに胃の動きが止まった感じがするときがあります。そのときにこのツボを温めるのです。10分位手を当てて温めていると、やがて胃が動き出すのが分かります。

 私は、水で胃が冷えてエネルギーが循環しなくなったのを、中脘からエネルギーを入れることで修正していると考えていますが、食事が沢山入ってきたときにもエネルギーが足りない、あるいは循環を食事に妨害されるということは予想できます。このときに中脘穴を用いるのは、私の経験とも合っています。

 足三里は足陽明胃経に属するので、胃の働きを整えるのだと思いますが、体感としては経験がないので、何かの折に効果を確認してみたいと思いました。

 それにしても食べ過ぎにも治療方法があるのは、中医学らしいです。漢方薬でも食べ過ぎ用のものがありますしね。

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2012年03月04日

血虚への対応について

 血虚は「けっきょ」と読みます。血が足りない状態を指しますので、貧血のようなものと考えればよいですが、髪が細かったり、皮膚が青白かったり、爪の形がゆがんだりと、体の隅々まで栄養が行きとどかない状態を指します。

 中医学的にはそれぞれの臓器に血虚があるわけですが、最近注意して見ていると、心の血虚の人で動悸がする、という人が結構多いことに驚かされます。

 私ごとですが、約20年前の卒業試験の時に、過労で初めて動悸を経験して、近所の内科の先生に安定剤を始めてもらったということがありましたが、あれも今考えると心血虚であったのだと思わされます。

 ところで、

 「心は血を生じ、脾は血を統べ、肝は血を蔵す」という言葉があります。血の元は心にあり、血の順調な運行には脾が必要で、血を蓄えるのは肝である、ということなのです。

 不思議なのは、疲れによって血が消耗したときに、心血虚の主症状である動悸はとてもよく見られるのに、肝血虚の主な症状であるめまい、顔面蒼白、疲れ目、爪や唇の色が悪いなどの症状は全てではないのですが、割と慢性的な印象を受けます。

 疲れたときにどういう風に血が使われていくのでしょうか?

 人から聞いた話ではありますが、普段は心血を使っていて、肝が蔵している血は使われないのだそうです。そして慢性的な疲労などで、血が足りない状態が続くと、心血だけでは血を賄いきれず、肝に蔵している血も動員することになるのだそうです。

 確認は取れていませんが、これはとても説得力のある考えだと思いました。

 みなさん、疲れて動悸がするようでしたら、少しお休み下さいね。

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2012年02月19日

抗菌蛋白質でインフルエンザを予防してみよう!

 インフルエンザが流行してきたので、インフルエンザに有効と思われるサプリメントをご紹介してみましょう。

 最近話題になっているのはビタミンDです。以前にもご紹介したことがあるかもしれませんが、論文にもなっています
 
 学童において、ビタミンDを摂取した子供たちと、そうでない子供たちの間に有意な差をもってインフルエンザの発症率が違っていたそうです。

 ここにも書かれているようにインフルエンザウイルスが周囲にあっても、自分の免疫が盤石なら発症しない可能性は高いと言えます。
 
 ただ、現実には疲れやストレス、あるいは食事内容の問題かもしれませんが、そういうことが背景にあることが多いので、免疫が盤石になっていることはあまりありません。

 そこで抗菌蛋白質というものが注目されています。体内の自然免疫防御システムの中で重要な役割を果たしていると考えられます。このサイト上部の説明が分かりやすいでしょう。

 その抗菌蛋白質の合成(だと思いますが)にビタミンDが関与するというのです。どの程度の関与度なのかは不明ですが、こういうインフルエンザ予防法があるのだな、と思わされた次第です。

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2012年01月29日

血糖を効果的に下げるのは運動

血糖をコントロールする上で、インスリンの働きは重要です。インスリンは人間の体の中で唯一、血糖を下げるホルモンだからです。

 恐らく、太古の時代には飢餓状態の人も多く、血糖を上げるホルモンが重要だったに違いありません。しかし、現代にあっては血糖を下げるホルモンの重要性が増していると思います。

 さて、インスリンが出ていても血糖がなかなか下がらないという現象が起こることがあります。インスリンへの敏感さが欠けているという意味で、インスリン感受性が低下している、と表現します。

 インスリンの感受性はどういう人で落ちるのでしょう?インスリンはどういう状況だと働き易くなるのでしょう?

 最近見た資料で面白いなと思ったのは、「インスリン感受性の改善度と散歩の歩数には正の相関がある」というものです。

 運動をするとインスリンによる細胞の糖の取り込みがスムーズになります。ですので、運動はエネルギーを消費して血糖を下げるということとは別に、インスリン感受性が高まるために効率よく血糖を下げることができるようになります。

 脂質の状態の改善も考えると、週に1000Kcal以上の運動が必要とのことですが、これは結構な運動量なので、毎日少しずつ運動することが大切でしょう。そして、血糖が上がるまで、つまり食後30分以内に運動することが、血糖の上昇を抑える上で有効なようです。

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2012年01月14日

血圧を下げるべきか否か?3 ~今日は訂正のみ

 ストレスで血圧が上がること、糖尿病の人は睡眠時も血圧が下がらないなどのことがあること、運動と減量によりインスリンが働きやすくなり血圧も下がりやすくなることをお話してきました。

 前回の記載で、

 「糖尿病の方はインスリンの値が高くなっています」

 と書いてしまいましたが、これは誤りでした。訂正しますね。

 糖尿病の方にはインスリンに体が反応しなくなり、もっとインスリンを分泌するように体が変化してしまう場合と、インスリン自体が分泌不全を起こし ている場合の2通りを考える必要がありました。

 先週の記載は前者のことだけを述べていますので、明らかに誤りです。

 お詫びして訂正します。

 再来週に続きます(来週はお休みをいただきます)。

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2011年12月25日

血圧を下げるべきか否か?2

 先週、ストレスだけでも血圧が上がること、糖尿病の人は睡眠時も血圧が下がらないなどのことがあるので、寝ている間の血圧も測ったほうがよいことをお話しました。

 糖尿病の方は腎障害や神経障害を生じないように、血圧を管理することが必要になります。高血糖もトラブルですが、血圧が上がりやすくなるために、これらの障害が生じやすくなります。

 糖尿病の方はインスリンの値が高くなっています。インスリンの作用により腎臓では捨てるはずのナトリウムの再吸収が起こり、循環血漿量が多くなり、血圧は上がりやすくなります。

 こういう方の場合にはカリウム、カルシウム、マグネシウムなどを摂取することで、ナトリウム代謝が正常になっていきます。

 また細胞内カルシウムが増加するため、血管が収縮して血圧が上がるという面があります。

 逆に考えると、高血圧があるといっても、血圧を直接下げることばかりを考えるのではなく、インスリンが働きやすい状態にすることで、インスリン値が高値になることが抑えられ、高血圧にもならないようにできるということです。

 では、インスリンが働きやすくなるために一番効果があるのは何でしょうか?

 それは恐らく運動、そして減量でしょうね。

 来週に続きます。

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2011年12月18日

血圧をどう下げるべきか?

 高血圧症の人はとても多いと思います。以前からとても気になっていることなのですが、みんな血圧を下げる薬で対応していますが、本当にこれで良いのでしょうか?

 第一にストレスにより血圧が上がっている人が少なくないと考えられることです。ストレスは体に持続的な緊張をもたらしてしまうので、これだけでかなり血圧が上がります。

 こういう方は中医学的に拝見すると肝の伸びやかさが傷害されて、過剰に肝が働いている状態です。肝を抑制する作用、または肝のエネルギーを捨てる働きのある漢方薬を使います。

 最近、気をつけないといけないと考えるのは、薬だけ処方して生活指導を怠ると、薬で体が楽になるので、さらに仕事やストレスを抱え込む人がでてきます。薬を使いながらストレスを手放していくということが大切です。

 さて話が変わりますが、血圧が朝から高いという人もいるのですね。通常では夜間睡眠時は血圧が下がります。しかしこれが下がらないのです。これは糖尿病の人に多いのだそうです。

 こういう事例を聞くと、血圧が寝ている間にどうなっているのかを見ておく必要を感じます。逆に寝ている間に血圧が下がり過ぎてトラブルになる場合もあるのだそうです。また、中には明け方に急に血圧があがる「モーニングサージ」というタイプの人もいるそうです。要注意ですね。

 時刻による薬剤の効果について書かれているサイトも参考になりますよ。
 

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2011年12月10日

コレステロールは下げた方が良いの?7

 これまで食餌性脂肪の一連の流れ、腸肝循環についてお話してきましたが、先週は動脈硬化因子であるカイロミクロンレムナントをEPA(エイコサペンタエン酸)摂取で減らすことができる、というお話でした。やや難しいですので、結果だけ覚えていけば良いと思いますよ。

 さて今日は、中性脂肪やコレステロールを運搬するVLDL、LDLというリポ蛋白のお話です。

 主にVLDLは中性脂肪を、LDLはコレステロールを運ぶリポ蛋白ですが、これらは肝臓で作られます。

 VLDLは筋肉や脂肪組織で中性脂肪を失うと、IDLというものに変化します。これは大半がLDLに変化してコレステロールを肝臓以外の組織に運びます。IDLは一部、肝臓に直接取り込まれることになります。

 食後高脂血症という病態がありますが、これが何故問題なのかというと、カイロミクロンレムナントやVLDLのレムナント(代謝産物というような意味ですね)と言えるIDLが増加することです。

 IDLは本来すぐに血液中からなくなるべきものですが、食後高脂血症の人ではこれがなかなかなくならないために虚血性心疾患が生じやすいと言われています。

 通常は食後すぐ血液検査をすることはないので、このレムナントリポ蛋白を見逃すことになりますが、動脈硬化のリスクを考えるならば、食後の採血でカイロミクロンレムナントやIDLを測定しておくのも一法と考えられます。

 空腹時の中性脂肪高値の人は食後高脂血症になりやすいので要注意です。また、糖尿病の方が高脂質の食事をするとIDLが増加するそうです。
 
 さて、VLDLとLDLの観点から、動脈硬化を抑えるためにどのような栄養素を摂取するのが望ましいでしょうか?これは次週に!

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2011年10月22日

触診~本来の医療の姿とは?

 新医療ではないかもしれませんが。

 今では「漢方養生ドック」なるものも登場し、東洋医学もようやく得意の予防医学分野に進出してきたなあ、という印象です。
 
 新聞にこういうことが書かれているのですよ。

 「漢方医療に取り組む医師たちを取材して驚いた。患者の身体に丁寧に触れ、患者の訴えに真剣に耳を傾ける医師の姿があったのです。」

 あれ?これって驚くことなのかしら・・?

 私は麻酔科で研修中にこういうことを習いました。

 心電図や呼吸器のモニターはみな器械を介して患者さんをみているけれど、センサーの不調などの器械の問題で情報に誤りがあると命にかかわるから、患者さんから直接情報を取るために、必ず脈を取り、聴診器を常に用意しておくように、と。

 私も診察中に脈をとることがとても多いのです。情報量が多いですからね。

 健康な人が、病気の人に触れることもまた必要なことで、病気の人も癒しをもらうことができるのですよ。

 鍼を打つ人などは、かなり入念に体に触れて患部を診たり、経穴の位置を探したりしますよね。そういうのが本来の医療の姿のように感じます。

 検査データやレントゲンは所詮、数字や影に過ぎないのですよね。大いに参考にはなりますが、それが患者さんの全てではないというのが私の意見です。

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2011年08月06日