【栄養療法】カルシウムについて1
栄養療法に使われるものはたくさんありますが、その中で今回はカルシウムを取り上げます。
なぜか?・・・それは、カルシウムには分かっているようで分かっていない部分が多いように感じられるからです。
カルシウムは体内で最も多いミネラルです。でも実際にはカルシウム摂取が推奨量の3分の2程度にとどまっているという報告もあります。
ご存知のように99%は骨と歯に存在します。体内にカルシウムの不足があると、骨からカルシウムを動員して不足を補うことになります。これが長期間続くと骨がもろくなるわけです。
皆さんは骨そしょう症が怖いので、カルシウムを多く摂取することを考えるかもしれませんね。もちろんその必要もあるかもしれません。しかし失われる事にも注目してみましょう。
動物性たんぱく質には良い面もあります。しかしカルシウムに関しては、骨のカルシウムがアルカリとして動員されてしまうようです。また、カルシウムを骨に戻すホルモンの働きも動物性たんぱく質は阻害してしまいます。
またコーヒーを2杯のむことで、尿からカルシウムが22mg出て行ってしまう、ということもあります。コーヒーは私も殆ど飲まなくなりましたよ。
あとは骨形成を活性化するために、身体運動を活発にするとか、太陽に当たっビタミンDを活性化して骨形成を促進するということも頭に置く必要があります。
それを踏まえていよいよカルシウムを摂取するのですが、同時にマグネシウムを摂取することが骨形成にために必要です。
次回以後はもう少し突っ込んで話をしていきます。
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2010年03月14日
【栄養療法】(番外編)栄養療法による花粉症対策について
先週、陣内耳鼻科通信でもお話したのですが、栄養療法は花粉症にも効果がありそうです。
粘膜を強化することで花粉症の症状が明らかに出にくくなります。我が家にも花粉症患者がいますが、ビタミンA、ヘム鉄、亜鉛、たんぱく質を補給して、さらにオリーブ葉エキスとビタミンCを使ったところ、まだ症状はでていないようです。今後も観察を続けていきますね。
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2010年03月06日
【栄養療法】しばらくは亜鉛について、いろいろ語ります4
今まで亜鉛のさまざまな考察を行いました。前回は血糖に関連した話でした。インスリンと亜鉛が関連しているなんて、ちょっとした驚きでした。
さて亜鉛で長くなりましたので、そろそろまとめたいと思います。
一番大切な亜鉛の働きは各種酵素の活性中心であること、そして味覚に深く関わること、ホルモンとも様々な関連を持っていて、特にインスリンを介した血糖コントロールに関係している、こんなところでしょう。
さてに、精液や前立腺には亜鉛がたくさん含まれていますし、精子の運動にも亜鉛が関わります。性腺の発達や妊娠の維持にも亜鉛は必要です。とすると、男性不妊にも大きく関わっているかもしれませんね(もう論文などあるのかもしれませんが、確認が取れていません)。
亜鉛の欠乏を疑う症状としては、性腺や成長の障害、皮膚のびらんや乾燥、脱毛、あとは精神神経症状が重要とされています。亜鉛が欠乏すると無欲になったり、情緒不安定、記憶障害などが生じるようです。そして述べてきたように味覚障害、血糖コントロール異常と不妊を挙げねばならないでしょう。
実は、母乳には高濃度の亜鉛が含まれています。ところが市販されている調整粉乳の亜鉛濃度はあまり高くないので、乳児湿疹の一因である可能性も考えられています。昭和56年以前の調整粉乳には亜鉛が含まれていなかったらしいですね。
院内の掲示物によると、亜鉛をたくさん含む食品は、牡蛎、ビーフジャーキー、煮干、ココアだそうです。
次は何の栄養素のお話にしましょうか。。。
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2010年02月27日
【栄養療法】しばらくは亜鉛について、いろいろ語ります2
先週は亜鉛中毒、亜鉛の吸収、亜鉛欠乏の症状についてお話しました。
ちょっと脱線しますが(自分ではホントは脱線のつもりではありません)。
私は耳鼻咽喉科なので、味覚障害から亜鉛欠乏を推測することが多いです。先日、味覚障害の患者さんの「気」の流れを見ていたとき、亜鉛サプリメントで気の流れが整うことが分かりました。
最初、自分でもどういうことか分かりませんでした。
このことはとても興味深く、「気」のレベルで味覚障害が生じている可能性がある、つまり「気」のレベルで味覚がコントロールされているということを表しています。
味は舌の感覚器で味を物質的に感じることに教科書ではなっています。しかし、私は気功を使ってものの味を変化させられます。ただ本質的なところ、例えばコーヒーの味をケーキの味には変えられません。
何が言いたいかというと、味覚は本質的な部分は物質に依存し、細かな味わいの部分はエネルギーによって支配されている、と感じたわけです。
ここからは少し難しくなりますよ。
亜鉛は電子が比較的安定であり、遷移金属に現在は分類されていません。亜鉛の代わりに、例えばコバルトのように同じく2価の遷移金属が働いてしまうと、電子の状態が不安定なため、味が変化することが考えられます。というのは、電子の状態が不安定であることと、気功で味を変化させることが、同じことのように私には感じられるからです。
もしかするとコバルトなどの金属汚染がある人では、亜鉛が駆逐されて味覚障害が生じていて、亜鉛を相当量服薬することで治っているのではないかと私には思えるのです。もしかして味の安定のために電子の安定した状態の亜鉛が必要なのかしら?
来週も亜鉛の話をしますね。
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2010年02月13日
【栄養療法】しばらくは亜鉛について、いろいろ語ります!
亜鉛は金属ですが、体に必要なものです。
亜鉛と特に関係の深い酵素は約70に及びます。血液検査でよく見る中では、アルカリフォスファターゼ(ALP)でしょう。100以下ですと、亜鉛の不足も考えます。亜鉛が不足すると後述しますが、多彩な症状がでてきます。
亜鉛は中毒を生じるとも言われていて、塩化亜鉛や酸化亜鉛を吸入すると体に異変を生じます。急性亜鉛毒性は口から摂取したときにも生じるとされ、下痢、嘔吐、発熱などの症状を呈するというのが一般的です。
ただし亜鉛を吸収する際に小腸粘膜で一時的に貯蔵されて、過剰な亜鉛は小腸粘膜とともに剥離して便になって排泄されてしまうので、よほど高濃度の亜鉛を一度に摂取しない限り、急性毒性は生じないと私は思っています(これには異論もあるようです)。メッキ工場などで亜鉛を吸入した場合には、小腸粘膜のようなバリアがないのでやはり危険でしょう。
さて、亜鉛欠乏時の症状です。
一番有名なのは味覚障害です。亜鉛の欠乏により味蕾が壊れて生じるとされています。高血圧や胃潰瘍の薬、あるいは抗生物質にも亜鉛の働きを失わせるものがあり、味覚障害を生じることがあります。
あと皮膚の乾燥やびらんなどの皮膚症状が生じるのも有名です。これはコラーゲンやケラチンの合成に亜鉛が関わっていることによります。従って、褥瘡が亜鉛投与で良くなる、ということもあるそうです。
あとは精神症状です。無欲化や情緒不安定が生じるようです。これは海馬という脳組織に亜鉛が多く含まれていて、その働きが十分でなくなるため、とされています。
でも今日、私がどうしても亜鉛のことを書きたくなったのは、ちょっと面白い発見をしたからです。この続きはまた来週~。
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2010年02月06日
【栄養療法】今日は最近気になったナイアシンの解説です
ナイアシンという物質をご存知でしょうか?昔はビタミンB3とも言われていました。最近、この物質がどうも気になります。何故なら家族に飲ませてようかと思っていますし、これから忙しい季節の会計事務所の方がナイアシンを買い求めに当方にやってきたということもあります。
(注)いわゆるナイアシンはナイアシンとナイアシンアミドの総称とご理解下さい。
一般にナイアシンは通常の食事をしていれば不足はしないとされます。また、肝臓で合成可能なので、サプリメントは不要という考え方もあります。参考サイト
ナイアシンが不足しないって本当でしょうか・・?
すごくたくさんの生体の反応に関わっている補酵素です。DNAの修復や、エネルギー代謝のときに大量に必要とされます。世の中がいろいろ複雑になっていますから、生体恒常性を保つために、従来よりもたくさん必要になっている補酵素なのかもしれません。
私のようにストレス性(自覚ないけど・・)に溶血している人はビタミンCとビタミンEが有効なのですが、ナイアシンアミドを投与することによって溶血を防ぐことができるのだそうです。いろんなストレスに有効なのですね!
アルコールは代謝されるときにナイアシンを材料とする補酵素が必要になるので、ナイアシン不足になります。さらに肝臓がダメージを受けると、ナイアシンが肝臓で作られなくなり、さらい不足が深刻化します。
これは私の意見ですが、いろんなストレスにさらされている現代、ナイアシンの需要は増しているのではないでしょうか?ストレスからアルコールをつい口にしてしまう人も少なくないでしょうし、ナイアシンが多く含まれているとされるかつお節もずいぶん食べる回数が減りましたし・・。
ナイアシン不足では、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)という酵素が上手く働かなくなります。その結果たまった乳酸は筋肉ではLDHにより分解されず、肝臓でブドウ糖の材料となるのです。乳酸がたまる傾向になるので慢性疲労状態になり、うつ病と診断されていることもあると思います。疲れがある人でLDHの検査値が低めに出ている人はナイアシン不足を疑います。
調べていてびっくりしたことがあります。ナイアシンには高コレステロールを改善し、HDL(善玉コレステロール)を増加させ、動脈硬化を抑制する作用があります。また、ナイアシンアミドはインスリン分泌を上昇させ、血糖をもコントロールするとあります。
でも内科の先生は「ナイアシンを使いましょう」とは言わないみたいですね。理由は何かな?
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2010年01月31日
【栄養療法】閑話休題 私の3ヶ月の栄養療法の結果について
ビタミンCをはじめとした抗酸化物質についてコメントしてきました。今週はグルタチオンの解説をするつもりでしたが、予定を変更して、頭が疲れない内容をお送りします。
私自身が3ヶ月間の厳しい(?)指導に従い、食事の採り方に気をつけて、サプリメントを摂取して、3ヵ月後の診断を受けました。
まず先日予告したとおり、間接ビリルビン値が下がり(1.15→0.82)、ビタミンEの効果を実感しました。でもまだ赤血球を作る働きが強い、つまりそれだけ壊れている赤血球がある、ということから、ビタミンEは続けることになっています。
さらに、たんぱく質の摂取が順調であることがアルブミン値(4→4.5)と尿素窒素値(15.9→18.5)の変化からも分かります。アルブミンの材料はたんぱく質なので、少し高く感じられるかもしれませんが4.5程度が至適と考えられます。
また、種々のたんぱく質が不要になり排泄されるときに尿素窒素が生じますので、たんぱく質の出納がある程度回り始めると尿素窒素の値も20に近いところまで少し上がります。たんぱく質がどんどん壊されて尿素窒素が20よりも高い値になるのは困りますが、たんぱく質が順調に作られずに値がすごく低い方を数多く見かけます。
HDLコレステロール値が66→57と少し減少傾向なので、今回はEPA(エイコサペンタエン酸)を摂取することになりました。カルシウムも減少傾向がある(9.7→9.2)ため、カルシウムとマグネシウムの合剤も摂取してみます。これは(少し自信なし)カルシウムばかり摂取すると、反比例してマグネシウムが減少してしまうために合剤で摂取するのだと思います。
みな、そんなに悪い数値でない所謂正常範囲なのですが、至適値という観点をもつと、まだまだ健康になれそうです。どうかな?
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2010年01月23日
【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用6
ビタミンCが働くのに、ビタミンB群、グルタチオンが必要でなこと、ビタミンCとともに、ビタミンEの働きを助けているのがコエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンEと協調して抗酸化作用を発揮するのがβカロチン、いうところまでお話ししました。
光刺激で生じる活性酸素である1重項酸素はカロチノイドでしか処理されないので、ニンジン、アプリコット、カボチャ類などの摂取は重要でしょう。焼き海苔、しそ、パセリなどもよいようですね。
ちょっと脱線しますが、カロチノイドってそもそも何でしょう?
天然、とくに植物に存在する色素です。フラボノイドも同様です。カロチノイドは黄、橙、赤、フラボノイドは赤、紫、青を発色します。ともに抗酸化作用を持ちます。
代表的なカロチノイドとしては、カロチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチンがあり、代表的フラボノイドとしては、イソフラボン、アントシアニン、カテキンなどがあります。両者は化学構造で分類されていて、フラボノイドはポリフェノールにも属しています。
カロチノイドの中で目によいとされているのはルテイン、皮膚にはリコピンとされています。でもその他にも多数の報告があるらしく、多種類のカロチノイド(マルチカロチノイド)を摂取するのが良いようです。
来週は231号でもお話したグルタチオンのことをもう少し解説してみます。お楽しみに!
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2010年01月16日
【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用5
ビタミンCが働くのに、ビタミンB群、グルタチオンが必要でなこと、ビタミンCとともに、ビタミンEの働きを助けているのがコエンザイムQ10というところまでお話ししました。
これらは体にできてしまったヒドロキシラジカルという、活性酸素を除去するのに役立つ物質なのですが、これ以外にもヒドロキシラジカルを除去する物質があります。それはβカロチンです。
βカロチンはカロチノイドのひとつで、みかんをたくさん食べて手が黄色くなるときの黄色い成分です。
従来はビタミンAの材料としか思われていませんでした。しかしビタミンC、ビタミンEと協調して抗酸化物質として作用することが分かってきました。
βカロチンなどのカロチノイドには、1重項酸素という光刺激で生じる活性酸素を除去する働きがあります。この1重項酸素はカロチノイドでしか処理することはできないため、十分な摂取が望まれます。
ニンジン、アプリコット、カボチャ類など、明るい色彩の植物に多く含まれているβカロチンは、動脈硬化を防ぐばかりではなく、抗腫瘍効果もあるとされています。ただし、βカロチンは喫煙、飲酒で濃度が低下しますし、低蛋白状態だと吸収が低下してしまいますので要注意です。
さて、来週は何の話をしましょうかねえ。。。
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2010年01月10日
【栄養療法】みなさんも私と共に勉強しましょう!~抗酸化作用4
ビタミンCが抗酸化物質として機能するのに、ビタミンB群、グルタチオンが必要であること、細胞膜の酸化を直接修復しているのはビタミンEで、それをビタミンCが支えていること、そこまでお話ししました。
さて、ビタミンCとともに、ビタミンEの働きを助けている物質があります。それは、コエンザイムQ10です。
コエンザイムQ10は年齢とともに段々減少していきます。肝臓のコエンザイムQ10を作る働きが弱くなるのでしょう。コエンザイムQ10が老化と関わっていると考えられてもいるようです。
先日、老人性難聴がコエンザイムQ10で予防できるという動物実験結果をお話ししましたが、コエンザイムQ10と老化との関わりを感じさせる結果であると思います。
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/tanokura091110.pdf
コエンザイムQ10はなかなか食物では摂りきれないのだそうです。そこでサプリメントなどで補給することを考えるのですが、ひとつだけ大切なことがあります。
高齢者の方でコレステロールを下げる薬を飲んでいる方は少なくないと思います。この薬はコレステロールの原料になるメバロン酸が作られないようにする薬なのです。ところがコエンザイムQ10もメバロン酸から作られます。
つまり、コレステロールとともにコエンザイムQ10も減らしている可能性があるということです。こういう薬を飲まれている方はコエンザイムQ10の補給をした方が良いかも知れません。
抗酸化作用については、まだ続きますよ。
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2010年01月03日