【アーユルヴェーダ】総説第7回 ~ ヴァージカラーナ・セラピー2
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説、7回目です。
先週からはヴァージカラーナ・セラピーによる性的な面の若さの維持について勉強しています。
ヴァージカラーナ・セラピーも、ラサーヤナ・セラピーと同様にハーブを用いて、生殖器の組織の消耗や老化による萎縮を防ぎます。
ヴァージカラーナ薬のハーブを3つご紹介します。
1.Withania somnifera(アシュワガンダ)
インドでは、アシュワガンダの根が、強壮・強精薬として用いられています。朝鮮人参に因んでインド人参”Indian ginseng”とも呼ばれているそうです。
このサイトの解説はとても分かりやすいです。
2.Ipomoea batatus(さつまいも)
私の読んでいるアーユルヴェーダの入門書には、さつまいもがヴァージカラーナ薬と分類しておりませんが、ビタミンC、ビタミンEなどを含むため、血管から若返る可能性があるように思います。
3.Mucuna prurita(ハッショウマメ)
機能についてはこちら
外見についてはこちらが詳しいです。
男性の性機能の増進・改善に役立つハーブと考えられていて、日本には八丈島経由で入ってきたとのことです。それがなまり、八升豆になったとのこと。
推奨はしませんが、これらのハーブを含んだサプリメントも売られています。
来週もお楽しみに!
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2009年11月29日
【アーユルヴェーダ】総説第6回 ~ ヴァージカラーナ・セラピー1
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説、6回目です。
アーユルヴェーダの老化に対する3つの養生法をもっています。先週まで、ラサーヤナ・セラピーで用いるハーブの解説をしました。
今日からはヴァージカラーナ・セラピーによる性的な面の若さの維持について勉強します。
中医学でも房中術といって性行為に関する作法があり、道教においてはその方法により、精気を循環させ、不老不死を目指します。
アーユルヴェーダでは、健康な人生を送るために食事、睡眠、性生活が重要であると教えています。性生活はそれほどに重要視されているようです。
性行為は適度に行うと、筋肉の強さ、強固さを増進させ、皮膚につやを与えるのですが、性行為を抑制したり、逆に過度に性行為を行うことは、健康を害するとされています。中医学と似ていますね。
ヴァージカラーナ・セラピーは、ラサーヤナ・セラピーと同様にハーブを用いて、睾丸への血流の増加、血中のテストステロン濃度の最適化、生殖器の組織の消耗や老化による萎縮を防ぎます。Withania somnifera, Ipomea batatus, Mucuna pruritaがヴァージカラーナ薬のハーブの一例です。
これらの薬には、植物性エストロゲンと植物性テストステロンが非常に豊富 なのだそうです。来週、少し各ハーブの解説を試みます。
来週もお楽しみに!
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2009年11月22日
【アーユルヴェーダ】総説第5回 ~ ラサーヤナ・セラピー3
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説、5回目です。
アーユルヴェーダの老化に対する3つの養生法、ラサーヤナ・セラピー(若返り)、ヴァージカラーナ・セラピー(性的な面の若さの維持)、ヨガ・セラピー(瞑想テクニック)について勉強しています。
1.ラサーヤナ・セラピー:ハーブを用いて若返りを図ります。
1)Emblica officinalis(インディアングースベリー)
2)Tinospora cordifolia(イボツヅラフジ)
3)Tribulus terrestris(ハマビシ)
果実に2個の菱型のトゲがあり、浜辺に自生するので、ハマビシと呼ばれます。秋に果実を干して乾燥させたものを�懽梨子(しつりし)といいます。�懽梨子の効能は、風邪の頭痛、眼精疲労などで、血の滞りも解消します。
漢方薬では当帰飲子(とうきいんし)に含まれています。この処方は老人性皮膚掻痒症に用いられます。まさにハーブを用いた若返り、ということになりますね!
4)Asparagus racemosus
アスパラグス・ラケモススは野菜のアスパラガスの仲間なので、芽が出た時はグリーンアスパラガスのような形です。アスパラグス・ラケモススは、根の一部が肥大し薬用になります。アーユルヴェーダでは女性の不妊治療循環器、呼吸器、消化器系などの様々な疾患に利用されます。
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/herb/herb_top.htmlより
来週から、ヴァージカラーナ・セラピーに入ります。お楽しみに!
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2009年11月15日
【アーユルヴェーダ】 総説第4回 ~ ラサーヤナ・セラピー2
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説、4回目になりました。
アーユルヴェーダの老化に対する3つの養生法は、以下のものでした。
ラサーヤナ・セラピー ・・・・・・ 主として若返り
ヴァージカラーナ・セラピー ・・・ 主として性的な面での若さの維持
ヨガ・セラピー ・・・・・・・・・ 瞑想テクニック
1.ラサーヤナ・セラピー:ハーブを用いて治療
1)Emblica officinalis(インディアングースベリー):解説すみ
参考サイト
2)Tinospora cordifolia(イボツヅラフジ)
このハーブは『健康食品のすべて―ナチュラルメディシンデータベース』に
詳細が載っていました。
注)専門家がみな持っている本です。大きな改訂がされていますので、購入する方がいらっしゃるなら、第2版を買って下さい。
科学的データは不十分ながら、抗酸化作用、試験管レベルでは抗がん作用も見られるとのことです。短期間の使用は安全とされています。
免疫を増強する作用があったり、血糖値を下げる作用がありますので、関連するご病気をお持ちの方(糖尿病、免疫抑制剤使用者)は避けた方が無難でしょう。
こちらのサイトでは、ハーブの苦味で体の熱を除き、血糖降下作用もあるので、健康のために良いということが解説されています。
読み物としてはこちらの方が面白いかな?
こうしてみると、若返りに関連しているのは、やはり抗酸化作用が中心のように感じます。
もう2つハーブを解説しないといけないのですが、また次回に!
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2009年11月07日
【アーユルヴェーダ】 総説第3回 ~ アーユルヴェーダで老化に立ち向かう
ドクターディネーシュのアーユルヴェーダ解説も3回目です。
今日はTさんからの質問へのお答えからです。
(質問)「AYU+VEDA」がなぜAYURVEDAとなるのでしょうか?
(お答え)サンスクリット語のAYUには:で表される接尾語がついています。この2つの点はアヌスワーラ(ANUSWAARA)と呼ばれます。サンスクリット語の文法規則では、アヌスワーラが他の語と結びつくときには、Rに置き換えられることになっています。従ってAYU:+VEDA=AYURVEDAとなります。
(私のコメント)なるほど~、きちんと理由があるのですね。面白い。だから「ア(-)ユ」が「アーユル」になるのですね。Tさん、ご質問ありがとうございます!
他にもご質問をお受けしています。lohas@jjclinic.jpまでお願いします。
「アーユルヴェーダで老化に立ち向かう」
アーユルヴェーダには、老化の問題に取り組むための強力な手段として3つの養生法があります。
ラサーヤナ・セラピー ・・・・・・ 主として若返り
ヴァージカラーナ・セラピー ・・・ 主として性的な面での若さの維持
ヨガ・セラピー ・・・・・・・・・ 瞑想テクニック
1.ラサーヤナ・セラピー
ラサーヤナ・セラピーではハーブを用いて治療をします。
1)Emblica officinalis(インディアングースベリー)
アーユルヴェーダの聖典に記されている賢人ムニ・チャワンがこの果実によって精力を補ったということが、有名な話なのだそうです。このインディアングースベリーはサプリメントとしても売られているのですね。抗酸化作用が強い(安定性が抜群)ようです。俄然、興味がわいてきました!詳しくはこちら。
他のハーブもご紹介いただいていますが、解説はまた次回に!(続く)
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2009年11月01日
【アーユルヴェーダ】 総説第2回 ~ 年齢の節目の考え方
アーユルヴェーダの解説を先週から専門家の方にしていただいています。私と共に学んでいきましょう。
ご紹介が遅れましたが、このコラムでご協力をいただいているのは、ドクターディネーシュです。アーユルヴェーダ医学校で教え、毎日アーユルヴェーダの診察を行っている最前線のドクターです。みなさんからの質問も取り次ぎますので、ご質問はlohas@jjclinic.jpにお願いします。
***
アーユルヴェーダにおける老人期医療は、老化のプロセスを遅らせ予防すること、今現在のかかっている病気が悪化したりほかの症状を引き起こしたりするような病気の複雑化を事前に防ぐこと、体の組織の消耗を軽減することを視野に入れながら発展してきました。
さてここで、アーユルヴェーダにおける老化の考え方を示します。中医学では、女性は7歳ごと、男性は8歳ごとに節目を迎えると考えているのですが、アーユルヴェーダでは10歳ごとに、健康状態が節目になると考えます。
上古天真論(中医学)~女性の特徴
アーユルヴェーダにおける節目は、児童期が10歳、成長が20歳、顔色が30歳、知的理解能力が40歳、肌の健康が50歳、視力の鋭敏さが60歳、性的能力の卓越が70歳、活力が80歳、適応力や記憶力が90歳、手指の活動が100歳、刺激への反応110歳、生命が120歳とのことです。
(生命の節目を120歳に置いているところが、気の長い?インドの凄さですね。)
さて、アーユルヴェーダにおいては、実年齢に関わらずに上記のこれらの肉体的要因の状態によって肉体年齢を導き出します。例えば、実年齢が40歳であっても老眼になり視力の鋭敏さを失えばアーユルヴェーダでは肉体年齢は60歳と考えるのです。
さて、みなさんの肉体年齢は何歳だったでしょうか? え?90歳?(笑)
(次回に続く)
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2009年10月25日
【アーユルヴェーダ】(新コーナー)アーユルヴェーダ解説1
アーユルヴェーダのことをみなさんはどれだけ知っているでしょうか?
私は、インドに古くからある医学であること、4つ(だったか?)の元素の偏りが病気を生むこと、そのくらいの知識しかありません。
幸いインドからアーユルヴェーダの情報を頂けることになりましたので、可能な限りしばらく連載してみたいと思います。
そのインドの医師の紹介もしたいところですが、ファイルをクリニックに忘れてきてしまいましたので、それは後日。では早速、総論を始めます。
***
アーユルヴェーダはインドの伝統医学体系です。「アーユルヴェーダ」はAYU=生命、VEDA=知識を意味する2つのサンスクリット語に由来します。
つまりアーユルヴェーダとは「生命に関する知識」を意味しますが、広くは「完璧な生命に関する知識」をも意味します。全ての病や死とは無縁の生命というコンセプトは、老人病科学のもとになりました。
インドの古代聖者たちは
1.個々人に最適な健康状態を保ちながら病気を未然に防ぐ
2.自然との調和を大切にした生活を送ることで病気を治す
という2つの点にポイントをおきアーユルヴェーダを発達させてきました。
(次回に続く)
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2009年10月18日
やはり体のバランスに大きな影響があります~歯科金属
金属とともに、歯の中にある感染を除く治療を続けています。まだ途中ではありますが、4本の金属を除きました。
予防的意味合いでやっている治療ですので、体感的には何かが良くなった、という感じはしません。
しかし、治療前、2本の治療後、4本の治療後とEAVという器械を使って体の状態を測定してもらいましたが、驚くほどに体のバランスが良くなっています。あとやっていることと言えば食事の改善ですね。
読み方は、右(赤)、左(青)、黄色は要注意。60以上は機能亢進、40以下は機能低下。SI 左;脾臓、SI右;膵臓、LV;肝臓、AR;関節、ST;胃、FI;線維組織、SK;皮膚、FA;脂肪代謝、GB;胆嚢、KI;腎臓、BL;膀胱、LY;リンパ系、LI;大腸、NV;神経、CL;循環器、AL;アレルギー、OR;細胞代謝(ガンのなり易さ)、TW;ホルモン、HT;心臓、SI;小腸
上から2009.3.12(治療前)、2009.4.2(2本治療後)、2009.8.13(4本治療後)です。
黄色の要注意ポイントは2回目以後あまり気にならないこと、下半身が優位に強かったアンバランスは治療するたびに良くなっていることが分かります。
やや体に無理をかけていつつ(胆嚢が強い)、しかしやや攻撃的な面が見え隠れする(胃が強い)面が良く出ていますが、その傾向が改善しています。もしかして、そういう傾向も体のアンバランスに作られてきたものなのかもしれません。
あと咬合(噛み合わせ)をとても丹念に治していただきました。今まで歯を治したときに、こんなに初めから違和感がないのは初めてなのです。それも体のバランスを良くするのに役立っているような感じがしています。
このグラフをみると、私も歯を治してみよう!と思う人が出てくるのはないかと想像しています。治療の際には、金属を外すだけでなく、潜在感染をなくすまで治療をできる医療機関を探す必要がありますので、念のため。
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2009年08月16日
多剤併用の治療について
最近、患者さんの波動測定をすることがあるのですが、治療薬の効果の具合も確認したりするわけです。
今までは、○○ウイルスの感染で、A漢方薬とB漢方薬で効果がある、ということでA+Bなどと処方をしていたわけです。
ところが注意深く見ていると、Aで効果があり、Bで効果があるのに、A+Bにすると突然効果が失われるということがあるのですよ。がーん。
そう言えば、波動測定でかなり良い線で治るはず・・と思った方で、あまり良くならない、という人がときにいらっしゃるわけです。併用療法が良くなかったのかもしれませんね。
最近では私も慎重になってきて、一般の薬剤も、漢方薬の効果を妨害しないかどうかなどを、確認しながら処方するようになりました。
これってどこかで聞いたことがある話だな・・?と思ったら、漢方薬の生薬が少ない方が、その漢方薬の切れ味が鋭くなるということと似ています。
例えば、強い処方の代表としては麻黄湯などは生薬が4つしか含まれていないため、シャープに効果が出ます。同じ麻黄が入っていても、葛根湯は生薬が7種類入っています。少しだけ穏やかな作用になってわけですが、恐らくそれぞれの生薬の波動が合わさってマイルドになっているのだろうと推測されます。
西洋薬にはいろんな添加物が含まれていますけれど、この波動が邪魔をしているのではないかと推測しています。現在うちのクリニックでは、添加物について、どの添加物が悪いか、などの調べがつくように準備をしています。
たくさん薬を飲んでいる人は少なくないですが、こういう面を見てしまうと、果たして本当に額面通り効果がでているのか、少し疑問を感じてしまいます。
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2009年08月09日
漢方薬を何日飲めば良いのか・・?
漢方薬だから効果が遅いと思っておられる方も多いのではないかと思います。
慢性病のときには確かにゆっくり作用しているように見えます。しかし以前から申し上げている通り、慢性病のときには複数の要因が絡んでいます。漢方薬により原因療法がおこなわれた場合には要因が全て解決できず、完全な全治には至らないだけで、作用の強い弱いではないように思えてきました。
では何故、西洋の薬を飲むと効果が早く強く出るのか?
それは、症状に直結する部分をがっちり抑えることに重点が置かれているので、上流(つまり病気の根源)を抑えようという発想に乏しいからなのだと思います。
上流を抑えようとすると、効果がすぐに明確には出ません。製薬メーカーはデータが最重要ですので、曖昧な効果のものを作っても生産販売の認可を取り付けることができないという事情も背後にはあります。
そういう意味では、データは古典だけという曖昧さはあっても、漢方薬が広く使われるようになっている今日の状況はとても好ましいものと思います。
先日、私はとある患者さんの湿疹の治療のために、ある漢方薬を処方しました。少々冷える傾向のある漢方薬でしたが効果に疑いはなく、大船に乗っていましたが、処方期間が長すぎて、冷えによると思われる別の病態を招いてしまいました。
私は患者さんに合わせて漢方薬を選んだ時には、かなり効果が早く出るため、処方期間を短くしないといけないことを学びました。大抵の場合は、どうも3日から1週間くらいで状況が変化していくようです。
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2009年08月02日