水治療は肝胆を鍛える?~肝胆、とくに胆にまつわる話
朝が弱い人って多いと思います。そういう人は胆の腑が弱いことが多いという話を聞きました。
胆は決断の腑ですので、朝起きてしまおう!という決断が鈍っていて、寝覚めが悪いのかもしれません。
ストレスが大きくなると、肝の蔵がその処理を始めます。現代人は肝が働き過ぎている人が多いですね。
でも胆の働きとは・・?なかなか分かりにくものです。
満腹時には決断力が鈍るわけですが、それを表現して、「胃、熱を胆に移せば、食えきという」と言われるそうです。参考サイト
このサイトの話を始めから読むと分かる通り、水による禊(みそぎ)が胆の力を鍛えるのに役立つとされているそうです。
アトピー性皮膚炎など、アレルギー性疾患の多くは胆力の不足という指摘もあります。つまり、アトピーも水治療で治療していくということが今後でてくるのかもしれませんね。
現実的な対応として、風呂上りに冷水をシャワーで10秒程度浴びる、できれば掛け声をあげながら行う、ということが雑誌に書かれていましたが、アトピーなどが本当にそれで良くなるなら手軽で良いですね。
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2012年10月21日
陰を今のうちに補う
陰を今のうちに補う、ってどういうこと・・・?と思われた方も少なくないでしょう。説明していきますね。
陰とは中医学の言葉づかいです。「陽=温かい、エネルギー」に対して、「陰=冷たい、物質」ということになりましょう。
今のうちに冷たい物質を補う、そんな感じです。
冷たい物質で最も分かりやすいものは水ですね。体の中に水がたくさん入っても体は冷えます。陰とは水分、体液と考えると良いかも知れません。
ではどうして今のうちに水分を補う必要があるのでしょうか?
秋から冬にかけて、地域差はありますが、概して乾燥しやすい季節になります。乾燥に対応するために、たくさん水を飲む人が居ますけれど、これはNGです。
急に乾燥から脱却して潤いを得ることは難しいので、普段から潤いを保ち冬場の乾燥に対して事前の準備をしておくことが必要です。
実はこの潤いのための準備は春の花粉症にも役立ちます。
春は風邪が邪気の中心になります。花粉症もその一部分と考えられます。風邪はめまぐるしく変化する症状のことを意味しているので、それを抑えるのは重みのある物質です。つまり水ということになります。
花粉症は乾燥が症状を悪化させているという側面があります。睡眠不足などで乾燥がよりひどくなると症状も悪化するわけですが、秋の補陰(水分を補う)が十分でないと、乾燥の程度が増して花粉症も悪くなるというわけです。
秋の補陰は、りんご、キウイ、梨、びわ、柿などの果物が主体になります。良質な果物を食べるようにして下さいね。
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2012年10月14日
お菓子もアレルギーの原因に・・?
アレルギー性鼻炎の患者さんが多く訪れます。大抵は抗アレルギー剤で治療することになるのですが、これはあくまでも症状を止める治療です。
大抵の場合にはこれで収まりがつくのですが、中には職業上、どうしてもアレルギーを根本から治療する必要がある方もいらっしゃいます。先日そういう方を拝見して、何が最も根本的な問題かを考えました。
その結果、お菓子の食べすぎが浮かび上がってきました。
市販のお菓子には様々な添加物が使われています。それを体は無害化して体の外に出す働きがあるので、通常は問題が表面化しません。
しかし、お菓子を食べる量が増えることで、排泄する添加物の量よりも入ってくる添加物の量の方が多くなると、問題が表面化してくる可能性があります。
添加物の影響がどのように体に表れるかは個人差があるようですが、一つの形としてアレルギー性鼻炎があるようです。
この添加物の処理は薬でも可能ですが、まずはたんぱく質の多い食事をとることが重要です。添加物はたんぱく質と結合して体の外に運ばれるので、たんぱく質摂取が足りないと添加物が体に残ってしまう可能性があるからです。
あとは便秘をなくして排泄経路を整えておくことも重要ですよ。
お菓子が大好きなみなさん。どうぞ考えてみて下さいね。
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2012年10月06日
片側だけの体調がおかしい人へ
「頭痛も肩こりも背中もみんな左が痛いのよ~」という人が結構いらっしゃいます。
単なる偶然という考え方もありますが、私はその原因をいろいろ考えてみる必要があるのではないかと思うのです。
自分の悪い側に何か良くないものがあるのではないですか?
とくに一日の3分の1を過ごす寝室は重点チェックポイントです。その体のおかしい部分に電気製品があるとか、パソコンがあるとか、何かないですか?電源コードが刺さっていれば、スイッチがOFFでも影響がでることもあります。
そうそう。携帯電話を自分の決まった側において充電しつつ寝ている人も少なくないようです。これは影響が小さくないですよ。
部屋の配置はあまり変えることがないので、小さい影響であったとしても毎日少しずつ悪影響を受けてしまう可能性があります。
動物を飼っていらっしゃる方は、その体の悪い場所に当たるところに動物を離してみましょう。そこに動物たちが留まることは少ないのではないですか?きっとネコなんかは敏感に反応するのではないですか?
もしかしてお子さんでもそういう感覚があるかもしれませんね。(お勧めはしません)
あとは仕事場やリビングで自分のいつもいる場所におかしなものがないか、確認してみましょう。解決の糸口が見つかるかもしれません。
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2012年09月30日
南の島から帰国した知人の友人のお話~感染症かな?
知人の友人が、南太平洋の国に行って帰国してから潰瘍性大腸炎になったということを話してくれました。
私はこの情報を持っていたので、これをその友人に伝えました。
↑このサイトを邦訳すると読みやすいですよ。
南の国では潰瘍性大腸炎の患者では寄生虫検査をすることが当たり前になっているとのことです。結構、同様の内容を含んだ論文が多く見られますね。
インドにおける潰瘍性大腸炎患者の糞便検査では、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスの有病率がそれぞれ8%、10%であり、寄生虫も2から4%の有病率であったと報告されています。
もしもこういう患者さんに免疫抑制剤などを投与する一般的な方法を使うと想像ですがことが感染症だけに、あまり良い結果にならないかもしれません。
昨今は海外との行き来が盛んになっているということもありますし、日本の気候も亜熱帯のようになってきています。そういう意味ではちょっと心配もしています。
日本では寄生虫学の講座がなくなる傾向にあると聞きます。研究者が減っているのでしょうね。しかし日本の気候も温暖化の傾向であり、こういう学問が衰退するのは看過してはいけないことのように感じました。
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2012年09月23日
アレルギーに対するひとつの考え方
アレルギーに関して、ナルホド!そういうことも考えておかねば!という事がありましたのでご説明しますね。
アレルギーを起こすということは、物質を体が異物と認識した、ということなのです。
どういう物質が異物になりやすいかというと、分子量が大きな物質なのです。つまり消化管で言うと、未消化物が体内に入ることがあると、これはアレルギーを引き起こす可能性が出てきます。
食べたものは消化されていくわけですから、分子量は段々小さくなるはずですよね。でも消化の力がきちんとしていないと、未消化物が増えていき、アレルギーが生じる可能性が増えていきます。
でもこれだけでは、恐らくただ下痢になって体外にそのまま未消化物が出されるだけです。
消化管粘膜のどこかに傷があったり、脆弱性があると、そこから未消化物が体内に入る可能性が出てきます。
つまり消化力が弱いこと、そして消化管に弱い部分があること、このふたつが揃うとアレルギーの可能性が出てくるということなのです。
消化力が弱い人、つまり胃弱の人かな、は皆さんの周りにもいらっしゃるのではないでしょうか?そういう人はあまり食べないですよね?
その人たちは、もしかすると、たんぱく質不足が起こって消化管粘膜が上手く修復されず、アレルギーになっているかもしれません。逆に言えば、栄養面の充足でアレルギーが治る可能性があるというのは驚きですね。
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2012年09月16日
「ウイルスか何か」が特定できない現状
先日、某所の医療関係者の集まりに行ってきました。偉い先生の研究発表でした。実は私もその先生に一時期お世話になっていたことがありましたので、研究内容の総括を聞く感じでした。
まずはある病気のモデル動物の研究です。従来、原因不明と考えられていた病気が体の外から入ってきた何ものかによって引き起こされるのではないか、という結論を上手く導いていました。
私もこの内容をみて、「この○○病は、ウイルスか何かによって引き起こされるのだな」と確信しておりました。
ところが、その研究に行き詰まりが生じてきます。
この「ウイルスか何か」が特定できないのです。
患者さんを診察して「この○○病は△△検査をすれば分かりますから検査しましょう」ということにならないと、診察室の現場では診断できないことになります。
逆に○○病の人を診て、「このウイルスか何か」が体の中で増えているという事が分かると、やっぱりそうか!ということになります。
しかしウイルスや、その他の原因と思しきものは無数にあります。それを全て調べることはかなりの困難を要します。そこで研究は方向転換を余儀なくされてしまったのです。
実に惜しいことです。
でもこういう研究が世の中には無数にあるのだと思います。
この偉い研究者の先生はデータを出して論文をたくさん書いている方ですので、恐らく気功で診断すると・・・という話には耳を貸さないでしょう。私も不愉快な気持ちにはなりたくないので、質問はせずに会場を後にしました。
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2012年09月09日
暑熱病と暑湿病について(中医学)
まだ暑いのでこの話題で行きましょう。暑熱病と暑湿病という概念についてです。
中医学では暑いときに罹患する病状を2種類に分類しています。
急性で経過して熱中症のように熱が気を消耗したり、熱が体液を消耗したりするものを暑熱病と言います。
暑熱病の場合、熱を下げる必要がありますが、体液を補いつつ、しかも熱を急激に下げる必要があるわけです(清熱去暑)。
この季節によく目にするスイカ、きゅうり、冬瓜、苦瓜、緑豆などの食材や、薄荷、菊花、麦門冬、石膏、知母など、熱を下げると同時に体液を養う内容の生薬が用いられます。スイカの皮も使われます。
日本のように高温多湿の気候の場合、冷飲食や冷房環境などに過労や睡眠不足が絡むと、いわゆる夏バテの状態になります。これは暑邪と湿邪が共同して症状を呈していて、これを暑湿病と言います。
暑湿病は、暑邪が強い場合や湿邪が強い場合などに分類されますが、冷房などにより、夏でも湿邪が寒邪と合わさり寒湿証になる場合もあります。
日本の場合、特に湿邪が強いことが多いと思われるので、熱が出ても顔が赤くならなかったり、表情もぼんやりしたりと、暑邪の症候があまり目立たない感じになります。
すると暑邪に対して清熱剤を使用することはあまり重要ではなく、去湿の対応が重要になります。
生薬では半夏、厚朴、杏仁などが主に上半身の湿に対応し(耳鼻科でもよく使用する生薬です)、滑石、竹葉などが下半身の湿に、薏苡仁(はとむぎ)は全身の湿を除くのに有効です。
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2012年08月26日
どの果物を食べると調子が悪くなりますか?
果物を食べるのに注意が必要であることを先日書きました。
先日、果物を食べると調子が悪くなるけれど、モモを食べたときだけは調子が悪くならない、という患者さんがいらっしゃいました。
前回も書いたかもしれませんが、モモは比較的有害微生物を受けつけない植物のようです。あくまでも私個人の印象ですが。
昔から玄関にモモを植えるという風習もあるくらいで、桃太郎のお話も方位にまつわるものとされていますね。参考サイト モモは現代の食生活においても、汚染の少ない安全性のかなり高い果物と言えると思います。さて、
今日、今シーズン初めての梨を食べました。甘くてジューシーでした!秋は乾燥の季節ですから、潤いの強い梨を食べることはとても良いことです。ただ、食べ過ぎると胃腸に負担をかけるので要注意です。それと梨の汚染の問題はもう少し見ていかないとまだ分かりません。
梨の効能は、体の熱を冷ます、のどの渇きを止めて肌を活性化する、咳や痰を止める、酒の毒を除く、ということだそうです。
前述の患者さんのように、どの果物(に限りませんが)を食べると調子が悪くなるのか、ならないのか、分かるということが大切ですね。
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2012年08月19日
漢方薬の少量投与に関する考え方について2
最近、漢方薬を少量で投与しているというお話をしています。方向性さえ合っていれば、あとは人間の自然治癒力で治っていくだろうと考えて実践しています。つまり漢方薬は方向性を与えるだけで、治すのは自分という考え方です。
これはなかなか面白いです。
身体の感じをいつも感じていただきながらの内服になるためか、みなさんとても敏感で、数日で「全く効かなくなった」とおっしゃいます。概ね5日くらいでしょうか。
今までの投与方法ですと、最後まで飲むことも少なくなかったのかもしれませんが、方向性に関することをこちらで説明してから内服していただいているので、ご自分で薬を中断してまた相談にいらっしゃることになります。
身体が薬にどう反応しているのかを体感していただくというのもとても大きなメリットと思いますが、もうひとつ見逃せない重要なメリットがあります。それは生薬の節約です。
最近、生薬がなかなか取れなくなっていて、取れても中国など新興国でも消費が高まっているためか、値段も上がってきています。
生薬の効能はいただき、節約していくという意味ではこの方法はなかなか優れていると思います。
ただ、なかなか広まらない方法かもしれませんね。
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2012年08月12日