耳の痒み
今日(昨日だ!)、医師で尊敬する大先輩と話をしたときに面白い話が出てきた。
「子ども達が耳を痒がるのは、多分睡眠不足のせいだぞ」
これには私も賛成である。東洋医学的には睡眠不足は気の上衝を呼び込んで首から上に熱感をもたらすのだと思っている。最近は東洋医学を学んでいるので、こういう発言に素直に賛成できる。
どうしてこの先輩先生は東洋医学を学んでいないのに、こういうことに気づくのだろうか?睡眠不足に原因を求めるなんて、東洋医学的な考え方だと思う。
大人で同じような現象が生じるのも同じ理由であろう。大人はストレスかな?
2005年06月26日
雑文
「ブログを見て来ました」という患者さんが少なくない。
そこで思うのは、
1.案外、自分の言わんとするところが伝わっていること
2.案外、みんなが一般的な医療のレベルでは満足していないこと
である。
特に、みんながやっている(私もやっています)西洋医学は懐が浅い。「データ上○○だから、もう治りません」なんて結構簡単に言ってしまう。
でも、人間は人それぞれだから、西洋医学的には不可解なことも起こり得るだろう。そこに期待を繋いでいる人たちもいるわけである。ただ、医師があきらめた時点でその人たちはThe endになってしまう。
私が、私の家族が患者なら諦めて欲しくない。だからそれを考えながら自分もやって行きたい。
ただ・・・
今日はたまたま二人で診察していたので、じっくり話を聞くことができたのであるが、いつもこうだとは限らない。構想としては、いつもじっくり話を聞けるだけの体制を作ることを考えている。ただ、いつもバイト医師と診察するようなゆとりは全くないので、自分の時間のゆとりをどう作るか、これが問題である。まあ、いろいろ考えてはいるけれど、うまく行くかなあ。
2005年06月26日
今日も・・
今日もいろいろな人たちに来ていただきました。
今日の行きがけに、「そういえば最近、治らないっていう事を言われなくなったなあ。やっぱり漢方の知識も、詳細をとことん聞く胆力も何でも総動員して治療している成果がとうとう出てきたなあ。」なーんて考えていたわけです。
でもやはりそれは甘い甘い考えでした。
「まあだいたい良いのですけれど、、、」
「仕事中に#$%&・・」
こんな患者さんがちらほら。。。本当に自分の力不足が申し訳ないのですが、ただ今のところこれが自分の全力であるのも事実です。
漢方の勉強を始めたときのように、やはりもうひとつ何か欲しいと感じます。西洋医学の縦糸と、東洋医学の横糸、そしてもうひとつ欲しい。精油(アロマの)に関する本をアマゾンで買ってみようと思って買い物かごに入れてありますが買うか買わぬか。。。そしてまだ横糸も少し弱いので強化しなくてはと思い、また日々鍛錬している今日この頃です。
日常の診療にご不満を持たれた皆様(たくさん居られたら悲しいですがー)、完璧診療まではまだしばらくお待ち下さいませ。日々努力中でございます。
2005年06月24日
のどの痛み
今日の診察では季節柄、耳が痒くなったり、めまいがしたり、聞こえがおかしくなったりという診察もあったのだが、今日は喉の診察について考えてみたい。
風邪をひいた人は、「喉が痛くなった」と言って診察室に来られる。この時点ですでに風邪を発症して数日経過していることが多い。それを指摘して発症日を推測するためにいろいろ質問する、というのが私の常道なのだが、最近ではなかなかさかのぼれない。それは何故か?
これは推測なのだが、風邪の病歴をさかのぼれない人たち、つまり風邪という自覚を持たずに喉が痛いと言って来られた人たちは、決まってかなり多忙な人たちである。したがって、そのハイテンションによってだるさとか寒気は飛んでしまい、熱でさえ発散して微熱程度で済んでしまっているのだと思う。
そうして喉が痛いと言って初めて診察室にやってくる、これが真実なのではないだろうか?たかが喉の痛みなのであるが、こんがらがった糸をほぐしてより正確に処方を出すためには結構いろいろ考えざるを得ない。
喉の痛みにもなかなか取れないものがあるのは確かである。例えば不適切に消炎鎮痛剤が使われてかえって痛みが増したり、微熱が取れなくなったりすることも少なくないが、あまり一般には知られていないのは残念である。
今日は「喉の痛みがずっと取れない」と言って来られた患者さんが居られた。折角遠方から来られた方だったので、自分なりに集中して対処した。私はその患者さんには漢方処方で対応してみたのだが、満足のいく結果になったであろうか?その方は知り合いの紹介で来られた。喉の痛みで紹介してくれたその紹介者の方にも、わざわざ来ていただいたその患者さんにも、この場を借りて御礼を申し上げる次第である。
2005年06月21日
子どもにまつわる話
こどもの診察は面白い。けれど大人にはない難しさがあるように思う。難しいからこそ挑戦しがいがあるのもまた事実である。
今日は幼稚園か、というくらいに子どもばかりの診察であった。自分に子どもが生まれる前は、子どもの診察が得意です、と言える事はなかったように思う。ただ子育てに自分なりに真剣に取り組み、いろいろ悩んだりしているうちに、少しやり方が分かってきた面があるように感じている。
子どもは症状を言わないし、所見も取りにくい。圧倒的な情報不足の中であれこれ推論をしつつ、日々診療の精度を高めているつもりである。そんな中で案外、日常生活に落とし穴がたくさんあることに気づかされる。この季節はとにかく寝冷えが多い。私にはこの季節を乗り切るための独自の理論がある。現在うちの子供たちでそれを検証しているところである。そのうち披露することができるかもしれない。
さて、昔は父親が厳しく、母親が甘いという家庭が多かったように思う。私もそういう両親に育てられた。子どもを育てるときに何か威厳のようなもの、筋の通ったものを見せつけるのが私は必要ではないか、と考えている。父親が忙しさゆえに子育てに関わることがだんだんできなくなり、その分、母親がどんどん厳しくなっている感じがする。
果たして母親が子どもに対して威厳を示すことができるだろうか?特に理由はないが答えはNOである。やはり父親には威厳を、母親には優しさを求めたい。これが自然な家族のあり方ではないだろうか?考え方が古いかな?
いろんな子ども達を見ていて感じるのだが、子ども達の精神的な安定をもたらしているのは、父親の子どもに対する接し方と、母親の優しさ特に声かけの量であると思ったので、ついついこんなことを書いてしまいました。
2005年06月19日
子ども達の管理~私流
今日も微妙な気温で夜を迎えた。子ども達の寝具をどう管理していくか、ということである。
もっと暑くなれば半そでのまま転がしておけば、窓さえ開けなければ問題ない。もっと寒くなればカーディガンをさっさと着せてしまうところである。
でも子ども達は何となく汗ばんでいて長袖のパジャマを着ているのに、これ以上必要なのか??と疑念が湧いてくる。
昨日はその疑念に負けて、データ上は絶対にカーディガンを着せるべきとは思ったのであるが、何となく自分の感覚におぼれてしまい、そのまま子ども達を転がしておいた。
すると子ども2人共に起きたときから「のどが痛い~」ということになってしまった。やはりデータは感覚よりも大切なのか!痛く反省した次第。
今日は鬼になって上着を一枚着せて寝ようと思っている。でもできるだけ遅くに、と思ってこんな時間になってしまっている。いつも眠いはずである(苦笑)。
2005年06月16日
捨て去られる治療
歯性上顎洞炎という病気がある。抜歯した後にその穴から上顎洞に感染を起こしてしまい、口の中に膿がいつまでも流れ込むちょっとやっかいな病気である。
要はその開いた穴が塞がればあとは抗生物質で料理できる状況になるわけである。穴は感染が収まれば塞がってくるのであるから抗生物質を初めから使えば良いではないか、ということを言う人もいるかもしれない。しかしすでに膿がたまっている状況ではなかなか抗生物質が効かないことは容易に予想できる。
とにかく綺麗にする。でも抗生物質は有効性に欠ける予想である。そこで何を選択すべきか。まずはじめに口の中の穴から水を入れて洗えないか、と考えてみた。昔、病棟の患者さんにやった方法である。穴が大きくないと洗えないけれど、穴が大きいと塞がらない。結局、そのときには穴を塞ぐ手術を選択したわけだが、今回は口から洗えるような穴は見当たらなかった。小さい穴なのだろう。
で、仕方がないので、鼻の中から洗浄する方法を選択した。シュミット探膿針による副鼻腔洗浄である。なんで「仕方がない」なのか?と思われる人もいるかもしれないが、準備が面倒で時間がかかるので気持ちとしては「仕方がない」になってしまうのである。患者さんも大変だ。鼻から針で刺されて一瞬とは言えやや痛い処置である。でも存分に膿が出てさぞかしさっぱりした状態で帰宅しただろうと思う。
何軒か耳鼻科を経由したようだが、どこも上顎洞洗浄を選択しなかったようだ。でもこの場合、やはり選択肢の上位に挙がるべき処置のように思う。昔の処置だから捨て去られる運命にあるのか、あるいは面倒だからみんな避けているのか、はたまたリスクがあるのにあまり点数がつかないから嫌気がさすのか。大切にしたい古い治療がどんどん忘れ去られている昨今だが、ハイテクばかりが能ではないということでも改めてこの古臭い処置を通じて強く感じさせられた。
2005年06月16日
気管支炎 耳鳴 めまい
今日の診察では2つの減少が気になった。先週末から体調を崩して風邪を引いたという人が多いこと、もうひとつは耳鳴、めまいの患者さんが激増したことである。みんな揃いも揃って先週末から具合が悪いのであるが、9日に少し暑く、10日になりやや涼しく、しかし最低気温と湿度が高くて寝苦しかったので体調を崩してしまったのだろうか。
以前から疑問に感じていたが、気管支炎が梅雨時に多いのである。今日も何人か来ていた。どうも湿度お高い日が好発日として怪しいのであるが、確信がもてるところまでいたっていない。自分としては湿度が高いために、熱が気管から逃げずに気管支炎が発症するのだと思っている。気管は定常状態でも呼気により結構熱を逃がしていて正常の状態を保っているのではないだろうか?私はよく梅雨時に厚着をして風邪を引かないようにと試していたことがある。このときにも気管支炎になったので上述のように考えるようになった次第である。
湿度が高くなると始まる病気として定番なのは耳鳴、めまいである。これらは水の調節不良と感じるときには、朝に症状が出やすい。従って寝ている間の気候が水の動きを妨害するときに発症してくるのであろう。
以前に気圧が発症に関連するのだ、と言っている先生方も多いのだが、これは誤りであると思う。気圧として公表されているのは相対気圧である。その場所が海抜0メートルであると仮定したときの気圧である。しかし肉体に影響を及ぼすのは測定値そのもの、すなわち絶対気圧である。気圧が低くて生じる病気があるのであれば、高地に住んでいる人たちのほうが発症率が高くないとおかしいことになる。しかしそういうデータは存在しない。やはり湿度と気温で説明した方が説得力があると思う。
2005年06月13日
私は嫌い!後発品薬剤。
独自に開発した薬剤の特許が切れると、他の製薬メーカーが独自の製法で同じ構造式の薬剤を作る。これが後発品薬剤と呼ばれるものである。
さて、ドクターや薬剤師の反応は様々。
・安いから好ましい
・やはり安かろう悪かろうではないか?
・大手メーカーではないので、安定供給できるのか?
・大して変わらない
・開発したメーカーがかわいそう
・薬価が下がっても中小メーカーは供給してくれるのか?
・医療費抑制のために仕方がない
私の感想。
他の医師に受診している患者さんの薬のリストを見たとき目がくらくらすることがある。後発品の知らない名前ばかりのリストになっているときがある。昨今は相互作用などの検索もしてから処方しなくてはならない(と私は思っている)ので、治療薬2005を使って、必要な限り検索して自分の使える薬を探していくことになる。
こんなに手間がかかることを医師みんながやっているのだろうか?ちょっと疑問に思うことがある。コンピュータで検索してもそこそこ時間がかかる。後発品はデータが古いと検索しきれないこともある。だいたい同じ成分の薬に対して10個も20個も名前があるのである。そんなもの人間業では覚えられるはずがない。覚えたいとも思わない。
仕組みが単純な方が安全に決まっている。患者側も行政も多少のコストを払って安全をとるべきではないだろうか?私は私の患者さんが他の医院に出かけたときに危険な目に遭いにくいようにできるだけ先発品を使用したいと思っている。
ただ・・
行政が後発品を推進しているので「後発品を使用しないと処方箋料は半額です」なんてことになりかねない。今でも実は後発品を使用しない処方箋料は20円安いのである。20円だから我慢できるが、今後の制度の変化が少し怖い。
2005年06月10日
水泳ブームも考えもの
子どもにプールを習わせるのが流行のようだ(何て言いつつ自分の子ども達も習っている)。
プールの後に体が冷たくなったままということがあり、これで鼻水が止まらないことも少なくないようなので注意が必要だ。風邪の後に鼻水だけが止まらないという時には、プールについても一応チェックしておきたい。診察中には「すぐに温かい風呂に浸かるように」と指導している。
プールには塩素濃度の問題もある。アトピー性皮膚炎が塩素で悪くなることがあるのか、皮膚が赤くなってしまうお子さんもいらっしゃる。一部には塩素濃度がとても高いプールもあるそうなので注意が必要だと思う。
最近、アデノウイルス感染症が流行している。高熱が数日続くので結構辛い。いわゆるプール熱のように結膜炎がある典型的なお子さんは少ないのだが、やはりプールで感染を起こす子もいるのだろうな、と思う。プールに通っているかどうか聞けば良かったなー(反省)。
子どもをプールに通わせるだけでも結構いろいろ考えさせられる。
2005年06月07日