喘息とその関連疾患への対応について

 最近、喘息の患者さん達を見ていて、喘息とは何なのか?と考えさせられています。

 喘息の合併の多い耳の病気もあります。その病気には副腎皮質ホルモンを投与するか、手術をするか、しか従来は治療の選択肢がなかったのです。

 その方には大好きな刺身食を止めていただいています。その後、喘息の発作は出なくなり、耳の病気ももう少しで治るかもしれない、と期待を抱かせる結果が出ています。

 畜膿症は喘息が合併すると重症になりやすく、手術をしてもまた元に戻ってしまうことがあるくらいです。

 でも前述のように、何かの要因が喘息と畜膿症を引き起こしているという推測に基づいて指導をしてみているところです。今後の成り行きを見守りたいと思います。

 これはまた結果が出ていませんが、一人の患者さんには、生ものを食べないことと、大好きなケーキを止めていただいています。

 もう一人の方は歯の金属を外すことをお勧めしました。特にアマルガムという水銀の合金を使っている歯が数本あったため、これが喘息症状に影響しているのではないか、という推測をしています。

 まだ結果は出ていませんが、喘息関連の疾患を以上のようなアプローチで治療を試みているところです。

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2009年08月02日

耳鼻科のくせに、肝臓研究会に出てきました(笑)

 先日、肝臓研究会という会合に参加しました。講師の先生はこの本の著者、山田春木先生です。私もこの本をこれから注文するところです(笑)。

 オマエ耳鼻科だろ?・・と思いますか?でも健康は全身を考えないといけないので、こういう会合も面白そうなら参加します。

 今回は最近、とみに興味のある脂質代謝のことでした。簡単に言えば、太らないように、どう指導するかということです。

 たとえば、カツ丼900Cal食べても、脂肪100gですから、これを1回がまんするということにはたいした意味がなく、普段の食習慣で体型は作られている、というような内容です。

 それと強調されていたのは、常識にとらわれないことです。三食食べなければならない、朝食を食べなければならない、酒の席では何か食べなければならない、どれも人によって必要な場合とそうでない場合があるとのこと。確かにそうだと思いました。

 それと、1985年に当時の厚生省が30品目食べるように指導していたのは、私も覚えておりますが、その項目は2000年になり、削除されているのだそうですね。常識とは永遠ではないとつくづく思い知らされます。

 考えると当たり前なのですが、なかなか気づかない論点について先生は話されていました。自分の無意識の存在を意識して、リバウンドしないようにする方法などについても解説いただきました。

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2009年07月25日

薬のアレルギーとは~後発品はやはり怖い

 先日、点滴で全身に湿疹が出て、血圧までも下がった患者さんに右往左往した私ですが、今度は薬のアレルギーに関して「アレルギーが出るとはこういうことか!」と思えるような出来事があったので書いてみます。

 その人の諸々のアレルギーは化学物質汚染が原因と推定したのです。そこである錠剤の薬で、効果の反応を確認しました。当然良い反応を期待していたのですが、「あれれ、何だか余計に悪くなる感じだな」という反応でした。

 実は錠剤を作る時にも様々な添加物が含まれています。その錠剤を作るときにも酸化チタンが含まれています。チタンアレルギーを本人に確認すると、「どうして分かったの?」という反応でした。私はチタンの入っていない、同じ成分の粉薬を渡しました。

 話は後発品になりますが、後発品薬品は製造方法がみんな異なります。果たして本当に安全は確保されるのでしょうか?疑問を感じます。後発品を希望した患者さんには「主成分以外は全く別の薬、ある程度同じように効果が出ますが、副作用もデータ通りでなく、どの程度起こるのか分かりません」と話すようにしています。

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2009年07月19日

感染症予防のために自分を整えましょう!

 感染症の予防について渋谷区から原稿を求められたので、そこで書いたことは、「マスク、手洗い、うがいをする」「人ごみを避ける」というスローガンはみな、外的マイナス要因を避けるためのものばかりであると指摘しました。

 自分の状態を整えることを忘れている人が多いのが、私は気にかかります。

 私は体に抵抗力をつけるという意味で、「十分な休養、睡眠」「冷たい飲食、薄着、エアコンのかけすぎを避ける」「バランスの良い栄養」を挙げました。

 とくに後二者については、あまり言われないことなので、強調したいですね。体温を高く保つ(つまり免疫力を保つ)ための基本ですので。

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2009年07月12日

九段クリニック分院の訪問記~最先端がん治療

 先日、午後に半日時間があったので、以前から一度訪れてみたかった、九段クリニック分院を訪問しました。

 ここでは、がん治療の最先端をみることができました。自分のがん組織の特徴を、体外で自分の免疫細胞に記憶させて、その免疫細胞を体に戻してがんを攻撃するという治療法です。

 効果(治癒率ではありません)が、各種がん全て含めて60%程度ということで、相当に効果が高いです。この免疫療法にビタミン点滴療法とか、キレーション療法などを組み合わせて治療効果を上げているとのことでした。

 プライベートがんバンクの考え方も最先端、という感じでした。

 大病院では医療保険の関係でできない治療法の数々です。 東京近郊の方でお困りの方は一度、相談してみては如何でしょう?

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2009年07月04日

(中医学)耳鳴について考える3~肝の異常

 耳鳴の講義を菅沼栄先生から受けました。菅沼先生のプロフィールとも言えるサイトを先週もご紹介しました。東洋学術出版社のサイトです。

 耳鳴治療は難しいものですが、基本的考え方を整理したいと考えています。先週は腎の異常についてお話しましたが、今週は肝の関わりについてです。

 ストレスや疲れは体の中のエネルギーをぐっと凝縮させます。するとそれは熱と化して火邪となり、肝胆の経絡にそって上昇し、耳を傷めるとされています。この結果が耳鳴や難聴なのです。

 熱が体を上りますから随伴症状としては、頭痛、顔面紅潮、イライラ、不眠と、のぼせのときのように頭の熱症状が数多く出ます。熱が上へ上へと行ってしまうので、熱が下に逃げる=通便もなくなり便秘しやすくなります。

 悪化する因子として大きいのは、ストレス、飲酒、疲れ、睡眠不足でしょう。前2者は熱が体内に生じます。後2者は熱を冷ますための体の水分(津液)が失われ、体内の火を消すことができないために症状が悪化するのです。

 治療の原則は清熱(熱を冷ます)と瀉肝(肝を下すこと)が中心になります。最も代表的な処方は、日本においては適応症でないのですが、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)です。熱を冷ます力が強いので、強いストレスの方には有効性が高いです。

 ただ、今の季節は湿気が多いので気の巡りが悪くなりがちで、竜胆瀉肝湯の効果が少し落ちることもあります。その場合には疎肝作用のある四逆散に理気効果のある香蘇散を加えるというやり方もあります。竜胆瀉肝湯に四逆散を加えることもあるそうです。ナルホド。

 急性期の耳鳴にはあまり効果はありませんが、よく使われる加味逍遥散にも疎肝作用と清熱作用がありますので、特に感情的、精神的要因から生じた耳鳴に少し長く投薬したい時に使うことがあります。

 耳鳴の漢方治療シリーズは如何だったでしょうか?

 なかなか難しい耳鳴治療ですが、原因が腎、脾、心、肝のどこにあるのかを見極めると、少し解決に近づけるのではないかと思います。

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2009年06月21日

強い過労のある人の風邪について

 風邪をひいているのに、忙しいのか、休めずに動いていて、とうとう熱を出すエネルギーまで失ってしまう人がいます。これは時々あることなのです。

 その後さらに弱ってしまい、エネルギーが枯渇して寝汗が数週間止まらずに当院を訪れる方が6月に入り4人いました。エネルギーがなくなっているのに微熱がでるからと、解熱剤を連続して使っている人が殆どです。

 ちなみにこの寝汗は、皮膚がもう水分を維持するだけのエネルギーを持っていないということを意味しています。かなり危機的状態だと思います。

 そしてどうして微熱が出るのか、これもとても重要なところです。

 この微熱は寝汗が出続けて体を冷ますことができず、ほてりが生じて出ている熱であり、体が邪気を退散させるために積極的に出している熱とは異なります。体の水分がなくなってきて出る熱で、虚熱(きょねつ)と言います。

 この虚熱の概念は西洋医学にはありません。恐らく西洋人は基本的に頑丈で体が大きいので、虚熱の状態になるほど消耗することは、日常ではないからだろうと想像しています。しかし日本人の場合には事情が異なります。

 解熱剤はエネルギーを削いで熱を下げる薬です。しかしこの場合の虚熱のように、エネルギーを使い果たし寝汗がで始めて既に1-2週間虚熱が続いている、というところで解熱剤を使ったらどうなるか、考えてみて下さい。エネルギーの枯渇を促進していることになるのです。危ないですよ。ホント。

 高熱ではないのですから、熱の行方を見守りながら安静にするだけの余裕が必要な気がします。熱の意味を正確に判断するためにも、この場合には解熱剤は避けていただきたいのです。

 市販の感冒薬なら大丈夫と思わないでください。解熱効果のある成分が少量含まれていることが殆どです。弱っているときにはそんな薬でも致命傷になることがあります。

 うちのクリニックでは温裏補陽(体の芯を温め、陽気を補う)剤で、止汗作用の強い黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を使用して切り抜けていただいています。こういうときに頼りになる処方です。

 症状の出方にもよりますが、黄耆建中湯だけ1-2週間使えば、だいたいは回復してきます。過労の方が多いようなので要注意です。

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2009年06月21日

【院長の独り言】~ 重金属蓄積の問題

 重金属の体への蓄積は主に、歯科金属とマグロなどの刺身からと考えます。歯科金属は、歯科の先生の中ではもちろん問題ないものと考えられています。でも金属の問題は、長期間かかってできる障害である可能性があるので、分かりにくい側面がありますし、また問題が生じてからでは、取り返しがつかないということも言えると思います。

 マグロにも水銀が蓄積すると言われていますが、現実に刺身を食べる量を減らすと障害が取れる人も中には見受けます。まだ少数ですが・・。

関連ブログはこちら

2009年06月14日

本のご紹介~儀礼の重要性を知る

 本当は菅沼先生の耳鳴講義について書く予定でしたが、これまた予定変更で是非ご紹介したい本がでてきたので、それを紹介します。耳鳴については、来週に必ず書くようにします。

 私が是非紹介したいと思った本はこの本です。

 『儀礼があるから日本が生きる!』
 ライアル・ワトソン(著)、翔田朱美(訳)、2001/08 たちばな出版

 私は日本に自信をなくしていたなあ、とこの本を読んで思いました。日本が世界に稀にみる優位を築いている、ということを心から実感でき、嬉しくなったのはこの本のおかげです。

 何が優位なのか・・? それは儀礼、儀式なのです。

 世には人工的な人間関係を作る仕組みがたくさんあります。社交クラブから軍隊教育、社歌を歌うことまで、さまざまです。

 でもここからは社会的な結束は生まれません。全ては人工的な人間関係に過ぎません。日本にはたくさんの儀式や祭りが存在します。それらのほとんどが旧来の方式に則って行われています。そういう方式、すなわち儀式こそが自然な社会の一体感を生む要因になっているということです。

 私たちは、そういうものに自然のうちに囲まれています。歳を取るにつれてお宮参り、成人式、還暦とありますし、季節ごとにいろんな祭事があります。そういうものは意識には上りませんが、自然な一体感を生んでいると言えると思います。

 ただし、儀礼は商業主義に飲み込まれる危険性があるので、気をつけるべきと本には書かれていました。昔の共同体が息づく国であることを私たちはもっと意識して、誇りに思わないといけないのかもしれません。

 今まで、年賀状、お中元、お歳暮って面倒だなあと思いましたが、これも、歴史は浅い(ですよね?)ものの、欠かしてはならない儀礼のひとつであると思いを新たにしました。

 最近、いろんな方たちにお世話になっているので、お中元は大変だなあ(笑)。

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2009年06月14日

【院長の独り言】~ 栄養学の勉強

 
 栄養学の勉強をしようと思っています。先日、サプリメントを飲んでいると、どうも体調が悪い感じがしました。飲むのを止めると気のせいか体調が戻りました。このように、たとえマルチビタミンでも、根拠に基づいて飲まなければいけないと再認識したからです。
 栄養学は医師が最も苦手とする分野のひとつです。上手くいくかどうかわかりませんが、少しずつ勉強していくつもりでいます。

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2009年06月07日