栄養障害による体の痛みについて

 昔、子供が手足の痛みを訴えていたとき、

 「それは成長痛だから」

 と説明した覚えがあります。でも成長痛って何でしょう?

 サイトを検索しても、原因不明の痛み、ということしか書いてありません。

 最近勉強したことと経験から一つ言えることは、栄養状態が十分に満たされている場合には痛みはでない(らしい)、ということです。

 子供の成長痛は鉄分の不足から生じるもののように感じられます。鉄分は成長期に急に需要が増大しますから、一時的な不足は容易に生じ得ます。

 さて、先日大人の方で、体全体が痛いと言って来院された患者さんがいました。出産後から十分にタンパク質を摂取していなかったようです。

 体の働きは、免疫でも、体の維持でも、何でもタンパク質が主体になって、動いています。そのタンパク質が不足するとどうなるでしょう?

 実は、筋肉のタンパク質を取り壊して、今必要なタンパク質に作り替えて使うということを人間の体は行っているのです。当然筋肉は全身にありますから、全身が痛くなりますよね?

 この方はプロテイン摂取により、容易に痛みが取れました。よかった。

 さて、同様の痛みで気をつけないといけないものがあります。薬剤服用後の筋肉痛です。これは薬の副作用として、筋肉などの組織が壊されるものですので、すぐに服用を中止しないといけません。これは要注意ですので、覚えておきましょう!

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2012年03月25日

花粉症対策にヨーガ・・?

 いよいよ花粉シーズンが本格化してきましたね。我がクリニックもさすがにこの季節らしく少し混雑してきました。

 花粉症対策、などとキーワードを入力して検索してみると大変!たっくさんのサイトが検索されます。

 乳酸菌に関するサイトがたくさんでてきます。乳酸菌は免役の攻守のバランスをとる働きがあるので、花粉症の症状を抑えるのに役立つのです。

 あとは、様々なグッズやサプリメントなどが並んでいるのですが、「女性自身」の中に「月ヨガ」というものを見つけました。
 
 月の満ち欠けを女性の生理周期になぞらえて、そのリズムに合わせてヨーガの動きを行うことで健康になろうというものです。

 新月から満月までは筋トレや新陳代謝を上げるのに向いている時期なのだそうです。このときに行うのは「猫のポーズ」と「ランジのポーズ」と呼ばれるものが良いとのことです。

 満月から新月にかけては、体内で蓄積された余計なものを排出したり、血行やリンパの流れをスムーズにする、心のメンテナンスなどに最適な時期とされています。この時期には「魚のポーズ」と「鋤のポーズ」が良いのだそうです。

 深く理解するには、それぞれのポーズの意味を知らねばなりませんが、私はまだそこまでの理解はしておりませんので悪しからず。

 バリエーションはあると思いますが、サイトを紹介しておきます。

 猫のポーズ  ランジのポーズ
 
 魚のポーズ  鋤のポーズ 
 ちなみに3月22日までは心のメンテナンスの時期なのだそうですよ。心身のメンテナンスで花粉症を乗り切るのも良いのではないでしょうか?私はこういう考え方は好きです。

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2012年03月18日

微量元素摂取に対する見解

 先々週の記事に対して、たくさんのメールを頂きました。ありがとうございました。

 Hさんより。
 黒や紫の濃い色は鉄や金属から出来ていることが多く、特に血を作る骨髄や肝臓などの内臓に多いです。植物ではの皮に多くの栄養素が含まれているのだと思います。皮をむかず、大きく切るようにしています。

 ー そうですね。全体をいただく、という意識が大切かもしれません。メールありがとうございました。

 
 Eさんより。
 微量元素は海の水からつくられた自然塩からとれると思っていましたが、こんなサイトもありました。
 
 ー どうなんでしょうね。この結果では自然塩でまかなわれる微量元素はかなり少ないように思えますね。やはり色んなものを食べることが大切なのかもしれません。

 Kさんより。
 現代人が「ミネラルの栄養失調」と言われるのも、全体食を止め、精白し過ぎの塩、砂糖、米、穀物ばかり取るようになり、魚は切り身ばかり、野菜は皮をむき葉を捨てるというようになってしまったことと無関係と思えません。

 ー 精白することが良くないことは、最近なんとなく分かってきました。別に精白する必要は最近感じなくなってきました。こういう考え方にも段々理解が進んできているように感じます。

 みなさんメールありがとうございました。

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2012年02月05日

抗菌蛋白質でインフルエンザを予防してみよう!

 インフルエンザが流行してきたので、インフルエンザに有効と思われるサプリメントをご紹介してみましょう。

 最近話題になっているのはビタミンDです。以前にもご紹介したことがあるかもしれませんが、論文にもなっています
 
 学童において、ビタミンDを摂取した子供たちと、そうでない子供たちの間に有意な差をもってインフルエンザの発症率が違っていたそうです。

 ここにも書かれているようにインフルエンザウイルスが周囲にあっても、自分の免疫が盤石なら発症しない可能性は高いと言えます。
 
 ただ、現実には疲れやストレス、あるいは食事内容の問題かもしれませんが、そういうことが背景にあることが多いので、免疫が盤石になっていることはあまりありません。

 そこで抗菌蛋白質というものが注目されています。体内の自然免疫防御システムの中で重要な役割を果たしていると考えられます。このサイト上部の説明が分かりやすいでしょう。

 その抗菌蛋白質の合成(だと思いますが)にビタミンDが関与するというのです。どの程度の関与度なのかは不明ですが、こういうインフルエンザ予防法があるのだな、と思わされた次第です。

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2012年01月29日

まるごと食べると微量元素は補うことができるのか?

 微量元素の不足、などと言われますが、微量元素とは何でしょう
 
 鉄に始まり、銅、亜鉛、マンガン・・・。金属のおもちゃでもないのに人間の体にはこういう金属類が多種類存在していて、それぞれに重要な機能を担っているわけです。

 この微量元素は食事から摂取すべきもののはずですが、何をどのように摂取すると良いのか?細かいことなので、考え出すと食事がまずくなってしまいます。

 どのように微量元素を摂取するのが良いのか、どうしても腑に落ちる方法がありませんでした。

 ある日、本を読んでいて「あー、これは本当かもしれない」と思った記載がありました。

  ― 微量元素摂取は無駄のない食べ方から。皮や内臓 まで食べる。まるごとたべることで微量元素は補われる。

 本当かどうか分かりませんが、なんとなくそんな気もしてきます。多分、幕内秀夫さんの「粗食のすすめ」に書かれていたのではなかったかと思います。
 
 現代栄養学の先生は、皮にある栄養は少しだけで、皮を剥かないで食べると少し栄養が取れるだけだ、と考えているようです。

 アキバ博士の「食の知恵と文化」栄養学からみると・・・
 
 しかし、こと微量元素のことになると、本当のことはまだ分かりません。

 どなたか教えて下さいませー。

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2012年01月22日

血糖を効果的に下げるのは運動

血糖をコントロールする上で、インスリンの働きは重要です。インスリンは人間の体の中で唯一、血糖を下げるホルモンだからです。

 恐らく、太古の時代には飢餓状態の人も多く、血糖を上げるホルモンが重要だったに違いありません。しかし、現代にあっては血糖を下げるホルモンの重要性が増していると思います。

 さて、インスリンが出ていても血糖がなかなか下がらないという現象が起こることがあります。インスリンへの敏感さが欠けているという意味で、インスリン感受性が低下している、と表現します。

 インスリンの感受性はどういう人で落ちるのでしょう?インスリンはどういう状況だと働き易くなるのでしょう?

 最近見た資料で面白いなと思ったのは、「インスリン感受性の改善度と散歩の歩数には正の相関がある」というものです。

 運動をするとインスリンによる細胞の糖の取り込みがスムーズになります。ですので、運動はエネルギーを消費して血糖を下げるということとは別に、インスリン感受性が高まるために効率よく血糖を下げることができるようになります。

 脂質の状態の改善も考えると、週に1000Kcal以上の運動が必要とのことですが、これは結構な運動量なので、毎日少しずつ運動することが大切でしょう。そして、血糖が上がるまで、つまり食後30分以内に運動することが、血糖の上昇を抑える上で有効なようです。

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2012年01月14日

血圧を下げるべきか否か?4~降圧ペプチド

 高血圧をロハスな対処として、食材で何とかならないかと考えてみます。

 まずは血圧調節の基本的なところを押さえてみましょう。

 血圧は主に腎臓が管理しています。血圧が低くなり腎臓の循環血液量が少なくなると、レニンという物質ができ、いろんな反応を経て、腎臓で捨てるはずであったナトリウムを再吸収し、血漿量を増やすようになります。またレニンから始まる反応により、全身の血管も収縮し、腎臓の循環血液量が増加します。

 血圧が上がってくると逆に血圧が下げる機構が働きます。ブラジキニンという物質が作られることによって血圧が下がり、血圧が上がり過ぎるのを抑える方向に進みます。このように、ネガティブフィードバックにより血圧はコントロールされているのです。

 さて、イワシやゴマに含まれるある種のペプチドは、レニンから血管収縮や、ナトリウム再吸収を抑制する方向に働きます。

 高血圧の薬の中にアンギオテンシン変換酵素阻害剤という種類の薬がありますが、その薬と同様の働きをイワシやゴマがしているというわけです。

 また、マグネシウム、カルシウム、カリウムといったミネラル類も血圧を下げる働きが期待できます。

 マグネシウムは血管収縮させるためのカルシウムの働きを抑制しますし、カリウムはナトリウムの再吸収を抑制します。カルシウムは細胞の興奮を抑える働きがあるため、その興奮を抑えることで血管収縮が抑制されるとされています。

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2012年01月09日

血圧を下げるべきか否か?2

 先週、ストレスだけでも血圧が上がること、糖尿病の人は睡眠時も血圧が下がらないなどのことがあるので、寝ている間の血圧も測ったほうがよいことをお話しました。

 糖尿病の方は腎障害や神経障害を生じないように、血圧を管理することが必要になります。高血糖もトラブルですが、血圧が上がりやすくなるために、これらの障害が生じやすくなります。

 糖尿病の方はインスリンの値が高くなっています。インスリンの作用により腎臓では捨てるはずのナトリウムの再吸収が起こり、循環血漿量が多くなり、血圧は上がりやすくなります。

 こういう方の場合にはカリウム、カルシウム、マグネシウムなどを摂取することで、ナトリウム代謝が正常になっていきます。

 また細胞内カルシウムが増加するため、血管が収縮して血圧が上がるという面があります。

 逆に考えると、高血圧があるといっても、血圧を直接下げることばかりを考えるのではなく、インスリンが働きやすい状態にすることで、インスリン値が高値になることが抑えられ、高血圧にもならないようにできるということです。

 では、インスリンが働きやすくなるために一番効果があるのは何でしょうか?

 それは恐らく運動、そして減量でしょうね。

 来週に続きます。

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2011年12月18日

コレステロールは下げた方が良いの?最終回

先々週から薬物による高脂血症治療についてお話ししています。スタチン系薬剤、プロブコールについてご説明してきました。また、サプリメントではナイアシンが期待できることもお話しました。
いろいろ考えてきましたが、そろそろ考えをまとめていこうと思います。まず、コレステロールを考える上で重要と思われることを挙げてみましょう。思いつくままですので、重要なことが抜けませんように!

  ・LDLとHDLがどういう値になっているのか
  ・高過ぎは心血管病のリスクになる一方、低過ぎるのも問題
  ・コレステロールが酸化されることは防ぎたい
   ビタミンCだけでなく、ビタミンEも重要
  ・脂質は、糖質制限をしないと燃焼に影響することがある
  ・EPAとDHAの摂取は有効性が高いように感じられる
  ・スタチン系薬剤を使うならCoQ10を補給したい

 こんなところでしょうか。

 特にコレステロールは酸化されなければ、低い値よりはむしろ高い値の方が良いようにも感じられました。このあたりは専門家の意見を聞かねばなりませんが。

 一応、今回でこのシリーズは終りにしようと思います。
 来週以後何にしようかな・・?

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2011年12月03日

コレステロールは下げた方が良いの?12

 先週から薬物による高脂血症治療についてお話ししています。先週はスタチン系薬剤の話をしました。CoQ10が論理的には不足するはずですので、サプリメントで補うことを検討してみましょう。

 さて、今週はスタチン系以外の薬物治療について考えてみましょう。

 プロブコールという薬もよく使われているそうです。Wikipediaによると、詳細な作用機序は不明ですが、HDLの異化をすることでコレステロール逆転送回路を活性化させると書かれています。

 HDLは低下しない方が良いと今まで勉強してきたので、HDLを分解することで組織の余分なコレステロールが本当に回収されるのか、少し心配になります。

 臨床的にはプロブコールで動脈硬化が縮小したという報告と、あまり効果がなかったという報告の両方があるようです。今後の研究結果待ちということでしょう。

 サプリメントではナイアシンがLDLを下げることで高脂血症に効果があるとされています。ナイアシンはコレステロールだけでなく、中性脂肪も下げる効果があります。安全性も高く、もっと広まって良さそうですが、日本では保険適応がないそうです(何で?)

 さらに来週に続きます。

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2011年11月26日