月経と季節の関係について

 生理と体調の関係については以前から興味がありましたが、このたび中医学の講義を聴く機会があったので、少し考えてみました。

 生理前には卵胞が成熟して成熟卵胞になるが、元になる卵子は腎の力が反映し、その成長には脾が関係します。そして成熟卵胞が卵巣から出るにあたり、肝と腎のエネルギーが関わります。

 そして子宮の側ですが、内膜が厚くなる過程が十分に行われるために腎の固摂作用、脾の統血作用が必要になります。

 つまり肝、腎、脾のエネルギーの問題があると、月経まで上手く持って行かれない状態になってしまうのです。

 卵子の成長に問題があって不妊の場合には腎と脾の働きに注目すべきですし、過少月経の場合には、子宮の十分な内膜肥厚が生じないのですから、やはり腎と脾の働きに問題があると言えるでしょう。

 つまり慢性疲労とか過食の人などは妊娠しにくい状態ができてしまうので、注意が必要です。

 また肝の働きに問題があると、卵胞が卵巣から出られない状況になってしまうので、ストレスなどの問題はこれまた不妊の原因になってしまいます。

 月経前に痛みなどのトラブルがある場合にも、肝、腎、脾の働きについて、注目していく必要がありそうです。

 次回に続く

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2012年11月04日

水治療は肝胆を鍛える?~肝胆、とくに胆にまつわる話

 朝が弱い人って多いと思います。そういう人は胆の腑が弱いことが多いという話を聞きました。

 胆は決断の腑ですので、朝起きてしまおう!という決断が鈍っていて、寝覚めが悪いのかもしれません。

 ストレスが大きくなると、肝の蔵がその処理を始めます。現代人は肝が働き過ぎている人が多いですね。

 でも胆の働きとは・・?なかなか分かりにくものです。

 満腹時には決断力が鈍るわけですが、それを表現して、「胃、熱を胆に移せば、食えきという」と言われるそうです。参考サイト 
 このサイトの話を始めから読むと分かる通り、水による禊(みそぎ)が胆の力を鍛えるのに役立つとされているそうです。

 アトピー性皮膚炎など、アレルギー性疾患の多くは胆力の不足という指摘もあります。つまり、アトピーも水治療で治療していくということが今後でてくるのかもしれませんね。

 現実的な対応として、風呂上りに冷水をシャワーで10秒程度浴びる、できれば掛け声をあげながら行う、ということが雑誌に書かれていましたが、アトピーなどが本当にそれで良くなるなら手軽で良いですね。

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2012年10月21日

陰を今のうちに補う

 陰を今のうちに補う、ってどういうこと・・・?と思われた方も少なくないでしょう。説明していきますね。

 陰とは中医学の言葉づかいです。「陽=温かい、エネルギー」に対して、「陰=冷たい、物質」ということになりましょう。

 今のうちに冷たい物質を補う、そんな感じです。

 冷たい物質で最も分かりやすいものは水ですね。体の中に水がたくさん入っても体は冷えます。陰とは水分、体液と考えると良いかも知れません。

 ではどうして今のうちに水分を補う必要があるのでしょうか?

 秋から冬にかけて、地域差はありますが、概して乾燥しやすい季節になります。乾燥に対応するために、たくさん水を飲む人が居ますけれど、これはNGです。

 急に乾燥から脱却して潤いを得ることは難しいので、普段から潤いを保ち冬場の乾燥に対して事前の準備をしておくことが必要です。

 実はこの潤いのための準備は春の花粉症にも役立ちます。

 春は風邪が邪気の中心になります。花粉症もその一部分と考えられます。風邪はめまぐるしく変化する症状のことを意味しているので、それを抑えるのは重みのある物質です。つまり水ということになります。

 花粉症は乾燥が症状を悪化させているという側面があります。睡眠不足などで乾燥がよりひどくなると症状も悪化するわけですが、秋の補陰(水分を補う)が十分でないと、乾燥の程度が増して花粉症も悪くなるというわけです。

 秋の補陰は、りんご、キウイ、梨、びわ、柿などの果物が主体になります。良質な果物を食べるようにして下さいね。

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2012年10月14日

片側だけの体調がおかしい人へ

 「頭痛も肩こりも背中もみんな左が痛いのよ~」という人が結構いらっしゃいます。

 単なる偶然という考え方もありますが、私はその原因をいろいろ考えてみる必要があるのではないかと思うのです。

 自分の悪い側に何か良くないものがあるのではないですか?

 とくに一日の3分の1を過ごす寝室は重点チェックポイントです。その体のおかしい部分に電気製品があるとか、パソコンがあるとか、何かないですか?電源コードが刺さっていれば、スイッチがOFFでも影響がでることもあります。

 そうそう。携帯電話を自分の決まった側において充電しつつ寝ている人も少なくないようです。これは影響が小さくないですよ。

 部屋の配置はあまり変えることがないので、小さい影響であったとしても毎日少しずつ悪影響を受けてしまう可能性があります。

 動物を飼っていらっしゃる方は、その体の悪い場所に当たるところに動物を離してみましょう。そこに動物たちが留まることは少ないのではないですか?きっとネコなんかは敏感に反応するのではないですか?

 もしかしてお子さんでもそういう感覚があるかもしれませんね。(お勧めはしません)

 あとは仕事場やリビングで自分のいつもいる場所におかしなものがないか、確認してみましょう。解決の糸口が見つかるかもしれません。

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2012年09月30日

アレルギーに対するひとつの考え方

 アレルギーに関して、ナルホド!そういうことも考えておかねば!という事がありましたのでご説明しますね。

 アレルギーを起こすということは、物質を体が異物と認識した、ということなのです。

 どういう物質が異物になりやすいかというと、分子量が大きな物質なのです。つまり消化管で言うと、未消化物が体内に入ることがあると、これはアレルギーを引き起こす可能性が出てきます。

 食べたものは消化されていくわけですから、分子量は段々小さくなるはずですよね。でも消化の力がきちんとしていないと、未消化物が増えていき、アレルギーが生じる可能性が増えていきます。

 でもこれだけでは、恐らくただ下痢になって体外にそのまま未消化物が出されるだけです。

 消化管粘膜のどこかに傷があったり、脆弱性があると、そこから未消化物が体内に入る可能性が出てきます。

 つまり消化力が弱いこと、そして消化管に弱い部分があること、このふたつが揃うとアレルギーの可能性が出てくるということなのです。

 消化力が弱い人、つまり胃弱の人かな、は皆さんの周りにもいらっしゃるのではないでしょうか?そういう人はあまり食べないですよね?

 その人たちは、もしかすると、たんぱく質不足が起こって消化管粘膜が上手く修復されず、アレルギーになっているかもしれません。逆に言えば、栄養面の充足でアレルギーが治る可能性があるというのは驚きですね。

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2012年09月16日

暑熱病と暑湿病について(中医学)

 まだ暑いのでこの話題で行きましょう。暑熱病と暑湿病という概念についてです。

 中医学では暑いときに罹患する病状を2種類に分類しています。

 急性で経過して熱中症のように熱が気を消耗したり、熱が体液を消耗したりするものを暑熱病と言います。

 暑熱病の場合、熱を下げる必要がありますが、体液を補いつつ、しかも熱を急激に下げる必要があるわけです(清熱去暑)。

 この季節によく目にするスイカ、きゅうり、冬瓜、苦瓜、緑豆などの食材や、薄荷、菊花、麦門冬、石膏、知母など、熱を下げると同時に体液を養う内容の生薬が用いられます。スイカの皮も使われます。

 日本のように高温多湿の気候の場合、冷飲食や冷房環境などに過労や睡眠不足が絡むと、いわゆる夏バテの状態になります。これは暑邪と湿邪が共同して症状を呈していて、これを暑湿病と言います。

 暑湿病は、暑邪が強い場合や湿邪が強い場合などに分類されますが、冷房などにより、夏でも湿邪が寒邪と合わさり寒湿証になる場合もあります。

 日本の場合、特に湿邪が強いことが多いと思われるので、熱が出ても顔が赤くならなかったり、表情もぼんやりしたりと、暑邪の症候があまり目立たない感じになります。

 すると暑邪に対して清熱剤を使用することはあまり重要ではなく、去湿の対応が重要になります。

 生薬では半夏、厚朴、杏仁などが主に上半身の湿に対応し(耳鼻科でもよく使用する生薬です)、滑石、竹葉などが下半身の湿に、薏苡仁(はとむぎ)は全身の湿を除くのに有効です。

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2012年08月26日

どの果物を食べると調子が悪くなりますか?

 果物を食べるのに注意が必要であることを先日書きました
 
 先日、果物を食べると調子が悪くなるけれど、モモを食べたときだけは調子が悪くならない、という患者さんがいらっしゃいました。

 前回も書いたかもしれませんが、モモは比較的有害微生物を受けつけない植物のようです。あくまでも私個人の印象ですが。

 昔から玄関にモモを植えるという風習もあるくらいで、桃太郎のお話も方位にまつわるものとされていますね。参考サイト モモは現代の食生活においても、汚染の少ない安全性のかなり高い果物と言えると思います。さて、

 今日、今シーズン初めての梨を食べました。甘くてジューシーでした!秋は乾燥の季節ですから、潤いの強い梨を食べることはとても良いことです。ただ、食べ過ぎると胃腸に負担をかけるので要注意です。それと梨の汚染の問題はもう少し見ていかないとまだ分かりません。

 梨の効能は、体の熱を冷ます、のどの渇きを止めて肌を活性化する、咳や痰を止める、酒の毒を除く、ということだそうです。
 
 前述の患者さんのように、どの果物(に限りませんが)を食べると調子が悪くなるのか、ならないのか、分かるということが大切ですね。

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2012年08月19日

漢方薬の少量投与に関する考え方について

 最近、漢方薬を少量で投与しているというお話をしています。

 これはとても面白い試みだと自分では感じています。というのは、漢方薬は特にベクトルをもった処方であると感じているからです。

 ベクトルというと、方向性と量ということになります。

 健康になる方向性をつけてあげる、その方向に量的に押してあげる、というのが漢方薬であると思うのです。

 道に迷ったときを考えていただければ分かりますが、方向性と量、どちらが大切かというと、もちろん方向性です。

 方向性さえ合っていれば、あとは人間には自然治癒力がありますので、自分の力で治っていくものなのだと思います。

 量的にその方向に押し込んでいくと、誤った方向性を与えてしまった時には修正が大変になってしまいますし、正しい方向でも過ぎれば健全な状態から遠ざかってしまう可能性があります。

 そういういろんな意味で、方向性だけ与えて、あとは自分で治っていただくという発想が必要だと感じています。さらに漢方薬の生薬の不足している現状を考えると、生薬の節約という意味でもとても意義深い考え方と言えると自負しています。

 ただ、正しい方向性を与えないと全く何も生じませんので、患者さんの不満は大きくなることが予想されます。ですので的確と思われる判断を気功的に行い、通常量の2~4分の1程度で処方することが少し増えてきました。

 なかなか面白いです。結果はまたご報告しますね。

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2012年08月05日

マグネシウムの話1

 先日、山田豊文氏の講演を聞いてきました。その中でマグネシウムの話が出たので、少し調べてみました。

 マグネシウムが2型糖尿病に効果があるということが出てきましたので、その内容を掘り下げてみます。

 糖尿病とマグネシウムの関係は色々あります。

 まず、インスリンの作用をマグネシウムが高めることが挙げられます。インスリンは血糖を下げるホルモンです。このホルモンが出ても血糖が下がりにくくて糖尿病になっている人も少なくありません。マグネシウムはこのホルモンの感度を高めることで糖尿病になりにくくする側面があります。

 逆に糖尿病であると尿量が増え、そこにマグネシウムが溶けだしてしまいがちになり、マグネシウムが失われてしまいます。

 そして、糖尿病で最も注意しなくてはならない合併症である、微小血管障害、すなわち、網膜症、腎障害、神経障害の発生にはマグネシウム欠乏が関与すると言われているそうです。

 これだけでもマグネシウムを摂取する意義があるように感じられますね。

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2012年07月15日

温室栽培の野菜の話

最近、うつ病の人も増えているなど、体にエネルギーが足りない!と感じる人が増えているような印象を受けます。

 もしかすると、食べている食材に問題があるのかな?と思ったりします。

 魚でも自然の状態の魚は生き生きと生きているので身が締まっていて美味しいのだと思いますけれど、そもそも生き生きしているものをいただくことで私たちも生き生きするのかもしれません。

 ただ、養殖の魚がかなりを占める鮮魚売り場ばかりですので、近頃はどれが自然の魚なのか、探すだけでも苦労してしまいますけれど・・・

 陸上の作物にしても同じことが言えますね。

 旬のものは栄養素が豊富と言われます。データの裏付けもどこかにあるのかもしれません。

 では、温室で栽培された作物はどのような性質を持っているのでしょうか?

 温室で栽培された作物は、私たちの食卓にはもう欠かせないものになってしまっていますが、太陽の恵みをあまり得られていない作物にはエネルギーが足りないと感じられます。

 陰陽理論から考えると、温室栽培の作物は太陽から得る陽のエネルギーは少なく、物質としての陰のエネルギーが多いのは当然なのかもしれません。

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2012年07月08日