漢方薬の少量投与に関する考え方について
最近、漢方薬を少量で投与しているというお話をしています。
これはとても面白い試みだと自分では感じています。というのは、漢方薬は特にベクトルをもった処方であると感じているからです。
ベクトルというと、方向性と量ということになります。
健康になる方向性をつけてあげる、その方向に量的に押してあげる、というのが漢方薬であると思うのです。
道に迷ったときを考えていただければ分かりますが、方向性と量、どちらが大切かというと、もちろん方向性です。
方向性さえ合っていれば、あとは人間には自然治癒力がありますので、自分の力で治っていくものなのだと思います。
量的にその方向に押し込んでいくと、誤った方向性を与えてしまった時には修正が大変になってしまいますし、正しい方向でも過ぎれば健全な状態から遠ざかってしまう可能性があります。
そういういろんな意味で、方向性だけ与えて、あとは自分で治っていただくという発想が必要だと感じています。さらに漢方薬の生薬の不足している現状を考えると、生薬の節約という意味でもとても意義深い考え方と言えると自負しています。
ただ、正しい方向性を与えないと全く何も生じませんので、患者さんの不満は大きくなることが予想されます。ですので的確と思われる判断を気功的に行い、通常量の2~4分の1程度で処方することが少し増えてきました。
なかなか面白いです。結果はまたご報告しますね。
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2012年08月05日
将来、当院でできると良いなと思っている癌治療
うちのような小さなクリニックでも癌患者さんを数人診ています。最近、そういう患者さんを前にして、自分ができることは何かと考えることがあります。
癌患者さんの中には癌と気力の限り戦って、治していこうとする人も大勢いらっしゃいます。それを支える医療従事者も多数います。西洋医学の根本を成す考え方と言えます。
これはこれでとても結構なことで、手術、抗ガン剤、放射線治療を駆使して癌を克服している方は大勢知っています。
この方法を選択された患者さんは(というか、これが通常の選択ですね)、専門病院への紹介状を当院から持って行くことになります。紹介状を書いて私の役目は終わりです。
では当院でできる癌治療はあるでしょうか?
残念ながら現状では提供できる有力な治療方法はありません。漢方薬を駆使して、スピードを緩めることはできるかもしれませんね。そんな程度です。
でも世界一周して帰ってきたら癌が治っていた、なんていう例が世界にはあるんですよ。そういう人は全く違う自分になることで、癌がない自分になっているのではないかと思うんです。
世界一周を現実にはしないで、体は世界一周させてしまう・・・そんな治療方法がないのかしら、と考えている今日このごろです。
おふざけでなくて、真剣に考えているんですよ(笑)。
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2012年07月29日
中医学はシンボリズム的である?
先日、久しぶりに師匠の一人と考えている永楽堂クリニックの下谷武志先生の講演を拝聴しました。下谷先生は来年の第30回日本東方医学会会頭を務められます。
先生は「肝」とか「気滞」というのはシンボリズムであると言います。
正直なところ、よくわからないなー、とずっと思っていました。今回、先生のお話を聞いておぼろげながら分かったことを書いてみます。私がその程度の理解度ですので、みなさんにうまく伝わるかどうか。。。
たとえば中医学で使う用語は「肝」と言っても、物質としての肝臓のことを指すというよりは、栄養分(血)を蓄えることと、気血水全体の流れを調整するという機能的な内容が主になっています。
確かに「肝」の内容は肝臓の働きと近い感じもするのですが、完全に肝臓と一致しているわけではなく、あくまでも「肝」は機能を指しています。
こういう「肝」のイメージ、機能的側面をシンボリズムという風に表現されたのだと思います。
中医学はこういうイメージの側面がありますが、これは波動的であり、量子力学的であるので、方剤も2剤、3剤と重ね合わせていくことができるという考えがなりたちます。方剤の組み合わせは無限に近いでしょうから、現代の複雑化した病状にも対応できる場面が多いのではないでしょうか?
一方でいわゆる日本漢方医学はどうでしょうか?
古典を基礎とするこの学問は、叙述的に診断して治療方剤を選択していくという面があるので、きわめて粒子的、古典力学的であり、方剤を合わせると相加的効果しか得られない、西洋薬的な働きを生薬に求めることになります。
伝わったかどうか分かりませんが、私がずっとみなさんに伝えたかった内容のひとつなのです。
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2012年07月22日
マグネシウムの話1
先日、山田豊文氏の講演を聞いてきました。その中でマグネシウムの話が出たので、少し調べてみました。
マグネシウムが2型糖尿病に効果があるということが出てきましたので、その内容を掘り下げてみます。
糖尿病とマグネシウムの関係は色々あります。
まず、インスリンの作用をマグネシウムが高めることが挙げられます。インスリンは血糖を下げるホルモンです。このホルモンが出ても血糖が下がりにくくて糖尿病になっている人も少なくありません。マグネシウムはこのホルモンの感度を高めることで糖尿病になりにくくする側面があります。
逆に糖尿病であると尿量が増え、そこにマグネシウムが溶けだしてしまいがちになり、マグネシウムが失われてしまいます。
そして、糖尿病で最も注意しなくてはならない合併症である、微小血管障害、すなわち、網膜症、腎障害、神経障害の発生にはマグネシウム欠乏が関与すると言われているそうです。
これだけでもマグネシウムを摂取する意義があるように感じられますね。
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2012年07月15日
温室栽培の野菜の話
最近、うつ病の人も増えているなど、体にエネルギーが足りない!と感じる人が増えているような印象を受けます。
もしかすると、食べている食材に問題があるのかな?と思ったりします。
魚でも自然の状態の魚は生き生きと生きているので身が締まっていて美味しいのだと思いますけれど、そもそも生き生きしているものをいただくことで私たちも生き生きするのかもしれません。
ただ、養殖の魚がかなりを占める鮮魚売り場ばかりですので、近頃はどれが自然の魚なのか、探すだけでも苦労してしまいますけれど・・・
陸上の作物にしても同じことが言えますね。
旬のものは栄養素が豊富と言われます。データの裏付けもどこかにあるのかもしれません。
では、温室で栽培された作物はどのような性質を持っているのでしょうか?
温室で栽培された作物は、私たちの食卓にはもう欠かせないものになってしまっていますが、太陽の恵みをあまり得られていない作物にはエネルギーが足りないと感じられます。
陰陽理論から考えると、温室栽培の作物は太陽から得る陽のエネルギーは少なく、物質としての陰のエネルギーが多いのは当然なのかもしれません。
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2012年07月08日
夏のエアコン対策について
夏を迎えつつある今日この頃ですが、そんな中、エアコンがお肌に悪いということを聞きました。
では何が悪いのでしょうか?考えてみました。
ひとつは循環障害。
肌が慢性的に冷えてしまうことが予想されます。そんなときは体温を逃がさないように血管が収縮してしまいます。すると循環の悪い皮膚になってしまうでしょう。
次は汗の問題ですね。
冷えることで汗腺の働きが悪くなるでしょう。すると汗の量が減ってしまいます。汗からは体のいろんな老廃物がでているのですが、それが出る量が減少してしまいます。老廃物が体から抜けにくくなることが肌荒れの原因になることもあるでしょう。
あとは循環が悪くて汗がでないので、水が体にたまりやすくなります。その水はエネルギー(気)や栄養分(血)の流れを妨害するかもしれません。そのときには肌荒れの原因になってしまいます。
ということは・・・。対策は?というと・・・
まずは皮膚が冷えないようにエアコンを弱められるなら弱くする、できないのであれば一枚羽織るようにします。またときどきエアコンを切って窓を開けましょう。換気の意味合いもありますが、汗腺に刺激を与えるためでもあります。そして、水分をがぶがぶ摂取しないようにして、少量の摂取を少し回数多めにするようにしましょう。
これで夏のエアコン対策も万全ですね!
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2012年07月01日
今後は香りの研究が重要になるでしょう
これから香りとかアロマセラピーを勉強していきたいと言ってからしばらく時間が経ちました。患者さんの治療を考える上で、どうしても肉体レベルで考えていると解決できない内容が出てきます。
肉体レベルというのは、つまり細胞レベル、通常の薬の臨床試験のように実験的考察を基盤にした治療ということです。
例えば耳鳴りとかニオイの障害などは、肉体に作用する通常の薬を使っているだけでは治癒に程遠い感じが否めません。耳鳴りが同じなのかどうかは分かりませんが、ニオイは感情と密接な関係にあるので、感情にも働くアロマセラピーのようなものが必要だと思うのです。
これから少しずつ研究していきたいと思っています。
男女2200人の調査によると、仕事中の気分転換に実践している方法(例えば、好きな飲み物を飲む、トイレに行くなど)に満足している人は25%にとどまり、新しい気分転換を試したい、という回答が89%を占めているのだそうです。
これは嗜好の多様化という側面もあると思いますが、気分転換を求めている人が現実に多いことも示していると思います。
回答者の82%が香りの気分転換に対する効果を認識しており、これからさらに香りの研究が重要になってくるように感じます。
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2012年06月22日
ゲルソン療法について少し感じること
癌患者さんの間で、人参のジュースを愛飲している人が多いように感じていました。確かに良いのかもしれませんが、どこからそういう流れができているのかよく分かりませんでした(鈍い?)。
恐らくゲルソン療法というドイツの治療方法が元になっているのですね。
ゲルソン食事療法は、大量かつ多種類の野菜ジュースを飲むことになっており、人参とレモンとリンゴを基本にジュースを作るのだそうです。
実際に同じような内容で野菜ジュースを作ってみると、リンゴのレモンの量を調整するとかなり美味しく飲めますね。癌患者さんの場合には継続が大切ですから、ある程度美味しいものでないとダメなわけです。
また、このゲルソン療法の中では自然農法で作られた野菜を摂るように勧めています。昨今、作物の肥料による汚染が気になるので、明確に自然農法を打ち出していることには大変好感を持ちます。値段がやや高いのは気になるところですが、自然農法をしている農家を買い支える意識が消費者の私たちにも必要かもしれません。
コーヒー浣腸についてはやったことがないので分かりませんが、重金属や化学物質の解毒のような効果があるのでしょう。
サイトから見る限りですが、ゲルソン療法は汚染物質の解毒をしながら、微生物による汚染のない新鮮な野菜を摂取していき、身体の細胞全体を良いものに入れ替えていく療法のように思いました。
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2012年06月17日
うがいはやはり風邪予防になるのか
うがいは日本と韓国だけの習慣なのだそうです。
実は私、うがいはしないのです。 習慣ですかねー。
何でしないのかというと、本当に風邪の予防になるのかな?という疑問があったのです。
もちろん、うがいが効果のある場合もあるので、それはそれで診察の中で使っているのですけれどね。でもそれは、ウイルス性感冒と明確に断定したときですので、予防というよりも治療で使っていることになります。
さて新聞の記事ですが、大学の研究チームが保育園児19000人の調査を行った結果から、うがいは風邪予防に効果があるという結論をだしています。
これによると、水道水でも3割程度の風邪抑制効果があり、緑茶うがいに至っては7割の抑制効果があるとのこと。園児の風邪は他の要因も作用するとは思いますが、19000人のデータですから馬鹿にはできません。
私は自分の風邪予防は衛気を高める(つまり気のバリアを強化する)のが一番だろうと思っていますが、そのバリアが破られたときにはうがいも有効なのかもしれませんね。
衛気の考え方は重要だと思います。検索をかけると多数のサイトがヒットしますのでご確認ください。
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2012年06月10日
貧血には要注意!~重大な病気が隠れているかも!
最近、妊婦さんの診察をする機会が増え、そういう内容のことを書くことが多くなりました。
先日も貧血の妊婦さんがいらっしゃって、鉄剤でももらっていらっしゃいと言われたとのことで、来院された方が来られました。
貧血の値は妊娠前期には12台であったものが、妊娠後期には10.9とのこと。
婦人科の先生は問題視されていなかったとのことですので、まあ問題ないのかもしれません。確かに妊娠によって貧血は進行するらしいです。
ただ、たくさんの赤血球を作るために鉄分が消費されて、鉄欠乏性貧血になるというのが理屈のはず。
先日来られた患者さんは、ヘム鉄を持たせてみても鉄分を受け入れません。これは鉄欠乏性ではないのかもしれません。
しかも血液検査の結果から正球性正色素性貧血と診断されています。ビタミンBが少ないときには、鉄欠乏があっても正球性になることはありますが、鉄が欠乏している様子がないのに正球性の貧血ということはどういうことか?
もしかして、消化管とか、子宮内で出血しているのでは??
そういう風に考えて、私の診察はおしまい。あとを専門の先生にお任せすることにしました。どうなるでしょうか?
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2012年06月03日